みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★2.《ネタバレ》 当たり前の日常。家族で一番早く起き、朝食用の茹で卵を作る。オーケストラのリハーサルに行き満足した演奏が出来ないまま帰路に着く。妻との間に、そして子どもたちとの間に何があるのか?冷めてもいなければ温かさもない日常。チェロの演奏もまた然り。日々リハーサルを積んでもそこには新たな喜びもなければ達成感もない。 そして、特に必要性もないまま唐突に発した「今何時?」という一言。聞かれた女はその時点で彼と同期する。或いは入れ替わり始める。そして、彼と同様に彼女もまた誰かに時間を聞く。その上で彼女は彼を追う。否、追っているようでいて追ってはいない。それは彼女は彼だから。自宅の鍵も所持している。夫として父親として家族に受け入れられる。更にはオーケストラにも受け入れられる。そのことは即ち彼が存在を失ったということなのか。しかし、彼は誰なのか判らないまでも少なくともそこに存在する。そして、もしかしたら彼女がそうだったように、彼もまた失った存在を取り戻すべくNIMICを求めるのでしょう。誰かに時間を訪ねるカットこそありませんが。もしかしたら連鎖を断ち切る?そんなことはなさそう。 タイトルの「NIMIC」はルーマニア語で「何もないこと」らしい。何もない彼女は全て揃っている(機能しているか否かは兎も角として)彼になり、彼はいったん「NIMIC」となって行く先を求める。存在は本質的には限りなく不安定かつ流動的であって、見極める間もなく移ろいでしまうものなのだ、といったメッセージなのでしょうか? 日々の生活の足元を揺るがされるような不気味さが漂う、単調ながら不安と期待が綯い交ぜになった短編作品でした。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-04-11 00:09:53) 1.《ネタバレ》 わずか12分でランティモス独自の不条理さを堪能できる短編。 チェロ奏者の男が謎の女によって、父親としても、夫としても、演奏家としてもアイデンティティを奪われ、居場所も奪われる。 最低限の台詞と生活感のない無機質な空気が常に緊張感を漂わせながらも、 見た目の時点で性別すら完全に違うのに誰も気づかない、演奏の下手さも模倣している辺りにブラックユーモアを感じさせる。 全てを失い、何も無くなった男は、電車でアフリカ系の青年に話しかけられるが、彼の人生を乗っ取るつもりだろうか? 入れ子みたいな構造でクセになりそう。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-03-11 22:57:22)
【点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS