みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 お目当てジョエル・マクリーはいまいちインパクトに欠ける役柄で物足りません。特筆すべきは悪役ハンフリー・ボガートで、荒んで哀れな人物像が場面をさらっておりました。悪ガキ達に貧者だからといって彼のような最期を迎えないでもらいたいと思わされるもので、過保護なシルヴィア・シドニーに「違うだろ」イライラさせられました。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-01-16 02:52:13) 2.《ネタバレ》 まずファースト・シーンが印象的だ。 街の景観を斜め上から捉え、一見澄み切った街から徐々に質素な街の一角へと画面が映る。 街の外から流れる美しい川をたどり、やがて川の上にある小さな貧民街でボロを来て生活する子供たちの集団に出くわす。 貧しさの余り心が荒もうとする子供たち。 川の美しさに目を付けた富裕層の家を、憧れと恨めしさの混じった眼差しで見つける。 坊ちゃんと貧民街の子供たちの睨み合いが印象的だ。貧しさが憎しみに変わる一歩手前。 そんな彼らの成れの果てが、しばらくしてスッーと登場するギャングたちなのだろうか。 貧困から抜け出すために犯罪の世界に足を踏み入れてしまったマーティン。 ストーリーは終始ドラマだけで終わるかと思いきや、終盤の銃撃戦には度肝を抜かれる。 誘拐を決意したマーティン、それを止めようとマーティンの目の前に迫るデイヴ。 豪邸から流れる曲が変わる、冷酷な殺し屋となりマーティンを川に落とす、急死に一生を得て川から這い上がるデイヴ、薄暗い路地裏での緊張、反撃と揉み合い、咄嗟に逃げ込んだ薄明かりが照らす廃屋での銃撃、屋根伝いの追走劇、上を目指し梯子を登るマーティン、地の底に堕ちるマーティン、蜂の巣のように滅多撃ちにされるマーティン、母親の悲痛な叫び、やるせない表情でかつての親友を見下ろすデイヴ・・・。 グレッグ・トーランドの神がかったキャメラの素晴らしき事。 去り際に絶えず母親の窓を見つめ続けるデイヴの表情。正義感を気取っていた彼も、浮気をし、気付けば親友を死に追いやっていた。そんな今の自分への絶望の混じった表情だ。 相手が悪い事をしても「いや、俺がもっとしっかりしていれば」と真っ先に自分の非を考えてしまう・・・そんな男なんだ。そいう奴だから、ドリーナはデイヴに惹かれたと思うのよ。 それに対局を成すようなマーティンを演じたボガートの演技もまた良い。すべてに絶望して「所詮俺の人生なんてこんなものよ」と哀しい表情が胸に迫る。 ギャングの英雄としてではなく、実に呆気なく虚しい死に様だ。顔の変わった彼の死体を見て、かつて彼が貧民街出身の子供だった事など誰も知る由がない。事情を知る母親だけが彼のために声を挙げ涙を流す。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-31 00:54:06) ★1.《ネタバレ》 これはほぼ街の一角だけで物語ってしまっているのが面白いところです。大都市ニューヨークの高層ビル群が高みから映り、そのままカメラが下に降りていくと貧民街となり、いかにも貧しい悪ガキたちがたむろしている。そしてそこから見上げれば金持ちたちがパーティをしている…。ドア一枚を挟んで別世界が展開される社会を見事に表現しています。 本作はギャングだヒーローだというよりも住む世界そのものを描いていて、格好良い人物というのは不在です。例えば、正義漢のようなジョエル・マクリーも育ちの良い女に目移りし浮気していますし、ボギーにしても悪としてのクールさなどとは無縁で、帰郷を母親にすら歓迎されず、昔馴染みの女のエピソードも酷なもので、ラストには高い所へ登って行き当然の如く落下し貧民街の地べたで息絶えてしまう物悲しさです(この時の銃撃戦も素晴らしい)。ただ、強いて言えばヒロインは存在していて、常に弟の見方をするシルヴィア・シドニーの優しさはこの世界の唯一の救いであり、あどけなさの残る表情が美しくとても魅力的です。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-01 18:46:13)(良:1票)
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