みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
13.《ネタバレ》 台湾の高校(高級中学)の歴史教科書(2018年版)を日本語訳した出版物を読むと、文化の発展に関する記述の中で、「悲情城市」(1989)の後にいったん低迷した台湾映画界を再興した映画として特記されている。 しかし教科書に載るほどの歴史的映画にしては軽めの映像・演出・展開で、時間は長めだが重苦しさがないので一般受けするのはわかる。笑わせて盛り上げてから泣かせるタイプの娯楽映画であり、ジャンルには「コメディ」がないが入れた方がいい(IMDbではComedyが最初に出ている)。自分としては三つ子が別々の方向に走ったところは笑ったが、しかし黒人女性に関するギャグは現在だとポリコレ違反の恐れがある。 物語としては、台湾島南端の屏東県恒春鎮(劇中では単に「恒春」)の周辺住民で無理やり作った速成バンドが、各種問題を適当に乗り越えて最後にライブを大成功させる展開になる。そこに第二次大戦時と現代の二組の男女の恋愛を重ね合わせ、かつての悲恋が時を隔てて成就した形を作ったらしい。 登場人物には老若男女を揃えてあり、またエスニックグループとして先住民や客家人も入っている。そのように、いろいろな人々からなる台湾の住民が最後に皆で一体感を出していたのはいいとして、何でそこに日本人がいなければならないのかは不明である。日本人の立場からすれば、そういうのは内輪でやってもらえばいいのではと思うが、しかし虹でつながった日台間をここで再び結ぶ意図が初めからあったようではあり、また例えば、かつて外から来た日本人が台湾の人々をまとめるきっかけになったのをここで再現しようとしたとも取れる。 ただし劇中日本人が変な奴ばかりなのは何かと苛立たしい。感情が激昂してなお言語明瞭に相手を罵倒し続けるのは日本人的とは思われず、これはヒロインがすでに現地に同化しつつあると思うしかない。ちなみに日本人が面倒くさい連中だと思われていることはわかった。 台湾の人々にもいろいろ考えはあるだろうが、少なくともこの映画では日本がわりと肯定的に扱われているようではある。特に悪気もないらしい。 ほか個別事項として、披露宴の場面で壇上の美女が歌い始めたのは、「熱帯魚」(1995)でも聞かれた日本の昭和歌謡「恋をするなら」(1964)のカバー曲だった。よほど台湾で人気の出た曲らしい。また夜の海辺で酔っ払いの男が思いがけず優しくされる場面があったが、こういうことをされたらおれでも泣く。 【かっぱ堰】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-10-09 11:50:09) 12.《ネタバレ》 台湾の日本へのラブコール的なものは日本人として心して受け止めなければなーとは思うが、それと映画が面白いかどうかは別で、とにかく、観てる間ずっと、なんじゃこりゃ感が僕の心で巻き起こった。どの人物も何を考えてるのか、よくわからんし、観てて恥ずかしいセリフや表現のオンパレードで、コミカルな部分もちっともおもしろくない。きついぞ、これはと思っていたら、ラスト20分、ここからライブシーンになるのだが、それがかなり良かった。歌も当然良かったんだけど、オーディエンスのノリをはじめ、バンドメンバーのかっこよさなど、そのライブ感がなんだかドンピシャと心に響く感じで、そこに恋人への手紙の過去の描写が加わると、それまでの映画のなんだかなーって気持ちも、許せてしまうってゆーか、そもそも勝手に人の手紙を読んでいいのかとゆうことすらも全てオッケーと思えてしまいました。これぞ、音楽の力か。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-07-01 04:10:03) 11.うーん、なんつーか台湾のいい雰囲気はでてるんですけど、作りが雑?日本人の演技が総じてひどかった気がする。 【しっぽり】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-06-30 19:41:50) 10.《ネタバレ》 かつて台灣は日本であった。個人的に大日本帝國の植民地政策を肯定するつもりはさらさらない。しかし日本統治期を生きた台灣人の夠くは、それでもかつて自らが「日本人」であった過去を愛おしみ、また懐かしむという。日本が第二次世界大戰に敗れ、台灣が中國國民党に委ねられた時、彼らは思ったに違いない。なぜ私たちを見棄てて行ってしまうのかと。あなたたちと同じように、私たちもまた日本人ではなかったのかと。『海角七號」が描くのは、まさに日本人が台灣を去ったその日に書かれた七通のラブレターである。手紙を書いた若き日本人教師とその宛先たる女学生は、かつての日本と台灣の姿そのものだ。手紙は語る。「君には解るはず。君を棄てたのではなく、泣く泣く手放したということを。みんなが寝ている甲板で、低く何度もくり返す。棄てたのではなく、泣く泣く手放したのだと。」引き出しの隅に隠され決して投函されることのなかったその戀文を、「海角七號」に住むうら若き「小島友子」はどれほどの想いで願い、そして待ち望んだことだろう。楊徳昌や侯孝賢らの名を持ち出すまでもなく、台灣映画のレベルはとても高い。その意味では、本作の出来はお世辞にも良いとは言い難い。冗長で野暮ったく、粗だらけですらある。だがこの映画には、多くの台灣人の想いを代弁する“心”が宿っている。台灣では、映画館に足を運んだ日本統治期世代の老人たちが劇中幾度も挿入される日本語の唱歌「野ばら」を合唱し、おそらく心のどこかで待ち望んできたであろう件の聲にそっと涙したと聞く。だが台灣映画の歴代興収を塗り替えるほどの大ヒットとなった本作が、日本で大きな話題になることはついになかった。日本人から台灣人へのラブレターを描いた『海角七號』は、その実、台灣人が日本人に宛てた切なる戀文なのだろう。だが日本人はまだ、引き出しの隅に大切な手紙を仕舞い込んだままだ。 【BOWWOW】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-01-24 15:46:59) 9.台湾人男性と日本人女性のラブストーリーと、前座バンドの物語が軸だが、そこに、敗戦によって引き裂かれた日本人男性と台湾人女性の60年前の恋文が絡んでくる。 正直言って、序盤の唐突な場面展開やあまりと言えばあんまりなBGMにげっそりさせられたし、周囲の人々の人情劇もコミカルに描いているんだろうけれど、ほとんど笑えず、スベリっぱなし。 でも、虹が見える中盤あたりから俄然よくなり、ラストのライブシーンではなかなか魅せてくれ、爽やかな余韻を残してくれた。 映画そのものは決して褒められた出来ではないが、この映画が台湾で大ヒットしたということを聞くと、中国や韓国と似たような過去を持ちながら、台湾人の親日的な態度にはびっくりさせられる。 台湾の田舎、海辺の町はとてもキレイで行ってみたくなった。 【poppo】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-08-19 21:36:32) 8.全体として作りこみは雑だけど、何か心温まる映画だったなあ。台湾映画はそう見る機会はないけど、日本との戦時中の関係とかもっと知って観たくなった。台湾の人がいい味出してると思う。日本人役の女性はちょっと演技今一。 【カボキ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-16 04:10:53) 7.なんか惜しい。最後にライブの大団円、音楽の力でぐいっと持っていかれるのはとてもいい、それぞれの登場人物のストーリーが語られるのもとてもいい、今ひとつまとまっていない感じがするのは、主人公をめぐる恋愛のストーリーが薄いからなのか? それぞれが抱えてこんでいるモノの重さがそれほど重く感じられなくて、恋愛成就のために乗り越えるハードルが今ひとつ見えない。そしてそれを乗り越える動機が他人の手紙というのはどうかと思う。あの手紙の内容と、現代の方のラブストーリーを具体的に絡める必要があまり感じられなくて、そのためになんか破綻してるようにも思える。なによりまず、”それ読んじゃまずいだろ...”って思った。手紙の内容を知るのはそれが届けられたTomokoさんと観客だけにしておいて欲しかった。 でも素材はみんないい、リメイクされて大化けしないかな。。 【hoichi】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-06-13 01:20:55) 6.《ネタバレ》 観る前は、日本と台湾の関係を軸にした悲しく切ない恋愛映画かなと思ってたのですが、実際はコメディ色が強くて全然違ってましたね。でも、そのコメディタッチの中に台湾社会の様々な問題が散りばめられていて非常に興味深かったです。 田中千絵演じる友子が台湾の人たちから見た日本人の姿なんですかね?外国人から見た日本人像は中々面白いものがありますね。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-28 16:29:03) 5.《ネタバレ》 うーん・・前半は面白かったし、結構、期待感があったものの・・バンドが始動し始めると「ダメか・・?」となり、全てがすべっていった感じがする。結局、手紙と映画も繋がらなかったし・・。ただ、戦争直後の手紙の構造が「男性:日本人・女性:台湾人」であるのに対して現在部分が「男性:台湾人・女性:日本人」と入れ替わっていることに日本のアジアでの絶対的な優位が崩れた現実も感じた。メロドラマ的には「優位な国:男性・下位に置かれる国・女性」という構造で映画の脚本は描かれるものなので。戦前の「満映」の映画が「日本男性と李香蘭が演じる中国女性」とのメロドラマばかりだったことが象徴するように・・。中国人男性と日本人女性とのメロドラマは一本もないはず。 【グレース】さん [DVD(字幕)] 3点(2010-07-24 21:22:05) 4.《ネタバレ》 確かに、田中千絵は前半あまりに怒り過ぎで見ていて笑ってしまうくらいのキャラと演技だし、手紙と現在での出来事に、それほどの関連性を見いだせないし、若干意味不明な小話もあったりして、よく言えば自由奔放、悪く言えばまとまりに欠けるシナリオだとは思う。だけど、夕陽に輝く船上で手紙を書いた彼がその美しい詩を朗読し、切ない音楽が流れてくると、なぜかもうそれだけで胸がキュンとしてしまう。現在が舞台の台湾は、みんな俗世的で喧々諤々とした雰囲気なのに対して、手紙のシーンのなんたる幻想的で美しいことか。このギャップが僕としては、ぐっくときてしまう要因であった。そして音楽の力。気ままに書き連ねたシナリオのようでいて実はとても緻密に考えられてポイントを押さえてる。それ故に、台湾で大ヒットしたのもうなずける作品だと思う。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-22 01:21:20) ★3.まず魏監督の来歴から楊德昌のスタイルをつい期待していると、肩透かしを食う。 冒頭のバイクの疾走などはまず『百年恋歌』現代篇を想起させ、風情ある地方部が主舞台となり、日本統治時代の回想が入るなど、どちらかといえば楊德昌というよりも80年代の侯孝賢的なルックを持つ。 序盤の垢抜けないコメディ・パートといい、詰め放題・拡散し放題の生温いドラマ展開といい、劇中でのなかなか結束しないバンドと同様にどうなることやらと最後まで心配になってしまうが、逆にその雑然・混迷ぶりがクライマックスのコンサートの集約感を一気に高め、高揚させる。 それまでの丁寧な人間関係描写あってこそ個々のメンバーの合奏が魅力を持つものになっている。 複数の世代、国籍、生活言語が共存する齟齬が生み出すドラマの実感、夕日に染まる漁港を始めとする美観にバイクの運動を組み合わせた情景ショットの見事さなど、徹底してローカルに拘ったゆえのヒットは肯ける。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-02-11 20:44:27) 2.差出人も宛先も不明の日本から台湾へ、過去から送られてきた男から女への思いが切々と綴られた手紙。作品中随所で手紙の内容が挿入される。しかし作品の方はその手紙に恐らくは全く関係ないであろう人々の人間模様を描くコメディでした。そしてメインテーマであるはずの手紙の存在を忘れそうになる。そして忘れた頃に突然手紙が挿入される。その度に過去に何があったのだろうと思いをはせる。しかしすぐに作品はその手紙とは全くリンクしないと思われるガヤガヤした現代の台湾の話に引き戻される。この手紙がどうなるのかが気になって現代の台湾のコメディに気持ちが入っていかない。結局はどっちつかずの物足りなさが残る作品でした。ただ、キーボード担当の少女が台詞は少なかったけどなかなかいい存在感がありました。いつかまた別の映画で再会したいですね。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 3点(2010-01-23 20:47:38) 1.うーんダサいなー、この映画。そして安っぽい。(予算云々の話でなく) なんか演出が、10年以上前の日本のメロドラマみたい。演出とか、セリフ回しとか全てがダサくて安くてむずがゆくて肌に合わない。音楽が重要な要素の一つなんだが、後半は良くなってくるものの特に序盤のBGMは酷すぎる。 そして、主演二人の魅力が極めて弱い。ヒロインなんか凶暴で情緒不安定で意地悪そうで可愛くないし。この二人がどうなろうと全く興味がわかない。 脇役陣はいい感じの人たちが揃っていて、魅力薄な主人公ふたりを食っちゃってます。そんな人達のドタバタは笑えるところももちろんあるけど、こんなおちゃらけコメディとは思わなかった。物語の核のはずの手紙(海角七号)の話がなんか添え物のようだ。 ゲストキャラとして参加してるミュージシャンの中孝介がは、見るも無残な棒演技。 最終的に後味良く帰れたのは完全に歌の力だ。「のばら」は文句なしに名曲。 しかしながら、製作者の日本への友好的なメッセージが伝わってきて、こういう映画が台湾で大ヒットしてるってのは素晴らしいことだとは思います。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 5点(2010-01-23 11:28:16)(良:1票)
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