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【クチコミ・感想】
★2.《ネタバレ》 反ファシズム運動のために南部に流刑されたイタリアの作家。そのアタマだけの社会主義者が、南の現実の中で教育されていくという成長もの。あっちの流刑ってけっこういい身分なの。街をうろつき、暑いときは墓穴に寝、絵なんか描いていられる(パヴェーゼの小説「流刑」でも、銃を携帯して地元の人と猟をしていた)。村長(『ソドムの市』の四人組の一人)と手紙について論争する場面は素晴らしいが、しかしあくまで文字の上での戦いであって、有効性ということから言えばいささか空しい。なのにけっこう意気揚々としてたりして、ヤな奴だなと思ってしまう。それが次第に厚みのある人間になっていって、医師として目覚め、迷信に対する苦笑が消え、村の聖人になってしまうという展開。ちょっと優等生的すぎる気もした。けっきょく北の歴史に参加すべく帰っていき、そのままこちらを訪れる約束を果たしていない、という苦味を残して美しい天気雨で締めている。ジャン・マリア・ヴォロンテがかっこよすぎるのも優等生っぽいんだ。とは言え、こういう「映画として充実している社会派」の監督も減った。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-06-17 09:50:47)
1.《ネタバレ》 原作者カルロ・レーヴィ役をマカロニ・ウエスタンの雄”ジャン・マリア・ヴォロンテ”が演じているのですが、とても好感の持てる人格者を見事に渋く演じきっております。政治犯レーヴィは汽車やバスや自動車で、キリストも来なかったというイタリアの辺境の地エボリに護送されます。村に着くと、村長や村の医師などを紹介されるなど、政治犯とはいっても反ファシズムのコミュニスト作家であり、画家でもあり、さらには医師でもあるだけに、扱いは単なる極悪流刑人とはまったく違うのです。つまり特別優遇扱いなわけで、村では牢に入れられることはなく、レーヴィは村の家々に下宿するという形の流刑処置になります。そして、最初に下宿する家のご主人の徴税人ゆえの苦悩話、ご主人の唯一の楽しみであるという楽器演奏、そして執拗に繰り返される憂鬱な演奏に嫌気が差し布団に顔をうずめるヴォロンテ…。とにかくこんな感じで、ゆっくりと人々の生活を描いていきます。これほど、何も飾らずただ人々の日常を綴った映画がありますでしょうか。このゆったりとした流れはまるで大河のようであり、圧倒されてしまいます。医師経験ゼロのレーヴィは、はじめ殺到する村人の診察を拒みますが、いい医者がいない村の現状、それに面会に来た姉の助言もあって、村人の診察を始め、最終的には村人から名医と言われるほどの存在になります。最後の方では、エボリの殺風景を映しながら終戦宣言と聴衆の歓声を聞かせますが、時代の荒波を直に体験できたような実に感慨深い感覚を味わえました。異郷人である神父は、村人のことを”卑俗の民”と言います。それは厳しい気候風土を持つ辺境の地での生活の厳しさから来るものなのでしょう。しかし、レーヴィが関わって行けば行くほど、村人は決して悪い人達ではないと分かります。レーヴィは、農民たちは厳しい風土と厳しい政治支配(他人の歴史)に苦しんでいる民だ、と文章にしますが、まったくその通りで、村人たちはとても可哀想な人々なのです。そういう慈悲的な気分をテーマ音楽はさらに高めてくれます。エボリという土地に住んでいることを恨むのではなく、そのことを然も諦めているかのような響きに、村人の運命の悲しさが重なってしまい、思わず涙を誘われました。この映画は、ギリシャ悲劇にも匹敵するような途轍もない運命の悲劇を綴った映画なのではないでしょうか。本当に素晴らしい作品です。マイベスト。 【ooo-oooo-o】さん 10点(2004-02-06 17:35:00)(良:1票)
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【点数情報】
Review人数 |
2人 |
平均点数 |
8.50点 |
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【その他点数情報】
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