みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.《ネタバレ》 製作・脚本も自らが手掛けたグレン・クローズの“入魂”を感じる作品です。 彼女の男装に関しては、男装の中にも随所に女性を感じさせます。 メイクや1つ1つの所作でもっと男らしさを表現することは出来たと思います。 しかし本作の物語を考えると、当然グレン・クローズも相当こだわったのであろう、 少し不安定なバランスの彼女の男装ぶりは素晴らしかったと思います。 ベッドに横たわり、静かに目を閉じる彼女の本作最後の表情からは「やりきった」という充足感のようなものを感じました。 翌朝、アルバート氏の姿が発見された際にアルバートの人生について語る医師の一言には、確かにそう感じさせるところはあります。 しかしその後の、生まれたばかりの子どもとヘレンとペイジとの、ささやかな優しさを感じさせるラストが良かったです。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-04-05 00:35:32) 6.《ネタバレ》 19世紀、アイルランド。長年、ホテルの給仕として働いているアルバート・ノッブス氏には、とある秘密があった。それは、14歳のときに起きた悲惨な出来事をきっかけに女であることをひたすら隠し、ずっと男として生きてきたという悲しい過去だった。初老の域に差し掛かり、誰にもそんな事実を知られることなく、これから先も男として孤独に生きていこうとするアルバート氏。そんなある日、偶然にも同じような境遇で生きる男装の女性と出合い、彼女の幸せな生活に触れたことをきっかけに、アルバート氏は自分の孤独な生活を少しでも変えたいと願うのだったが…。数奇な運命を生きてきたある一人の女性の人生の晩秋を、淡々と描いた哀切な人間ドラマ。うん、地味ですけどなかなか良かったですね、これ。最初は多少の違和感が拭えなかったグレン・クローズの男装姿が、ストーリーが進むうちにどんどんと馴染んできてもう男にしか見えなくなってしまうのは彼女の熟練の演技力がなせる技なのでしょう(逆に中盤で見せる女もののドレスを着た姿の方が違和感ありまくりだったし笑)。そんな彼(女)が、ささやかな幸せを夢見て、騙されていることに薄々気付きながらそれでも必死で同僚をデートに誘おうとする姿は見ていて本当に切ないです。最後に、あの太った医者が思わず発する「アルバート、どうしてかくも哀れな人生を選んだのか…」という言葉に全てが収斂される、一人の女性の悲しい人生には深く胸打たれました。欲を言えば、もう少し彼女の悲愴感をドラマティックに描いてくれても良かったかなーとも思うけども、アカデミー主演女優賞候補も納得なグレン・クローズの抑えた演技が光るなかなかの良作だと僕は思います。アルバート、あなたの人生は決して哀れではなかったよ! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-04-10 19:01:39) 5.《ネタバレ》 ○隠れた佳作。どこかグレン・クローズの本気が伝わってくる。○なんとなく設定を理解できた頃にルームメイトにばれる。その後その人物も自分と同じ境遇だと分かるところはかなりびっくりした。お前もか!?と。○その後の叶わぬ恋(?)と死んでから周りに憐れまれる悲しさ。ものすごく切なかった。○ヘレンの彼氏がキック・アスの主人公とは。こちらも驚かされた。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-03-09 19:56:28) 4.ノッブス氏の人生はDr.が言っていた様に、なんと険しく哀れなものだったのでしょう。ささやかな喜びを見つけて、「結婚」しようとしていたのですが、かなわず、しかもその財産を若者に狙われたり、結局は・・・となるところをみるのはつらいです。せめて「彼」の名にちなんだアルバートJr.が幸せになることを祈るしかないです。印象的なシーンはたくさんありますが、孤独に耐え切れずMr.ペイジに一緒に暮らそうと打ち明けたところ、「(亡き)彼女を本当に愛していたんだ」といわれたところも心が締め付けられました。愛の形はそれぞれ、男装していても違っていたのですね。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-30 11:12:45) 3.《ネタバレ》 ただただ悲しい映画。 「君の名前は?」 「アルバート」 「いや、本当の名前は?」 「……アルバート」 生き抜く術として男となった2人の悲しい会話に唇を噛む。 妻をめとってささやかに生きようとするも何かしらぎくしゃくするアルバートに、 自分を解放しろ、とドレスを着せるミスター・ペイジ。 不格好な2人と曇り空の海岸線に泣けてくる。 金、病気、労働階級と色々な立場での「弱者」がこの作品には多く出てくる。 ふた言目には「アメリカへ…」と遠い地に夢を馳せるアイルランド人達。 真面目に生きてもそれが幸せに繋がらなかったアルバートの姿は、 この時代の疲弊した社会をそのまま投影しているようだった。 新しく生まれた男の子には、せめて明るい光が差し込むことを祈るばかり。 グレン・クローズは、こういった苦しみを抱える人物が当たり役としか言いようがない。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-29 14:33:23)(良:1票) ★2.《ネタバレ》 P-12。残酷なシーンがあったら嫌だな、と思いつつ観に行きました。主人公のアルバート氏がどうして男として働く道を選んだのかは、大体予想がついたので。 舞台から映画への変換が、ちょっと上手く行ってない感じも…。カットが悪いのか繋ぎ方が不味いのか、話の展開の仕方に間の悪さを感じるのが残念。話自体も駆け足な印象はあります。113分だからもう少し尺を取れなかったのかな…。 ただ、淡々としたロドリゴ・ガルシアの撮り方は良かったように思います。 誰かが死ぬとどうしても悲しい気分が続いてしまう人には、お勧め出来ない作品かも知れません。 男装するグレン・クローズは、メイクや髪型、演技は素晴らしいけれど、目の優しさ、頬や声の柔らかさが、やっぱり男性には見えない。それが残念なのではなくて「ああ、やっぱり女性なんだな…」という不思議な実感でした。 もう一人の男性として生きるジャネット・マクティアも身長は立派で、体格も立派に装っているのですが、やっぱり目や声が女性。 男性っぽい仕草は、ジャネット・マクティアの方が上手かったように思いました。 暴力によって人生が変わり、暴力によって人生が終わる主人公アルバート氏の人生を、どう受け止めるかは個人によって違って来るかも知れません。 恋愛に対してひどく真面目なんだけどアルバート氏のちょっと、かなり的外れなやり方に腹立たしく感じる人もいるだろうし、それも理解出来るのです。 ただ、美しい娘であるヘレンの心が(同性とは知らなかったけれど)アルバート氏に動いたあの扉のシーン、そして最後の「この子はそうならないようにしよう」と微笑んで言ったヒューバートの台詞が、厳しい時代を懸命に生きたアルバート氏の人生にも意味はあったのだと、確信出来るラストでした。 パンフレットのインタビューを読む限り、主役のグレン・クローズもそう願って製作されたみたいなので。 最後に少しだけ、アルバート氏に「良かったね、無駄じゃなかったよ」と言いたくなる作品です。 【クジラばし】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-04-27 00:22:00)(良:1票) 1.《ネタバレ》 19世紀のアイルランドは大飢饉に見舞われ、生きることが精一杯の時代であったという。その時代に若くして両親を亡くし、一人で生きていかねばならなかった主人公にとって、少しでも多くの収入を得るには、男性として生きる以外になかった。映画の主演グレン・クローズは1982年の舞台劇においても同役を演じている。そして死ぬまでにもう一度スクリーンの上で演じたいという強い念願のもとに作られた映画である。主演女優のみならず、製作から共同脚色、主題歌の作詞までつとめた。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-22 08:38:10)(良:1票)
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