みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.《ネタバレ》 結構長い映画なんだが、最後まで一気見をさせるような迫力はあって、面白かった。 山田孝之はやっぱりいい役者なんだよねえ。駕籠政もできればヨシヒコもできて、役者としての幅広さが伺える。常に同じ演技、一本調子の役しかできないアイドル系とは違って見ごたえあるよ。 映画自体は、特に負傷した部位が飛び散るようなところが悪趣味で、あれはもっとうまくやれたのではないかと思った。少しグロテスク気味。そして、もう一つ音声が聞き取りにくい。方言がどうとかじゃなくて、発声や録音がよくないのか、何を喋ったのか分かりにくい部分が、(特に前半に)多かった。 しかし、最近「侍タイムスリッパー」とか、殺陣を真面目にやる映画が盛り返してきたのが嬉しい。この流れがずっと続きますように。 【えんでばー】さん [映画館(邦画)] 7点(2024-12-11 13:48:01)★《新規》★ ★6.黒澤明の「七人の侍」っぽい感じかと思いましたが,全然違った. ただ,単なる罪人が正規軍を相手にできるとは思わないのだが・・・ 【あきぴー@武蔵国】さん [映画館(邦画)] 6点(2024-12-05 22:19:51) 5.「とても良いから、とても惜しい」というのが、鑑賞後、一定の満足感と共に生じた本音だ。 幕末という時代を背景に、小藩や中間管理職の悲哀と狂気、そして崩壊寸前の武家社会の愚かさを描いた本作は、久しぶりにエネルギッシュな娯楽時代劇を観たという満足感を与えてくれた。 本作の物語に描かれる群像劇は時代劇の枠を超え、現代社会の多様な人間関係や、あらゆる組織構造、さらには現在進行中の国際的な軋轢の数々とも重なる。 どの選択肢を選んだとしても、誰かにとっては「地獄」となるというジレンマは、どの時代においても普遍的であり、すべての人間が完全に満足する世界は存在しないという現実を改めて突きつけてくる。 物語構造上、十一人の罪人たちは絶体絶命の苦境を乗り越え、「生」を見出そうとする英雄のように描かれている。しかし、これは人間社会における狭小な一側面に過ぎない。 復讐のため冒頭で主人公にあっさり殺される侍や、砦を攻める倒幕軍の兵士たちにも、それぞれ親や子、家族がいるはずだ。名前もなく散っていくキャラクターたちにも、それぞれの正義や思いがあったことは想像に難くない。 その象徴的な存在が、阿部サダヲ演じる家老・溝口だ。 ストーリー上では悪役として描かれているが、彼の言動のすべては「家老」という職務に準じたものだと言える。確かに彼の謀略や非道な行為の数々は狂気的ではあるが、それも城下を取り仕切る“位”にある侍としては当然の行動だったのだろう。城下での戦を避け、町民から慕われる姿はそれを物語っている。 町民らに向けて乾いた笑顔を見せた後に訪れる彼自身の最大の「悲劇」が、この男が背負っていた中間管理職としての苦悩を何よりも雄弁に物語っていたと思う。 また、山田孝之や仲野太賀をはじめとする“賊軍”の面々を演じた俳優陣のパフォーマンスも見事だった。彼らは一面的なヒーローとしてではなく、それぞれが抱える罪や愚かさ、悲しみを通じて、社会とそこに巣食う人間の本質を体現していた。このアプローチが、本作の奥行きを大きく広げ、娯楽性に深みをもたらしていたと思う。 だからこそ「惜しい」と思うのだ。 映画全体に漂うエネルギー、現代にも通じる物語性、俳優たちの見事な演技、そして的確な演出力が光るだけに、一人ひとりのキャラクターに対する描き込みがもっと深ければ、さらに印象的な作品になったはずだ。 特に賊軍のキャラクターたちの背景描写が物足りなかったように感じた。 それぞれがとても人間臭く、魅力的な存在感を放っていたからこそ、彼らがどのようなバックグラウンドを経て、あの牢の中に閉じ込められていたのか。そのドラマ性がもう少し丁寧に描きこまれていたならば、彼ら最後に放つ命の灯火、その熱さと輝きが、さらに深く刻まれたことだろう。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-11-16 17:25:05) 4.《ネタバレ》 戊辰戦争下、新潟の新発田藩の囚人11名が自由を賭けて、官軍を迎え撃つ。どんちゃんやってるだけで中身がねえぞ。もう一度観る。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 6点(2024-11-10 00:42:38) 3.《ネタバレ》 「仁義なき戦い」で知られる笠原和夫が1964年に書いた脚本だが、東映京都撮影所の所長だった岡田茂が「結末が気に入らない」としてボツにしたと記事で見た。それが少し分かった気がする。多数の命を救うために少数(しかも大半は罪人)を犠牲にするのはやむを得ないかもしれない。溝口はよくやったのだろう。そこが理解できるからこそ、やり場のない虚しさが残る。よく出来た脚本と認めつつ、別のエンディングを望む自分もいるって感じかな。奥羽越列藩同盟の評価は自分の知識では語れないので省略。映像は大迫力だった。少し意地の悪い言い方をすればごちゃごちゃしていて騒々しい気もしたが、そもそも戦争とはそういうものか。仲野太賀が山田孝之に引けを取らずW主演の一角として立派にやり遂げたのはなんか嬉しい感じ。26年の大河ドラマが今から楽しみだ。玉木宏は鶴見中尉が浮かんできてどんなやばいことしでかすんだろうってヒヤヒヤしてたけど、あれは山縣だったな。いかんいかん。紅一点の鞘師、意外な発見で面白い。ナダル、出てきただけで笑うわ。興収伸び悩んでるのは残念だなあ。 【リーム555】さん [映画館(邦画)] 6点(2024-11-06 22:42:43) 2.《ネタバレ》 私の読解力が足らないせいもあるんだが、最初が少し説明不足かな。山田君演じる「あにやん」は妹が新発田藩士に手籠めにされたことを怒ってるんだと思ってたが、途中で妻だったと説明があり、やっと理解。いや、これは説明が不足しているのか、それとも方言が強くて理解できなかったのかちょっとわかんないんだけど。 で、そんなことがあって、あにやんは終始新発田藩を憎み、藩の力にはならないことを貫くんだけど、弟分のノロをはじめとする仲間が無残に殺されることを見過ごせず、結局命を落とす。 主役級の山田君にそんなに仕事させなかったのは良かったんじゃないかな。こういう映画って誰か一人最後まで生き残るやたら強い奴がいるもんなんだけど、そうじゃない演出は、他の登場人物が生きて逆に良かった。 印象に残ったのは、紅一点のなつ。演技は正直拙かったけど、もらった小判を予言通り女郎に身を落としたあにやんの妻に渡すところなんか、仁義に厚くてぐっと来た。 そして賊軍の中でも一人異彩を放っていた爺さん。あの腕の立ち方は只者ではないと思ってたけど、長州藩の槍の指南役だったとは。ラストで種明かしする演出が憎い。だって相手は奇兵隊だもんね。「義理あって…」のシーンはちょっと鳥肌立った。長く斬られ役をやってきたエキストラ専門の人みたいだけど、まさに「侍タイムスリッパー」を地で行く感じかな。殺陣も素晴らしくキレキレでこの映画に重厚感を与えていると思う。 最期に仲野君。 彼はこういう義理に厚い実直で真っすぐな役がぴったり来る。 ラストシーンの、指を失った右手に刀を結びつけるシーンからは圧巻。怒涛。 私も彼と一緒になって、阿部サダヲに一太刀浴びせたいと手に汗握って観ていた。 結局奴に一太刀浴びせたのは、娘のさなだったのは無念。 いや、見応えのある映画だった。 最近の邦画、頑張ってるなあ。こういう映画、もっと観たいね。 【roadster316】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-11-03 16:17:51) 1.《ネタバレ》 日本の時代劇ものでド派手なアクション時代劇ってなんか久々な気がして、鑑賞前はかなり期待しちゃってました。でもここに出てくる十一人は全員が剣術使いや格闘のプロっていうわけではないので、実際に中心になって戦うのは半分くらい。なのでやや物足りなさは感じられた。それとほんの小さな閉鎖空間での少人数同士の戦いなので、スケールの小ささは否めませんでした。 ただそれでも次々と起こるトラブルの数々で、グイグイと引き込まれ飽きることなく最後まで観れました。 主人公の山田孝之が、終始どっちつかずな行動をするから主人公としての吸引力の弱さを感じてしまった。それでも最後の最後に仲間のために命を掛けるシーンだけはグッときた。ただな~...やっぱり遅すぎたかな~...。もうちょっと主人公と同調できてたらだいぶ評価も変わってたかも。良くも悪くも普通な人だから、状況次第でコロコロと態度が変わってしまうのはリアリティあってそれはそれでいいんですけどね。でもやっぱり主人公なんだからもうちょっと物語の中心でしっかりと立ち振舞ってはほしかったかも。正直他の登場人物たちの方がキャラ立ってたし、印象にも残りやすかったな。 この戦いそのものがただの時間稼ぎにしかすぎないから、なんかもうその時点で切なすぎる。実話を元にとのことだけど、どこまでがフィクションなのか気になる~。てかこれが実話ネタだっていうのは鑑賞後に知ったんだけどね。でも劇中にやたらといつどこでの説明がなされるから、ん?もしかして!とはなったけど。で、案の定だった。賊軍の中でおバカと女性だけが生き残るラストは、複雑化していく現代社会でも処世術のお手本的な意味合いも込められてるのかな。でも俺はあのおバカが最後に阿部サダヲをやっちゃうのかと思ってましたよ。でもやらなかったから生き残ったわけですもんね。 千原せいじはまだいい。女好きな坊主に見えるから。でもナダルは見えないんですよ。官軍の将に。イジられ芸人にしか見えない。 とにかく官軍との戦いだけでなく味方との戦いもあるから、緊張感は半端なくってヒリヒリとした空気感は映画館でしか味わえないものだった。 官軍と手を組むことが分かったのになぜその時点で敵として同盟軍は何もせず、首謀者の阿部サダヲの切腹だけで済ませようとしたのか、あそこだけどうしても理解が追いつけなかったです。はい。 藩士ではなく道場主の彼が最後に、自分が十一人目の賊軍だ!てなったけどなんか昔見た「宇宙からのメッセージ」を思い出しちゃった。てかその時点で賊軍て十人しかいなかったんだ~...のほうが強かった。正直そこまで人数あまり気にしてなかったしw まあでも、なんだかんだで面白かったです。はい。 【Dream kerokero】さん [映画館(邦画)] 6点(2024-11-01 21:23:31)
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