みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.久々にレビュー投稿したいと思わせる作品に出会いました! 実話をもとにしており、予定調和的なところは否めないですが それでも戦争に対する悲しみを抱え、葛藤し、もがきながらも それを乗り越えていこうとする人々の姿は希望を抱かせ、目頭が熱くなりました。 一言に戦争と言っても、そこから生ずる個々の悲しみ・葛藤は個別のもので また悲しみ・葛藤の原因は戦争に限ったことではありません。ただ戦争(日本人にとっては特に敗戦ですね)は原因として 分かり易く映画の題材にし易いのは事実で、そのため戦争関連の映画は結構な数あります。 本作はその中でも良作で、戦争の悲劇的部分を感じさせる一方で、葛藤しながら乗り越えていく姿勢にスポットをあてており やや抑え気味の演出・演技が効果的で、その描き方が秀逸だと感じる作品でした。 惜しまれるのは、英国軍人側の戦争に対するトラウマの描きが浅かった点でしょうか、それが描かれていれば 一層深みのある映画だったのですが・・・それは望みすぎ?それで減点1です。 【ペリエ】さん [DVD(邦画)] 9点(2019-05-06 01:26:54) 4.《ネタバレ》 冒頭、まず怪我の心配をする姿勢に感動。 これは泣かされると覚悟しました。 当時のことを知る人は少なくなってしまっているんでしょうけど、こうやって映像化して語り継いでいくことは大切なことのように思えます。 派手な演出はないけど、助け合いの精神を実直に描いた名作に仕上がっているんじゃないでしょうか。 ここまでの大騒動ではなかったとしても、当時の日本ではあちこちでこんな出来事があったんじゃないかと想像してしまいます。 戦後の日本が平和国家として歩んで来られた理由がよくわかります。 この作品のロケはすべて佐渡島で行われたとのことで、二重の意味でいい話だなと感慨深かったです。 村民役のエキストラや撮影に使用された衣装や小道具の提供など、島の人たちが全面的に協力して撮影が行われたというのが感動的。 しかも、滑走路の石も島の人たちの手作りだったなんて、それ自体が後世に語り継ぎたい感動物語になってますよね。 当時の助け合いの精神が現代にも繋がっているんですね。 そういった作り手の気持ちが作品にリアリティを与えて、素晴らしい作品になっているんだなと改めて納得しました。 そして、ラストの集合写真の真ん中に主演の比嘉愛未が納まっていて、映画的にはこの並びになるよねぇとか油断してたら、そこにオーバーラップしてくる当時の写真の真ん中にもモデルとなった女性の姿があり、思わず涙が溢れました。 実話だって知ってたはずなのに、ああ本当にあったことなんだなぁってしみじみと感涙しました。 作品を見る前にこの集合写真を見たとしても何の感情も生まれなかっただろうけど、作品を通して見る集合写真には当時の人たちの様々な想いが詰まっているように感じられました。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 9点(2016-12-23 16:54:31) 3.《ネタバレ》 まず終盤の村長の言葉は、印象的ではあるが微妙である。軍部の起こした戦争だった(国民は無責任)というのは現在も国民的常識であるから、ここであえて国民側の責任を指摘してみせた度胸は買う。しかし続いての“次の戦争を止める”との発言を聞けば、結局“誰か(要は国)が戦争を起こそうとしているので国民は止めなければ”といった昔ながらの脅威論のようで鼻白む。 当時はともかく、現実に有権者の投票行動が国の方向性を左右している(実際にした)現代においてこそ、民主主義の制度を通じた国民の主体性と責任感の発揮が求められており、その中で、今後の戦争の抑止に向けた現実的な努力も期待されることになる。そういった意図なら賞賛するが、そうでなければせっかくの感動作に古風な政治的メッセージなど込めるのは歓迎できない。むしろ劇中の経過を素直に受けた形で、広い民間交流が世界平和の礎を築くのだ、という素朴な文脈で語ってもらいたかったというのが率直な感想である。 ところで、劇中で変な親爺が日露戦争時の歌(「広瀬中佐」)を歌った後で「昔の同盟国」と言っていたのは、近視眼的な敵味方の区別をあざやかに無化してみせていて説得力があった。これはどちらかというと建前論の部類だろうが、その後の母子の情愛や歌の場面を見ていると、いわゆる諸国民の融和というような内容が、庶民(イギリス側を含む)の自然な感情に根差した形で表現されていて心に染みるものがある。 また登場人物では、その辺のオカアサンのように出ていた2人がユーモラスで、結構ブラックな軽口をたたいておいて結局笑いに巻き込んでしまうのが可笑しく、これはある種庶民のたくましさの表現だろうかという気がした。方言のため何を言っているかわからない場面とか、背中の叩き方など見てもこれは本当に地元の人かと思ってしまうが、こうした住民の姿が役者の力で映像化されているのは嬉しくなる。 そのほか、冬の日本海の風景は寒々としているが美しい。全国的観点からは“裏日本”などただ陰鬱なばかりと思われているかも知れないが、そこにはちゃんと四季もあり、ちゃんと人間が住んでいて喜怒哀楽も人の情もある。自分は佐渡と直接の関係はないが、同じく日本海沿岸の四季と人を知る者として、佐渡の皆さんの幅広い協賛と参加で作り上げたこの映画を(前記の苦情を除き)ほぼ全面的に支持したい。これは見てよかった。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-01-24 17:47:36)(良:1票) 2.《ネタバレ》 良く言えば優等生的、悪く言えばクソマジメな映画。 演出や映像に奇を衒う事なく、誰かが過剰に前に出ようとする事もなく、終戦直後に起こった実際の出来事を元にした群像劇が描かれてゆきます。 ダコタの不時着から滑走路工事、そして離陸までの島民達の苦闘の流れをもっと克明に見たかったとも思いますし、イギリス兵達の個性をもっと見せて欲しかったとも思います。ヒロインの生にもっと迫ってくれていたら、とも。 だけど、このくらいの塩梅がちょうどいい、気持ち良く見られるバランスのような気もします。どこかが突出して、その分上映時間が長くなって、って事になるとバランスが崩れてしまうような。 映画は後半になると明確に反戦の姿勢を打ち出してきます。そしてそれは過去の大戦を生きた人の悲劇を越えて現代にまで通じる描き方。ナショナリズムに固まり、戦争をしたがっているようにしか思えないような人々に対してのハッキリとした批判。 それはこの映画の唯一にして最大の力強い「出っ張り」かもしれません。 日本海の美しさと荒々しさが捉えられた映像が素晴らしく、そのロケーションに溶け込むような人々の表情が印象的です。柄本明、ベンガル、綾田俊樹という東京乾電池創設メンバーが揃って出演しているのですが、これ見よがしではなく、彼らもあくまで溶け込んでいるのですよね。 半年前まで敵として殺し合いを繰り広げていた国の人々との交流を描いた感動の物語。クソマジメゆえの気持ち良さを味わえた映画でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-10-13 20:24:49)(良:1票) ★1.《ネタバレ》 タイトルから容易に想像がつくように、物語の着地点(本作の場合は離陸点かな?)は初めから確定しています。ですから、観客の興味は結末に至るまでのドラマにありました。どんな苦難を乗り越えてダコタを再び飛ばす事が出来たのか。しかしながら、ハードルらしいハードルが見当たりません。英兵も島民も皆物分かり良く協力し、順調に滑走路を造り上げたように見えました。障害と呼べるのは放火未遂事件くらいのもの。厳しい自然環境の抵抗や滑走路造成過程の試行錯誤など、外的要素で盛り込めるハードルは幾らでもあった気がします。それに時は戦争直後の混乱期。ベンガルの言葉「ここ(頭)では分かっていても、ここ(心)がいうことを利かない」という島民の内面にも、もっと踏み込んで欲しいと思いました。戦争で息子を亡くした母(洞口)や戦時中の思いを引きずる青年(窪田)のエピソードにしても、簡易に処理をした感は否めません。心の穴を埋めること、凝り固まった心を解すのは、そう簡単な作業ではないはず。悩み、ぶつかり合い、苦難を乗り越えてこそのカタルシス。残念ながら、優等生の善行より不良の親切が持て囃されるのが世の常です。そういう意味では、登場人物がみな良い人過ぎたと思います。美談を美談のまま映画化することの難しさを感じました。ダコタ不時着時及び離陸時の描写に、予算問題をカバーする工夫が見られなかったこと。島民の善意の結晶であり最大の見どころ、自然石を敷き詰めた500メートル滑走路の全景をきちんと見せなかったこと。演出面、映像面での不満もあります。手放しで称賛できる映画ではありませんでした。本サイトのレビュワーとしての採点は6点です。ただし、一新潟県民としての思いは別。忘れ去られていた誇り高き感動の実話を、このような形で世に知らしめてくれた本作には、心より感謝いたします。油谷監督、比嘉愛美さん、初監督及び初主演に『飛べダコタ』を選んでくださり有難うございました。洞口依子さん、素晴らしい演技でした。この映画製作に関わった全ての方に敬意を込めて+2点を献上させてください。 【目隠シスト】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-10-06 20:49:39)
【点数情報】
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