みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★3.《ネタバレ》 18年間レビューされておらず、わたしが投稿する前時点での平均点数が9.5点。 そんな作品にレビューするのは畏れ多いのだが、勇気を出してわたしなりの視点からレビューさせていただく。 終戦から5年しか経っていない1950年に製作された映画だけあって、生々しさが群を抜いている。 置いてきぼりをくらう負傷兵の絶望や、前線の悲惨さ泥臭さがまるで昨日の事のようにリアルに描かれている。 派手で壮大なスケールの戦争映画に比べても決して見劣りしない、嘘偽りのない迫力がある。 大隊長が終始寝そべっていて飯を独り占めしていたが、そんなに日本軍は荒んでいたのかと、驚きと悲しみの入り混じった気持ちになった。 【にじばぶ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-08-17 18:56:33) 2.《ネタバレ》 この作品の登場人物には、ほんの一縷の希望もない。安っぽい櫛が歯こぼれていくように日本兵は無造作に死にゆく。みすぼらしく、まったくの容赦もなく、救いもなく、当然ながら美しくもなく、死んでゆく。ガックリと陰鬱な気持ちで観終えた束の間、唐突に冒頭の「生きている人間として」の一文が霹靂のように頭に響く。作中では描かれていない「ほんの一縷の希望」というやつが、生きてこの作品に触れ、陰鬱になると同時に憤りをも隠せない私に深く突き刺さる。ぐさり、と、託された。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-07-18 08:23:51) 1.“わだつみの声”とは、戦後生き残った学徒兵たちの手により、戦没学徒の家族や知人に宛てた手紙や日記などを手記としてまとめあげたもの。反戦の願いが込められたこの手記は、当時若者たちのあいだで大ベストセラーになったという。そしてこの映画は“わだつみの声”を原作にビルマ戦線を舞台としたもので、脚本は船橋和郎で監督は関川秀雄による演出。戦況が悪化の一途を辿る南方戦線に於いて、将校や上官たちだけで配給された食料を分け合い、末端の一兵卒クラスにはまともに与えられなかったのは事実だったらしい。戦闘の足手まといとなる負傷兵の自爆シーンも、また悲し過ぎる事実。敵弾に撃ち抜かれるだけではなく、栄養失調やマラリアで多くの兵隊がバタバタと死んでゆく光景は凄惨さを極めていたという。「かあさん… 死にたくない」「ああ坊や…」各俳優たちのドロドロかつ迫真の演技が、戦場の惨絶さを見る者に強烈に訴える。脳裡に表われる楽しかった故国の思い出が、戦争の悲劇性をより一層浮き彫りにする。心底無念だったろう。戦争を、運命を憎んだであろう。夢多き学徒たちの凄絶な死を描いた戦争映画としては、今井正作「ひめゆりの塔(53)」と共に日本映画史上、永遠に記録されるべき名作です。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-09-09 10:58:29)(良:1票)
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