みんなのシネマレビュー

ある映画監督の生涯 溝口健二の記録

Kenji Mizoguchi:The Life of a Film Director
1975年【日】 上映時間:150分
ドキュメンタリー伝記もの
[アルエイガカントクノショウガイミゾグチケンジノキロク]
新規登録(2003-12-01)【へちょちょ】さん
タイトル情報更新(2021-08-07)【イニシャルK】さん
公開開始日(1975-05-24)


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ブログに映画情報を貼り付け
監督新藤兼人
出演新藤兼人インタビュワー(ノンクレジット)
永田雅一(取材協力)
山路ふみ子(取材協力)
岡本健一[照明](取材協力)
川口松太郎(取材協力)
入江たか子(取材協力)
成沢昌茂(取材協力)
柳永二郎(取材協力)
京マチ子(取材協力)
小沢栄太郎(取材協力)
進藤英太郎(取材協力)
森赫子(取材協力)
浦辺粂子(取材協力)
香川京子(取材協力)
伊藤大輔(取材協力)
酒井辰雄(取材協力)
中野英治(取材協力)
依田義賢(取材協力)
宮川一夫(取材協力)
若尾文子(取材協力)
増村保造(取材協力)
山田五十鈴(取材協力)
絲屋寿雄(取材協力)
木暮実千代(取材協力)
三木茂(取材協力)
中村鴈治郎(二代目)(取材協力)
田中絹代(取材協力)
乙羽信子(取材協力)
内川清一郎(取材協力)
牛原虚彦(取材協力)
林美一(取材協力)
脚本新藤兼人(構成)
音楽林光(選曲)
作曲ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト「ピアノ協奏曲第27番」
撮影三宅義行
黒田清巳(応援撮影)
製作新藤兼人
近代映画協会
配給ATG
編集近藤光雄
録音東京テレビセンター(録音所)
その他依田義賢(資料提供「溝口健二の人と芸術」著)
岸松雄(資料提供「現代日本映画人伝」著)
松竹(資料提供)
大映(資料提供)
東京現像所(現像)
溝口健二(資料作品 監督)
村田実(資料作品 監督)
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【クチコミ・感想】

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9.《ネタバレ》 興味深い!
あらゆる名監督のこういうドキュメンタリーが残っていたら、
後世、その監督の映画を観直すとき、かなり分かりやすく勉強になる。
今、活躍中の監督たちのドキュメンタリーも、後世の映画ファンのために残すべきではないだろうか?

それにしても何と喜々と映画について話すのだろう。
溝口の痴情のもつれから、背中をカミソリで切られるとこから、
晩年の田中絹代との噂の真相まで、実に興味深い。
田中はこう言ってる。
「(溝口は)田中絹代に自分の惚れてる女性像を演じさせて、その「女性」に惚れてる」

何より女性映画の名手が、溝口の上司の村田実が男性映画の名手だったため、
会社側から女性映画を撮るように言われてから始めたという出発点は驚きである。
「楊貴妃」では、自分の分からぬ異国の上流階級の女性を描くにあたり、
イライラが募り、美術や女優にあたっていたというのは、とても今では問題になる話である。

しかし「雨月物語」を筆頭(私はそう思っているが)に、名作を数々生み出した
巨匠の実情は、凡人の自分にはホッと一息つけてしまうのであった(笑)

追伸)伊藤大輔ファンの自分には、おお!これが伊藤監督か!という映像があるのに感激♪ トントさん [DVD(邦画)] 7点(2021-07-18 22:43:22)

8.《ネタバレ》 溝口健二、そしてその全てのファンに捧げられたともいうべきドキュメンタリー。
まあ溝口健二を余り知らない人が見ても楽しめるかどうかは解らないですが、多くが語られてこなかった溝口健二について知る事が出来る貴重なフィルムです。
溝口健二が何者なのか、溝口健二がどんな映画を撮ったのか。それを探るために溝口健二と関係が深かった人々に片っ端からインタビューしていきます。宮川一夫、川口松太郎、依田義賢、増村保造、それに伊藤大輔まで!そして溝口映画を彩ってきた女優たち。彼女たちの老いた姿は最初ショックかも知れませんが、当時を活き活きと回想する姿はじんわりしてしまいます。特に「祇園囃子」についてのシーンが印象的。「祇園囃子」は溝口健二に言わせると間に合せの作品だったそうです(えー!?間に合せであんな面白い映画を撮ったの)。「力を抜いて」なんて聞く兼人さんはちょっとデリカシーに欠けている気がします。モチロン悪気は無いと思います・・・ただ、命懸けで役を演じてきた人に対して「力を抜いて」は無いでしょう。聞かれる方は目が笑っていないんですもの。「おめえさんに何が解りますんや?」とでも言われているような冷たい目が怒りに似た心情を感じさせます。ただ良くも悪くも「祇園囃子」を始めとする溝口映画がまた見たくなるほど刺激のある内容です。 すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 8点(2014-01-18 15:52:53)

7.神話化の裏にある俗物的な部分がちろちろ見えるのが興味深かった。官尊民卑的なところがあった、との川口松太郎発言は、単純に「底辺からの視点」って誉め言葉でくくって済ましてしまう評価をえぐる(19世紀生まれの人の限界ということか)。中国へ行くときは将官待遇でなきゃやだ、とゴネたとか。あるいはヴェネチア映画祭のホテルで香を焚いて入賞を祈ってた、なんてのも面白い。なんとなく泰然とした印象を醸してた裏に、そういう人間味もあった。もちろんそういう人間だからこそ、あの美しくもネットリとした奥行きのある世界を構築できたのだろう。具体的なシーンについて発言しているときは、もっとオリジナル作品の映像を取り入れてほしいところだが、著作権とかで難しかったのか。ときにインタビューに誘導気味のところがあるような気がした。『雨月物語』の森の帰宅シーンの気合いの入り方を語る田中絹代のシーンは凄味があった。ぎりぎりのところで仕事をした人の貫禄と言うか。森さんがふっと煙草をくわえると、監督自らがライターを点したそうな。映画のそのシーンも美しいが、撮影現場のそのシーンも劣らず美しい。依田義賢が『雨月』『近松』はちょっとすましているところがある、と発言しているのには、なんとなく同感。 なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2010-04-05 12:05:55)

6.《ネタバレ》 入江たか子を「化け猫女優」とののしるなんて…そんなこと言っちゃあ…でも、ぷぷっ! 入江さん、ごめん、笑ってしまったよ。さすが溝口。言えないよね、普通。
この映画の至福は、あの人もこの人もみんな生きてた頃なんだ、ってことだね。それはそれでものすごい感慨だ。それより何より、これをとった新藤兼人がまだ存命で元気だってのがいちばんの驚きでもあるかな。下の方も指摘されてるが、新藤さん、結構「そこまで言う?」的ななコメントしてて、それが笑える。 いのうえさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-10-11 01:00:43)

5.自分が映画監督溝口健二という人物を知ったのは、映画を観るずっと以前に読んでいた、新藤兼人氏著「小説・田中絹代」がきっかけ。ここに書かれていた数々の暴君的振る舞いと奇矯なエピソードとは裏腹に、残されている写真等では薄く笑みを浮かべ一見「好々爺」にも見える。一体、この人はどういう方なんだろうかと、いまひとつ人物像が掴み難く、実際つい最近まで映画自体も敬遠していた次第。このドキュメンタリーに登場してくる皆さんって、溝口映画の常連としてのみならず、日本映画黄金時代の土台を支えてきた錚々たるメンバーの方々ですよね。「俺たち(私たち)が日本映画を支えてきたんだ」っていう、他の何事にも変え難い自負と誇り高いプライドが、溝口監督の思い出を語ることで生き生きと各々の顔に浮かび、また更に輝きを増しているようにも見えます。凄っげえなあ・・・、ここまで彼らを心酔させた溝口健二っていう人は。中でも圧巻はやはり田中絹代本人の証言でしょう。彼女の老いても尚、凛とした語り口を聴いていると、もちろん「小説・田中絹代」はフィクションには違いないのだけれど、ああ、もしかしてあの中に書かれていた事はかなりの割合で真実が含まれていたんじゃないかって思えてきます。それだけにこの小説の映画化、市川監督吉永小百合主演「映画女優」の出来が意外と平凡だったのが悔やまれます。でも小説の方は読む価値充分に有りです、興味が有る方は是非!近年再評価が著しい個人的日本映画ベストワン監督、成瀬巳喜男のこの種のドキュメンタリーも製作されないもんかなあ・・・。 放浪紳士チャーリーさん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-29 12:44:24)(良:2票)

4.溝口映画ゆかりの人達が、次から次へと39人も登場する。

本ドキュメンタリーは、
1.溝口作品の出演者達を、映画以外では知らない
2.溝口作品の出演者達の、その後の姿を全く知らない
3.溝口作品を沢山観たことがある
の3つの条件を満たしていれば満たしている程、楽しめるに違いない。
それ以外の人が観ても、何てことのないドキュメンタリーか、もしくは、ただ単に古い人が沢山出てくるだけの退屈なインタビュー映像集になってしまうだろう。

また逆に、現在を起点に考えれば、本作は30年以上も前の作品となるわけで、現在は大半が亡くなられた人達ばかりでもある。
そういう点で考えても貴重なインタビュー集なわけで、特に宮川一夫、川口松太郎、依田義賢、増村保造等の映像を観れたのは良かった。

さてさて、本作を観る上で個人的に一番楽しみにしていたのが、溝口作品ゆかりの女優達のその後の姿をおがむこと。
特に、木暮実千代、山田五十鈴、入江たか子辺りのインタビュー映像は楽しみで仕方なかった。
39人のインタビューの中で、一番衝撃度が高かったのが木暮実千代。
『祇園囃子』でその妖艶さに打ちのめされた私は、すっかり木暮実千代の虜(とりこ)になった。
そして本作で60歳近くになった彼女と“再会”ができるわけである。(実際は、既に『男はつらいよ』で晩年の彼女を観ていたのだが、全く記憶にない)
それはとても怖くもあったが、同時にそれ以上にわくわくもした。
そして、『祇園囃子』の過去の映像の直後に、“その後”の彼女が登場・・・
おぉぉぉ・・・・
うーん・・・
これが正直な感想。
でもとても嬉しかったのも事実。
何故なら他の女優達の“その後”が、妙に神経質っぽかったのに対して、木暮実千代のインタビューの受け答えは、とても明るかったから。
“妖艶さ”の面影は消えていたが、親しみやすいマダムな感じで、これはこれで楽しめた。

しかし、インタビューをした監督の新藤兼人さん、「祇園囃子は力の抜けたいい写真でしたね」って、それはないんじゃないの??
それを聞いた木暮実千代も、同意しかねていたではないですか!
もちろん悪い意味で言ったのではないだろうけど、個人的には溝口作品の中で一番好きな作品なだけに、木暮実千代同様、私も同意しかねますねぇ~ にじばぶさん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-02 22:41:32)(良:3票)


3.昨日の小津安二郎監督のフィルム映画に続いて、今度はもう一人、これまた日本映画を代表する名監督中の名監督の一人である溝口健二監督の記録映画もということで、小津監督を見たら溝口監督も見なくてはならないと思って、一緒に借りてきました。そして、これまた昨日、見た小津監督のフィルムに続いて、見応え十分!溝口健二監督と共に仕事をした素晴らしい俳優、素晴らしい脚本家、カメラマン、その他溝口健二監督作品に携わった多くの関係者のインタビューを聞いて、溝口健二監督も素晴らしい監督であったと共に一人の人間としても素晴らしい人物であったということが解る。日本人なら黒澤明監督は勿論、小津安二郎監督にそして、溝口健二監督も見るべきだ!それだけ溝口健二監督の映画には日本人的な美の世界が写し出されている。少なくとも現代の日本映画にはない何かがきっと見つかるはずです。この記録映画を見ると、私は勿論のこと、今まで知らなかった世界、溝口健二監督の素晴らしさ、溝口健二監督作品にもっと興味が沸くこと間違いないと思うし、少なくとも私は今まで以上に溝口健二監督の作品にも小津安二郎監督同様、興味が沸きました。とにかくまた一つ、素晴らしい記録映画を見た思いでいっぱいです。 青観さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-16 22:47:14)(良:2票)

2.溝口健二の伝記映画かと思っていたら、生前の彼を知る映画人たちへのインタビュー集でかなり意表を突かれた。インタビューアーは新藤監督自らが努め、溝口健二という監督がどういう人だったのかがよく分かる。インタビューを受けるのは溝口の映画に出演した京マチ子や田中絹代などのスターはもちろん、カメラマンの宮川一夫、脚本家の依田義賢、友人の映画監督 伊藤大輔、作家の川口松太郎、助監督を努めていた増村保造、元大映社長の永田雅一など今では故人となった溝口ゆかりのスタッフたちの姿が見られるのも貴重。皆それぞれ溝口への思いを告白しており興味深く、中でも田中絹代へのインタビューは圧巻である。 イニシャルKさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2005-03-05 10:55:14)(良:1票)

1.とにかく出演者が圧巻(総勢39人)。知っている名前だけでも、田中絹代 山田五十鈴 若尾文子 京マチ子 香川京子 浦辺粂子 木暮実千代 乙羽信子 入江たか子 中村鴈治郎 増村保造 宮川一夫 川口松太郎 etc・・・! 日本映画界を支えてきた往年の大スター達や重鎮達を拝めるだけでも貴重な一本。 内容は、監督へのオマージュ、というよりは、証言集といった趣き。名作は、現場の人達の苦労や涙なくしては生まれないということですね。沢山の素敵な映画をありがとうございます。 水の上のハイウェイさん 6点(2004-01-16 03:46:15)

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【点数情報】

Review人数 9人
平均点数 7.56点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
400.00% line
500.00% line
6111.11% line
7222.22% line
8666.67% line
900.00% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 9.00点 Review1人

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