みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
10.《ネタバレ》 約10ヶ月ぶり2度目観賞。国家威信のため、ダチのカタキを討つため取りつかれたようにテロ組織アルカイダ追及に没頭する女性分析官マヤをジェシカ・チャスティンが好演。全てを投げ打ち冷徹に標的を追い詰めます。「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督による写実性に富んだ演出が張り詰めた緊迫感を表現していました。拷問と隠れ家急襲シーンは強烈です。オサマ・ビンラディン殺害。これで本当によかったのか。それは誰にも分かりません、おそらく永久に。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-02-20 00:24:02) 9.《ネタバレ》 歴史モノというのは、作者の主観が入らないと成り立たない。しかし、どう入ろうと大昔の事だから、だれも正確なところは知らないし、真偽で議論になったとしても、議論のための議論となるだけだ。しかし、近い歴史は危ない。そこに関与する人が多すぎる。だから、主観を排除したような、「ドキュメンタリー」風な客観的な方向に傾かざるを得ない。ハートロッカーは特に歴史を述べていないので、作者の方向性を打ち出せた。しかし、本作品ではどうもここでブレがあるように思える。覚悟が見えない。戦争プロパガンダと反戦という両極の物差しの上をあっちにいったり、こっちにいったりしているような感じがする。否、わざとブレているのを狙ったの、と言わんばかりなのだが、もしそうだとしてもうまく言っていないような気がする。監督の中に迷いがあったのではないか、それとも、制作側との妥協なのか。最初の拷問シーンで、私は女だけどこんな絵を取れますわよ、と力んでいるような感じだし、ラストシーンでは、女性の複雑な心は女性しか分からないから、ってスカしているようでもあるし。アメリカは強い、っていいたそうだけど、恨みは永遠に終わらない、っていっているようでもあるし……で、私の読みは、繰り返すが、この矛盾を一切抱えて、さぁみんなどうぞ、この複雑さを取り上げる私の感性が分かるかしら、ってのを狙っているということ。それが、うまくいっていない、と私は言っている。最後のサスペンス的展開はそこを隠したかったのではないか。 【K-Young】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-02-19 20:14:38)(良:1票) 8.この迫力、ダイナミックな構成はハートロッカーを凌駕する。拡散しがちな題材をこれほどうまくまとめあげる力量はビグローの力だろう。戦場における緊迫感は特に。アラブ人へのCIAの拷問もしっかり描いている(が、)。ジェシカ・チャスティンらの演技も文句の付けようがなく、アカデミー賞ノミネートも納得できる。しかし、しかしである。これでよいのか。何かが足りないのではないか、という疑念を払拭できない。あるいは、何かが「多すぎる」のかもしれない。恐らく後者だろう。この映画が映画らしくしようとすればするほど、そこに回収しきれない何かが滲み出てくる。これを大雑把に陳腐な言葉でいえば「政治」なのだが、もう少し的確な言葉があるような気がする。いずれにせよ、手放しで誉めることができないというのが正直なところである。映画としてはものすごく面白いのだが…。 【Balrog】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-02-18 23:08:30)(良:1票) ★7.《ネタバレ》 良く出来ている。見応えは充分以上だ。 この手の作品で政治心情云々を書くのはご法度かも知れない。 だが私は終始「この作品は一体誰の為に・何の為に創ったのか?」と言う思いを拭い去る事が出来なかった。 冒頭の画面暗転~悲惨極まりない9.11の音声だけを聞く事で、観客の心情は自ずとアメリカが被害者で有り、これから繰り広げられる物語はアメリカが憎き敵を追い詰め・倒すまでの出来事を描くのだ という心境にされてしまう。 そう、この作品は明確な位に「勧善懲悪」で有り、善=アメリカ、悪=アルカイダ なのだ。 何故、アメリカがアルカイダの標的なっているのか? という9.11同時多発テロに至るまでの複雑な背景・経緯は見事なまでに切り落とされている。 無論、本作はアメリカが作成した映画なのだからそれも止むを得ないと思う。 だが、本作がエンターテイメント色を排した描き方をしているだけに、徹底して偏った勧善懲悪を描いている事が妙に引っかかってしまう。 アラブ系のCIA情報員が殺された人々や親を亡くした子供達を複雑な表情で見つめる描写はあるが、取って付けた様な印象しか私には持てなかった。 「事実」を映画という形で観客に伝えたいのならば、単純に9.11から本作で描いている襲撃までを描くのではなく、もっと他に映像として後世に残すべき映像が有る筈だし、そもそもこの監督さんは「ハート・ロッカー」の様な骨太の作品を創作できる力量が有るのだから、余計にその様にして欲しかったと思ってしまう。 「その様な作品を観たいなら数多のドキュメンタリーを観ればいい」という意見も有るだろう、また、この様な私の感想がまさに平和ボケした日本人特有の物で有る事は充分に判っているが、期待が大きかった分、敢えて思った事を率直に書かせて頂いた次第。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-02-18 10:11:51)(良:1票) 6.《ネタバレ》 自分は好きだが、157分は社会派サスペンス好きでないときついかも。タイトルの最終30分の緊張感は凄い。自分の鑑賞環境では20数人いた観客は自分以外全員50代後半以上。 最後のシーン、マヤの涙で見せる祝福と呪い。長官との食堂のシーン「自分にはこれしかありません」からここにつながるマヤの達成感と喪失感のアンビバレントさ。時代の変化、自分の環境変化を経て、捜査当初のテロ撲滅という大義から、もはや復讐へと変化する作戦の意義。直前のマッチョな軍人男性の中、一人の女性諜報員という対比と強い存在感から一転しての広い飛行機内での孤独な涙は、その強さの裏返しというより、ここまで得た強さ故の喪失感・虚無感に見えた。 公私の区別なく取り組み続けることによってのみ成り立つというこの成功は、アルカイダ側にこれを応用した途端、最後の作戦での婦人をいとも簡単に殺害される環境に反転する。 生きることの困難さを実話にどれだけのせて「映画」とするか、その見本のような作品だと思う。 【楊秀清】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-02-18 01:00:34)(良:1票) 5.《ネタバレ》 150分という長い尺の映画でしたが、わたし的にはあっという間でした。序盤から中盤の各個人のキャラを際立たせる内容、しっかりとした情報戦でしっかりと画面に引きつけられました。そして、そこから後半の突入のシーンまでの持って行き方、突入の間の緊迫感は素晴らしいですね。違う意味での臨場感を味わいました。常に死と隣り合わせの状況というのが中盤にもりこまれていたお陰でしょう。ここが特に上手だなと。どこまでが本当なのかわかりませんが、娯楽を意識し過ぎずかつしっかり観客を惹きつける良い映画だと感じました。宗教観など、日本人には馴染み薄いかもしれませんが日本も隣国に脅威を感じる時代です。他人ごとではないと感じた一作でもありました。 【honeydew】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-02-17 21:35:31) 4.《ネタバレ》 9.11からビン・ラディンを探し出して殺すまでの物語。 CIAの新人分析官が10年かけて、どうやって探し出したのか、それまでにどんなことがあったのかを2時間38分かけて描いていきます。 分析官が女性だったというのが話題の一つ。 多分、女性だったからこそビン・ラディンの居場所を突き止められたんだと思いました。こういう地味で根気のいる作業は男性より女性向きだし、根拠とか裏付けとかより、時にはこういう女性の勘だけに見える自信が必要なのではないかと。 実際には公表されてないステルス・ヘリも、きっとこういう形なんだろうなと思いながら見ました。 主演のマヤ役のジェシカ・チャスティンは適役でした。 見た目は華奢だけど、時として上司にもくってかかるほどの信念、拷問の場でも目をそらさない、意志が強く粘り強い分析官を好演していました。 ラスト、「どこへ行く?」と聞かれたマヤが何も答えられず、その後涙を流すシーンが、それまで生活の全てをビン・ラディン捜査に捧げてきたのだと改めて思い知った虚脱感・重圧からの解放・安堵感、全てを物語っていて上手いなと思いました。 【nanapino】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-02-17 17:08:17) 3.《ネタバレ》 9.11のテロからビン・ラディン殺害までが、CIAの活動を中心に語られる。事実のところもあるだろうが、CIAが詳細を明らかにすることはないだろうから、大部分は映画制作の過程で創られたストーリーといえる。そういう点でも、この映画は、事実を土台にスパイ活動を描いた一級の娯楽作品になっている。女性捜査官マヤの視点によりドラマ部分に厚みがある一方、全編に逃げ出したくなるような緊迫感が張り巡らされている。不必要に長く感じられた冒頭の拷問シーンも、後半、拷問が行えなくなり情報の入手が難しくなるというジレンマにつながる。それにしても、主人公のマヤを演じるジェシカ・チャスティンは、自分を消してどんな役柄でもこなせる女優さんですね。関心しました。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-02-17 13:22:06)(良:1票) 2.映画開始初っ端からトイレに行きたくなり、ずーっとムズムズしながら鑑賞しました。さっさとトイレに行けば良かったものの、どうしてもスクリーンから目が離せなくなり、結局最後まで踏ん張っていました(汗)。映画を観てて思い出したのは、韓国映画「殺人の追憶」です。実際に起きた殺人事件の、あまりにも杜撰な捜査や、刑事たちの追い込まれて行く様が、「ゼロ・ダーク・サーティ」を観ていて頭をよぎりました。「殺人~」は、証拠の捏造や容疑者への拷問が日常茶飯事として描かれていて、逆に笑ってしまう程ひどいレベル。しかし今作はその「笑ってしまう程ひどい」行為を、全世界を巻き込む国家レベルで繰り広げています。これはもうゾッとするなんてもんじゃないですよ。「殺人~」を観て「こんなムチャクチャな警察がいるかよ!」とあくまで娯楽として笑っていたものが、現実として突きつけられるんですから。(「殺人~」も実話ですが、かなり脚色されたフィクションということになっています) 主人公が、そしてアメリカ自体が「殺人の追憶」に囚われてしまっているようでした。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-02-17 03:45:41) 1.《ネタバレ》 CIA新人(?)捜査官の主人公が現場で揉まれ、慣れ、狂わされ、鬼となり、最後に人に戻り涙を流す。 まず最大の欠点は中盤までのダレ具合と詰らなさ。捕虜の尋問・拷問シーン等が結構尺を長めにとってあるが長すぎて飽きる。その後も別の拷問や尋問や捜査や捜査ばかりかつ基本主人公視点のみなのでテンポに緩急が無く眠くなる。 物語の進行も写真や図が少なく基本喋りによる説明だけなので分かり難い。 特に中盤の友人との最後のメールも、そこだけ変に友人視点に切り替わりまた長々見せせられる。正直オチは予想できたから、そここそある場面以降は主人公のチャット画面のみで向こう側を想像させるとかにした方が良かったのに。 中盤以降は現場担当の兵士による犯人捜査やCIA上層部間の駆け引き等テンポ良く場面が切り替わり話がグングン盛り上がっていく。そして最後の突入シーンは中々手に汗握れたり等、中盤以降は監督が変わったのでは?と錯覚する位序盤の駄目な部分が無くなっていた。 音響関係はハートロッカー同様やたら銃声や爆音がうるさく鼓膜が痛くなった。とりあえず『赤い観光バス』『レストランで渋滞』『来客者』の辺りにきたら耳塞いどいた方が良い。 総評 『ワールドオブライズ』や『パトリオットゲーム』からアクションや緊張感あるシーンを大幅に削り捜査パートを増やした感じ。 ただ主人公の感情の変化はそれなりに分かりやすく且つ説得力はあったので、私のようにドラマやサスペンスアクションではなく、ドキュメンタリーと思ってみれば面白いかも、ただそれでもやはり序盤のダレっぷりはいかんともしがたい。 【ムラン】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-02-16 00:10:59)
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