みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★4.『十二夜』がなかなか良かったので、こちらも少し期待して見ました。で、まあ、正直に言うと、ちょっとばかし期待外れでしたかね。無難な作りですが、無難すぎてアッサリ終わっちゃった、って感じです。とはいえ、大好きなヘレナのデビュー作ですから、ある意味私にとっても記念碑的作品です。デビュー作とは思えぬ演技と存在感で、その後の活躍も納得というものです。期待外れとは書いたけれど、この監督は、とっても仕事がというか、演出が丁寧ですね。心理描写に腐心しているのが非常によく伝わってきます。役者の微妙な表情の変化が素晴らしいです。衣装・美術も美しい。それにしてもまあ、古今東西、権力ってのは実に実に脆いもんですなぁ。執着しようがしまいが、崩れるときはあっけなく、成り上がるときもあっけなく。どんな恐ろしい権力闘争を目の当たりにしても、欲するものが後を絶たないってこれ、一体どーゆーことなんでしょ。ま、ジェーンは欲したわけじゃなく傀儡だったわけだけど。かしずかれるか斬首か、こんな二者択一な人生、怖すぎます・・・。なかなか上品な薄味作品でございました。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-08-06 22:34:01) 3.《ネタバレ》 「1000日のアン」に続く英国史ものということで鑑賞しましたが、こちらは「1000日」と異なって恋愛モノの色合いが強く点数はちょっと辛めです。主人公のジェーンとギルフォードは当初はお互いに反発しあっていたものの恋愛・結婚の順序を逆にしたような深い絆で結ばれたカップルとして描かれています。Wikipediaの英語サイトは二人両方を独立した項目で取り上げていて、どちらも「当時では稀な自由主義教育を受けた」秀才だったと書いています。と、言っても、二人とも年輪もいかないうちに女王とその配偶者に祭り上げられて処刑されたので、きっと二人ともに書籍の出版件数も少なかった時代に存在する全ての出版物を読んでしまうほど知識欲が旺盛で、国教徒派の周囲も国を治めるパワーカップルとしては息がぴったり合って最高の組み合わせと判断したのでしょう。ところで、ジェーン女王の即位を即位後9日目に覆したメアリー女王がスペインのフェリペ王と結婚した時はすでに37歳、今なら医学の知識を借りて子供を作ることはさほどむずかしくないけれど、「跡継ぎはどうするの???」と当時の周囲はやきもきしただろうと思われるオバサンでした。フェリペ王はこの時、野心見え見えの26歳、この若い夫のご機嫌を取るためか、メアリーは後年「ブラディー・メアリー」とあだなされるほど、国教徒派を粛清・処刑しまくったようです。ヘンリー8世とエドワード6世のときは様子見だった国民の多くがこれで英国教会に傾いたようです。このメアリー女王に子供ができなかったせいで、次のエリザベス一世の支配下で英国教会のイギリスが誕生するわけですが、短期間の女王在位の後に同じく斬首刑になったアンが「わたしの血を引く者(娘のエリザベス)が必ずイギリスを支配する・・・。」と予言しながら死んでいったのとは違って、ジェーンはひたすら来世で夫のギルフォードと再会することだけを願って死んでいったので、恋愛ものとしては素晴らしい作品だけれど、歴史ものとしてはちょっと迫力に欠けるな・・・なんていうことを鑑賞後に考えました。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-13 06:02:55) 2.斬首のシーンに始まり斬首で終わる、血なまぐさい16世紀のイギリス王朝の歴史のひとコマ。 クラシカルな雰囲気や豪華な衣装で描かれるレディ・ジェーンと夫のギルフォードの悲劇はまるでロミオとジュリエットのようで涙を誘う。 ヘレナは賢くて美しかったというジェーンその人のようで、とても初々しいけどデビュー作とは思えないほど存在感たっぷりです。 飲んだくれの放蕩息子かと見えたギルフォードも理想と現実の落差に絶望してヤケになってただけだったんですね。ホント、美しい。 二人とも若者らしい正義感や理想で共感し心から愛し合うようになったのに、大人たちの政争に利用され若くして死ななければならなかったのはさぞ無念だったことでしょう。せめて二人が魂の楽園で再びめぐり合えたと思いたい。 この後スペインのフェリペと結婚したメアリーは跡継ぎができず、やむちゃさんも言及された「エリザベス」へと続きますが、ちょっと分かってくると面白くてつないでまた見たくなりました。 【キリコ】さん 8点(2004-07-26 23:37:45) 1.チューダー朝の9日間女王として知られるジェーン・グレイの物語。ほぼ史実通りの映画化のようです。これがデビューのヘレナも、「アナザー・カントリー」直後のケーリーもとっても初々しくて美しいので、まわりの大人たちの野望に翻弄されての悲劇が余計に際立ってます。処刑後彼女達が「魂の楽園」へ旅立ったかのようにカメラは大空の鳥達を追う。そんな解釈と、ふたりが本当に愛し合い、ほんのひと時幸せに暮らした事とで少しだけ救いを見出せるので、悲しいながらも、美しいヘレナとケーリーを堪能したくて何回でも観てしまいます。ちなみにケーリーが演じたギルフォードはエリザベス1世の愛人ロバート・ダドリーの弟に当たるので「エリザベス」と合わせて観れば、歴史的興味が倍増するかもしれません。この作品にも彼と思しき人物がチラッと出てます。 【やむちゃ】さん 8点(2004-03-20 10:59:29)
【点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS