みんなのシネマレビュー

戦場にかける橋

The Bridge on the River Kwai
1957年【英・米】 上映時間:155分
ドラマアドベンチャー戦争もの小説の映画化
[センジョウニカケルハシ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-08-14)【イニシャルK】さん
公開開始日(1957-12-25)


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監督デヴィッド・リーン
演出鍛治谷功(日本語吹き替え版【ソフト】)
キャストウィリアム・ホールデン(男優)シアーズ
アレック・ギネス(男優)ニコルスン大佐
ジャック・ホーキンス(男優)ウォーデン少佐
早川雪洲(男優)齋藤大佐
ジェームズ・ドナルド〔1917生〕(男優)軍医クリプトン
ジョフリー・ホーン(男優)ジョイス中尉
アンドレ・モレル(男優)グリーン大佐
ピーター・ウィリアムズ(1915年生)(男優)リーブス大尉
ジョン・ボクサー[男優](男優)ヒューズ少佐
パーシー・ハーバート(男優)グローガン
ハロルド・グッドウィン〔英男優〕(男優)ベイカー
アン・シアーズ(女優)セイロン病院の看護婦
大川平八郎(男優)兼松大尉
勝本圭一郎(男優)三浦中尉
安原義人シアーズ(日本語吹き替え版【ソフト】)
堀勝之祐ニコルスン大佐(日本語吹き替え版【ソフト】)
佐々木梅治ウォーデン少佐(日本語吹き替え版【ソフト】)
森田順平軍医クリプトン(日本語吹き替え版【ソフト】)
石田太郎齋藤大佐(日本語吹き替え版【ソフト】)
塚田正昭グリーン大佐(日本語吹き替え版【ソフト】)
水野龍司リーブス大尉(日本語吹き替え版【ソフト】)
金尾哲夫ヒューズ少佐(日本語吹き替え版【ソフト】)
青山穣グローガン(日本語吹き替え版【ソフト】)
後藤哲夫兼松大尉(日本語吹き替え版【ソフト】)
西凜太朗三浦中尉(日本語吹き替え版【ソフト】)
高橋研二(日本語吹き替え版【ソフト】)
木下紗華(日本語吹き替え版【ソフト】)
近藤洋介シアーズ(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
久米明ニコルスン大佐(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
安部徹ウォーデン少佐(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
日下武史軍医クリプトン(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
鈴木瑞穂齋藤大佐(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
井上真樹夫ジョイス中尉(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
岡部政明リーブス大尉(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
雨森雅司グローガン(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
はせさん治ベイカー(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
寺島幹夫笠松大尉(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
宮内幸平(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
阪脩(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
木原正二郎(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
仁内建之(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
幹本雄之(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
藤本譲(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
小川真司〔声優・男優〕(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
高坂真琴(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
筈見純(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
田口昂(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
原作ピエール・ブール
脚本カール・フォアマン(劇場公開時は赤狩りのためノンクレジット)
マイケル・ウィルソン〔脚本・1914年生〕(劇場公開時は赤狩りのためノンクレジット)
音楽マルコム・アーノルド
作曲ヘンリー・キャリー「女王陛下万歳」
ケネス・アルフォード「ボギー大佐のマーチ」
撮影ジャック・ヒルデヤード
ジェリー・フィッシャー(追加カメラ・オペレーター&アシスタント・カメラ〔ノンクレジット〕)
製作サム・スピーゲル
制作東北新社(日本語吹き替え版【フジテレビ】)
配給コロムビア・ピクチャーズ
美術ドナルド・M・アッシュトン(美術監督)
ジョフリー・ドレイク(美術監督補)
ヘアメイクスチュアート・フリーボーン
ジョージ・パートルトン
編集ピーター・テイラー(編集主任)
録音ジョン・コックス〔録音〕
日本語翻訳税田春介(ソフト)
スタントノッシャー・パウエル(ノンクレジット)
あらすじ
時は1943年、ビルマとタイの国境近く、疫病、栄養失調、毒蛇などのジャングルの危険にさらされた日本軍のキャンプに数十名のイギリス兵捕虜が到着した。国境の河に橋をかけることを使命とし捕虜に建設労働をさせようとする日本軍の斉藤大佐がジュネーブ条約を盾に労働を頑なに拒むイギリス兵の代表ニコルソン大佐と駆け引きをする中、数人のアメリカ人捕虜がキャンプを脱走、そのうち一人が監視兵の銃撃を潜り抜けて脱出を果たす。一方、斉藤大佐は何が何でも期日までに橋を完成させようと策を練る。

かわまり】さん(2004-01-26)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想】

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145.《ネタバレ》 【前置き】
冥界の大島渚監督に叱られそうですが、「戦メリ」は絶対に本作の影響を多大に受けてますね。
映像から感じられる空気感もそう、斎藤大佐のキャラが「軍人で無ければ良い人だろうに」と思える設定なのもそう。

【本題】
初鑑賞は確か1979年位、何と今から45年も前の話。
1977年公開の「スター・ウォーズ」に夢中になった私は、「オビ・ワン役の人が出演している」と言う理由だけで本作を鑑賞、
当時小学校高学年の私には本作はまだ早すぎた様で、残っているのは「観た」と言う記憶のみ、中身は殆ど覚えておらず。
月日は流れ相応の人生経験を積み、清濁併せ飲む事も覚えた56歳のオッサンに取って、本作は他多くの戦争映画の名作と同様に
人と言う生き物の愚かさ・滑稽さをしみじみと思わせる深い味の作品でした。

人望厚いが真面目過ぎる英国士官:ニコルソンと、橋の完成が遅れ気ばかり焦る日本士官:斎藤。
悲しいかなどちらも中間管理職。
反りが合う訳が無い二人のやりとりはもはや笑えないコントの領域。でもお互いの気持ちは良~く判る。
そんな二人の面子と意地のぶつかり合いは、やっぱり滑稽で何となく悲しさを感じさせるもの。
クライマックス、友軍が仕掛けた爆弾に気づいてからのニコルソンの行動は虚しさだけ。
28年間もの間、軍隊に身を捧げた彼は忌の際に何を考えたのか。
Madness... そう、まさしくその通り。

【蛇足】
何故に白人兵士3人に随行する現地のお姉さま方が皆一様に可愛いのか?
そして、上手くカップルになってしまうのは何故なのか?
これは小学校高学年だった私には絶対に思いつかなかった疑問(爆)。 たくわんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-28 14:34:24)(良:1票)

144.《ネタバレ》 舞台は二次大戦中のタイのジャングルにある日本軍の捕虜収容所。日本軍が連合国側の英国軍捕虜を動員して、タイ-ビルマ間鉄道を突貫工事しようとするも、なかなか進まず四苦八苦。英国将校が指揮を執るようになると、モチベーションも高まり着々と工事が進むその一方で、連合国の別部隊による橋の爆破作戦も進められていた・・・といったストーリーです。苛酷な労働や飢えや病気や齋藤などの理由で、捕虜が大量に死亡しているようなのですが、そこら辺の描写は湿っぽくなく、ドライな感じです。木製の橋が工事中に崩れるところで大笑いしてしまったのですが、破壊がメインの他の戦争映画と違い、文字通り建設的な雰囲気があって、緊張感があまりなく、楽しめるんですよね。日本軍人は、橋の建造技術に乏しかったり、プレゼントに釣られて便宜を図ったり、マヌケな役回りなのですが、それはそれで人間的な感じで描かれています。日本人側が英語ができる者が多く、コミュニケーションが可能というのが大きいんでしょうが。捕虜収容所の所長は、橋の建造を英国軍将校の指揮力に頼らざるを得ず、任務遂行とメンツとの板ばさみになるのですが、表向きの威厳と、裏での葛藤を、役者がよく演じてると思いました。終わり方も、ただの美談では終わらせず、戦争のむなしさを感じさせ、複雑な後味を残すもので、いい終わり方だなと思いました。 camusonさん [DVD(字幕)] 7点(2023-12-25 17:48:22)

143.《ネタバレ》 最後の最後は確かに面白い。
だが、そこにいたるまでがとにかく長い。

早川雪洲のキモいオヤジ感が半端ない! にじばぶさん [インターネット(字幕)] 6点(2022-09-28 21:31:03)

142.《ネタバレ》 日英の大佐による信念のぶつかり合いと面子、経歴詐称の米軍兵が大義に呑み込まれ真の戦士になっていく皮肉、戦争という熱狂から退くに退けなくなった人間の哀しさが上手く表現されている。終戦から12年経って作られた映画ながら、比較的日本側にも配慮した描き方は評価。結末は分かっていても橋を爆破するのかしないのかという緊張感で目が離せなかった。陽気なマーチがラストの無常さを際立たせる。 Cinecdockeさん [地上波(吹替)] 7点(2022-01-08 11:08:34)

141.終盤まで橋を建設する所までは、お互いの信念のぶつかり合い、やり取りが見ごたえあったがそれ以外がちょっと退屈気味だった。
蛇足部分はもっとカットして飽きさせないように出来なかったのかな? misoさん [地上波(吹替)] 6点(2022-01-02 21:54:53)

140.《ネタバレ》 斉藤大佐と捕虜になった英軍のニコルソン大佐の意地とプライドの闘い。
敵軍のために橋の建設に全力を尽くすことが、英軍のプライドと優秀さを証明することにもなると、力を合わせる不思議な展開。
その橋を爆破しようとする英軍の作戦を味方のニコルソン大佐が懸命に阻止しようとするのがなんとも皮肉。
一歩引いて見ると何やってんだかと苦笑してしまうような喜劇にも思えるが、当人たちはいたって真面目な悲劇というのがやるせない。 飛鳥さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2018-09-16 19:25:13)

139.《ネタバレ》 頑固な大佐とサイトウの意地の張り合いが茶番にしかみえないがこの時代をよく表したものである。
見所はクリマックス。戦場にかけた橋は無情にも崩れ落ち戦争の無意味さを象徴している。
自分は戦場ドンパチの方が好きだが、この映画はなんとも遣る瀬無い気持ちがこみ上げてくる。 mighty guardさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-10 23:59:27)

138.《ネタバレ》 日本軍=非合理的、英国軍=合理的という主張は鼻につきますが、それでも川の水位が下がってからのラスト15分の緊張感は見物。唐突に矛盾(兵士の誇りを保つための橋建設と利敵行為)の解決を求められた中佐の戸惑った表情が記憶に残ります。爆発で死ななければ、彼は橋を守るか、壊すかどちらを選んでいたでしょうか。 次郎丸三郎さん [DVD(字幕)] 8点(2017-12-31 15:13:12)

137.人間同士のやり取りがきちんと描かれていて、想像していたよりも面白い。
戦争というか、それぞれのミッションの無意味さを描こうとした映画だと思う。それでも、最後は逆にあっさりしている。 simpleさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-05-06 14:09:52)

136.《ネタバレ》 「アラビアのロレンス」は退屈だったけど、この映画は退屈する事なく最後まで見させてもらった。
といっても、「逢引き」みたいな女性映画のリーンが好きな俺としては、どうしても野郎ばっかりの内容&ラストのオチに引っかかる。
捕虜収容所における日本軍とイギリス軍の心のぶつかり合いと交流、それを押し流すように戦争の現実が迫るスリルに満ちた作品。
軍の命令で軍人の誇りを命懸けで貫く斎藤大佐の意地、部下たちを守るために職務と誇りを貫こうとするニコルソン大佐の意地。
「クワイ河マーチ」を高らかに口ずさむ姿は、ニコルソン大佐たちの抵抗の証でもある。
戦場の縮図とも言える、極限状態の収容所における激しいぶつかり合い。
人間の尊厳、名誉、魂を巡って彼らは言葉を交わす!
銃を持たなくとも戦争は戦争なのだ。
様々な衝突を経て結ばれる「絆」。
「橋をかける」という共通の目的が、立場を超えた「道」を造っていく。
後半はその「道」の崩壊までをスリリングに描く。
収容所を脱走したシアーズ中佐の意地。
「偽物」から「本物」の戦士に成長していくシアーズたちの力強さ、崩壊の足音が迫るニコルソンと斎藤大佐。
3つの「サー」。
どちらも死んで欲しくない、どちらも無事にたどり着いて欲しい、どっちを応援すれば良いのか解らなくなってくる。
劇中におけるニコルソンと斎藤大佐の交流がさらに掘り下げられていたら・・・一層心苦しい気持ちになっただろう。
ラストシーンの皮肉、哀しさ、虚しさ・・・は解るけど、ちょっと腑に落ちない終わり方。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-09 23:23:39)

135.諸行無常。この言葉がこれくらい似合う映画は他にない。
改めて観返して有名なクワイ河マーチが実は劇中でほとんど使われてないのを知ってびっくり。 あばれて万歳さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-08-16 18:19:55)

134.心の架け橋の映画かと思っていたら本物の橋を架ける映画でした。軍人の中のエンジニア魂にも大いに共感できます。何とも皮肉な結末が良かったです。 ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-08-13 19:57:08)

133.《ネタバレ》 ずっと前に観た記憶はありますが全く覚えていなかったので観てみました。悪者日本人やらちょっと変な日本人をみせられるかと思って嫌な気分になるかなぁと思いましたが、若干見下された感は残るものの、許容範囲と思います。空しさが印象的です。映画って特定の人物や状況に、憧れや感情移入、共感したりしますが、この作品は、それが出来ないようになっている気がする。唯一美談となりそうな敵味方が協力してかけた橋が、最後は爆破されたというのが、よりいっそう戦争の空しさを感じさせますね。 ないとれいんさん [地上波(字幕)] 7点(2013-11-14 21:27:34)

132.《ネタバレ》 なんとも不条理な物語。このやるせなさが戦争というものなのでしょう。敵国の橋を建設することにより保たれたプライドが、破壊工作員に会った瞬間、すべてが崩れていく。あ~なんと切ないことか。かなり長い映画ながらあまり退屈せず観れましたが、結構あまり意味の無さそうな場面が多いような気が・・・。最後の劇的な場面の為だろうけど、川の水位が一日であんなに下がったりするかなぁ?とか思ったり。列車が迫る、でも橋を爆破せにゃならん、、で、、、のスイッチオンには正直「えぇぇ??!」と思ってしまったり(苦笑)。斉藤大佐役の早川雪洲は戦前からハリウッドで活躍してた人なんですね、知りませんでした。何作かいまでも観れるようなので今度観てみたいとオモイマス Kanameさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-10 08:42:25)

131.《ネタバレ》 ニコルスンと斎藤、両大佐の意地を賭けた文明の衝突はなかなか見応えがあります。斎藤や日本軍を描く東洋趣味は、ちょっと変だがまあ許容範囲でしょう。ただ昔から自分が理解できないのは、「将校は何で労役させてはいけないの?兵士はOKなのに」というジュネーブ協定の捕虜規定なんです。もちろん十分な食料を与えずにこき使うなんてのは論外ですけどね。たぶんこれには階級社会だったヨーロッパのモラルが色濃く反映していると思います。だからあんなにボロボロになっても秩序正しい英国捕虜たちの姿は、鉄壁の階級社会である大英帝国の皮肉な隠喩でもあるわけです。 面白いことに、太平洋戦争では日本軍捕虜は収容所に入れられると、将校と兵士の絆が綺麗にバラバラになってしまったそうです。捕虜教育ということを全くしてなかった旧日本軍の体質も一因でしょうが、日本人の国民性を考えるには良い材料かもしれません。 だからラストでクリプトン軍医が呻く“Madness!”という言葉には、単純に戦争の狂気だけを指しているわけじゃないと私は感じます。 S&Sさん [映画館(字幕)] 7点(2013-08-12 21:46:20)

130.いくら自分たちが汗水たらして作ったものだからといって、橋を守るのは理解不能だ。戦争中ですよ。敵を利するものだから破壊して当然のはず。橋を守ろうとしたA・ギネスはおかしいよ。オスカーは彼よりも、橋を破壊しようとしたW・ホールデンの方がふさわしいのでは? 風小僧さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-12-22 22:58:29)


129.《ネタバレ》 法廷モノ傑作2作を抑えての米アカデミー作品賞受賞作。日本軍と英国人捕虜兵の葛藤を描いた前半の熱いドラマが後半は尻すぼみの印象です。耳に残る「口笛」行進曲。イカツすぎる強面の斉藤大佐。意外な幕切れですが「大佐が倒れてスイッチオン」は腑に落ちません。 獅子-平常心さん [DVD(字幕)] 6点(2012-07-01 01:27:55)(良:1票)

128.《ネタバレ》 最後のクリプトン軍医の言葉にもあるように「戦争=狂気(madness)」というのがこの映画のテーマなんでしょうね。 捕虜収容所という極限状態では、なにかしら目的を持ってそれに突き進んでいないと精神的におかしくなってしまう…『大脱走』では脱走そのものが目的だったけど、脱走ががほぼ不可能なこの地では橋の建設がイギリス兵たちの心の拠り所になったわけで。 橋の建設自体は敵である日本兵に加担することになるにもかかわらず、ニコルソン中佐のもと捕虜たちは立派な橋を建設して、実際そのおかげで兵たちは正気を保って軍の規律も守られたし、敵である齋藤大佐とニコルソン中佐の間には橋を介して奇妙な友情さえ生まれてたと思うわ。 ただ…どれだけ独房に入れられても信念を曲げなかったニコルソン中佐なのに、みんなで困難を乗り越えて完成させた橋が爆破されるとなると正常な判断ができず、味方であるはずのイギリス兵の邪魔をして、敵であるはずの日本兵に爆弾の存在を知らせてしまう…。 強い精神力を持っていたはずのニコルソン中佐も、気づかないうちにこの橋(=捕虜たちのプライドの象徴)に依存してたんでしょうね…。 人間の精神は、戦争のような極度のストレスを耐えうるようにはできてない…まさに「戦争=狂気」なんだと思うわ。 梅桃さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-16 13:05:39)

127.早川雪洲が、まさにそのまんま、いわゆるセッシュー台に乗って演説をぶっております。ってのはどうでもいいですが、私もその昔、初めて本作を観た時には雪洲演じる斎藤大佐の不甲斐なさばかりが印象に残って。というより日本軍は二流、英国軍は一流みたいな描き方が鼻について。しかしそう感じたのも遠い昔、その後何度か観ていると、作品の印象も変わってくるもの。この映画でやり玉に挙がっているのはむしろニコルスン大佐。彼は徹底した勝者として描かれている。完璧な軍人、ほとんど非人間的とも言えるほど。それに比べりゃ斎藤さんなんて、意地を張って見せても、弱さの面を充分に持っていて、非常に人間的な存在ですよね。ニコルスンはひたすら信条を貫く。部下からの信頼も厚いが、あくまで信条第一であり、部下への思いやりが如何ほどのものなのかはわからない。彼がいなければ英国軍捕虜は規律が乱れ、彼がいれば見事な働きを見せる。しかしその背景にあるのは「軍人には規律が必要」という彼個人の信条であり、「英国軍の力を見せつけたい」という彼個人の欲求であり、そのためには、一般兵はおろか、将校も傷病兵も過酷な労役に動員する。ニコルスンの言動には紳士的な面もあるけど、ことあるごとに斎藤大佐なイヤミな発言をぶつけるあたりは、到底褒められたものではありません。彼は紳士である以前に、ひたすら「勝者」なんですよね。この映画、前半の「意地の張り合い」がじっくり描かれる割に、後半、本格化する橋の建設の苦労が充分描かれないのが、不満ではあるのですが、またこの苦労をあまりこの段階で描きにくかったのかも。何しろ、橋が完成するまではニコルスンは完璧なヒーローでなければならないのだから。労役の過酷さは、連なる捕虜たちの墓でのみ暗示されている。そしていよいよ橋の完成。気が緩んだニコルスンは棒を川に落とす。彼が「敗者」へと転落する予告。彼が英国の名誉のために完成させるべきと判断した橋を、英国軍は破壊すべきと判断した、それは彼の軍人としてのアイデンティティの崩壊を意味する訳で。結局、壮大なカタストロフィとともに、表舞台の人間たちはすべてが敗者となり、傍らでそれを目撃した者は。それをただ、狂気としか表現できない。それは戦争の狂気なのか、個人の狂気なのか。観るたびに、作品の印象が前者から後者へとウェイトが移っていき、ため息も大きくなっていく次第。 鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-04 17:08:33)

126.《ネタバレ》 川の小さな滝のところで銃撃が起こると鳥がいっせいに飛び立つ。その銃声に驚かされて飛び立ったというより、血で汚された地を嫌って空へ向かった、って感じ。無数の鳥の影がジャングルや川面を走り巡る。この映画では最初から鳥の視点が批評的に地上の愚かな戦争を眺めていて、ラストむなしさが広がるクワイ河をしだいに鳥の視線になってカメラが上昇していく。脱走しヘトヘトになってたどり着いた地でW・ホールデンは、まず自分を監視している鳥に怯えるが(倒れた彼の上を鳥の影が通り過ぎていく凶々しさ)、やがてそれは凧の鳥に変わる。狂った地上を鋭く監視する鳥から、子どもの遊び道具となっている鳥へ。狂気の地からマトモな暮らしのある地へとたどり着いたことが、鳥の裏表で示された。その女こどもが暮らすマトモの地から狂気の地へ戻っていくときに女たちが付き添うのは、彼らの作戦が男たちの狂気に呑み込まれないよう、少しでもマトモな世界の空気を注入しようとしているのだろうか。この映画は英日米の軍人気質の違いを見せてはいるが、主人公はあくまでもアレック・ギネスだ。軍人としてどうあるべきか、をまず第一に考える精神主義者。ダラケていく自軍の兵士を見ることより、敵に協力しても誇りを持ってイキイキすべきだ、と考える。精神主義者として敵であるサイトーのほうに近しいものを感じてしまっている。橋の完成のためにはついに自軍の傷病兵まで繰り出そうとするあたりのノメリ込みの凄味。あからさまな狂気の描写でないだけに、彼の心に「まったく屈折のないこと」が怖く迫ってくる。「立派な軍人」というもののあるべき姿を煮詰めていくと、この狂気に必然的に行き着くだろうというところが一番怖い。 なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-19 10:26:47)

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【点数情報】

Review人数 145人
平均点数 7.20点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
321.38% line
474.83% line
5117.59% line
62617.93% line
73322.76% line
83826.21% line
91611.03% line
10128.28% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.55点 Review18人
2 ストーリー評価 7.23点 Review17人
3 鑑賞後の後味 6.35点 Review17人
4 音楽評価 7.41点 Review17人
5 感泣評価 6.57点 Review7人

【アカデミー賞 情報】

1957年 30回
作品賞 受賞 
主演男優賞アレック・ギネス受賞 
助演男優賞早川雪洲候補(ノミネート) 
監督賞デヴィッド・リーン受賞 
撮影賞ジャック・ヒルデヤード受賞 
作曲賞(ドラマ)マルコム・アーノルド受賞 
脚色賞カール・フォアマン受賞 
脚色賞ピエール・ブール受賞 
脚色賞マイケル・ウィルソン〔脚本・1914年生〕受賞 
編集賞ピーター・テイラー受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1957年 15回
作品賞(ドラマ部門) 受賞 
主演男優賞(ドラマ部門)アレック・ギネス受賞 
助演男優賞早川雪洲候補(ノミネート) 
監督賞デヴィッド・リーン受賞 

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