みんなのシネマレビュー

フラガール

Hula Girl
2006年【日】 上映時間:120分
ドラマコメディ青春もの実話もの音楽もの
[フラガール]
新規登録(2006-03-20)【鉄腕麗人】さん
タイトル情報更新(2024-07-05)【イニシャルK】さん
公開開始日(2006-09-23)


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監督李相日
演出秋永政之(擬斗)
キャスト松雪泰子(女優)平山まどか
蒼井優(女優)谷川紀美子
山崎静代(女優)(南海キャンディーズ しずちゃん)熊野小百合
徳永えり(女優)木村早苗
池津祥子(女優)佐々木初子
高橋克実(男優)木村清二
岸部一徳(男優)吉本紀夫
豊川悦司(男優)谷川洋二朗
富司純子(女優)谷川千代
三宅弘城(男優)猪狩光夫
志賀勝(男優)熊野五郎
菅原大吉(男優)若松浩司(炭鉱の労務係長)
寺島進(男優)石田
及川以造(男優)組合幹部1
北島義明(男優)組合幹部2
眞島秀和(男優)徹(バンドメンバー・ウクレレ担当)
大河内浩(男優)炭鉱の組合長
山田明郷(男優)小百合の祖父
上野なつひ(女優)宮田比呂子
脚本李相日
羽原大介
音楽ジェイク・シマブクロ
主題歌ジェイク・シマブクロ"Hula Girl"
挿入曲ジェイク・シマブクロ"Wish On My Star"Featuring Jennifer Perri
撮影山本英夫〔撮影〕
製作李鳳宇
河合洋
細野義朗
シネカノン
S・D・P(スターダストピクチャーズ)
川島晴男(製作委員会)
企画石原仁美
シネカノン
プロデューサー石原仁美
杉原奈実(アシスタントプロデューサー)
祷映(ラインプロデューサー)
制作シネカノン
配給シネカノン
特撮OLM(CGI)
美術種田陽平
編集今井剛
加藤ひとみ(編集助手)
録音白取貢
照明小野晃
その他シネカノン(提供)
ハピネット・ピクチャーズ(提供)
S・D・P(スターダストピクチャーズ)(提供)
吉田康弘[監督](応援スタッフ)
武正晴(応援スタッフ)
松本昇和(応援スタッフ)
木村信也(応援スタッフ)
滝本憲吾(応援スタッフ)
東京現像所(現像)
あらすじ
昭和40年。福島県にある炭鉱会社は炭鉱に見切りをつけ、レジャー施設常磐ハワイアンセンターを設立しようと考えその目玉としてフラダンスのショーを企画していた。そのためにわざわざ東京からフラダンサーの平山まどか(松雪泰子)を招き、地元の女性たちにダンスを教える先生になってもらうことにした。しかし鉱山で働く地元住民たちは本業を廃止してレジャー施設を作ろうとする炭鉱会社に猛反発する。常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)設立時の実話をベースに映画化。

花守湖】さん(2006-10-25)
全てのをあらすじ参照する

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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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285.タイトル的に「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」とかその類だろうな、と思って視聴しましたが、視点が違う。
主役である少年少女視点で描く青春物語、ではなく、周囲の状況込み込みで描く大人の世界の中に存在するフラガールという存在、という感じ。

東北の田舎町、鉱山業で生計を立てる人々、しかし鉱山が閉鎖されるという。鉱山が閉鎖された後に建てられるのが、全く異色のハワイアンセンター。

祖父の代から引き継いできた誇りある仕事を手放せと言われてはいそうですかと受け入れられない人、地元の連帯感がある中で生きるために考え方を変える人、今の在り方を守ろうとする人、東京から来た地元の事情を知らないチャラい女を受け入れられない人、肌の露出や「見世物」的なものに抵抗がある人、家族のために家族に逆らってでも闘う人、やりたいと思ったことをやろうとする人。

こういった外側から見た視点に重点を置きつつ、かつ軸として「フラを踊ろうとする女性たち=フラガール」が据えられているため、どのシーンにおいてもある人の意見に納得できるし、ある人の意見に納得できない、といったことになり、時にはムカつき時には涙しつつ入り込んで見ることができました。

正直フラダンスというものがどういうものかは全く知らなかったしなんなら何が凄いのかよくわからない地味な印象があったので、鉱山とハワイアンという全くかけ離れた存在が題材にされていることで、確かに映えるな、と感じさせられました。 53羽の孔雀さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-03-23 22:36:54)

284.《ネタバレ》 笑いあり涙ありの感動作なのですが、特に笑いのパートが、非常にわざとらしくて笑えないものであり、序盤30分程は激しい振るい落としを掛けてきますので、そこを何とか踏ん張る必要があるのかなと思います。「常磐ハワイアンセンター」という素材自体は、非常にポテンシャルが高くて、目の付け所がいいなと思いました。国内で石炭産業からの転換に成功した、ほとんど唯一の例だと思いますが、炭鉱という昭和のノスタルジー、フラダンスという明るい南国情緒と奥深さ、スポ根的な要素、村おこし的な要素などなど。ノスタルジーというか、現在に至るまでに日本人が積み上げてきた、歴史の1ピースとして愛おしく思えてきて、時の流れの重みに押されてブワッと来るんですよね。というように非常にいいところと、非常に惜しいところが混ざっていて、もうちょっと洗練したものにしてもらえると、見る方もずっと楽なのになぁと感じました。富士純子とか岸部一徳とか凄みのある演技ができる人も、終盤までは、過剰演出に引き摺られて、今ひとつなんですよね。 camusonさん [DVD(字幕)] 7点(2024-02-22 18:05:53)

283.《ネタバレ》 かな~り前にラストのダンスシーンだけ観た記憶があったんです。
この監督の作品でエンドロールの文字がピンクっていうのがあったんだとそれにいちばんびっくりしまして、なぜか余計に
李相日監督は信頼できる監督のひとりになりました。こういう映画も撮っていたのね。
16年前となるとやっぱりみんな若いですね~
王道なんですが実話っていうことで納得できてしまうとこがあります。
うちの息子は蒼井優ちゃんのことがお気に入りのようで中学、高校の頃は部屋に蒼井優ちゃんのポスターが貼ってあったっけ。
あっさりした顔立ちで見た目の強烈さがないぶん、いろんな役柄に対応できる女優さんという印象です。演技力もかなりのものですね。
早苗ちゃんのことも実話なのかな?悲しかったですねぇ。早苗ちゃんにこそラストで踊ってもらいたかったなぁ。
子持ちとしずちゃん、あと二人くらいメンバーの人となりがわかるシーンがあってもよかった、その他のメンバーの扱いが雑なのが気になりました。
厳しい環境、条件の炭鉱の町、ダンス、親の反対。母親が娘のダンスを見て心を動かされる、、、
あのシーンを観てたら「リトル・ダンサー」が観たくなったのでした。炭鉱の町で子供世代が夢に向かうストーリーに外れはないかもね。

口コミで広がり大ヒットになったっていうのがよくわかる作品でした。
新作「流浪の月」も気になります。 envyさん [インターネット(邦画)] 8点(2022-04-26 15:09:39)

282.《ネタバレ》 話がありきたりというかテンプレでだいたい予想できた。
テンプレなりの感動はあった。
話の作りが起承結で転らしい転がなかった。
強いて言うならストーブ集めのシーンかな?
あれも主人公の母ががんばった訳で。
主人公が追い込まれてないのも大きい気がする。 Dry-manさん [インターネット(邦画)] 5点(2021-05-05 00:09:20)

281.(2006年 劇場にて鑑賞時のレビュー)

先日TBSの「情熱大陸」で蒼井優の女優魂を垣間見て、さっそく気になる女優No1となってしまった蒼井優を目当てに観に行きました。
かの岩井俊二が「蒼井優と仕事すると、自分が凡才だって思い知らされる」ような主旨のことを言ってるくらいなんですから。

さて、その蒼井優ですが、それはもう素晴らしい女優っぷりでした。巷間よく言われているように、松雪泰子を完全に食ってます。
今まで蒼井優と宮崎あおいを混同していたほどで、「要するにアイドルだろ」くらいにしか思っていなかった自分が恥ずかしい。

作品としてこの「フラガール」はどうか。
実はまったくノーチェックで観たので、そのシリアスな設定に驚かされました。

昭和40年頃の閉山間近の炭鉱の町という設定だとは夢にも思いませんでした。かの「スパリゾート・ハワイアンズ」が炭鉱の失業対策だったとは・・・。正直、スパリゾートを見る目が変わりました。宣伝効果抜群ですね。

閉山間近の炭鉱の町という設定からは、ちょっと前のイギリス映画をついつい連想してしまいます。「ブラス!」とか、ケン・ローチの「ケス」あたりを。

イギリス映画的な、シリアスながらもユーモアもありハートフルでもある作風でした。ケン・ローチあたりに影響を受けてるのかな。
散漫な文章になりましたが、ともかくいい映画です。
今年の日本映画No.1は決定かな(って、ぜんぜん今年は観てないから大きな声で主張はできませんが)。

去年「ALWAYS」で今年「フラガール」となると、なんだか昭和を描いたノスタルジックな作風が流行になりそうで、それはそれでちょっとイヤな感じはありますけどね。 りょうちさん [映画館(邦画)] 9点(2021-02-06 00:59:17)(良:1票)

280.《ネタバレ》 紀美子がフラに出会い、1人前のトップダンサーに成長するまでを描いた、スウィングガールズやウォーターボーイズのような作品として観ていた。それも間違いじゃないけど、あんまり残らない映画だったなぁ。
今回二回目の鑑賞。落ちるとこまで落ちたダンサー平山まどかの自分探しと成長の作品として観ると、これがよく出来た作品だと思えたから、不思議だ。
町の風景や居酒屋、フラ教室、登場人物の服装まで、60年代の炭鉱町をよく再現できていると思う。一部東北の方言がオーバーに思える人もいるが。
イチからフラダンスを習うのに集まったド素人の炭鉱娘たち4人と、ある程度基礎は出来ている人に本場のダンスを伝授するんだと思って呼ばれたであろう平山。話が違うと初っ端からハレーションが起きる。プロを呼べばいいじゃない。とか、来てしまったあのタイミングで言うところから、平山の状況の理解してなさが伝わる。山を何とかしたいと思う吉本の努力が裏目に出てしまったんだな。ド素人の集まりだといえば平山は呼べなかったろうし、基礎が出来てないと駄目だと言えば、炭鉱娘は集まらなかっただろうし。
紀美子達は平山の教え方に誰もついて行けない。それはそうだ、平山はきちんとしたゼロからの教え方なんて専門外なんだから。それでも親の借金で先がない平山は、プライドを捨てて炭鉱町に残り、ド素人にどうやって教えたら良いかを、一生懸命工夫する。
平山にとって早苗の事件はかなりショックだった、早苗の父を風呂場まで殴りに行く。彼女のまっすぐな性格が出てしまった。翌朝「父ちゃんを殴った東京もん」として、早苗との別れの日に顔を合わせられなくなる。これは洋二郎にバケツの水を掛けた後に居酒屋で会ってしまった時も同様。突っ走って後から後悔する性格のようだ。フラを教える条件に『どんなに辛くても絶対に泣かない』と言っておきながら、早苗との別れに泣いてしまう平山。
炭鉱の映画で落盤事故は付きものだけど、平山はフラ決行の決断を一人で背負う。罵声を浴びせられながらも、借金を返す手段(仕事)と引き換えにフラガールたちを守り切る。東京から逃げてきたと言われ続けた彼女だが、彼女は親の借金も生徒たちも、自分を犠牲にして受け止めた、不器用な女なんだ。

松雪泰子と蒼井優のソロパートは圧巻。だけど最初観たとき、練習(特訓)風景があまり無いのに、みんないつの間にかフラが上手くなっているのが、なんか都合よく見えた。だけど、他のダンサーはプロかと思ったら、全員ダンス経験の無い女優さんたちなんだそうな。凄い猛特訓、猛練習をしたんだろうな。そこをもっと映画のなかで描いても良かったかも。
最後に早苗の再会とか作ってほしかった気もするが、当時の常盤と夕張の距離を考えると、それは無理。もし最後に早苗が登場して、ステージで一緒に踊ったりしたら、単なるお気楽な青春映画に成り下がっていただろう。
そしてこの映画は平山先生、紀美子、紀美子の母の三人の女性の生き様、成長を5:4:1くらいの割合で描いたため、それぞれが描き切れてないように思う。紀美子がどうしてセンターになったのか、才能なのか努力なのか。そして母の心情の変化をもうちょっと丁寧に描いた、3時間バージョンなんかもあると良かったな。 K&Kさん [地上波(邦画)] 8点(2020-12-20 11:06:32)(良:1票)

279.同じ映画でもそれを観る年齢で評価が変わる映画ってもあると思います。
この映画も例えば僕が20代のときにはじめて観たのなら感動して8点とか9点とかあげたかもしれません。
しかしある程度大人になってからの視点で観ると、エピソード盛りすぎやりすぎ感強すぎ、とにかくわざとらしすぎて感動の押し付けがくどいのです。
映画で与えられる感動というのはもう少しスマートに見せてこそ…なんじゃないかなぁ…という思いが拭えません。

それでもクライマックスのフラダンスのシーンをそれなりに感動して観る事ができるのはさすが評価の高い映画なのかな、と。
だって(こういっちゃなんですが)TDLあたりのフラダンスショーとか観てても退屈じゃないですか笑
それが退屈じゃないってだけですごいのかな、とも思ったりするわけです。

あと、その時代を知ってるかどうか…も重要かもしれません。
この映画で描かれている時代、日本人にとってハワイがどれだけあこがれの地だったか。
それを肌感覚で知ってるかどうかで受ける印象は変わってくるんじゃないでしょうか。
安直に便乗して「ハワイアンセンター」という(言っちゃなんですが)ダサい施設を作ってしまう、まるで近年の中国のような、そんな時代があった事を知ってるかどうかでこの映画から受ける印象も違ってくるのかな、と思います。 あばれて万歳さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-05-08 17:23:34)


278.2006年は忙しくて見逃していた本作。
蒼井優さんのご結婚で放送され、私もめでたく観る事が出来ました。
遅ればせながら、おめでとうございます。

そんなに涙もろくない私ですが、2~3回は泣きました。
いわき弁なのが良いです。
いわきの友達いるので他人事ではなく感じてしまって・・・・

私、最近は余裕もできたので、ハワイアンズでフラガール見物するぞ!
決心させてもらった傑作。
たんぽぽさん [CS・衛星(邦画)] 10点(2020-01-31 18:24:25)

277.最後の優ちゃんのひとりでの踊りが圧巻。それ以外は、10年もたつと覚えていない。年とともに、評価を下げた作品 にけさん [映画館(邦画)] 7点(2018-12-28 05:15:21)

276.松雪泰子の先生と、徳永えり演じる主人公の友達役の関係性が良かった。
その他の展開は唐突で薄味な感じ。
例えば主人公の母親が心変わりする過程が描写不足だったり。
蒼井優と松雪泰子の関係性も物足りなかった。
その辺りがラストのダンスシーンの感動の薄さにも繋がってるのかなと。
わかりやすい映画なので評判がいいのは理解できる。 Nigさん [DVD(字幕)] 5点(2018-08-21 04:01:50)

275.いい話でした。
しずちゃんがいい演技してたと思います。
母ちゃんが、キミコの練習する姿をみて、町中から、ヤシの木を枯らさせないために、ストーブを集めているところと、
母ちゃんがこっそり舞台をみにきているところは、母親の愛を感じてしんみりします。 へまちさん [DVD(邦画)] 7点(2017-08-20 13:55:05)

274.《ネタバレ》 「良い映画」でもその一言で完結してしまう作品だ。
不要な泣かせポイントが私にはイマイチはまらなかった。


蒼井優は相変わらず透き通った良い演技をする。
完全に私個人の願望だが、徳永えりの素朴ながら希望に満ち溢れた感じが好きだったので、
途中で「フラガール」を離脱せずに最後まで踊ってほしかった。 鈴木さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-05-01 22:52:41)

273.《ネタバレ》 約10年前の作品だが、今となって初鑑賞。結果、いい作品を掘り起こしました。
3人(指導者、紀美子、紀美子の母)のキャストが個人的にぴったしハマって、迫真だった。この映画は、この3人の成長物語でもあると思う。
炭鉱がある町をテーマにした映画は複数あるが、この映画は炭鉱とフラダンスという全く異質の存在をうまく融合させている。異質すぎるからこそ、人々同士の衝突も不可避で、本作もそこを掬い上げて扱ってくれている。
シーンでいうと、生徒たちが電車ごしにフラを見せて先生を呼び戻すなんてキレイすぎるけど、そういう細かいことなども最後のパフォーマンスで一新させられる。
フラダンスとは無縁の生活を送っているうえ、時代背景も1966年とずいぶん昔なので最初はそれほど期待していなかったのだが、1つの日本の時代を感じさせてくれる泥臭い人間劇を見せてくれ、余韻に浸った。 カジノ愛さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-02-19 01:33:47)

272.実話モノだけど、ストーリーは王道ともいうべき。何と言っても松雪泰子のダンスシーンの色気が凄い。蒼井優はじめ他のキャストもよく頑張って踊っていた。 nojiさん [地上波(邦画)] 7点(2017-01-03 18:59:56)

271.《ネタバレ》 実話を元にしたドラマである事を認識して鑑賞すると素で見るより味わい深い作品ですね。昭和の体育会系の根性論。その女バージョンって感じが良い。主人公の紀美子からお友達のフラガールズから果ては紀美子の母ちゃんまで。地に足を付けて根を張り、ド根性で生き抜く【イイ女】の見本市。とりわけ最高なのが平山まどか先生。DVの犠牲にされた少女の親父に敵討ちぶちかますシーンは拍手大喝采!。個人的には【最高の女】だと思ってます。 役者の魂さん [地上波(邦画)] 7点(2016-11-12 11:59:10)

270.《ネタバレ》 最初は「シコふんじゃった。」や「ウォーターボーイズ」、「スウィングガールズ」のようなよくあるタイプの映画かなと思って見始めたのだが、とにかく中盤あたりの紀美子(蒼井優)とその親友・早苗(徳永えり)の別れのシーンあたりからのめり込んでしまい、それまではどこか傍観者的立場で見ていたのにそこから一気に引き込まれてしまった。炭鉱の事故で家族に犠牲者が出て、急遽帰ることを決めたまどか(松雪泰子)たちだったが、小百合(山崎静代)の一言でみんなの前で笑顔で踊ることを決めるシーンももちろん泣けるし、その結果、小百合の父の臨終に間に合わずに責められてまどかがすべて自分の責任ですと東京へ帰ろうとするシーンは、まどかのフラガールたちを思う気持ちが伝わってきてやはりここでも泣ける。このシーンと(前後するんだけど)早苗が父親(高橋克実)からフラのことをめぐって暴行を受け、許せないとまどかが風呂屋で入浴中の父親に殴り込みをかけるシーンは、まどかの非常に情に厚い性格をうまく表現していて、見ているこちらもついまどかを慕いたくなる。だからこそ今まさに列車に乗って東京へ向かおうとするまどかに向かって「私はあなたを心から愛しています。」という手話の意味を持つ踊りで自分たちの思いを伝えるシーンはこちらもフラガールたちと一緒にまどかに思いを伝えている気持ちになって見ることができ、大感動してしまった。(思い出しながらこれを書いていても泣けてくる。)娘のやりたいことについて頭ごなしに否定し、理解しようとしない紀美子の母親(富司純子 初めて登場したときにどことなく東映任侠映画の姉御のように見えてしまった。)がフラを練習する紀美子のところへ早苗からの郵便を届けに来て、フラを練習しているところを見て娘の思いを理解するシーンもベタといえばベタなのだが、二人ともこのシーンでは一言のセリフもなく、二人の表情だけで思いを語らせる演出が利いていて、そのおかげか、この二人にじゅうぶんに感情移入することができ、思わず感動してしまった。本作の中ではこのシーンはいちばん心に残るシーンだったし、このシーンを見るだけでまさにこういうのを映画というんだと実感できる名シーンだと思う。クライマックスのフラのショーは圧巻で躍動感があり、見ごたえじゅうぶんでこのクライマックスも感動的だった。しかし、本作はフラを練習して上達していく過程以上に、フラガールたちと周囲の人々との人間ドラマが深く丁寧に描かれていて、その点で最初に挙げた三作品とは一線を画すような印象があるが、その完成度は高く、人と人との絆の美しさや大切さ、そういったものを見事に描き切っている。正直見る前はあまり期待していなかったが、素直に傑作だと思えるような映画で、本当に見て良かったと感じられる良い映画だった。 イニシャルKさん [DVD(邦画)] 8点(2016-10-01 16:06:44)(良:3票)

269.《ネタバレ》 良かったのは、これが実話に基づいた話であるということと、蒼井優の素晴らしいダンス。それ以外は特に・・・といった印象です。
当時の社会情勢・炭鉱町のシリアスさを伝える表現はヘタクソだし、先生のワケあり度も、あんな程度の描き方なら、ない方がいいのに・・・。紀美子の母が序盤にあの調子で出てきたら最後はどうなるか、誰もが想像できちゃいますよね・・・。文句をつけだしたらキリがありませんが、見古して手垢がついたようなエピソードばかりの雑な脚本と古臭い演出等のおかげで、すっかりシラケてしまいました。
「誰もが感動できる、わかりやすい話」に仕上げれば、収益面では成功につながりやすいんでしょうけど、もう少し大人向けに作ってほしかったですねぇ・・・。 ramoさん [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-11-15 02:45:22)

268.《ネタバレ》 もうぅなんだかね、こんなんどうなの、とか。なんかイロイロ言っちゃろ、とか思ってたけどね、最後のステージを観たら全部吹っ飛んでしまった(笑)。まぁこういう展開のものに弱いというのも分かっちゃいるんだけども、とっても良かった!みんな相当フラダンス練習したんだろうね、いやーめちゃくちゃ頑張ったと思う+蒼井優素晴らしいね、最後のダンスはマジで感動したよ。この映画を観て良かったな~と素直に今思っています。ということで久々の10点満点とさせて頂きますハイ Kanameさん [DVD(邦画)] 10点(2015-09-18 08:41:46)

267.日頃の入力生活がたたりドライアイのひりひり痛む目で鑑賞。泣ける映画はストレスの浄化作用に加えて二重にお得。 tonyさん [DVD(邦画)] 9点(2014-11-10 20:49:12)

266.《ネタバレ》 前半部はコメディ要素が空転している感じもあるが、何カ所か本当に笑えるところもある(菅原大吉氏の「グギってなった今」という台詞が個人的に可笑しい)。全体としては、わりと平凡で結末も見えている成功物語を演出と演技で盛り上げている感じだが、それでも要所の感涙ポイントには素直に泣かされ、またラストのステージショーは、劇場の大画面で見ていれば大感動だったかも知れないと思わせるものがある。
また物語の背景としては、国のエネルギー政策の転換のほか個人の職業観や人生観の変化といったことも出ているが、中で個人的に気になったのは、妹と先生を背後からサポートしたことだけで兄が満足し、自分は斜陽産業とともに消えていくかのような描き方になっていたことである。女は強いということ自体はいつの時代も同じと思うが、それより男がいつまでも既成秩序に縛られる一方、いち早く抜け出してみせるのは女性だという意味であれば、昭和41年というより21世紀向けの映画という気もする。

ところで幼少時からその存在を知っている自分にとって、“常磐ハワイ”は大衆的な娯楽の場としての低俗なイメージが強かったわけだが、この映画を見たことでその印象が一新された気がする。
劇中で出ていたように、親が危篤でも「バカみたいに笑って」ステージに立つという態度は、この種の仕事としては少し極端な気もするが(客の保安に関わらないため)、しかし逆にいえばそれが作り笑いの真の価値ということだろうし、また当然のことではあるが(今さらこんなことを書くのも失礼だが)プロがプライドを持って仕事をする場なのだということを、自分としてはここで改めて見せつけられた気がした。同時にそれが、炭鉱の単なる代替職場を超えた価値をこの場所に生み出したことの表現にもなっている。
さらにいえば、温泉レジャー施設といったものを地域にしっかり根付かせて現在に至る基礎を築いたという、いわば偉業を顕彰する映画にもなっている。別にこれだけで地域経済を支えてきたわけではないにしても、地元の雇用維持に貢献しようという志は出発点から持っていたものであり、また特に今になってみれば、どんなときにも笑顔を提供する元気の素をここに育ててきた意味もあったのではないか。そういったことをこの時点で全国に紹介しておいた点で、この映画もまた有意義なものだったという気がしている。 かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 8点(2014-10-01 23:57:28)

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【点数情報】

Review人数 285人
平均点数 7.07点
031.05% line
110.35% line
241.40% line
331.05% line
4124.21% line
53512.28% line
64415.44% line
75619.65% line
85117.89% line
95017.54% line
10269.12% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.10点 Review30人
2 ストーリー評価 7.29点 Review44人
3 鑑賞後の後味 8.66点 Review48人
4 音楽評価 8.04点 Review41人
5 感泣評価 8.00点 Review49人

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