みんなのシネマレビュー

トラベラー

The Traveller
(Mossafer)
1974年【イラン】 上映時間:72分
ドラマ
[トラベラー]
新規登録(2010-01-11)【なんのかんの】さん
タイトル情報更新(2024-06-13)【Cinecdocke】さん


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監督アッバス・キアロスタミ
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【クチコミ・感想】

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6.《ネタバレ》 題名からプロサッカーの国際試合を見に行きたい少年のロードムービーだと思っていたが、
そこまで尺を割いておらず、むしろあの手この手であくどい資金調達を行う悪童のバイタリティには驚かされる。
サッカー狂で後先や周囲のことなどお構いなし、それなのに如何にして一つ一つの問題をクリアしていくのか、
シンプルで淡々とした展開ながらサスペンス調の緊張感を持っていくキアロスタミの手腕の良さを感じられた。

テヘランに辿り着いたのは良いが、チケットは売り切れでダフ屋で資金使い果たすわ、
寝過ごして試合を見逃すわで踏んだり蹴ったり。
欲望のために家族にも仲間にも顔を見せられないレベルでやらかしたのだから、
帰れば体罰どころでは済まないが、そもそも有り金使い果たした彼は帰れるのか?
反面教師的なメッセージはあれど、瑞々しさと迸るエネルギーに説教臭くないバランス感覚があり、
律儀で大人しくなった現代日本から見るとその逞しさに羨ましさはある。 Cinecdockeさん [インターネット(字幕)] 6点(2024-06-10 22:42:08)

5.《ネタバレ》 トラベラーって確か旅行者ってコトなんですが、なんか途中からトラブル多き子だからトラブルメーカーをモジってトラベラーって言ってござるのか?なんて、なんかモヤモヤした気分になってきました。だから途中で止めてヤホーの辞書でいちいち調べましたよ(トラベラーってどんな意味だった?)結果は当然の如く旅行者であってちょっとホッとしたりはいたしましたが、この際ついでだ 自分は彼がトラブル多き子だったからタイトル➡️トラベラーなんだと理解する事にした。だからなんだって話なんですが、大変ですね あんな子を持つと。

結果、寝過ごして かの結果。
ドンマイだとか気の毒だったなという思いは彼に対して一切アリマセン。気になるのはその後の親御さんたちの心境と同行だ。でも、せめてもの救いなるのは、あの子があんな悪さをする前に母親はもうこの子は手に負えませんのでと教師に息子を躾けるように頼んでいましたね。そして教師はそれを請け負った。ということは、教師だって監督不行き届きで少なからずは責任負わなきゃならんのじゃないでしょうかということだ。よって責任の負担割合は半分こ。教師災難、お気の毒だということだ。(^_^;)
いろんな迷惑かけます。さしあたってサッカー遊びが出来なくなった仲間たち、明日から何して遊ぶんでしょうか たくさんのお子様たちがかわいそうだね 大変お気の毒。 3737さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-18 23:53:32)


4.アッバス・キアロスタミ監督の映画と言えば子供達の自然な演技が見所ですよね。この長編第2作でもサッカー好きな少年のサッカーにかける情熱がとても自然に描写されていた。

物語は至ってシンプル。とにかくサッカーの試合を観戦したいという欲望の元、少年は盗んだカメラで撮影して金を取ったり、もう手段を選ばないので、ちょっとえげつないんですけどその行動力の高さに感心させられた。

楽しいことの後にはちゃんと罰を受けるというのも教訓めいていて良い。
ヴレアさん [DVD(字幕)] 6点(2020-02-13 19:21:29)

3.《ネタバレ》 イラン版「手を焼く小僧」の冒険譚。この場合はテヘランまで夜行バスの旅。大人から見ればさしてどうってことない旅程だけど、10歳の子供にとっては、旅費集めからそれはそれは大変難儀なタスクなのである。
ごく普通で非力な人間のささやかな日常の起伏を映画一本分のストーリーにして見せる、いかにもキアロスタミらしい視点。ハリウッドでは商売にならないかもだけど、これがとても面白くできている。
まーとにかくこの子の生命力の強いこと。かなりの強引さで目的を果たそうとする貪欲さ。大人に叱責されるとそこはすぐ泣いて降参、でも大事な物は手放さない。この手のガキは日本にも戦後の混乱期にはいっぱいいたんだろうなあ。生きるために最大限知恵を絞って世の中を渡るような。
ああ、この子どうするんだろうと大人の心配をしながら見守ること70分。なんともキビシイ旅の結末となりました。勉強代だな、坊主。嘘ついて人からお金を集めてはイカンのだよ。 tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-30 00:44:10)(良:1票)

2.渋谷ユーロスペースの監督追悼企画で、桜桃の味の直後に見る。
主人公の魅力、特にキアロスタミ監督作品に共通する豊かな表情から目が離せなくて、普通に安心して楽しめた。でも、桜桃の味の抽象的な?ラストとは異なり、とても現実的な大どんでん返しに息を呑んだ。最後の5分に、この作品の真髄があると思う。
子どもが好きな方、ロードムービー好きな方、そしてもちろんキアロスタミのファンの方と、多くの層の人に薦められる。 ●えすかるご●さん [映画館(字幕)] 9点(2016-10-19 20:55:58)

1.《ネタバレ》 サッカー少年、すでに落第していて、不良とまでは言えないが“困った児童”。彼がどうしてもテヘランで行なわれるサッカーの試合を見たいという情熱の塊となり、ほとんど求道者となる話。あんがい中世の宗教家なんてこんな面構えをしてたんではないかなあ。野卑にして高貴。“道”のためならなんでも行なう。一心不乱。まず金集めを始める。家のものを盗んで母親に学校に言いつけられると、被害者づらして「母さんが嘘をつくんだよう」と泣く。偽の写真屋になって友だちを撮り、5円ずつもうける。カメラの向こうですまし顔をする子どもたちの顔顔顔。ついに自分たちのサッカーボールやゴールまでも売ってしまう執念。ここらへん、主人公に崇高さまで漂って見えてきた。友人てのがよくて、友の狂乱につきあいつつも戸惑っていて、いい対比。夜の出立のとき何度も呼びかける場が圧巻。ガッセム君は、友のことなど全然頭にないんだけどね。でテヘラン、切符は手前で売り切れ、迷わずに帰りの運賃をダフ屋に出してしまう。以下、建て前としての教訓映画的な展開になっていくんだけど、映画観ている我々はこの少年のエネルギーに感嘆するほうが先になるわけ。彼はどうやって帰るんだろう、もしかするとこのままテヘランに居続けるのかも知れない、そのときあの故郷の友人の懐かしさがひときわ立ち上がってくるのではないか、などその後をいろいろ想像する楽しみもあるラスト。 なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2010-01-12 12:06:09)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 6人
平均点数 7.17点
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