みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.《ネタバレ》 世間の映画館が全てデジタル映写機になり、35ミリフィルムの活弁付きで観られる最後のチャンスかもしれない (詳細はブログにて) 【エスねこ】さん [映画館(邦画)] 10点(2015-06-13 17:24:01) 7.《ネタバレ》 「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」のフィルムが見つかるまでは、当分この作品が溝口のサイレント期の最高傑作の一つとして語られる事だろう。 誰かが見つけてくれるのが楽しみだ・・・。 この映画が面白くなかったという人は、恐らく状態の悪い物を見てしまったのだろう。 もったいない。 俺の見た奴も画質こそフィルムの状態が悪く荒れてはいたが、弁士の神調子、神BGM。 そして何といっても始めから終わりまで目まぐるしく展開されるストーリー。 飯を喰らい、心と心の交流、そして別れ。 溝口映画でも指折りのファースト・シーンは凄い。 初期の溝口はこんなにも動き、スピード、テンポに溢れ、女の描き方も素晴らしい。 カメラワークが凄いのよ。 馬車の中からのカメラ! “手ブレ”のリズムはこの頃からあったのか! 馬丁とヒロインの粋なやりとりも相まって最高の出だしだったよ。 後半もテンションをほとんど落とさず、ラストの悲しくも凛々しい最後に繋がった。 水面、海、船、溝口映画の漆の藍色。 初期の溝口はクローズアップが多いので、その美しさをじっくり堪能できる。 そこからあの溝口映画独特のロングショットが挿入される時の威力ときたら・・・。 入江たか子のエネルギーに満ちた美しさもそうだが、この頃の溝口は脂の乗り切ったパワーがあった。 岡田時彦の演技も光る。 馬鹿正直な男が一人の立派な人間に成長した様子。 サイレントとはいえここまで違いを見せつけてくれた。 この後も数本の作品に出演するが、残念な事にそのほとんどのフィルムが未だ行方不明であり、すぐに亡くなってしまった彼の実質最後の出演作だ。 他のフィルムが発見される事を切に願う。 サイレントは絵で見せることが勝負。 小説の世界を絵で魅せる事に魂を燃やした描写、そして溝口映画の十八番とも言えるたたみかけるようなセリフ・・・もうね、密度が半端じゃないね。 何より男の心理にも迫った描写も良い。 泉鏡花の素晴らしい原作を、映像でも遺憾無く見せる。 オマケにこの上を行くほど面白かったという「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」の存在。 もっと凄いのか・・・見たいなあー・・・。 【すかあふえいす】さん [試写会(邦画)] 9点(2013-12-14 17:46:39) 6.子どもの頃、講談や浪曲で聴いた「瀧の白糸」、悲恋ものの代表格として知られる。恋する男性に身も心も尽くす女心が何ともいじらしく、涙なくして見ることができない。サイレント映画だが、当時の弁士による語りが目に浮かぶようだ。最初らへんの馬車と人力車の競争は愉快。 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-10-13 19:08:48) ★5.殺しのシーン、外から家に入り襖を二度ほど開けるまでをワンカットで追っていく。グイグイと入っていく白糸に同化でき、またそれを眺めている観客にとっても迫力が伝わってくる。男に引きずりまわされるところの俯瞰。白糸の哀れさが強調され、またそれを眺めている観客に「運命」といった観念も呼び覚まされる。溝口のテクニックに二段構えの厚みを感じる。映画そのものも、溝口と鏡花の好みが二段になって重なってるようで、尽くして尽くして尽くしつくすマゾぎりぎりの悦びと、他人に再生願望を託したような自己滅却志向が感じられる。アネゴ肌で女侠気とでも言うんでしょうか、粋の典型がここにあり、こういった明治の粋を描くには、戦前の昭和がぎりぎりのタイムリミットだったのか。ラストで入江たか子の表情が次第に浄化されていくとこがいいんでしょうな。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-06-22 09:48:10) 4.この頃の入江たか子は物凄い美人ですね~ オーラが出てました! 水芸は純粋に楽しめました。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-13 11:02:05) 3.序盤、山道を疾走する馬車を人力車が追い越すシーンは、ダイナミックでまるで活劇風。カメラの追い方やシーンの繋ぎ方は、以後の作品ではお目にかけることのない手法で興奮してしまった(笑)これは活弁が付くのと付かないのとでは結構違います。溝口監督は生涯90作品を撮っているが、現存するのが30少々と少く、残りの作品については若き日の監督が様々なジャンルに挑戦し、活劇や喜劇などを撮り、傑作とされる作品も多かったという。「瀧の白糸」は前述のシーンをはじめ、現存しない作品の面影を幾分残しているという意味では、非常に貴重な作品だと思います。 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-09-03 11:49:05) 2.白糸の高利貸し殺しは、正当防衛(過剰防衛)だから、無罪とはいわなくとも、死刑ということは、現代ならあり得ない。→それを当時の人たちは、白糸が死刑になるというのを自然に受け止めていたとすれば、女性がいかに抑圧されていたかの一つの証になる。、、、、、、大学をでて、高等文官試験に受かって役人になるというのが、典型的な出世コースであったことがわかる。、、、、、入江たか子が、全盛時代に、どれほど魅力的だったのかがわかる。、、、、、、などなど、資料的な価値は極めて高いと思うのですが、、、、、映画として、今、どれだけ楽しめるかといわれたら、どうなんでしょう。、、、、、「欣さんに会いたい」と白糸が思うと、橋の上で欣さんがねていたり、列車から飛び降りると、知り合いがそば屋をやっていたり、白糸の裁判を欣さんが検事代理として担当することになったり、、、、、今とは、芝居のストーリー展開の文法が随分と違いますね。、、、、総じて、溝口の映画というよりも、入江の映画という印象でした。 【王の七つの森】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-17 18:38:43) 1.溝口健二さん、昭和8年のサイレント作品です。残念ながらフィルムの保存状態は相当に悪いので、カメラが引いた時には役者の表情がつぶれてしまうのですが、アップになった時の入江たか子さんの美しさ、岡田時彦さんの二枚目ぶり、菅井一郎さんの鋭い眼光などにはハッとさせられます。そしてこの作品もまた、溝口さんの主題とした女の意地と矜持、たくましさとか弱さ、それらを優しく、激しく、きめ細かく、高らかに謳い上げています。サイレント作品ではどうしても説明字幕、会話字幕が入るので、後年溝口さんの代名詞ともなるワンシーンワンショットとはいかないのですが、それでも白糸が高利貸邸に包丁を持って乗り込んでいく最も切迫したシーンで、白糸が廊下を渡り部屋へ入り、隣りの部屋へ移り高利貸を発見するまでのシーンをカットを割らずに撮っているところにミゾグチを見ることができます。字幕がなければ・・・と思わせられるシーンがたびたび出てくるのは、後の溝口さんを知っているからで、この作品はこの作品として堂々とサイレントの名作といえるのではないでしょうか。 【彦馬】さん 8点(2004-11-24 20:44:06)(良:1票)
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