みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.《ネタバレ》 オリジナル未見。 元部下の女性と対峙するウイリアムズにカズオ・イシグロらしさを感じるところ。 これまで生きてきた中で、やりきった事、やり遂げた事が何一つ無い、ままで死にたくない。 身につまされました。 ビル・ナイを筆頭にキャスト全員が心に余韻が残る秀作です。 【The Grey Heron】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-07-09 09:12:07)(良:1票) 7.《ネタバレ》 オリジナルは鑑賞済。 忠実なリメイクになっているものの洗練された造りになっており、 主人公と元同僚の若い娘との絡みはオリジナルと比べてくどくなくて良かった。 これはお国柄の違いだろうし、スタイリッシュな出で立ちのビル・ナイを起用したキャスティングの勝利だと言える。 葬儀後のグダグダな展開はバッサリ削り、上手く場面転換をしながら綺麗に"THE END"へと着地していく。 オリジナルのお役所体質への批判は最低限に留め、新人職員と若い娘の見せ場を増やして、 普遍的で誰にでも見易いヒューマンドラマに仕上げていた。 当然、オリジナルの凄みには及ばないかもしれないが、コンパクトにまとめたリメイク版を推す。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-05-15 21:56:01) 6.《ネタバレ》 黒澤の『生きる』を洗練した感じではある。『生きる』のモチーフはちゃんと引き継がれている。違いがあるとすれば、主役のビル・ナイに志村喬のような切羽詰まった感じがなかったこと、途中で元部下の女性に決定的に気味悪がられたりもしない。 黒澤版『生きる』後半のあのグタグタした葬儀の後の喧々諤々は、列車内の率直なやり取りに変わっている。実は、私が『生きる』で一番感銘したのは葬儀の後のグダグダの喧々諤々なのである。それが黒澤らしさでもあった。 イシグロらしさは何だったのかなと、『浮世の画家』『日の名残り』『夜想曲集』を思い浮かべる。特別な境遇にある人間が彼らの理路によって普遍を語りながら、全く普遍的な共有感が見いだせないような、それでいて、共有の欠落感に共有感を感じてしまうような不思議な感覚。そんな捻くれた感じは完全に抑えられていたように思う。 黒澤らしいある種の分かり易い社会的グダグダ感をより捻れたニンゲン的グダグダへと昇華できればもっと面白かったかなと。でも、率直に素直に感動はした。 【onomichi】さん [映画館(字幕)] 8点(2024-04-30 22:24:15) ★5.《ネタバレ》 この年のアカデミー最優秀主演男優賞は、ビル・ナイにあげるべきだったのでは。 黒澤明のオリジナルに最大限のリスペクトを示しつつ、静かに心に染み入る良作。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-01-18 21:47:49) 4.黒澤明監督作品を観た時のインパクトには及ばないが、メッセージは伝わる。 「後世に残る素晴らしいものを残したわけでは無いが、何か小さなことでも成し遂げた事実」が重要。少し間延びした感があるのが惜しい。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-12-19 21:15:57) 3.この映画は朝の通勤風景から始まります。何せ役所勤めの男が主人公の映画ですから通勤風景を描くのは普通の発想です。そういえば1953年のオリジナル版には不思議と通勤風景が描かれていません、代わりに山積みの書類を背に志村喬が仕事をしている場面から始まっていました。これがまさに2本の映画の違いを象徴していると思います。このリメイク版はきわめて普通の感性で丁寧に作られています。しかし黒澤明版は感動の名作というよりはどこか歪な映画なのです。志村喬はビル・ナイとは違い清潔な紳士などではありませんでした、脂ぎって不潔ですらあります。ビル・ナイは若い娘との交流の時にも志村喬のような危うさを感じさせません、だから安心して見られ不快・不安な気持ちにはなりません。1953年という過去を舞台に設定しているために社会風刺的な側面も現実の我々と直接関係ないものとして距離を取って見ることができてしまいます。リメイク版は撮影も演技も卒がなく、今の観客には受け入れにくいであろう部分を原作から削り取っていかにも名作然として作られています。でもそれは毒も刺激もなくとてもつまらない保守的なアプローチだと思います。整然とした通勤風景などより、あの山積みの書類のようにいつ崩れ落ちるかわからないような異様な迫力がゆえにオリジナル版は現代人の心にも訴えかける作品になっていると思うのです。 【Сакурай Тосио】さん [映画館(字幕)] 4点(2023-04-13 23:50:58)(良:1票) 2.《ネタバレ》 黒澤明監督の名作を、イギリスを舞台にしてリメイク。余命数ヶ月の無気力な役所課長をビル・ナイが好演。その姿はまるで生きた化石、ゾンビ。ネズミ面の若い女性職員とおデートするうちに段々と活力が湧いてくる。年甲斐もない恋がおっさんのココロを溶かす。でも年が離れすぎてちょっぴりヘンタイのオイラ。公園のブランコで口ずさむシーンの不気味さは志村喬並みやな。オリジナルの内容をほぼ踏襲。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 6点(2023-04-09 02:34:36) 1.《ネタバレ》 大筋は、意外なホドにほぼ原作どおりのリメイクとなっていて、特に前半は細かい演出に至るまでかなり完コピに近い…と言っても好い感じですね。ただ、原作の日守新一にあたる新人職員が冒頭から配置されて⇒我々は彼の視点で主人公の様子を観てゆけばよい…という形式になっていたり、また小田切みきにあたる役の女性も(原作では中盤に出番が集中していたトコロ)全編に渡ってより多くの役割を果たす様になっていたり、その辺を踏まえると全体的に分り易さや感情移入の容易さとゆーのは増していたかな、と思います。もう一点、尺が短くなっているのはテンポを全体的に少し上げている、というコトの他に、後半のお葬式のシーンが(やはり)大幅に簡略化されていたから、だと思うのですが、原作ではこの部分は(作品における)社会批判・官僚主義への批判といった側面が強く出ているシーンだったと思いますが、だからこのリメイクではその側面は若干薄まっていて⇒よりシンプルなヒューマニズムの描き出しの方にごく注力している…という様にも見えましたかね(⇒その意味でもより分り易い・伝わり易いかと)。 もう一点、大きな違いとしてはやはり志村喬とビル・ナイそのものの「キャラ」の違い…でしょーかね。どっちも役人ですが、日本人とイギリス人だと畢竟だいぶ雰囲気自体が違いますし、更にビル・ナイはどーしたって多少「カッコ好い」のですよね。。まァある種、ゆーて他の部分(≒お話の内容的なコト)はほぼ原作どおり⇒変えても小手先のコトで済んだケド、もし主人公のキャラまで全く同じにしてしまうとなると、ソレは志村喬vsビル・ナイの真っ向勝負!というコトになる……もし私がビル・ナイだったらば、ソレは流石にちょっと避けたいかな…(いくら何でもやや「分が悪い」かな…)な~んて思ったりもしましたですかね。 重ねて、描かれるモノ自体は全く同じ=普遍的な価値観であって、だからソレは寸分も変わっていないですね。ただ、重ね重ねこのリメイクの方が(種々の側面で)シンプルに「観易い」とは言えるかと思います。個人的には、どちらを先に観ても(コレも別に)変わりは無いかと思いますかね(私としては、評点も両作品とも同じになります)。とにかくとりあえず、もし観ていないならばドッチでも好いから早く観た方が好い…とは言っておきたいですケドね(コレは、なる早でまず観た方が好いヤツだと昔から思ってますよ)。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 8点(2023-04-05 23:09:18)
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