みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
6.《ネタバレ》 都市開発を請け負う会社の共同オーナーとして、表面上は満ち足りた生活を謳歌しているように見えるウィル。ボスニア移民の子として貧しい母子家庭に育ち、街のチンピラたちの誘惑によって今まさに犯罪者の仲間入りを果たそうとしている青年ミルサド。ある日、ミルサドがウィルのPCを盗んだことから、決して交わるはずのなかった彼らの人生が、お互いの様々な問題を抱えた家族たちをも巻き込んで複雑に交錯してゆく。いかにもアンソニー・ミンゲラらしい淡々と描かれたヒューマン・ストーリー。なんだけど、軽度の精神疾患を患う娘ビーのことで崩壊の危機に瀕したウィルの家族の再生の物語なのか、貧困の連鎖から抜け出せない青年ミルサドの葛藤の物語なのか、それともウィルの不倫の物語なのか、ミルサドを想う母の愛情の物語なのか、それとも理不尽な格差社会の矛盾を突いた社会派物語なのか、何をメインに描きたかったのかが途中から軸がブレブレでなんとも散漫な映画となってしまってます。車盗む売春婦のエピソードも、いったい何のために出てきたのかさっぱり訳分からんし。それに「いまのところ家族がとっても面倒臭い状態だから、取り敢えず他の女とHしてリフレッシュしたかっただけだろ、お前!」としか思えないジュード・ロウ演じる主人公ウィルが、最後に懺悔してミルサド救ったからOKとばかりにちゃっかり元鞘に収まっちゃうトコにちょっぴり(いや、かなり?笑)ムカついちゃいました。ということで4点! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 4点(2013-12-20 23:28:25) 5.《ネタバレ》 終末SFを連想させる邦題は意味不明ですが、原題の”Breaking & Entering”は作品の内容を端的に示しています。「相手の心に入り込むためには、まず目の前の壁をぶち壊せ」、本作はコミュニケーション不全に陥ったカップルの再生の物語です。。。 美男美女であり、富にも名声にも恵まれたウィルとリヴは、表面的には完璧なカップルです。しかし、リヴの連れ子であり、軽度の精神疾患を患う少女・ビーの存在が、二人の関係を難しくしています。ウィルはリヴとビーを愛しているものの、血縁がないためビーとの関係に遠慮があって、家族に入っていけないもどかしさを抱えています。一方リヴは、自分とビーから一定の距離を置き、ひたすら仕事に打ち込むウィルの態度に不満を持っています。両者とも互いを思いやり、幸せな家庭を築きたいという共通の目的を持っているものの、表面的な均衡を重視して本音を言わないために関係が破綻寸前となっているのです。そこに降りかかったのがウィルの不倫騒動。これが、関係の危うくなったカップルを崩壊させるダメ押しの一手になるかと思いきや、普段は完璧なウィルがみっともない姿を晒して平謝り&「不倫相手の力になってやって欲しい」と図々しいお願い事をするという展開が、煮詰まったカップルにとっての代謝の役割を果たします。互いに気持ちをぶつけあって、最後はめでたし、めでたし。変わった切り口の話ですが、一定の真理を突く鋭さも持ち合わせています。。。 ミンゲラは、この物語に社会性もトッピングします。同じ移民であっても、北欧出身のリヴや日系人のルビーは裕福な身分であるのに対して、ボスニア出身のアミラは貧しい生活を余儀なくされているし、アフリカ出身のエリカは掃除婦にしかなれません。ウィルが任されているのは下町の再開発プロジェクトですが、それには中産階級が安心して暮らせるよう、治安の悪い貧民街から犯罪の元(=貧民街の住人)を追い出すことが伴います。ロンドンが抱える人種的混沌を、個人レベルの物語にまで落とし込んだミンゲラの構成力は驚異的なレベルに達しています。。。 ただし、良くも悪くも綺麗に整いすぎているのがミンゲラの欠点であり、言いたいことは理解できるものの、心に染み入るものがなかったのも、また事実。特に、ウィルがリヴに不倫を白状する場面なんて、もっと激しい言い合いがあってもよかったように思います。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-02-06 18:32:37) ★4.《ネタバレ》 最後まで飽きずに楽しめる良作だと思いますが、いろいろつめこんでる割には生かし切れていない感じがします。本当はもっと深いテーマを描きたかったのでしょうが、そこまで手が回らなかったのか。じわじわと心に染み入る作品です。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-21 02:52:15) 3.《ネタバレ》 派手さもなく淡々とした映画ですが、じんわりと心に染みる佳作です。現代の世知辛い社会の中での人間関係のあり方についていろいろと考えさせられるところがありました。音楽も非常に良かったです。 しかしまあ、ジュード・ロウ演じる主人公の行動はちょっとどうなんだ?と思うところはありましたけど・・・・。最後も背中を押されてからじゃなくて自分の意思で助けに行けよ!と言いたいですね。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-12-22 16:30:54) 2.ああいうデザイナーズ物件みたいな住宅って、白くてきれいでアーティフィシャル、つまりは人工的で。なんだか血の通ってない感じがする。なんだかあまり、感情移入できなかったなあ・・・作り物感が強すぎて。あっさり塩味みたいな映画です。 【SAEKO】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-05-23 00:49:45) 1.《ネタバレ》 恋愛ものの苦手な私なので、見る前から楽しめる気がしなかった割には結構最後まで飽きずに見ることができました。でもあちこちのレビューで言われているように、ちょっと伏線や隠喩を処理しきれていない印象は否めません。 ウィルは成功している都市設計家で美しいパートナーとその娘と、他人から見れば最高の暮らしをしているけれど、実際は彼女とは本音を言い合えずにすれ違い続け、自閉症の娘とはうまくコミュニケーションが取れず胸につかえを抱えた日々を送っている。パートナーであるリヴは娘のためにとキャリアを手放して、24時間娘のために使い続け、限界を越えるストレスを抱え、ウィルにかまう時間も精神的ゆとりもなく、自分を見失っている。 一方アミラはボスニア難民で、貧しいながらようやく手に入れた息子との平穏な日々に幸せを感じつつも犯罪に手を染める息子を止める事ができず悩んでいる。そんな、困難を抱える三者の間に起こったラヴ・アフェアはただの浮気よりもずっと複雑な人間関係を生じてしまうわけです。 映画ではたくさんの隠喩が練りこまれていて、わかるものもあり、わからないものもありで、そのあたりがちょっと消化不良に感じました。あのキツネは一体何を意味していたんだろう... ウィルは本来リヴに与えてもらえるはずの愛を求めてアミラの手を取り、アミラはもっと単純に寂しさを埋めるためにウィルを慕った(寝たのは息子のためでしたが)、すごく単純でセンチメンタルな関係ですよね。ラストに向けて様々なドラマを経て、それぞれの本来の道を改めて進んでいくという結果に落ち着いたわけですが、ちょっと綺麗過ぎるかな? 個人的には大好きなレイ・ウィンストンのカメオ出演がうれしかったです。やっぱ魅力的なおっさんです。 【ぽん】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-05-09 10:24:36)
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