みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
13.《ネタバレ》 「音が与える印象は映像よりはるかに大きい。だが、それに気づいていない人が多い。」 とは、本作のいちばん最初に語られる一言。いきなり、この冒頭の一言から参りました。 映像と音。映像に音を吹き込み、映像に力を与えていく音響のプロフェッショナル達が数多く登場する。 そんな、映画と音に魅せられた音響屋たちが語る1つ1つが興味深く、そして楽しく 彼らが語る映画愛や、仕事に対する情熱や誇りが感動的ですらありました。 数多くの映画が引用され、その音の話を満喫した後のエンドロール。 無音で始まったエンドロール、その最初の1~2分くらいか。 かすかに動物や虫の声、鳥のさえずりが聞こえてくる。 冒頭のメッセージと共に印象的な、映画音響にフォーカスした作品の締めくくりでした。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-20 12:51:07) 12.《ネタバレ》 導入部でいきなり、「音響は映像と並ぶ映画の重要要素である」という位置づけをがつんと提示。そして、1シーンだけでもあの作品と分かる映画史の代表作の断片が次々に出てくるのだが、それが継ぎ接ぎになることなく、根底に横たわる重要テーマを浮かび上がらせる。前半は、それこそサイレントからトーキーに移行したという「音響」の原点にまで遡り、それがどのように発展したのかという過程が立体的に解き明かされる。これを縦軸とすれば、後半は横軸として、具体的なその作業に踏み込んでいく。何より、音響といえば人工的に生成されたあれこれとしか思っていなかったのが、現在でも手作り音がきちんと使われているとか、あるいは歩く人の会話や衣擦れの音までが音響の仕事であるというのに驚きました。少し前の映画音楽のドキュメンタリー同様、90分強しかないのがもったいない、内容充実の作品です。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-11-14 02:25:51) 11.《ネタバレ》 映画を観る場合、映画館と家での違いは?と言われれば私はまず音を挙げます。 これはどうしても映画館で観たい、配信されるまで待てないわっていうのは映画館に行きます。 で、やっぱり音の良さや音が体感できるのが心地よいんです。 「ゴッドファーザー」のあのシーンはマイケルの心情を表すきしみ音だという、私はてっきり近くに線路があってちょうど電車が通過していったと思ってました。でも緊迫感と不安感を煽るのにぴったりな効果音でしたね。ちょっと前に「ゴッドファーザー」制作の内幕もののドラマを観たのもあってコッポラに関するエピソードが面白かったです デ・パルマの「ミッドナイトクロス」で主演のトラボルタが音響効果マン役で悲鳴に使われた声は・・・ていうのも思い出しました。 表にはめったに出てこない方々の興味深いはなしを聞くことができて大変有意義でした。 【envy】さん [インターネット(字幕)] 8点(2023-04-14 15:14:27) 10.《ネタバレ》 映画愛が、とりわけ音響愛がビシビシと伝わってくるタイトル通りの作品。音響ど素人からの感想になりますが、へぇ~の連続と名作映画のシーンが次々映し出され、なかなか楽しめます。それ以上に感じることは、音響技術さんたちがその仕事を一生涯を通して楽しんでる、その姿勢に感銘を受けるのです。羨ましい限りです。そして面白いなと思うのは、FOLEYという効果音のつくり方。スタジオの床で雪を踏んづけたり、びちゃびちゃの雑巾をこねくり回したり、パスタを松ぼっくりで潰したり。リアルな音の録音じゃなくてわざわざ作って乗せているとはちょっとビックリ。そう言えば遠い昔、高校の予餞会という学校行事で、まさにそんな真似事をした記憶が蘇る。級友の演技に合わせて、バケツの水パシャパシャしたり、テレビにマイクを向けて録音したドラマの主題歌を使ったり、恩師たちのインタビューから言葉を編集して変な贈る言葉を作り出したり。何てアナログな事をと、思い出すと笑ってしまうような事をプロの技術者さんたちが真面目にやってるじゃないですか!私の安っぽい遠い思い出が少しだけ誇らしくなったのでした。あの頃は、プラトーンが流行ってたなぁ。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-09-13 13:06:01)(良:2票) 9.《ネタバレ》 ドキュメンタリーの形をとっての「映画音響」をテーマとしての映画であったが、大変見応えのある映画だった。蓄音機から始まる「音」への映画のアプローチがものすごく興味深い。映画界、特に音響の分野を目指している若者はこの映画を見るべきだと思う。素人の私からして、映画音響の考え方に取り憑かれるような内容だ。 本当の初期の頃には映画館に本物のオーケストラが張り付き演奏し、セリフもその場で役者が当てるような形で行われていた。そこから徐々に声の録音、効果音の作成、それらの編集と目まぐるしく出来ることが増え技術が進歩し、今に至る。 音や声の作成と同じく、それを出力する手段も同時に進歩していく。スクリーンの裏に一つしかなかったモノスピーカーが両サイドに一つずつ配置されるステレオスピーカーになり、やがて館内を360°カバーする5.1chサウンドとなり。 正直私は音に対してこれまでそこまで真摯に向き合ってはこなかった。聞きやすいか聞き取りにくいか、強いて言えばそれくらいの判断基準しか持ち合わせてこなかった。私も作中に出てきた映画製作会社の幹部たちと同様、「音」に対してそこまで真剣に考えたことがなくどちらかと言うと軽視してきた人間ということだろう。だが、ここまでの音響世界での足跡とその軌跡を見るにあたって、当たり前に自分たちが楽しんできたあの音たちは当たり前ではなかったんだと思えるようになった。10分程度の長さの音を作るために数週間を要する。それはひょっとしたら、映画にとって音と双璧をなす映像よりも時間のかかる緻密な作業が必要なのかも知れない。 単に効果音と言っても、動物の声などを組み合わせた効果音や、道具を駆使して自分たちで音を創り出すフォーリー、風などの環境音など、そこにも様々な分野があることを知った。ジェット機の音にライオンや猿の声が入っていたなんて、本当に驚きだ。 そう言ったことを知っていき、驚く反面、技術の進歩に伴ってリアルな音、というのが軽視されていないかということが心配になってきた。個人的な見方だけど、観客へのインパクトを重視するあまり、またどんな音でも工夫や時間次第で創り出せる今の技術下では、実際の音よりもインパクトや驚きを演出するため加工しているのではないか、と。そうなってくると少し違うような気もしてくる。上述したジェット機の音にしても、「本物は意外と大したことなかった」と、それ以外の音を加えて編集して客にこれはジェット機だと聴かせているが、それが正解なのかどうかは個人的に疑問が残る。R2D2などの機械のしゃべりや、非現実の事象の音に対してその音を作るために様々な工夫はあって良いと思うが、実際存在するものを「インパクトが足りない」と違う音で演出するのには違和感を覚えた。あくまで個人的な見方です。あしからず。 しかしそれはそれとして、音に対する考え方、その姿勢にとても感銘を受けたことは間違いない。 私は今年40歳だが、産まれてからここまで世界の技術革新と共に歩んできた、そういう時代とともに育ってきたという自負があります。物心ついた時には小さなブラウン管、ファミコン、ワープロやフロッピーだったのが、今や60インチ近くの有機ELテレビ、PS5やスマホゲーム、テラバイトの容量を持つPCなどを個人で所有するような時代となった。 同じように音の世界の技術革新に触れ、それを飽くことなく追いかけて形にし続けてきた先人たちに素直にリスペクトの念を抱かざるを得ない。素晴らしいドキュメンタリーでした。 【TANTO】さん [インターネット(字幕)] 9点(2022-09-07 01:33:48) 8.劇場で見たらきっともっと感動したんだろうな。 「台詞が聞こえないなんてありえない」って日本映画のことかな? 日本映画はなんでアニメの方が面白いのかがなんとなく分かりました。 【木村一号】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-12 21:19:03) 7.映画音響の歴史と役割を判りやすく解説してくれる貴重なドキュメンタリーです。「トーキー映画は音を芸術に変えた」、そう、忘れちゃいかんのは映画というものはそもそも音が無かった単なる映像だったということでしょう。トーキー映画が誕生してまず観客が喜んだのはスクリーンの役者たちの声が聞こえることで、それが映画音響のすべてだった。日陰者扱いだった音響効果でしたが、オーソン・ウェルズ、ヒッチコック、キューブリックといった天才たちが映画音響を革新してゆくことになります。本作には様々な音響技術者や映画監督が出演して語りますが、やはり“映画音響のゴッドファーザー”ウォルター・マーチの存在と業績が偉大だったんだなと改めて認識させられます。70年代以降はスピルバーグやルーカスといった面々の活躍で映画音響もデジタル化が飛躍的に進んでいまやすべての作業がミキシング・ルームのデジタル機器で済んでしまっているような印象を受けますが、効果音やフォーリー音の作成には昔ながらのアナログ音集めが健在なのも面白いところです。本作に登場する音響スタッフたちの活動を見ていると、本当にみな映画を愛する真の職人集団だなと感じます。いろいろと言われますけど、ハリウッドというところは各分野のプロフェッショナルが造り上げる職人文化が他国に追随を許さない強みを持っているんじゃないでしょうか。「職人気質は日本人の強み」と言われたりもしますが、情けないことに現在の日本映画界で消え失せてしまったのがこの職人気質だと思います。古い話しですが、東宝の円谷特撮なんかはその歴史だけでも一本の映画になる職人芸の極致です。たとえば現在の邦画界での映画音響のドキュメンタリーを撮ろうとしても、とうてい映画として成立しないでしょうね。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-09 21:35:25) 6.映画が好きな方にはお薦めの作品です。 エンドロールを見る目に少し変化が起こるでしょう。 音響以外の部門のドキュメントも観たくなりました。 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-09-08 21:51:44)(良:1票) 5.映画鑑賞で意識した事がなかった(恥)音響編集。その重要性がよく分かる勉強になった良作です。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-07-23 03:47:46) 4.《ネタバレ》 個人的には、現代音楽(というか20世紀音楽)の歴史の中のよくわからんかった部分を補う感じのつもりで観たところがあり、いわゆるクラシック音楽というものが20世紀にいろいろ根本的に打ち砕かれて、一般大衆向けでなくなった時に、作曲家が稼げなくなって他ジャンルに展開していったときに、一部は映画音楽系に流れたという認識があり、電子音楽系がホラーやSFの演出に取り込まれ、スターウォーズでジョン・ウィリアムズが華々しく登場したけど、ほかはどうなってたんだ? てところが抜けてて、本作では、ジョン・ケージからすべての音は音楽であるという提案をされたのを契機に実音音楽? というか、実際の音をサンプリングしてそれを効果音として使うようになり、テープに録って様々な編集をかけ最終的にR2D2の声の演出になる、とか、バーブラ・ストライサンドが巨費を投じて音響にステレオサウンドを導入し、さらに冨田勲の4方のスピーカーを駆使した音響表現から今の5.1chの、音がくるくる回る演出に繋がってくるとか、なるほどなあっていう感じで堪能しました。 そして、それらの発展と工夫は、リアルタイムで今でも続いてるんだなあと、感動した感じです。 【sim】さん [映画館(吹替)] 8点(2020-10-26 23:37:00) 3.《ネタバレ》 録音、効果音、音楽。知ってるようでまるで知らない映画音響の世界。 本作はそんな映画と音響の歴史、そして役割を教えてくれるドキュメンタリーだ。 音響の重要性を語るルーカス、コッポラ、リンチ、ノーランと名のある名監督達と陰に隠れていた音響技師達の努力が見えてくる。 ジャズシンガーから市民ケーン、アラビアのロレンスからスターウォーズ、地獄の黙示録、ジュラシックパークにトイストーリーやインセプショなど名画たちを見ながら追っていく音響の歴史はとにかく楽しい。 いやいや、出てくる映画がどれも良いシーンばかりで卑怯ですよ!それだけでテンションが上がっちゃいます。 それに本作は映画音響というだけあって、音楽の扱いは完全に映画館向け。 歴史を通してモノラル、ステレオ、5.1chサラウンドと進化を、映画館の音響を通して自分の耳で感じることが出来る。実は今と昔じゃこんなに違って、今はこんなに凄いことになっていたのかと驚いてしまった。今、凄え!!! 更に録音に効果音、そしてBGMとスタッフロールでどんな役割かボンヤリていた人たちの本来の仕事をこれでもかと紹介してくれている。まさかこんな録り方をしていたのかと驚くばかりだ。 映画は映像ばかりに目がいってしまうけれど、本作のおかげで映像と同じくらい大切で大事で重要な音響を更に味わっておかねばと思っちゃいますね。更に映画に対して見識が広がる一本です。映画好きなら見なきゃ損だ!そしてこの体験は是非映画館で! 【えすえふ】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-10-17 15:34:40)(良:2票) 2.《ネタバレ》 当然ながら音響重視な映画、って事で上映館の中では立川一択?って思ったのだけど、いかんせん遠いのよ、立川。時間も交通費もかかるし。それに立川やチネチッタの、スクリーンの外側に剥き出しになってるラインアレイスピーカー、アレあんまり好きじゃなくて。映像との調和無視して音ばっかり主張してきて耳に突き刺さって(アタシが日頃、最も映像と音とのバランスがいいと思ってるのはバルト9ね)。 ってコトで新宿(バルト9ではないけれど)に行ったのだけど、意外と頑張ってたわ。『スター・ウォーズ』冒頭のスター・デストロイヤーはやっぱりスクリーンで見てこそね。 さて、これは映画音響についての映画、大きく2つのパートに分かれていて、前半が映画音響の歴史、後半は映画音響の各パートの役割の解説。前半の方がワクワクして後半はちょっとお勉強映画みたいなカンジでテンション下がり気味になっちゃうのは構成上仕方ないわね。 映画史を支えてきた映画人がいっぱい登場して、エポックとなった映画がいっぱい登場して、それはもうめくるめく映画の夢の世界。その歴史の一部を体験してきただけに、1つ1つが記憶と共に映画と時間を共有しているような感覚になれて幸せ。『スター・ウォーズ』や『地獄の黙示録』を公開時に70mmで見られたのは今となっては本当にラッキーだったわ。 ただ、その2本の頃まで映画の音響は製作者から重視されていませんでした、みたいな言い方なのは違うよねぇ、って。それ以前の70mm6チャンネル磁気トラック映画っていい音のものがいっぱいあったわ。パンテオンの『風とライオン』なんてクリアで立体的で素晴らしい音だったもの。そもそも『大地震』のセンサラウンドなんか音が主役の映画みたいなものだったわけだし。っていうかアタシが映画好きになったのはセンサラウンドの存在があったから、とすら言えるし。 それとは逆なカンジで、『トップガン』の音響についても触れられていたけれど(実際の戦闘機の音は意外とショボいので新たに作りました、みたいな)、アタシ、アレは公開当時日劇プラザで見た時にひたすらやかましいだけ、としか感じなかったのね。 そういう個人的な映画体験と映画の歴史とがシンクロしてゆく、これは1つの映画と言うより思い出再生装置みたいなモノで、だからアタシみたいな古びた人間から見たこの感想はあんまりアテにはならないわね。 これから長く生きてゆく人には、現在からこの先の映画の音(ATMOSとかIMAX12.1chとか)を更に味わうための知識として見ておいて損はないと思うわ。今、ヘタしたら画質は家の方が良かったりする場合もあるけれど、音は映画館でなきゃ体験できない世界だものね。新型コロナで映画館から足が遠のいて配信で見ることが多くなったかもしれないけれど、大空間を大出力で鳴らす音は映画館ならではよね。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-10-11 20:14:07)(良:1票) ★1.《ネタバレ》 意識して映画館に通う映画ファンに向けた、映画愛溢れる宝物の様な作品。 満点では無いのは唯一の欠点、伝えたい事が山ほど有るのは心の底から判るけど上映時間が少々長い為。 映画好きなら、皆それぞれの心の琴線に触れた名場面が有り、 それらの所謂「名シーン」にどの様な人達がどれだけ情熱を注いでいたのかが判り、 取り上げられた作品達を纏めて再鑑賞したくなる。 特筆すべき事は沢山有るが、厳選すると以下の3点だろうか。 ・ハリウッドでバーブラ・ストライザントが何故あれ程迄にリスペクトされているのか、 本作を観て漸く理解出来た。 「スター誕生」位しか観た事は無いのだが、自らの感性を信じて観客に最上の作品を 届ける事に最大限の情熱を注いで来た事が良く判った。 当時既に大スターだったとは言え、女性差別は沢山あった筈なのにそれに挫けず自らの意志を通す姿勢。ただ尊敬のみ。 ・ハリウッドに於ける技術の伝承が数多のクリエイター達の明確な意志を持って 綿々と受け継がれている事に驚嘆。 これ即ち映画音響技術が今や確固足る文化の一つとして地位を築いているから故。 比較する土壌は違うが、伝承者不足に悩み衰退している日本の伝統工芸や、 それこそ日本で今も汗水垂らして映画音響を作成している現場の方々の事が頭に浮かび、 なんともやるせ無い気持ちになった。 ・登場する女性達が皆活力に満ちている。 自分の仕事に誇りを持ち、活き活きと自らの仕事の素晴らしさを語る様、 本当に素晴らしいと思った。 最後に、エンドロール終了後に粋なメッセージを投影してくれた劇場の皆さんに感謝。 (立川シネマシティにて鑑賞) 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 9点(2020-10-10 08:40:21)(良:1票)
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