みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
17.沖縄現地で米軍の上陸を阻止するために作戦を練る上級軍人、作戦を実行する下っ端軍人、大本営、現地の政治家、疎開する児童、学徒動員された学生、野戦病院に動員された婦女子、様々な人を巻き込んだ沖縄決戦を、日本側視点のみにフォーカスしつつ、俯瞰的にとらえる大群像劇として、今見ても、日本映画にしてはあまりチープさを感じさせない臨場感、切迫感で、描いています。感傷的な演出などはほとんどないまま、淡々と描写されるので、ややもするとドライな印象を持つのですが、その中にも、ところどころにユーモアがちりばめられ、作り手による人間に対する慈しみに包まれた作品だと思いました。押しつけがましさを感じさせない懐の深い作品です。視聴にあたっては、前述のとおり、淡々と事が進んでいくので、史実を知らないと、なかなか心に残らないと思われます。途中良くわからないことがあったら、躊躇なく再生を止めて、史実を調べながら見るのもありかと思いました。というか、私はそういう見方をすることで、より興味を持って作品を堪能することができました。川津祐介がイケメン。 【camuson】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-02-10 17:59:59)(良:1票) 16.《ネタバレ》 昭和の沖縄返還を前にして製作されただけあって、制作陣やキャスト等、相当な力を入れて制作された感がある。 あの沖縄戦とは何だったのか、そこでどんなことが起こっていたのかを、残存する資料をもとに真実に迫ろうとする制作陣の意欲が見て取れる。 大本営と第32軍司令部との思惑のずれや、参謀たちの葛藤、軍人と民間人の関係性、絶望的な戦況を前に迷走する戦争末期の沖縄を迫真の演技で再現しているところは秀逸。 その一方で、50年近く経った今となれば、(やむを得ないことではあるが)やはり撮影技術の限界がどうしても目についてしまう。 火薬を多用した戦場描写は迫力はあるものの、当時の特撮ヒーローものでもよく見られたレベルだし、特に爆発音や銃声は当時の円谷特撮(怪獣映画)のそれと同様で、どうしても子供だましに聞こえてしまう。 その他、唐突なシーン切り替え(※)や前時代的な音楽も相まって、現在の映画を見慣れた目には稚拙な印象が最後まで拭えなかった。 (※編集作業の中で相当なシーンをカットしたことが見て取れる) 近年、アメリカ側の視点で沖縄戦を描いた作品として「ハクソー・リッジ」があるが、戦争描写のレベルは天地雲泥の違いがある。 とは言え、戦後20年ほどしか経っていない当時だからこそ描ける空気感というものはある。沖縄で犠牲になった人々の様々な思いは十分伝わってきた。 特に民間人の集団自決の際、死に損なった者同士でとどめを差し合うシーン等は、他の戦争映画の追従を許さない衝撃があり、胸が痛んだ。 二度とこのような愚行を繰り返さないためにも、そして今なお、国土の僅か1%に満たない土地に、在日米軍基地の7割をかかえるという不条理に苦しむ沖縄を考える上でも、本作のような作品は観ておく必要があると感じた。 【田吾作】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-02-12 10:34:10)(良:1票) 15.《ネタバレ》 岡本喜八と新藤兼人の組み合わせというのはこれ一本だけですが、『日本のいちばん長い日』『肉弾』を撮った監督と『原爆の子』の脚本を書いて監督した人の組み合わせですから、そりゃあ壮絶な映画になりますよ。戦後の日本映画としても太平洋戦争における一つのキャンペーンをじっくり描いた映画はそれまでなかったので(よく考えればその後も存在しません)、貴重です。 これだけ大掛かりなテーマであるにもかかわらず特撮のパートは必要最小限に抑えられており、そこは岡本喜八の好みが優先していたのかもしれません。そのために「敵船多数で海面が見えません!」と日本兵に叫ばせるだけの米軍上陸シーンは“昭和の日本映画のショボいシーン”の一つとして揶揄されたりしていますが、その分実際の火薬を大量に使った陸戦シーンは“爆発の中野”の異名を持つ特技監督・中野昭慶の本領発揮といえます。ストーリーも第三十二軍をメインとした大本営の陸軍高官から名もなき庶民まで網羅した大群像劇になっていて、これを手際よく見せる岡本の手腕が光ります。その中心となる牛島軍司令官・長参謀長・八原高級参謀の三人はそれぞれ絶妙なキャスティングで、その実際の記録に残る言動を新藤は巧みに脚本化しているのはさすがです。中でも長参謀長を演じる丹波哲郎が「お母さん、痛いよお」と寝言を言ってうなされるシーンがありますが、これは実際に司令部関係者の言に基づいているそうです。これは幼少期に母親に折檻された夢だったそうですが、若いころにクーデター計画に参画したり南京戦で中国兵捕虜を見て「さっさと殺っちまえ」と放言したりしていた人とは思えない意外な一面です。 休憩をはさんでの後半はもう涙を流さずには観ていられない辛い映像の連続です。そしてラストまでの約三十分はもうスプラッター映画の様相になってきます。この映画では血の色が、よく見受けられるオレンジっぽいペンキのような血ではなくて、リアルな赤にこだわっているところが凄惨さを増す効果を上げています。私はこの映画で初めていわゆる「血の海」というものを観て、子供心に強烈な衝撃を受けました。 前半の空襲で孤児になった女の子が戦場を一人でさまよい歩き、死体が散乱する海岸に無傷でたどり着くラストには新藤兼人脚本の真骨頂があったと思います。しかしこの後二か月も経たずに終戦とは、なんと無情なことでしょうか。 【S&S】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-06-26 00:10:43)(良:1票) 14.《ネタバレ》 数多くの娯楽映画を撮っている岡本喜八監督による戦争映画、沖縄の歴史を知る上で観て損の無い大作です。いや、正しくは観るべき映画と言うべきかもしれない。戦争に娯楽など無い。良いも悪いもない。丹波哲郎と仲代達矢のやり取り、会話は人間の愚かさを象徴している。それはこの映画の中で描かれている目を覆いたくなる残酷なシーンばかりで、米軍が殺そうとしているわけでもないのに次から次へと自決を図って死んでいく女学生、米軍からの攻撃から逃れて来た老人を追い返した挙げ句にスパイ扱いして狙撃して殺す行為、いずれも愚かな人間の行為である。戦争は人間を狂気へと変えてしまう恐ろしさ、沖縄も沖縄人も同じ日本、同じ日本人なのにまるで別として扱う人々の愚かしさ、岡本喜八監督による喜劇の作品を沢山、撮ってきた監督ならではの狂気、人間の醜い部分を余すところなく描いている凄まじい作品です。何度も言う様に繰り返し観て楽しむ映画ではない。しかし、沖縄の歴史を知る上で同じ日本人である以上、一度は観るべき映画だ。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-02-13 18:18:27)(良:1票) 13. 八原高級参謀、あるいは硫黄島の栗林中将、彼らのような本来は一番軍人に向いている合理的、論理的な思考の持ち主が排除され少数派になり、長のような、あるいはインパールの牟田口のような無能な合理的思考とは程遠い大言壮語するしか取り柄のない人間が幅をきかすのが、昭和の軍隊、とりわけ陸軍のどうしようもない欠点なわけで、八原や栗林が構想するような戦い方が、全島嶼で行われていたならばと考えずにはいられません。(軍事的合理性から考えれば、バンザイ突撃とか全く意味がない集団自殺にすぎないわけで) 民間人が、巻き添えというのではなく、直接米軍に標的として殺される描写が多々ありました。これは事実なんでしょうか?事実としたら明らかに国際法違反ですよね。どうなんでしょう。(そもそも、なんでもっと早く北部への疎開が進まなかったんでしょうね、島田さんの前の知事の、無能さ、怠慢さが本当に疎ましく思います) 沖縄戦についてじっくり考察してみたい気持ちになりました。ただ、この映画そのものは、あまりに悲惨なんでまあ一回みただけでいいかなと 【rhforever】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-31 17:48:04) 12.《ネタバレ》 重い、重いよこれは。とても重い内容なんだけど、何故かテンポが良いというか飽きさせない構成で見せる技はさすが岡本喜八監督。決して忘れてはいけない沖縄の悲劇を後世に伝えるために観なければいけないと思う、そんな感想でゴザイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-08-21 10:16:32) 11.“沖縄軍の戦死者10万” “沖縄県民の死者15万” 太平洋戦争末期、「沖縄」という地で失われた命の数がラストのシークエンスで大写しにされる。 その膨大な数が表す通り、この映画は最初から最後まで延々と、愚かさと絶望の中で続いた「死」を容赦なく映し出し続ける。 「地獄絵図」という比喩表現そのものの光景に対して、憤りを通り越した虚無感に襲われ、ただただ涙が溢れ、逃げ場を見失う。 ただ、「これが現実」という絶望的な悲劇の中で、同時に強く印象に残ったことは、それでも残った命の存在とその意味だった。 「死」の中で残った数少ない「生」の描写こそ、このあまりにも絶望的な映画において、監督が手繰った希望だったのではないか。 敗色濃厚というよりも敗戦が必然の中で葛藤し続けた高級参謀然り、息子を亡くしそれでも表向きにはひょうきんに従軍し続けた散髪屋然り、最後は強引に生き残ることを命じられたひめゆり学徒隊の少女たち然り、息絶えた母親の背で泣き続ける赤ん坊然り、そしておびただしい数の屍の中を歩き続けた孤児の少女然り。 あの時、彼の地で生き延び、後の時代に継いだ命の価値と、命を継がれた者たちの“声”を真摯に受け止め続けることの意味をこの累々とした死を描きつけた映画は物語っているのだと思う。 彼らの死と、継がれた命が語る「事実」を、総ての人々は今一度知らなければならない。 この重く、辛く、だからこそ誰しも一度は観なければならない映画を描きぬいたのは、岡本喜八監督。 この映画はドキュメント要素が強く、普通ならばただただ淡々と暗く悲しい事実に対して、一方的に耐え忍ぶように観なければならない映画に仕上がっていたことだろう。 しかし、娯楽映画に秀でた大巨匠だからこそのあまりに巧い演出力が光る。 悲壮と絶望が渦巻く戦禍において、敢えてユーモラスなキャラクターやシニカルな台詞回しを適所に配し、的確な可笑しみを効果的に加味している。それにより映画的な抑揚が生まれると共に、現実の悲劇性はより深まっている。 その演出方法は、岡本喜八という大巨匠の映画監督としての意地と誇りの表れのように思えた。 繰り返しになるが、重く、辛い映画であることは間違いない。 でも、この映画は決して説教臭くもなければ、何かしらの思想を強要するものでもなく、娯楽文化としての「映画」という表現の中で、しっかりとその意味と価値を表している。 そのことが、本当に素晴らしいと思う。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2015-08-15 20:16:26)(良:1票) 10.《ネタバレ》 後半になると、ただひたすらに死に行く人達が映され続ける。辛い。辛すぎる。 集団自決で生き残った人同士がどどめをさしあう描写にゾッとした。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-08-16 18:19:24) 9.兵士だけでなく多くの民間人の死亡、多くの屍の散乱、さらには自決死を望む女学生たちの姿など、見ていて楽しめるはずがない。映画イコール娯楽とは真逆に位置する作品 沖縄決戦 国内戦時録。監督:岡本喜八。出来栄えがどうのこうの、リアルさがどうのこうのと、ああだこうだと述べる事は可能なんだが、そんなこと馬鹿げたことだと思ってしまえる 良いも悪いもナイ エンターテイメントではないのだから。出来ればもう二度と目にはしたくない でも観るべきだ。知っておくべき沖縄史。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-03-27 21:40:04)(良:1票) ★8.《ネタバレ》 仕事で沖縄を訪問した際に、彼の地で起こった激戦の史跡を見る機会に恵まれた。それぞれ資料館も併設されており、悲壮な史実も改めて知るに至った。 その勢いで帰宅後、この映画をDVDにて再見。 岡本喜八監督は「死」の表現を、それこそ圧倒的な艦砲射撃のような勢いで描き続ける。そして観るもの全てに容赦なく「死」を叩きつける。 切腹という自決方法を選んだ牛島中将や長(ちょう)参謀長の「死」(切腹の様式美にこだわろうとする幹部面々の思いがめちゃめちゃになる演出が秀逸)から、戦車に轢き殺される兵員の「死」、鎌で幼子と自らの首を掻っ切る「死」、乙女達の服毒「死」。本当にあっけない。感傷などに浸っている隙もないほど当然にそして慌しくそこにある「死」。 その「死」の持つ意味を見出す事が鑑賞後の責務といえる。 実際、その期間の沖縄に何が起こったのか、じっくりと考える時間を持たねば、この映画も史実も単なる悪夢に過ぎなくなってしまう。 この沖縄戦に限って言えば、自決を含め、兵士や士官の死(日米双方)は殉死であり、刀を振り上げて突入する姿はある意味悲壮感とは程遠く、覚悟を決めて「格好良い死に方」を自己表現出来た幸せな「死」であったといわねばなるまい。 一方で敵味方に自らの大地に踏みにじられ、訳も判らないうちに「皆死ぬんだから」という空気の中で、集団自決を強いられた多くの県民の「死」は、それこそ浮かばれるはずも無く、ただ、ただ悲惨で残酷である。決してここの地の「死」は平等では無い。 それだけに、「戦場を歩く少女」が、ラストで死者の水筒を手に取りその水を飲み干すシーンの清々しさは鮮烈な印象であった。生きる権利を掴み取った者の強さとたくましさ。彼女こそ、戦後の沖縄県民の象徴であり希望である。 重い重い2時間半の最後にやっと救われた思いがした。 日本軍部、アメリカ軍、それぞれの思惑に翻弄され続け、県民全体の約4分の1の尊い命を失い、さらに四半世紀も占領下であり続けた沖縄県。戦争前から続く侵略と略奪の歴史。現在の基地問題。等々・・・。 常に歴史の厳しさの矢面に立たされながらも、どこかで「受け入れる事」「共存する事」を日常化してしまっている沖縄県民。愛おしすぎる。 日本人として見るべき映画。 【こた】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-11-04 16:41:05)(良:2票) 7.死にまくりすぎて感覚が麻痺してしまう。実際、それほどに死にまくったんだからしょうがないのだけど。うーん、なんだろう、痛快なまでの悲惨のオンパレードで、一つ一つが強烈な上に見せ方が派手なのでどこか作り話っぽく見えてしまうのだと思う。喜八節とも言えるアップテンポな展開にも一因がある。沖縄の民間人たちが殺される様を娯楽テイストで鑑賞することに対する拒否反応と言ったら言いすぎか、どこかこのいけいけどんどんに乗り切れない。しかし怒りはじゅうぶん伝わった。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-12-22 16:17:54) 6. 一番悲惨なのは一般市民だということがよくわかりました。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-22 21:06:36) 5.日本にとって平和な時代が続きすぎているからか、こういう映画を観ても「反戦」という言葉が浮かんでこない。最も強く感じたことは「自決」とは何だったのかということ。言葉の定義だけならば、自らの主義を貫くために自殺することだ。国民が一丸となって戦争に臨む教育がなされていたことは、両親や祖父母の世代から聞いていたけれど、負けた時の心構えなんて誰も口にしなかったのでしょう。言った途端に非国民扱い。そして、負けたら絶望というような強い思い込みが自決に繋がったように思える。思い込みは主義ではない。戦争とは、戦闘員と非戦闘員の線引きを明確にし、軍人が陣地を取り合って、そこだけで勝敗が決まらなければならないのだと思う。日本が最後に経験した戦争では、そんな常識であるべきことを曖昧にしたまま戦争にのめり込んで行った感がある。その大きな流れに飲まれて、非戦闘員までが自らの命を絶った。誰が悪かったかというと、これは明確で、戦争を指導する立場の人たちです。自決を当然と考えるタイプが指導的立場の人たちに多かったことは、この映画からも見受けられる。考えてみれば、戦争の勝敗の決し方なんて誰かに習った覚えがない。せめて義務教育の歴史の授業とかで取り上げても良いのではと思ったりする。戦争なんてやらずに済むに越したことはない話だけど…。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-18 00:04:44) 4.沖縄県というまさに日本の国土を血で染めた戦いになった沖縄作戦の全貌がこの作品で赤裸々に描かれている。 映画の公開は1971年、その翌年に沖縄はようやく返還された。 史実や関係者の記録のから多くのエピソードがちりばめられているがその点と点を結ぶスムーズな演出がなかったのでややぶつ切りでシーンをつなげたような散漫な印象を受けるのが残念。 ただしこれも意図的な演出であったのかもしれない。 それに予備知識がないと状況がなかなか把握できないのもすこしつらい。 ナレーションによる状況説明はかなり入るがそれだけでは不足だ。 各個のエピソードがその時々の戦況を伝え、一つ一つが戦況の流れの中でつながっていたことが実際の戦況経緯を知って始めてわかった。 少ない予算のために敵艦船も飛んでいる飛行機もまったく出てこない(記録映像でおぎなっている)。 そのためかカメラが上(空)を撮ったシーンが全く、あるいはほとんどなかった印象だが、沖縄作戦が地上戦であったことを考えるとこの潔さはかえって地上の悲惨な戦いに焦点を合わせるのに役立ったように思う。 2006年のクリントイーストウッド監督作品「硫黄島からの手紙」を観てまず思い浮かんだのがこの「沖縄決戦」だった。 どちらも地上戦、洞窟での持久戦を描いているが洞窟持久戦の実情をより正確に表現していたのは「沖縄決戦」のほうだと感じる。 いずれにしても戦場の実際を正確に再現することなど不可能だ。 だがより悲惨さが伝わってきたのは確かに「沖縄決戦」だった。 ほぼ同じ時期に八原高級参謀(当時)の手記「沖縄決戦」が上梓されている。 沖縄返還の時期に合わせたということはあろうが同じ題名の作品が映画と本という別の形で世に出たというのは興味深い。 八原氏の記録があるいは八原氏自身がどの程度この映画に影響を与えたのか興味は尽きない。 とても重い作品だ。 【称えよ鉄兜】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-09-21 13:35:26) 3.《ネタバレ》 新藤兼人監督の脚本を岡本喜八監督が映画化した沖縄戦が題材の戦争映画。このコンビはミスマッチなのではと見る前は心配だったが、思っていたよりずっと良かった。題材が題材なだけに展開はとても悲惨で目をそむけたくなるような死の描写の連続だが、反戦を高らかにうたうのではなく、逆にこうすることで観客に訴えかけるのは喜八監督らしい。しかし、良かったと思う反面少しダラダラしている印象もあり、途中でちょっとだけ中だるみを感じてしまったのが残念だった。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-25 17:56:06) 2.圧倒的悲惨。感情移入を拒否するかのごとく乾いた描写で、まるでそうなることが当り前みたいに連ねられる死、死、死。劇中では戦争批判などほとんど語られることが無い作品ですが、その内容で力強く全否定しています。 【KYPA】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-06 23:47:43) 1.《ネタバレ》 アメリカ施政下26年目での映画化。いわゆる沖縄返還前年の映画である。現在に至るも何ら変わらない沖縄軽視への怒りと鬱屈は如何程だったことか。 一方の映画界は斜陽化の真っ只中だ。その中での精細なリサーチ、過酷なアクションを撮る新藤兼人・岡本喜八の 苦労は並大抵ではなかったはずである。 非沖縄的な風土・キャスト・言語に対する批判は容易いが、それはやはり酷だろう。 為政者側に特化した『日本のいちばん長い日』に対する反動でもあろう、軍部(参謀本部、32軍)・沖縄県民の双方を巨視的に描く 「叙事詩的リアリズム」(山根貞男)は、今度は米国兵士側を表象の対象から外した。 その視座は、日本軍の民間人軽視の描写を甘くもしていよう。 しかし、壕を出ろという軍人に抗議する大谷直子、軍人を弱虫と詰る女学生達の痛烈な叫びはカメラに正対して発せられている。 それは、画面を見る我々日本人たちへの痛罵という事に相違ない。 『ドイツ零年』のごとき、幼い子供たちの表情。そこには「主題におけるリアリズムとは全く異なったスタイルにおけるリアリズム」がある。 【ユーカラ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-01-14 12:53:44)
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