みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
10.《ネタバレ》 こういう「女に入れ込んで破滅する男」というのはよくわからないし、同情する気にもならないので、あまり高く評価できません。梅川は心優しくて魅力的に描かれてはいますが。それにしたって仕事で預かった金の封を切るというのはねぇ。よかったのは内田監督の演出で、特に終盤の道行からあとは見ごたえがありました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-04-13 08:54:40) 9.《ネタバレ》 近松門左衛門の「冥土の飛脚」を映画用に再構成したもので、実際に起こった事件を近松門左衛門(片岡知恵蔵)がじかに見聞きし、 一つの作品(浄瑠璃)に仕上げる、という形式をとっている。 まだ映画の全盛期だったこともあり、東映の美術セットが実に見事。 主演の中村錦之助が金と力はなかりけりの典型的な色男(やさ男)を巧みに演じている。 有馬稲子もしっとりとした良い女(遊女)を好演。 圧巻は、二人の逃避行(道行)。場面が一転すると、追われる身となった二人がかばうようにしながら、 落ちのびていく様を流麗な舞に乗せて見せていく。このシーンは本当に美しい。 錦之助が文字通り水も滴るような美男ぶりで、有馬稲子は日本人形のような美しさ。 骨太の「飢餓海峡」を撮った内田吐夢監督に、こんな繊細な一面があるのかと、驚いた。 【kinks】さん [DVD(吹替)] 9点(2015-09-16 02:47:21) 8.肝心の錦之介さんが、びっくりするくらい最後までナヨナヨしっぱなしで・・・これではいくら悲恋を設定しても、当事者の感情の衝突がないので、何も生み出していません。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-07-15 02:52:15) ★7.《ネタバレ》 封印を切ったシーンの演技はよかった。古い映画だが、最後まで飽きずに楽しめた。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-07-12 19:52:20) 6.無理矢理遊女買いに連れて行かれた主人公が、コメディのように見事にはまっていく様子が悲恋を通して描かれていますが、とても人間味が伝わってくる映画です。音質が悪くてが聞き取りにくい所やラストの人形浄瑠璃のセリフがいまいちよく分かりませんが、子役を含め登場人物のさりげない演技に共感度も高まります。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-07-08 00:28:14) 5.タイトルだけ聞くと何だか軽くてヌルそうな感じですけれども、実際は文芸調の重みのある作品。悲恋の物語がじっくり描かれていき、じっくり描かれるからこそ、物語が後半の主人公たちが追い込まれてく姿に収束していく時のその絶望的な流れに、格別なものがあります。主人公の行動は、客観的に見ればいたって浅はかでどうしようも無いものではあるのですが、ここではその短絡的で直情的な行動が、絢爛たる花街の完成されきった世界の描写の中で対比的に描かれることにより、その無力さ、果敢なさが浮き彫りとなって我々に迫ってきます。圧倒的な非人情の世界の中に放り込まれた、無力な二人の姿、その世界に抗おうとして敗れ去る二人の姿。そしてその世界と、二人との間に位置する観察者としての近松門左衛門の存在が、またこの映画の物語に厚みを加えています。ラスト、彼によってこの事件が脚色された文楽が上演されている。(あるいは実際の事件の顛末を知ることなく)この舞台上の物語に魅了され感動している観客たちの姿と、実際の事件と自ら脚色した物語との違いを知る近松の最後の表情。彼の表情の奥にある心の慟哭こそがこのシーンの多層性、とも言えるのですが、それにとどまらず、現実の事件に触発されてひとつの作品が作られることそのものの感動もまた、ここにはあります。実話を元にしたなんて言うと、得てして「表面的」とか何とか批難されたりもするのですが、実際の事件を作品でそのまま再現する「リアリティ」が重要なんじゃなくって、それこそ様式化された人形劇へ置き換えちゃったってまるで構わない。実際の事件におけるある感情の一面、それは単なる一面に過ぎなくとも、作品として再構築され普遍化されて、人々の感情へと刻み込まれて永遠化していくということ。その感動ですね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2014-11-26 01:39:21) 4.非常にオーソドックスでガッチリしたつくりの古典的な「悲恋道行きもの」。有馬稲子って今DVDで鑑賞できる映画女優としての代表作は、何故かどれもやけに暗~い役柄ばかりなんですよね。「東京暮色」「ゼロの焦点」「波の塔」「告白的女優論」・・・どれもこれも男を死の淵へといざなう「死神ヒロイン」のごとし。「彼岸花」ですら底抜けに明るいという役でもなかったし。ご本人が好んでこういう役柄を演じたがったのか、会社から押し付けられたのかよくわかりませんが、インタビュー等での彼女のキャラクターと演じた役とが、どうも違っていたような気がするんですよね。もっともっとフツーに明るい役どころが観たかったかなと。でもこの「梅川」役に関しては適役だったと思います。なよなよとした柳腰、どこまでも薄幸そうな微笑み。こりゃ錦之助氏、実生活でも彼女にコロリと参ってしまったのも無理はない。このタイトルと東映製作という事で、もっと派手目なニギしく陽気な作品かと思っていたんですが(笑)名脇役浪花千栄子の大阪弁が出てくるだけで「ああ、これは大阪が舞台の映画なんだな」って思えるのがイイ!!このオバちゃんホント大好き! 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-12-14 14:48:00)(良:1票) 3.おう!これまたびっくりするような美の世界!何て言うのかなあ?最近の映画では、なかなかお目にかかれない美しい世界とでも言いますか、とにかく物語そのものよりもため息の出るような美しい映像に酔いしれました。中村錦之助と言えば男の中の男を活き活きと演じる本物の時代劇のスターの中のスターというのが、私の描く中村錦之助像であり、同じ内田吐夢監督の「宮本武蔵」シリーズやその他マキノ雅弘監督の「次郎長」シリーズや他、任侠ものなどで見せる一面とは違った今までに見たことのない初めて見せる新たな一面を見た気もします。上手く説明できないけど、とにかく中村錦之助は単なる時代劇俳優ではないということがこの作品を観て改めて解った気がする。またそんな中村錦之助が惚れる良い女を演じている有馬稲子の美しさ、更に片岡千恵蔵の存在感、さすがの一言です。また一つ、内田吐夢監督の映画で見応え十分の作品に出会った。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-02 17:09:24)(良:2票) 2.とても見応えがあった。出てくる出演者がみな知った顔で豪華。色彩の美しさもいい。近松門左衛門の人形劇に始まり、終わるってのもうまい。眼光鋭い千恵蔵の存在感は凄いが、如何せん顔のでかさが気になった。「こんなとこ二度来ても三度来るとこじゃない」とかいう有馬稲子ですが、ちょっと難しい。金金言うくらいなら、何故・・・とか。「女心と秋の空」発動かと思った。「花魁は売りもんに買いもん、自分の思うとおりなりまっかいな」とそんな空気も吹き飛ばす浪花千栄子のしゃきしゃきパワーが凄い。 【バカ王子】さん 8点(2004-06-18 23:42:33)(良:1票) 1.《ネタバレ》 惚れた遊女のために商売の金を横領して身を崩すという300年前にあった実話。その実話を近松がそばで見聞きしながら脚色し、「冥途の飛脚」を完成させていくという中々面白い作り。(ココでの実話にもおそらく脚色はあるわけだが・・・)。私は女のために会社の金を横領しようと思った事はないので(しかも当時は死罪)、主人公には共感できず、作品に入り込めなかった。錦之助は抑えた演技が続くので、ファンとしてはやや物足りないのだが、封印切あたりから抑えた感情が表面化してくる辺りは流石で、凄みが感じられる。有馬稲子もTHE遊女という感じで、妖艶さに満ち溢れている。2人は駆け落ちして実の親に会う直前に捕まるのだが、近松が「わしの筆はそこまで不人情(親に会えないで捕まる事)にはなれない」と、実話と異なるラストになるように脚色を加える(親に会えるようにする事)ところは考えさせられる。これは見る側の好みの問題だが、実話をベースとする場合、徹底的に現実に即して脚本化されるよりも、近松のように多少は夢や救いのある脚色がなされた脚本の方が私は好みです。 【東京50km圏道路地図】さん 7点(2004-04-06 15:37:06)(良:1票)
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