みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.《ネタバレ》 黒人の混血キクとイサム。 この頃は、社会に人情が残っていた。 今の時代なら、いじめ、ひきこもりなど暗い話になってたろう。 周囲のひとの人気者だったキク。 イサムとの別れに少し寂しそうな顔をするキク。 子どもを探しにバイクに乗るキク。 どんな時もめげないように見えるキク。 しかし自殺未遂を起こすまで悩んでいたのだ。 この辺はさらりと描いている。 この子の健気な性格に、涙すら出てくる。 そして北林谷栄、圧巻の老婆である。 しかし何を言ってるかまるで分らない。 字幕入りで観たかった。 でもハートの伝わる演技だった。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-06-09 10:39:37) 7.《ネタバレ》 今井監督映画のテーマにいつも古臭さを感じてしまう私。この作品にも時代との乖離を感じるが、役者の演技力で見せきってしまうからすごい。宮口精二に東野英治郎、滝沢修や三國連太郎といった演者の登場には驚かされたが、やっぱり北林谷栄の凄さ。(約30年後「となりのトトロ」における「メイちゃーん」という呼びかけ、あのまんま。御理解いただけるだろうか)物語の終わり方も「頑張って生きてゆくんだ」と予定調和的なものになっているが彼女が演じたからこそあの説得力が生まれたのだと思う。子役の二人も好印象。これは機会があれば。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 7点(2018-01-21 20:33:12) 6.《ネタバレ》 イサムが帰ってこないところがいい。あっちはあっちで頑張っているんだろう、という余韻が残る。お婆さんも頭痛かったわけで、自分の死後のことも考えなければならないし子どもたちもいとおしいし、子どもたちの幸せを考えてはいるんだけど、どうすれば一番いいのか分からない。このお婆さんの「分からない」はそのまま作者の「分からない」でもあるんだろう。首吊り失敗は『にんじん』を思わせるが、朗らかに描かれるだけに、決意の痛みも伝わってくる。差別ということ。ちょっと振り返る視線、ひそひそ話。しかし実際に田舎にこういう子が来たら人目を引くだろうし、心理的にハッとするのも差別になるのか、などと考え出すと難しい問題です。「売れ残り」と言ったり、赤ん坊事件がわざとではないかという噂が立ったりするあたりの残酷さが水木洋子の腕。積極的に排斥しようとはしないが、出てってくれれば地域としては波静かで歓迎、という形での差別なんだな。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-11-25 09:48:12) 5.《ネタバレ》 まずは、北林谷栄が40代だったというのが驚き! しかも、まだご存命とのことですし。 こりゃ、凄い! 話はやや重くて暗いものがあるが、ユーモラスな描写も多く、なかなか楽しめた。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-03-02 15:59:31) ★4.水木洋子の脚本にはずれはないんですが、本当に庶民のたくましさ・やさしさを書かせたら世界でも水木さん以上の脚本家はいないんじゃないかな? 貧しい時代の、過酷な運命の小さな家族ですが後味が悪くない。 登場人物が信頼できるから「この子なら大丈夫だろう」と、心のどこかで確信できるんだよね。 こういう映画をもっと日本人は観るべきだ。 【グレース】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-08-02 21:40:51) 3.《ネタバレ》 零細農家にとっては、男手は子どもといえども貴重な労働力のはずだが、そんな中そもそも何故イサム君を養子に出さなければならないのかが、いまいち明確ではないような気がした。イジメなどが理由のようだが、海外にまで養子に出す理由としては少し弱いと思う。またイサム君を養子に出すのなら、何故もっと早い時期に、物心がつかない幼い頃にどうにかしなかったのかも疑問だ。加えて、アメリカの養子先が「農園」て、おいおい、それってプランテーション奴隷だろ!果たしてこの選択がイサム君にとって最善だったのかどうか甚だ疑問だ。結局、手紙とかも来ないまま終わりだし。その後彼がどうなったのか、きちんとフォローして欲しかった。また更に言えば、この二人の子どもが、何故祖母と一緒に暮らすようになったのか、その辺の経緯が、きっちり描かれていないので感情移入しづらかった(話としては親子とも黒人米兵に捨てられたようだが…)。母親と父親の黒人米兵のエピソードをすべて端折った上で、小学生から話を始めるというのはいかにも唐突という印象を拭えない。二人の笑顔と元気な姿は、確かに素晴らしいし勇気付けられる。いい作品ではあるのだが、内容的には如何せん「ただそれだけ」になってしまった、というのが小生の感想である。申し訳ない。 【鳥居甲斐守】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-04-08 23:11:50) 2.《ネタバレ》 登場人物は黒い肌の混血児姉弟、父親はアメリカへ帰り、母親には先立たれ、東北の田舎に住む祖母と生活をしている、その容貌から街や学校では奇異の目で見られ・・・・・という設定から非常に暗い映画なのかと思ってましたが、実際観ていくと全く違っていて良い意味で裏切られました。 確かにこの姉弟の境遇は厳しいし、実際に差別を受けるシーンも出てくるんですが、彼らには祖母をはじめ行く末を考えてくれる人達が存在しているんですよね。それで、イサムがアメリカに養子に行ってからは、残されたキクの成長を描いていく形になるんですが、このキクがまた、観ているこちらが「頑張らなきゃ」と思ってしまうくらいたくましいんですよね・・・・もちろん、厳しい境遇に押しつぶされそうにもなるんですけど、撥ね退けちゃう強さを持ってるんです。「ケ・セラ・セラ」をつぶやくようにそっと歌うシーンはちょっとウルっときましたね。 それと、祖母役の北林谷栄の演技が素晴らしかったです。私自身自分の祖母を思い出してしまう位の厳しくも愛情を持ち合わせた感じで、それだけでなく時にユーモラスで可愛らしいおばあちゃんを演じています。近所の人たちや孫とのやりとりなんかはほとんど喜劇に近いノリで楽しかったです。(しかし当時40代後半というのが驚きです・・・・今もご健在ですし。) 笑えて泣けて、少女の成長に励まされて・・・・本当に素晴らしい映画でした。(バックに流れるピアノ音楽も良かったです。) しかし、イサム役の奥の山ジョージさんって後に「ルパン三世のテーマ」を歌っているんですね。ちょっとトリビアです。キク役の高橋恵美子さんも高橋エミの名で歌手活動を行っているようです。 【TM】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2007-03-21 21:15:49) 1.戦後はこういう話はたくさんあっただろう。混血児は今よりずっと差別され、奇異の目で見られていたと思う。キクとイサムの母親も父親も出てこない。しかし捨てられたようなこの黒い混血児たちに暗さや惨めさはない。明るく堂々として気持ちが良いくらいだ。二人の子供が実に自然でいい。祖母の北林谷栄はこの頃から今と同じくらいな老婆役をこなし実にサマになっている。これ1本で彼女の大女優ぶりが分かる。弟が養子に行く時泣いたキクだが、すぐに立ち直りラストシーンで大きな体をゆすって野良仕事に行くところなどは逞しい。終戦後の混血児問題を取り上げながら深刻な部分をことさら描かず、前向きで明るく生きる子供たちを中心に描いて気持ちのいい後味になっている。 【キリコ】さん 8点(2004-01-18 22:09:40)(良:1票)
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