みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
2.《ネタバレ》 有名な都市伝説をもとにしたホラーである。本来は題名の言葉を20歳まで憶えていると死ぬというだけの話だが、この映画では“鏡の中の世界に連れて行かれる”という派生要素をもとにして別世界の話を作ったように見える。 ホラーといっても特に怖くもなく、死に直面した人間模様を延々と見せられるだけで、感情表現がくどく叫び声がやかましいのが気に障る。映像面では、彩度を落としてほとんどモノクロに見えるのは別にいいとも思わないが、建物の外部を迷路のように見せていたのは少し面白かった。 ストーリー的には、わざとわかりにくくして観客が考えるよう仕向けていたようだが、そういうのは煩わしいのでやめてもらいたい。 制作側の思惑はともかく勝手に解釈すると、まず「死斑の女」の本当の目的は友達を作ることだったらしい。20歳の時点で友達もおらず人生に前向きになれない者は適任ということになるが、ただし友達にする前に、自分の醜い顔を認識されないよう相手の頭を変にしていたと思われる。割れていない鏡はお友達のしるしかも知れない。 主人公には友達がいたので不要として処分される見通しだったところ、唯一助かる道を当の大事な友達が閉ざした形になった(同じ看護学校?)のは皮肉ともいえる。しかし主人公の仮説に従えば本当に助かったのかも実は不明であり、廃墟で「死斑の女」の仲間にされないよう、人として生命を終わらせてくれたとも取れる。本人も、友達への警告と引き換えに20歳で一生を終わるなら本望と思ったかも知れない。 なお単純に20歳で死ぬだけの話に、その時点で生きる気概を失っている状態を関連付けたとすれば一定の工夫かも知れない。20歳までしか生きないというのは本来、大人になるのが怖いという思春期っぽい不安の表現だったのではと思うが、そんなことを多くの人間は20歳までに忘れているのに対し、別の理由で20歳の誕生日を迎えたくない連中が狙われるということなら悪くない。 ほか出演者は個性的な美形女子(みな20歳の想定)が多いので目を引くが、騒ぐのがやかましいので好きになれない。ただ主演の岩佐えみりという人は、あまり派手な顔ではないが見ているうちに愛着がわいて好きになった(名古屋の出身らしい)。ちなみにどうでもいいことだが、最初に出たガラの悪い男の「きゃ」「じゃ」「すけ」などの言葉は青森県あたりの方言ではないかと思うが意図不明だった。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 4点(2019-10-23 23:20:44) ★1.《ネタバレ》 初っ端から女性が、台詞で状況を説明し始めた時は「あちゃー」と思いました。役者の演技・演出の品質も右に倣へ。低予算映画に過度な期待をしてはいませんが、それにしても“ダメ映画あるある”が目につきます。しかし見進めていくうちに「そう悪くもないぞ」と思い始めました。 ≪≪以下ネタバレしてます。ご注意を。≫≫ 本作は都市伝説「紫鏡」をモチーフにした映画とのこと。私はこの都市伝説を承知していませんが、劇中の説明によると「『紫鏡』なる言葉を20歳になるまで覚えていると死ぬ」のだそう。昨今話題のあおり運転よろしく、回避困難かつ不条理極まりない話です。また、様々なディテールが完備されている有名都市伝説と違い“お題”がざっくりしている分、脚本の発想力が試されると言えましょう。それでは状況整理から。①登場人物はみな呪いの言葉を二十歳の誕生日当日まで覚えていた者たち。②呪いの力により肉体から精神のみが切り離され、異空間に連れて来られてしまった。③誕生時間ピッタリに苦しみながら絶命する仕組み。 極限状況下においても推理を重ね、真相を探り当て、生き残る為に試行錯誤する若者たちの“足掻き”が見どころです。そんな彼らが導き出した生還計画とは“一時的に気を失う”というもの。これは以下の仮説を拠り所とします。①異空間と違い、現世の時間は止まっていると推測。②異空間内での“絶命基準タイム”に『紫鏡』を忘れていられれば助かるはず。でも同時に、精神を肉体に戻す方策も必要。③気を失えば精神は肉体に戻ると仮定。それなら異空間内の基準タイムギリギリまで待とう。そしてジャストタイミングで蘇生を目指せ。④現世で蘇生が叶わなければ精神は異空間に捕らわれたまま。それでは意味が無い!誰か私を起こしておくれ!!⑤気絶させるつもりで精神を殺してしまってもアウトだ。匙加減は激ムズだ。 なるほど、なるほど、なるほど。よく考えました。僅かなチャンスに賭けるチャレンジ精神も立派です。タイムリミットや生還要件の付則は、サスペンスホラーの質を上げますな。ただし基本となるアイデアは良くても、作品の良し悪しは総合力で決します。ですから冒頭に述べた理由により採点は低めとなってしまうのです。気分的には努力賞を差し上げたいですし、密かに続編を作ってくれないかなあと思ったりもします。このお題、まだまだ工夫の余地はありますから。 【目隠シスト】さん [インターネット(邦画)] 4点(2019-09-30 20:23:13)
【点数情報】
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