みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 トム・クルーズ「トップガン・マーヴェリック」、舘ひろし・柴田恭兵「あぶない刑事」、そしてジャッキー・チェン「ライド・オン」。 もうこれ、この2年のカムバック3部作と言っていいんじゃないですか? 昨今の各所に配慮した配慮しすぎた映画群に反発するようなキリっとした爽快感!! 昔の設定生かすんだから、ポリコレなんか関係ないっ!! いいですね、映画はこうじゃなきゃいけないんです。アメリカだって、日本だって、香港だって、みんな本当はこういうのが見たいんです。 ただ、また別の問題もあって、本当の次世代スターが育ってないんですねえ。どこかのごり押し勢力とは全く関係ない本当のスター。 だらだらやってるシリーズじゃなく、大スターがまだまだやれるんだ、というこの手のお話は以前もありました。 例えば「ハスラー2」。ポール・ニューマンの「ハスラー」の25年後の続編なんですが、ポール・ニューマンの健在を示すと共に、共演のトム・クルーズのきらぼし感。 そういった世代交代が普通だったんですが、今回のあぶないトップオンでは、輝く次世代スターが育ってないんです。これからどうなるんでしょうね。 脱線しすぎ・・・「ライド・オン」に戻します。 ジャッキー、老けたなあ、というのが第一印象。容貌は仕方ないですが、アクションも年齢なりにキレがなくなって・・・それでも凄いんですが。 ストーリーは老父と馬と娘の人情物と一言で片付けられてしまう。そして、ジャッキーものにしては珍しくだらだら長い。 メリハリがない回想が随所にはめ込まれ、しかも回想はジャッキーの容貌をごまかすために顔ぼかしが多くて見にくい。 やたらと溜めが長く、娘とうやむやのうちに和解、適当な理由で何度も起こる仲違い。 なにか、できの悪い人情物邦画の定式が伝染しちゃってるようです。良い点を真似てくださいよ。 というわけで、映画としてはそれほど褒められたものじゃない。 それでもジャッキーの乱闘とスタントシーンで救われています。というか見所はそれでそれだけで、でもそれさえあれば十分素晴らしい爽快感が得られます。 あとのことはどうでもいいのかもしれませんね。 どうでも良すぎて、スタントの女弟子が入院したまま忘れられちゃってます。彼女は無事に回復できたんでしょうか。 中国民法311条の善意取得を主張するなら、ジャッキーの善意を立証すればいいだけ。 なのに、会社の持ち物か個人の持ち物かを争点にしている。新米弁護士の彼の将来が心配です。 ところで、私はテレビの吹き替え世代ではないので字幕版で見たのですが、韓国嫌悪の表現が所々ありました。 これまでジャッキー映画ではそういう他国揶揄の表現はみたことなかったのでちょっとびっくりしました。 ジャッキーは三菱自動車と蜜月だったので、全盛期でも中国・香港にありがちな日本揶揄さえなかったんです。韓国嫌われてるね。 吹き替え版では配慮されてるかもなあ。 エンディングは伝統のNG集。バリバリCG使ってるのが「本編は一体なんだったんだ」と、笑えます。ちなみに、左端にエンディング曲の中国語歌詞、右端に日本語訳、中央左のNGシーンには日本語訳。結構忙しい字幕なんですが、普通にわかるのが凄い。表意文字の漢字の威力です。 最後に一言。この映画のDVDが出るならば、作中でシャオバオが見つけたUSBの中身を是非特典で付けてください。お願いします。 【えんでばー】さん [映画館(字幕)] 6点(2024-06-09 10:34:55) ★2.《ネタバレ》 ジャッキー・チェンの新作は「原点回帰」が感じられる快作で、ゴールデン洋画劇場で彼の映画を楽しんでたファンにとっては満足の出来。始まってすぐに流れ出す彼の名演集で、観客には主人公ルオ=ジャッキーの経歴が重なってくる。度重なる怪我で生命の危機にもあった。子供との断絶、という劇中の設定も実生活で家庭を省みなかった事を心から反省している、とインタビューで述べた彼の心情の投影なんだろう。そんな苦境にあっても彼はファンの為に身体を張り続けた、そしてこれからもショウビジネスに携わるんだという決意というのか気概が見受けられる点、我々はわかってるから胸にくる。でもって「いかに自分をかっこ悪く見せるか」というジャッキー映画王道のドタバタなコメディ演出。動物をバディとしてる事もあってお約束がてんこ盛りなんだけど、もう老成の域にまで達した感があり楽しい。あと個人的には彼自身の演技力、特に哀愁の醸し方が抜群に上手くなった気がする。...映画の感想としてはここまで。そしてもう一点強調したい。私があえて吹替え版で鑑賞したのは昨年声優業を引退された石丸博也氏のたぶん、ラストジャッキーになるから。80年代の映画吹替えのフィックスとして石丸氏=ジャッキーは最高の贅沢であった。日本でジャッキー映画が大流行したのは彼の演技力が付与してたのは間違いない。凄いのは石丸氏の演技が愛嬌が目についた青年期~苦悩が伝わる老年期に至るまで、正にジャッキー本人いやそれ以上なのではないかという印象を何十年にもわたって映画ファンに提供し続けた事。(だから「ザ・フォーリナー 復讐者 (2017)」などは吹き替えでしか見れんかった) 多分石丸氏も吹替えをなさっていてご自身と重なるものがあったのかな、昔の様な声とは程遠いかもしれないけど枯れた味わいの良さというのか、スクリーンで堪能しました。という事で兜甲児もいいけど、ジャッキーもね。 この後ジャッキー映画を担当なさるであろう声優さんにエールを送りつつ、最大限の感謝を石丸さんに贈りたいと思います。んとうに、有難うございました! 【Nbu2】さん [映画館(吹替)] 7点(2024-06-03 20:29:13)(良:1票) 1.《ネタバレ》 ジャッキーの集大成!という宣伝文句が踊り跳ねてるってヤツですケド、流石にカンフー・アクションがモロ主体という作品じゃあ(今更)なくって、実際のジャッキーそのものを大いに投影した主人公による人間ドラマが完全にメインって作品ではありますかね(カンフーやアクションが無いってワケでは全く無い⇔むしろ人間ドラマなワリにはそーいうシーンもふんだんにゴージャスに盛り込めてるって方、ではあるかと)。その人間ドラマとゆーのは、私の解釈では、人がその人生において「犠牲にしたモノ・犠牲となったモノ」と、それに依って「成し遂げたモノ・貫き通したモノ」を並べて描き出してゆく…というコトだった様に思えます。それが(ゆーてワリと)ごく普遍的なモノだ…という意味ではままベタで在り来りで、更に言えば多分にお涙頂戴系の(若干)クサイ様な雰囲気に仕上げられてるヤツだった…とゆーのも、ある程度は的を射た表現・評価なのかも知れないとは思いますかね。 しかし、それを他ならぬジャッキーが言っている・演っているってなら話は完全に別なのです(⇒そもそもこの世の中って、「何を」言ってるかと同じ位に「誰が」言ってるかだって常にごく超重要だと思っては居るのですよね)。前述した「犠牲」だって、コレとて大いにジャッキーの実体験の中の正に現実だと思うのですし、それと遂に「折り合いを付けた⇒から、今こーいう映画を撮っている」てのだって多分(幾ばくか以上に)ホントのコトだとも思うのですよ。だとしたらそもそも、それってそれ自体が実に非常に喜ばしい・偉大なコトだと(私とて)思わざるを得ないじゃあねーですか。私はハッキリ、この映画は全編涙無しでは観られなかったですよね。 再度、カンフー映画ではない(ケド、カンフーも全然しっかりしてるサービス精神旺盛な)娯楽ドラマ映画で、とは言えカンフー盛り盛りなこーいうヤツには今まで9点を付けたコトがねーのでソコはかなり迷ったり&でも直近に観た『フュリオサ』よりは確実に満足度が一段階高かったってコトもあったり、でもでも結局「ゆーてジャッキーも実は別に今作が最後って感じじゃねーな⇒カンフーもまだまだ全然演ってくれそーだな」と思ったコトもありましたので、9点は今後の作品の為に取っておきます。良作以上であるコト自体は完全に保証可能だとは思いますケド。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 8点(2024-06-02 23:18:00)
【点数情報】
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