みんなのシネマレビュー

ルックバック

2024年【日】 上映時間:58分
ドラマアニメ青春もの漫画の映画化
[ルックバック]
新規登録(2024-07-04)【Cinecdocke】さん
タイトル情報更新(2024-07-13)【Cinecdocke】さん
公開開始日(2024-06-28)


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河合優実藤野
吉田美月喜京本
森川智之4コマ漫画の男性
坂本真綾4コマ漫画の女性
作曲アントニン・ドヴォルザークSymphony No.9 in E minor, "From the New World"
製作エイベックス・ピクチャーズ「ルックバック」製作委員会
集英社「ルックバック」製作委員会
配給エイベックス・ピクチャーズ
あらすじ
小学4年生の藤野は学生新聞で4コマ漫画を連載していた。クラスメートから絶賛を受けていた彼女は、ある日、一緒に掲載されることになった不登校の同級生・京本の4コマに愕然とさせられる。漫画を通じて、ライバルとして、尊敬する師として、互いの背中を追い続け、技術を磨いていく関係になった二人は高校卒業後、それぞれの道を歩み始めるがその矢先に…。『チェンソーマン』の藤本タツキ原作の読切漫画を劇場用アニメ化した中編。

Cinecdocke】さん(2024-07-12)
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【クチコミ・感想】

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2.《ネタバレ》 私は絵を描いている。
プロでもないし、ただの趣味。
それもオリジナルはほとんど描かず、好きな二次創作をpixivにアップしたり、時々コミケに本を出したり。
とは言え結果は散々で、時折ブクマ100超えれば良い方(稀に4桁ゲットもあったが)。
そういう自慢を聞きたくないのは分かるし、自分が筆を追っても困らないくらい凄い絵描きが大勢いる。
かつて鼻っ柱をへし折られた藤野も同じ心境だっただろう。

絵を描くことは楽しいことばかりではない。
地味で辛いことを続けていく面倒臭さ、上手く描けない苦しさ、
世に出しても報われない悔しさや周囲から置いて行かれていく惨めさ、嫉妬しどう足掻いても埋められない差…
それでも敵視していた京本が憧れで自分の背中を追い続けていたこそ、お互いに頑張れて辿り着いた境地があった。
ライバルに褒められた雨の中の嬉しいステップ、共作の漫画が入選し二人一緒に街に出掛けたこと、
感情のこみ上げる表現がラフに近い描き方によりクリアになる。

そのかけがえのない日々が一転、理不尽な暴力によって輝かしい未来を奪われる。
主人公が藤野と京本であることが分かるように、原作者の藤本タツキの実体験が微小ながら多分に投影されており、
あの事件に対する一つのアンサーだろう。

誰もが鳥山明や尾田栄一郎や藤本タツキみたいにキラキラ輝けるとは限らない。
ましてやプロの漫画家やイラストレーターになれる人などほんの一握りの狭き門で、
心が折れて涙を呑んで消えていった無名の人たちは星の数ほどいるだろう。
ただ、自分の可能性と表現したいものを信じて多くの時間を費やし、"フィクション"にひたむきに向き合ったことは、
決して無駄ではないというつもりは毛頭ないが、自分自身しか知らない苦闘は本人が否定しても事実として残る。

成功失敗問わずそれでも描き続ける人、いろんな事情で筆を折った人、再び描き始めて挑もうとする人。
かつての苦しさや辛さや悔しさを振り返り、苦虫を噛み潰しながら、これからの人生を紡いでいく決意。
フィクションで救われた人たちがいたように、それを受容して初めて"大人"になっていくことだと思う。

今やAI生成イラストの登場により、本作みたいな産みの苦しみや面倒臭さや挫折感を味わうことなく、
描けない人ですら一瞬で傑作を生み出し、簡単にバズれるようになり、大量生産が可能になった。
それを駆使する人たちが主流になったとき、
二人が描いた景色に"簡単に"辿り着いたその人たちにはどう見えるのだろうか。 Cinecdockeさん [映画館(邦画)] 9点(2024-07-05 23:41:14)(良:1票)


1.《ネタバレ》 原作は読んだ記憶はあるが内容はあまり覚えていない。もしかしたら断片的な情報をネットで見かけただけで、実際は読んでいないかもしれない。これくらいあやふやな情報しか持っていない状態だったし、映画化の情報も何となくどこかで目にしたような気がするくらいであまり関心はなかった。
ところが、上映開始日に「良かった」「観るべし」などと熱い筆致で書かれたいくつものポストをXで見かけてしまい、それをきっかけにネットで観た予告編に由々しきものを感じてしまった。「これは早めに観ておかなければ」と急遽見に行くことに。

学年の連絡プリントに4コママンガを描くことが好きだった小学生の藤野が、不登校の同級生・京本と慮外な縁から一緒にマンガを描くことになり、漫画家を目指す。だが、京本が高校卒業後に美術大学に行きたいと言いだし…。

かなり期待値が上がった状態で観てしまったことがいけなかったのか、予告編を観たときの期待を上回らない、首をかしげることの多い作品だった。

作品全体の印象は「映画というよりもBGVというか、よくできたプロモーションビデオみたい」だ。ストーリーに関係する登場人物が少なく、彼らと社会の関係性が稀薄だったこともあるかと思うが――これは原作がこうだからだろう――何よりもBGMのボリュームが大きすぎたことが大きな原因だ。

派手ではないが、非常に丁寧に、緻密に懸命に気合を入れて作画されているのだから(京本に4コママンガを褒められた藤野が田んぼのあぜ道を歩く作画は出色!)作画の力をもっと信じても良かったのでは、音楽の力で半ば強引に作品全体を盛り上げようとしなくても良かったのではと思ってしまうのだ(『ラーメン発見伝』でラーメンハゲこと芹沢が、客の舌を信じ切れなかったために主人公・藤本との最終決戦に敗れたことを思い出す)。

内容に関しても大きな不満はないのだが、「とにかくがむしゃらにマンガを描き、漫画家になる」に青春をささげたことがとにかく強調され、それ以外の描写がほぼオミットされているため、何かを描く行為自体に感情移入しきれない、もはや漫画家を夢見ることのない僕にとっては「理解はできるがどこか共感しきれない」作品であった。

それでも、帰りにパンフレットは買ったし(グッズは上映2日目にしてほぼ売り切れ!)ブルーレイが出たら買う可能性は低くない。技術的によくできた作品として手元に置いておきたい気はする。
はあさん [映画館(邦画)] 7点(2024-07-05 07:00:07)

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【点数情報】

Review人数 22人
平均点数 7.77点
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200.00% line
300.00% line
400.00% line
514.55% line
6522.73% line
7522.73% line
8418.18% line
914.55% line
10627.27% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review1人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 7.00点 Review1人
5 感泣評価 6.00点 Review1人

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