みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
164.《ネタバレ》 当時まだ未解決だった連続猟奇的殺人事件を映画化する監督の本気と覚悟を感じるかなりヤバい作品。ずさんな捜査や暴力や捏造を厭わない取り調べ、その描き方は間違いなく警察当局への当て擦りであり、狡猾な真犯人が画面の隅っこでほくそ笑んでいる様を想像してしまう。不気味である。柔らかい手をした被疑者が浮かび上がった時には、やっぱりこんな風貌のヤサ男が真犯人だったか想像通りだと言わんばかりに、見ているこっちは何とかコイツの尻尾を掴んでくれと熱くなる。だが実際の残忍な連続殺人事件が未だ解決していないわけで、真犯人がまんまと逃げおうせているという不気味さと苛立ちだけを残す。思考停止、行き止まり、絶望。で、あの問題のラストシーン。スゴ過ぎる。衝撃的に後味の悪いラストを敢えて用意し、真犯人への憎しみはボコボコと煮えたぎるように増殖していきます。絶望、怒り、恐怖、そういった人間が抱く負の感情を総動員させられる恐ろしいラスト。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-12-08 16:14:52) 163.《ネタバレ》 知っているのは映画のタイトルと韓国映画ってことだけ。 今回初めて見たけど未解決事件がモチーフになってたんだなぁ。 警察の傍若無人な捜査と暴力当たり前の感じは少々過剰演出な気もするのだが、当時としてはこれが普通だったんだろうか。 まさか犯人分からずじまいであんな終わり方するなんて思ってなかったから、最後ソン・ガンホがじーっとこっち見てる時「何見てんねん」って思ってしまった。 結局2019年に犯人は逮捕されたんだけどその流れで20年冤罪で塀の中にいた人がいるのはまぁなんとも・・・ 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-10-30 23:26:36) 162.《ネタバレ》 私は後味の悪い映画が好きで、この後に撮られた『母なる証明』を猛烈に支持しているが、この『殺人の追憶』には首をひねってしまった。美しいオープニング・イメージに心を掴まれながらも、おぞましい犯行シーンに戦慄しながらも、最後はイライラだけが残った。なぜなら、主人公に1ミリも「成長」が見られないからだ。 この観賞体験は、テレビ番組の「ザ・ノンフィクション」にとても近いと思う。「世の中には、こんな救いようのない人間がいるのか…」と胃が重くなる感じ。「他人の不幸は蜜の味」ではなく、ただただ臭いメシを擬似体験する感じ。それはこの監督の、ひいては韓国映画の持ち味として評価されている部分でもある。 しかし道中がエグく、後味が悪いとしても、カタルシスは用意されていなければならないと思う。『母なる証明』にはそれがった。あのお母さんは最後に、「社会的な意味での存在の変質」と、「母という本質のブレなさ」をダブルで提示してくれる。「母は母である時点で、存在としてすでに純化している」という反則技なのだ。 本作の主人公にも一応、「人を見る目があるという傲慢な自信が揺らいだ」とか、「容疑者を殺そうとする刑事を止めた」といった瞬間的な対比は用意されているが、あの局面であれば誰だって揺らぐし止めるだろう。そこに主人公の「成長」はなく、ただイライラさせられただけで終わってしまった。実話ベースとはいえフィクションなので、事件の凄惨さに胸を痛めて「考えさせられた」などというのは評価になり得ない。 【乱泥】さん [インターネット(字幕)] 5点(2022-08-08 06:40:33) 161.《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。非常に嫌な内容だけれど、映画の力量は認めざるをえない。思えば『パラサイト』でも、地下世界の不気味な広がりを観客に想像させたまま終わっていましたが、本作でも、草むらに潜みつづける犯人を想像させたまま未解決に終わっている。 最後に残されるのは強烈な不快感。それは犯罪そのものへの不快感でもあり、デタラメな捜査への不快感でもあり、この物語が悪の所在を示さないことへの不快感でもある。それらが綯交ぜになったまま、観客は何ひとつ解決しない不快感のなかに叩き落とされます。 フィクションのなかで物事が解決してしまう爽快感ではなく、むしろ何ひとつ解決しないリアリティのなかへ突き落とすことが、この非凡な監督の真の狙いなのだと思い知らされました。高評価にふさわしいとは思うものの、あまりにも不快なので7点でご容赦を。 【まいか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-10 02:38:22)(良:1票) 160.《ネタバレ》 かなり昔に観たこの映画を、このところ立て続けに鑑賞している。 遺体が出てくるとはいえ、映画はコミカルな雰囲気で始まる。 それが、後に犠牲者となる主婦が洗濯物を干している辺りから次第に影を帯びてくる。 その辺りが絶妙で、みているものは知らぬうちにダークな世界に引きずり込まれてしまう。 音楽も秀逸で、ソ・テユン刑事が初めて登場する時の不穏な音楽(かねの音みたいな曲)が後々の雲行きを表している。 丘の上の女性が出てくる頃にはすっかりシリアスなドラマと化す。 ラスボスか、と思わせる三人目の容疑者が 虫も殺さないような風貌の美青年(おまけに本を読むインテリ?)という意外さが効いている。 それにしても、トイレの臭いまで漂ってきそうなあの雰囲気は、まっさらで清潔をモットーのような邦画は絶対に出せない味。 明日、また観ることになりそうだ。 ※分からなかった所 1.ヨングが足を怪我したあと唐突に映る焼肉は? 2.冒頭の少年。最後の少女とリンクしているのか? 3.グァンホがいきなり錯乱したのはどうしてだろう? 【有為子】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2022-01-10 03:16:10)(良:1票) 159.《ネタバレ》 さて、こういう場合、事件に対して述べる事、韓国警察のずさんさに対して述べる事、映画の作りに対して述べる事、キリが無いほどたくさん出て来ます。ただ、この手の悲惨な事件をお取り扱いする場合、まず第一に被害者を敬い、被害者遺族が不快に思われない作りにすべきだと思えます。だがその点からすると、被害者は衣服を剥がされ強姦された様子を再現され、泥にまみれ虫がたかる見るも無残な姿を造形されエンターテインメントの世界に晒されてしまっています。死人に口なしとは言いますが、このようなエンターテインメント風に仕上げられた作りを遺族の方が目にされましたらどのようなお気持ちになられるのでしょうか。思いますに、ホラー映画ではないのですから別に死体を醜く見せる事による視覚効果は不要なのです。そういったメーキャップ技術はフィクションホラーの映画で御披露なされればよいのです。以上、不快に思った点でした。 さて、そんなわけで時が経ち、現在2022年となりまして、この華城連続殺人事件に関する決着なんですが、既に3年前に遡る事となりまして、 2019年10月に真犯人が確定いたしましたね。このドラマではかすりもしていなかったイ・チュンジェという男でした。 ↓以下、10件全ての殺害について自白したイ・チュンジェの供述です。 「(殺人事件で)証拠隠滅もしなかったのですぐに警察がくるだろうと思っていたら来なかった。どうして捜査線上に自分の名前が挙がらなかったのか不思議だった」と話し、「ちゃんと捜査していたら(自分のところに)来たはず。見せるだけのための捜査だったのではないか」と批判までしている。 ↓ だが実は、イはこの事件を含めて3回ほど警察の尋問を受けていた。しかし、いずれも証拠不十分とされ取り調べられることはなかった。イがO型だったため除外されたといわれる。 らしいです。 では、時間は掛かりましたが一件落着なのか、いや違います。 一応の犯人確定でスッキリしたかと思いきや、真犯人だったイ・チュンジェは今どこにいて、どうしているのか、気になりませんか ではそれは御自分で検索なさってお調べください。 《華城連続殺人事件》と検索なされば、現状を知る事出来るかと思います。 その結果について、きっとあなたは驚愕されることになるのであろうと思えます。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-01-08 00:03:06)(良:2票) 158.最初は田舎と都会の人の渡世についての皮肉モノか、 と思わせつつ、 悲惨さをきっかけにしっかりと泥沼に足を突っ込んで捜査を始める。 悲惨さの描写は秀逸と思うが、 同情の描写はやや物足りないかなという印象。 とはいえ、無垢な少女に貼ってやったバンソウコウというもので 嫌というほどに心が毟られるものではあるか。 私は正直なところ映画が何を描きたいのか、 よりも何を描いたか、が気になる性分です。 最後のシーンは、無念さというよりも、 どこまでもこびり付く記憶を どこかで強いヘラで削り取って欲しい、 そんな風に見えました。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-12-14 22:23:36) 157.当時未解決の事件を取り扱っているだけあり、ジトジトとした嫌な後味が残る映画であった。ただ、要所要所での映像の撮り方、カット構成が抜群に上手く、作品に引き込まれていった。田園、クライマックスのトンネルなど、何気ない風景を、物語の展開に合わせて象徴的な風景に仕立て上げる技量には、唸らざるを得なかった。脚本については不満もあるが、映像面に関しては、監督の天才的なセンスをひしひしと感じることができた。 映画の不満点としては、多くの方が指摘するように、やはり脚本面、特に主人公たちの捜査パートが同じことの繰り返しになっており、かなりストレスが溜まる点だろうか。無実の容疑者に固執→拷問で自白を強要→時間を浪費する→次の事件が起こる。基本はこの繰り返し。地元の刑事二人が、いつまでたっても杜撰な捜査を繰り返すので、観客は最後までいらいらさせられる。しかもこの刑事たち、拷問には精を出すが、足を使う捜査は全然しない(笑)。ソウルから来た刑事の方がよっぽど頭も使うし、足も使っている。結局捜査パートは、ソウルから来た刑事に頼り切りになっているため、物語のテンポやバランスが悪くなっているのだと思う。 とはいえ、クライマックスからラストの完成度は高い。事件から時間が経過し、警察を辞した男が、改めて事件現場を訪ね、何かを悟ったような、あるいは決意を固めたかのような表情を映して映画は終わる。余韻のある終わり方だと思う。 【nakashi】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-10-27 08:20:10)(良:1票) 156.《ネタバレ》 これは面白い。基本的に陰惨な話で、しかも未解決のまま終わります。雨のシーンが多いせいか、全編にわたってジトッとした湿気も感じます。 でも、登場人物それぞれのキャラがしっかりしていて魅力的。日常にいかにもありそうな、ちょっと悲哀を感じさせる滑稽さも散りばめられていて飽きません。真犯人に迫っているのかいないのか、モヤモヤがずっと持続する感じもいい。特に最後の犯行シーン以降、主人公とソウルから来た刑事の立場が逆転していくのも、もう見事としか言えません。そして最後の最後に「ゾクッ」とさせるあたりもさすがです。すっかりのめり込んでしまいました。 韓流映画らしく暴力シーンは多めですが、見どころも豊富。一級のエンタテイメント作品と呼べるんじゃないでしょうか。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2021-08-12 01:56:58) ★155.《ネタバレ》 テーマを決めて鑑賞しなければ苦行となるような作品。サスペンスを期待して観ると裏切られる。犯人は分からないままモヤっとしたものが残るし、捜査らしい捜査もされない。割とストレスが溜まります。が、画で魅せられてるような気もします。もう少しエンタメ性を加味してくれれば大衆受けするのになって感じです。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-04-27 00:51:54) 154.《ネタバレ》 結果、犯人に天罰が下る事のない、つまらない物語。 拷問で自白の強要しか打つ手がない古い警察捜査を、飽きる程見せられて 真犯人への憎悪だけ膨らませた挙句、そのまま終わりって、はああああ? 泳がせている容疑者を見失い、また若い子が殺されるとか、警察無能過ぎ。 この映画見ても、ストレスが溜るだけの無意味な時間が過ぎるだけです。 なぜ、こんなに評価が高いのか、サッパリ判りません。 殺された多数の女性を思えば、若い刑事に一線超えてもらい粛清してくれた方が 映画としては価値があったのでは? 見せ方は悪くないのに、物語に不満だらけの残念な映画には、この点数です。 【グルコサミンS】さん [DVD(字幕)] 3点(2021-04-11 14:23:47) 153.実際に起こった事件を脚色した作品との事ですが、 犯人(?)の人がとても魅力的に映りました。 俳優さんも監督さんもすごいですね。 日本でも昔は(今もかも)ひどい取り調べをしてたそうだから、 韓国でもそうだったんだろうな。 映画を鑑賞後に検索したらいろいろ史実が出てきました。 容疑をかけられた人で実際に自殺者もいたとか。 ソウルから来た刑事さんがだんだん現実に追いつめられていく様に 感情移入していきドキドキしました。 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-13 01:53:33) 152.《ネタバレ》 映像の巧みさ,惹きつける場面転換など,名作と呼ばれる意味はよくわかったけれど,肝心の内容が「未解決連続殺人事件」と「自白の強要や拷問などをしてでも”犯人”を捕まえたい刑事たち」なので,「何を言いたいのだろう」と思ってしまった。 連続殺人事件を解決したいならば,犯人を捏造してしまいうわべだけで終結させることこそ,最も避けるべきところなのにそのようなことに危機感さえ持っていない。 それどころか,「自分たちの捜査を邪魔するとは何事だ」「自分たちは被害者だ」といわんばかりの主人公の振る舞いがひたすら不愉快に映ってしまった。 犯人が捏造されれば,真犯人が野放しになって事件は増えるばかりなのに,そんなことも気づいていないのか? 映画技術は素晴らしいかもしれないが,私には名作とは思えなかった。虚しい作品だった。 【プランクトン】さん [映画館(字幕)] 6点(2021-01-04 14:39:53) 151.《ネタバレ》 3回目。観るたびに面白くなっていく。 深みも増していく。 確かにはじめて観たときは、なんだか長いなぁ。結局真相は闇の中かよ。 なーんて思ったものですが、やっぱりこれ凄いですよ。 もちろんこの結末でいく。って始めたわけだし、時代背景や登場人物のキャラクター、アクセントになるようなユーモアなど、どれもいかにも映画的。 陰惨な連続殺人が捜査陣、マスコミ、町の人々を狂わせていく様子は凄まじい説得力をもって訴えてきます。 劇中、ソン・ガンホさんが久しぶりに排水溝をのぞきに現れたように、わたしも必ずこの作品に帰ってくると思います。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-11-15 23:42:32)(良:1票) 150.《ネタバレ》 血も凍るような残虐な方法で殺人を繰り返す連続殺人鬼を追って、執念の捜査を続ける対照的な刑事を描いたサイコ・サスペンス。監督は後に外国語映画で初のアカデミー作品賞を受賞するポン・ジュノ。という訳で今回鑑賞してみたのですが、うーん、正直微妙な出来でしたね、これ。確かにこの陰鬱でダークな世界観はかなり作り込まれていて、爽快感など皆無の絶望的なラストなども充分見応えはあったと思うのですが、いかんせん長すぎますわ。無駄なエピソードが多すぎる上に、ストーリーがあっちへ行ったりこっちに行ったりとちょっと脱線しすぎで途中のダレ具合が半端ないです。なんかこの監督の悪い面が出ちゃったように感じました。デビッド・フィンチャー監督の『セブン』と『ゾディアック』を足して二で割ったような印象ですかね。内容的にもその二作のちょうど中間あたりって感じでした。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2020-09-15 03:42:34) 149.《ネタバレ》 「パラサイト」が面白かったので、ポン・ジュノ監督作に興味がわいて鑑賞。 田舎町で、次々に発生する女性猟奇殺人事件を追う、ソン・ガンホ演じる地元刑事と、ソウルから来たイケメン刑事。 ソン・ガンホと跳び蹴り刑事は状況証拠から容疑者を挙げると、拷問で自白をとる昔ながらのスタイル。 イケメン刑事は二人と距離を置きながら、科学的な捜査を重視する。 ここまではわかりやすい構図だ。 しかし、狡猾な犯人はなかなかしっぽを出さず、イケメン刑事がやっと有力な容疑者にたどり着くも、決定的な証拠を掴むことができない。 そして終盤、DNA鑑定によっても特定できないことが判明すると、このイケメン刑事は暴走してしまう。 「パラサイト」での展開の妙は今作でも同様で、次から次に展開するストーリーは、核心に近づくように見えて、また遠ざかる。 なかなか次の展開が読めないところが、人によっては高評価と低評価にはっきり分かれるところだ。 最後はどう決着をつけるのか、と考えながら観ていると、思いもかけない形で観客は放り出されるところも、評価が分かれるところ。 個人的には、連続殺人事件が発生しているにも関わらず、若い女性が夜に一人歩きをしているという、あまりの緊張感のなさで興冷めしてしまうが、 全体を流れる陰鬱でもの悲しい印象だけが、なぜか余韻として残り続ける不思議さをもつ作品だった。 【田吾作】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-17 16:32:13) 148.《ネタバレ》 この世で一番薄気味悪いのは幽霊でもなく死体だけが残り影も無く消えた殺人者である。 背筋が凍るような気味の悪さ、次々と殺されて行く女性たち。 それを追う刑事達の奮闘は間違った方向へと進んで行く、雲を掴むかのような実体の見えない犯人に振り回される刑事達に見ているこちらも参ってきます。 にしても刑事達の拷問まがいの自白強要をここまで赤裸々に描くのは凄いですね。まぁどの国でもやってる事かもしれませんね。 そんな彼らの奮闘も虚しく結局誰が犯人かもわからず、そして時が経っても犯人は生きている結末に行き場の無い戸惑いだけが残りました。 【えすえふ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-02-16 20:54:55) 147.《ネタバレ》 サイコサスペンスみたいなもんだろうという思い込みが良くなかったのかもしれません。その予断の上を、コントの刑事さんみたいなやりとりが続く。これ、実話ベースという断りがなきゃ、んなことねーだろって話ですよね。なんでアメリカからの調査結果を見ないで、現場に届けるんだよ。「母なる証明」でもそうでしたが、この監督の作品の見方がワタシはわからないのかもしれません。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 3点(2020-01-19 22:08:24) 146.《ネタバレ》 「あのファソン連続殺人事件の犯人がDNA鑑定によって特定された!」というビッグ・ニュースが飛び込んで来て、この事件を元ネタにした本作を思い出して鑑賞。 正直前半はもうイライラさせられっぱなし(実はむかし観たときは、それに耐えられず五分でギブアップさせられました)、でもウルトラマンに出ていたころの若き日の毒蝮三太夫みたいなソン・ガンホ刑事のアホ捜査ぶりにはだんだん笑うしかなくなってきたのが不思議です。この刑事たちの愚行よりある意味凄いのは警察組織自体のオンボロさで、いくら田舎警察と言っても死体発見現場の現状保存ぐらいふつうするでしょ?もうすぐソウルでオリンピックが開かれる頃のお話しなのにねえ。この映画の愚行の中でいちばん笑える祈祷師にお伺いをたてるエピソードも、実話に基づいているというのもサプライズです。その警察の動きにチョン・ドファン政権時代の社会情勢を絡ませる描き方はちょっと言い訳じみているけど素直に上手いなと感じました。列車やトンネルの使い方も巧みだし、俳優たちの熱演を上手に引き出せたストーリーテリングだったと思います。 この映画は実話ものというよりも実話をもとにした独自の情念劇と観るのが正解でしょう、でもその問題提起するパワーはかなりのレベルだと思います。いちばんの皮肉は、この映画が世に出たころには真犯人とされる人物はとっくに刑務所の中だったということでしょう。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-07 21:26:40) 145.《ネタバレ》 生活感溢れる、脂まみれの台所を覗いているような感覚こそが 韓国映画の持ち味だと思います。 この映画に関してもまさにそう。 ギトギトに脂ぎっていて、下手に触れたら手が脂まみれになりそう。 手を洗ってもしばらくは脂臭さが抜けないような、不快感さえ感じて しまいそうな映画です。 この感覚は、黒澤映画の「天国と地獄」で感じたものと同じです。 しっかりと「人」と「時代」が描けているからこそこのように感じるのでしょう。 この監督の映画を観ていると、名監督独特のリズムを感じる絵造りや、 脚本、演出が感じられ、緩急自在に映画全体を監督が支配していることが 感じられます。 それに加え、やはり俳優陣の名演技。 俳優が俳優として見事な仕事をしています。 特に主演のソン・ガンホ。牧歌的なおじさんという見た目ながら、 演技の鬼とでもいうべき熱演から目を離す事が出来ませんでした。 この韓国映画独自の持ち味は貴重。 見ておくべき映画のひとつです。 【kirie】さん [インターネット(字幕)] 8点(2018-02-10 22:49:27)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS