みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
78.もの静かで厳かな映像と、巧みな演出が峻烈なインパクトを与えてくる作品。 6歳のヒロインの視点から、初めて意識する" 死 "を中心に、少女の成長を描いた内容だが、 小道具代わりの「フランケンシュタイン」で死を、「ミツバチ」で少女を表現、 それらをさりげなくお話に絡めてくる構成に、制作者側のセンスの良さを感じずにはいられない。 個人的には少女が現実に体験する、「スペイン内戦→負傷兵→少女」のラインに もう少し厚みを持たせたほうが、よりテーマが際立ったのではないかと思う。 物事の真実を見透かすような、少女の澄んだ瞳も印象的な作品だった。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2012-07-01 04:09:38) 77.《ネタバレ》 正直言うと難解で、よく解らない部分もあるのですが、それ以上に個人的には好きなシーンがいっぱいあり、そのどれもが美しく印象深いという映画。 全くセリフでのやりとりのない中、負傷兵にリンゴを渡す場面が凄い好き。 ベッドでじゃれ合っている姉妹の姿は、まさに天使。 勉強不足で、この時代の歴史的背景とかも知り得てないので、それが解るとまた違った観方が出来るんでしょうね。 アナの大きく澄んだ瞳が、目に焼き付いて離れません。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-03-26 14:52:09) 76.最初見たときは、少女の純粋さを表した映画だとばかり思っていたが、DVDで何度か鑑賞しているうち、もっと深い映画だということがわかった。 会話が少なく、意味ありげに描かれているシーンが実に多い。そういう映画は嫌いではないのだが、最初のうちはなかなかわかりにくかった。その後「フランケンシュタイン」の映画を見たり、他のスペイン映画を見たりもした。また、スペインの内戦やその後のフランコ独裁政権のことなど、歴史的事実なども調べたりもした。そしていくらかは映画の意図するところも感じられるようにはなったが、まだまだである。 姉のイザベルもかわいいがアナ・トレントはもっとかわいい。そして驚くほど賢い。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-02-08 21:37:20) 75.ドン・ホセがハンサム過ぎる・・・。一生自由を得ることのない働き蜂について父親が語る時、それは時代の閉塞感と子供たちの暗い未来を語ってもいるのだけど、作品の背景にあるスペイン内乱。大恐慌から世界大戦へと向うその時代の閉塞感というものは、何だかこの、世界が不況にあえいでいる21世紀初頭の今とリンクしている気がしてならない。なりふりかまわぬ通貨安競争、近隣窮乏化政策。そしてTPPの行く末にあるものは、かつて日本を追いつめたブロック経済ではないのか?次に追いつめられる国は?(って、まあ、そりゃ、ねえ) 冷戦下より、まさにこの今こそが、真にヤバいんじゃないのだろうか。とか思いつつ。この映画ではそんな不安の時代(今、まさに我々が抱える不安でもある)を背景に、その軸(大人の世界)と直交するように、子供と“死”との戯れ、という軸が描かれる。これは内乱の不安とは別個に存在する永遠の不安。両者がクロスした時、不安の二乗、どうにもならない閉塞感。イザベルがふざけて死んだふりをすることができるのは、明らかに「生」の側に立ち、「死」というものを知識として把握できているからだろうけど、その点、汽車が来るギリギリまで線路に立っているアナの方が「死」に近いポジションにいるのだろう。火を飛び越えて遊ぶイザベルの行為は確かに危険ではあるけれど、その後、暗くなるまで火を見つめているアナの方が、よほど危険な立ち位置である。ふたりで遊んだ、井戸の横の家は、アナと脱走兵の交流、すなわち死との交流の場となり・・・。直交する軸は二度交わることがない。解を見出すことなく、「どうにもならなさ」だけを残して、映画は去ってゆく。そして今また再び、我々は、見出すことの決してできない解を見出すこと、を求められる時代に生きているのかも知れないのだけど。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-02-04 03:51:28)(良:1票) 74.アナは確かに可愛すぎるが、この映画はそれだけで評価できるものではなく、かつ言葉では言いあらわす事が出来ないような余韻を残す。 思いだしただけで胸が締め付けられる、宝物のような一本。 【エーテル】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-01-23 12:48:16) 73.封切当時映画館でみました。 その後も何度もみている作品。 「絵画的」「芸術的」「難解」という言葉で語られることが 多いですが、今風のハリウッド的な文法や演技観や映画=ストーリ という見かたの習慣を一度カッコにいれて、虚心に作品に望 めば、何も芸術的でも難解でもないことがわかる、ごく単純で 極めて娯楽的な映画だと思います。 むしろ、今風の刺激過多のハリウッドものよりも 往年のハリウッド映画らしいかもしれません。 西部劇とか「ジャイアンツ」とかのゆるーい?空気感に似て いるのかも。 いや、寧ろ今でいうならアニメに近いのかもしれませんね。 意味や解釈等言葉に置き換えないと、つまり、「謎解き」を しないと見たことにならないような気がする観点からは解放 されると思います。 【ウンコマン】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-12-05 00:59:43) 72.《ネタバレ》 最初のうちは「少女の世界をのぞく」映画かと思って観ていたのに、観終わってみると「少女で世界をのぞい」ていたことに気がつく。前半での「なぜ殺したの?」という映画の怪物へのアナの疑問が、後半では小屋の男を殺した世界へ向けて放たれる。死んだふりをするイサベラのアナへのいたずらは(大好きなエピソード)、後半ではベッドに横たわるアナの様子をこわごわのぞくイサベラの姿に反転し、そのときかつて小声でささやきあっていた少女たちの閉じられた世界は、窓の外の世界へと広がりだす。イサベラは猫に引っかかれた傷の血を口紅とするが、アナは世界で起こっていることの血を小屋で目にしてしまう。映画という「嘘っこ」の世界が、内戦という無惨なまでの現実と照らし合わされていく。スクリーンの前に横たえられる死体。柔らかくデリケートな少女の世界でもっと溺れていたっていいのに、と心をとろかしながら観ていると、いつのまにか外界の風が吹き込んできていた、そんな映画だ。けっしてショックで目覚めさせるのではなく「いつのまにか」少女を通して世界を眺め直している、ってところがポイント。童話の舞台のようだった野の風景が、「いつのまにか」そのままで荒涼さを剥き出していた。それにしてもささやき声に満ちた映画ってのは、まず傑作だなあ。この姉妹、アナはもちろんかわいいけど、イサベラもいいのよ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-12-01 10:08:10)(良:2票) 71.うーん、すこしわかりにくかった 【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 4点(2011-11-25 18:57:53) 70.《ネタバレ》 生と死の狭間に揺れる少女の無垢な魂の成長を極力言葉を排した映像詩で綴る。 母は内戦前の過去に生きる人物。友に安否を尋ねる手紙を出すが、返事は芳しいものではなかったようだ。 父は社会や家族には無関心で、養蜂にしか興味がない。その蜜蜂に嫌悪感を持っている。 アンの魂は幼く、蜜蜂のそれのように未分化で、人間と精霊の中間にある。精霊は人間(生者)と死者の中間に位置する。 映画のフランケンシュタインの怪物は、水辺で一緒に遊んだ少女を誤って殺してしまい、最後は村人に殺される。アンは死に対して強い興味を抱く。質問された姉は、怪物は実は精霊で村はずれの廃墟に住んでいると出まかせを言う。また精霊は友達になるといつでも呼び出せるとも。廃墟を訪ねると大きな足跡があるだけだったが、ある日そこで脱走兵を見つける。脱走兵が懐中時計を消す手品を見せて、アンは精霊と確信する。次に行くと脱走兵は消え、血痕がある。父が殺したと誤認したアンは父から逃げ出す。夜の森の水辺で精霊と遇う。友達になれたのでアンは危うく死を免れる。 ◆暗喩が多いのが特徴。窓の六角形の格子=家は政府の監視下にある硝子の蜜蜂の巣。死=怪物の映画、解剖人形、鉄道での遊び、絵画の髑髏、毒キノコ、猫の首を絞める、死んだふり。火を飛び越える=大人への通過儀礼で、アンは見ているだけ。圧政=汽車の青年兵、村人、父の無表情と無言。水辺=精霊と会う場所。蜜蜂=政府に飼いならされた民衆。 ◆少女と怪物の対比が印象的。無垢な魂の前では、どんな怪物も本来の無垢な姿に立ち戻る。人間の本質を見ることを大人達は忘れがちだ。解剖人形も最後に目が入って完成した。蜜蜂の社会は管理社会で、個々の蜜蜂に自由や独立はなく、魂も未分化状態。圧政下の重苦しい状況にあえぐ民衆になぞらえているのは明白。「怪物=政府」と「少女=無垢の魂=民衆」が友達になれたときに明るい未来が約束されるだろう。だからアンは最後まで対話を求め、精霊を呼ぶ「私はアンよ」と。フランケンシュタイの映画を自家薬籠中の物として見事に取り込んだ手法に驚嘆。他に類を見ないのではないか。脱走兵は母の元恋人であったかもしれない、脱走兵を殺したのは村人等、深読みが可能で楽しい。映像詩の美しさの多くは子役の演技に負うところが大きい。人間は子供時代があるから素晴らしい。怪物にも子供時代があったから共鳴するのだ。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-09-07 23:46:15) 69.《ネタバレ》 大切なのは生きているということ。いずれは時が癒し、若き命は優しく美しく強く育っていくのだろう。その透き通った眼差しで失った物を含めて世界を見つめるのだろう。「私はアナです」小さなささき声なのに力強ささえ感じる。まだ夜明け前かもしれない、だがいずれ日は昇る。未来は明るい。スペイン内戦からフランコ政権下で人生を感じる心を忘れてしまった人々へのメッセージ。 【長谷川アーリオ・オーリオ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-06-10 04:36:43) 68.《ネタバレ》 映画好きなら、必ずと言って良いほど、この作品に興味を抱かざるを得ない。10年に1本のペースで作品を発表する寡作の映像作家ビクトル・エリセ。その最高傑作の誉高いこの作品。否が応でも期待は高まる。少女たちの美しさ、広漠たる風景。一つ一つが実に絵画的である。エリセは画家を志望していたのではないか? そう思わせるほど絵画的な美的表現になっているように思う。焚き火を飛び越える少女、汽車と少女の黒白のコントラスト、敗残兵に林檎を差し出す少女。何れもが、額縁に納めて客間に飾っておきたいような芸術性を宿している。然しながら、それが総合芸術たる映画にあって、最良の表現方法なのかというと疑問がある。映画とは、もっとエモーショナルなものなのではないか。絵画的芸術表現の先を行くのが映画なのではないか。したがって、この作品が、映画史にとって極めて重要な作品であるとは思えない。しかし、自我の芽生えの以前、幼年期の、死と隣り合わせのような、あたかも精霊の化身であるかのような、儚さ、神秘性を、アナ・トレントはその大きな瞳でストレートに、実に上手く表現している。この映画は、アナとイザベルの映画だ。アナ・トレントはこの後「バカス」で青年期の女の美しさを見事に演じている。スペイン作品としても、私はそちらの方が印象深い。 【高畑カムバックプリーズ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-07-17 22:56:10) 67.田舎の風景と愛くるしい子供・・・視覚的には申し分ないですが、残念ながら内容がよくわからず、置いてけぼり感を食らい、退屈してしまいました。 【すべから】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-07-28 12:38:50) 66.好奇心旺盛な少女が、死』に興味を持ち、出会う。それを台詞で具体的に描くのではなく、象徴的に比喩的に描く。ミツバチの羽音、風の音、草原の音、汽車の音、時計の音、陽の光、月の光、焚火、灯の光・・感覚が研ぎすまされた、非常にデリケートな作品。言葉では表せないものを、スクリーンに映し、そして語る。アナ・トレントのつぶらな瞳は、とても印象的。素晴らしい作品です。 【泳ぐたい焼き】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-04-18 20:58:49) 65.自分が生まれて来て初めて、「死」というものを知ったのはいつだったのだろう。そんなことを思わずにはいられない作品でした。 【ともとも】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-18 23:27:16) 64.《ネタバレ》 私にとっては高評価ですが、観る人を選ぶ作品です。 純粋無垢の少女がいろいろな物を感じとって形に見えない新しい何かを発見するという、詩的情緒溢れる作品です。 冒頭は「フランケンシュタイン」のフィルム鑑賞から始まりますが、少女アナにとっては映画も毒キノコも姉のいたずらも逃亡者も同じレベルの衝撃です。 小さい頃、私もチャップリンの映画を観て夢中になった記憶がありますが、今もう一度鑑賞して同じ気持ちを味わうことができません。 「監督はこの子に何をさせたかったのか?」なんて疑問に思ってはいけません。 生も死も関係ないのです。 私たちにも記憶の奥底にあるはずです。それは特にパソコンもテレビゲームもなかった世代ほど共感できるのではないかと思います。 目に見えない何か…それを描き出すのは自分自身で作り出したイメージだけ。 子供部屋の窓はまるでミツバチの巣の様だが、その子供のシーンに重なる父親のミツバチの解説は全くマッチしていない。ラストはフェイドアウトまでしてしまう。 子供が映るのシーンと大人の映るシーンが水と油のように混ざってないのは、子供には子供にしかわからない世界があるということだと思います。 少女アナの前に現れたフランケンシュタインがそれを証明しています。 アナはこれらの経験を通して「死」が何であるのかなんて考えているはずありません。 むしろ新しい何かを発見して感動を見つけたのでしょう。 補足。レーザーディスクの字幕は縦書きの上、字が汚くて読みづらい。 【クロエ】さん [レーザーディスク(字幕)] 8点(2009-02-16 17:02:40) 63.《ネタバレ》 子供が持つ好奇心は旺盛だ。幼いアナが人生において初めて漠然と「死」に興味を抱き、その意味を理解しようとする。しかし理解できないもどかしさがどこか切なく、そのまっすぐな好奇心は彼女の中でどんどん膨らみ、時に危うさを見せる。そんな少女を演じる、演技を感じさせないアナ・トレントの魅力がそのままこの作品の大きな魅力の一つになっていますね。そしてエリセ監督はこの作品でも朝日、夕日、月光、焚き火やロウソクの炎が創り出す自然光とその影を自在に操り、思わず見入ってしまう実に静かで美しい絵画のような世界を見せてくれます。そんな美しい世界に描かれるまっすぐな子供の心、好奇心旺盛な瞳がいつまでも心に残ります。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-02-01 11:46:29) 62.どうにも難解というか中途半端で、私にはよく分かりませんでした。死の世界の概念をダイレクトに受け止めてしまった少女心理というものを表現したいのであれば、もっと純度の高い、したがって常識を突き抜けるような、大人から見たら到底受け容れがたいかもしれないような描写が必要なのではないでしょうか。作品の構成そのものは大人視点なので、その辺が分かりにくいです。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-01-11 23:23:41) ★61.美しく、生々しい。これに尽きる。 【Leannán-Sídhe】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-30 00:35:58) 60.《ネタバレ》 素晴らしい映画。 この子供時代に味わうような深い感覚を何度も味わいたい。 そして大切にしたい。 非常に神秘的な美しさと温かな温もりがあり、また死を連想させる暗い雰囲気がある。 それらが非常に生き生きとして描かれる。 アナという少女の視点を通して見た世界は非常に繊細で不思議な世界だった。 映画フランケンシュタインを連想させる場面がいくつかあって興味深い。 学校に子供たちが入ってゆく場面は、まるでミツバチが巣に帰るかのようで面白い。 ここから子供たちはミツバチに置き換えられてるのだと思った。 ドンホセの人体人形は人体実験をされているかのようで、フランケンシュタインの怪物のようでもある。 夜の森を村人が捜索する場面は映画フランケンシュタインにも登場する。 夜の森でアナがキノコを触ったときに炎が燃え上がる場面は性的なものを強く連想させる。 そのときのキノコは非常にグロテスクだった。 少女の火渡り遊びはあまりに危なっかしく、これは大人になる儀式のようで怖い雰囲気が漂う。 その光景を見つめるアナの孤独そうな瞳が印象深い。 映画中に流れる音楽が非常に温もりのある音で、幼い遠い過去を思い出すかのよう。 少女アナというアバターにより、不思議な世界を疑似体験するかのよう。 アナの大きな瞳には何が映るのであろう。 アナという少女の美しさは伝説化し、あまりに霊的な美しさは生きる妖精のよう。 他の映画の深さがまるで色褪せてしまいそうなほどの深さを持ったこの映画は 言葉には出来ない本物の価値がある。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-11-12 00:29:00) 59.やはり本作は、アナ・トレントの可愛らしさに尽きるでしょう! 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-11 09:27:30)
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