みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★3.《ネタバレ》 『神曲』におけるビッグな「意味」のキッチュなまでの露出(それはそれで印象的)で勝負、を見れば、『家路』があって本当によかったと思う。後者は、突如身辺の巨大な不幸により空虚の中に放擲されその空虚の必然として、新たにかろうじて生の「意味」(さりげない「意味」)を探ることになる。 【ひと3】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-02-24 09:53:09) 2.「つまらん。意味不明。0点」というレビューが後に続くと思われる作品であり、たしかに監督の自己満足映画と言えるとは思います。ただ、「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」を読み(めちゃくちゃ面白い。この映画はあの面白さに便乗しているようなもの)、他作品でも一貫している監督の問題意識(母国ポルトガルの属するヨーロッパ文明の歴史や思想を振り返り、ヨーロッパ、それと関わる近代文明のこれからのあり方を模索するというような)を知っていれば全然つまらんということはおそらくないでしょう。アホのくせに知ったかの私なんぞは本当は全然理解しちゃいないのかもしれないですけど、たまたま予備知識があったので自分なりに理解して自己満足で楽しめました。ドストエフスキー読者の色眼鏡なしに観ても面白いかどうかは私には判りませんが、たぶんつまんないのでしょう。ある程度の予備知識がないと面白くない映画を敬遠する向きもあるかと思いますが、どんな映画も程度の差こそあれ予備知識は必要だし、こういう映画も全然ありだと私は思いますね。本作はゴダール作品なんかとは違って話の意味を追うことは割と容易(?)と思います。その反面、インパクトはなく淡々とした感じです。ニーチェ?の描き方など悪意があってヘンですし(と思うが、あれでいいのかな?)、思想を深化させたり、新しい視座を開くといったような作品というよりもイメージのお遊びみたいなもんじゃないか?という印象が強いです。 【しったか偽善者】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-19 21:31:14) 1.1931年のサイレント作品『ドウロ河』から、今なお現役バリバリの監督。トーキー、カラー化のターニングポイントで多くの作家が淘汰されていく中、積極的にその技術推移に適応しつつ、作品を問い続ける強かさがここにある。 文学・哲学テクストをめぐる、際限のない対話と独白劇。マリア・ジョアン・ピアスのピアノ演奏。 言語、音楽、観念を肯定し貪欲に採り入れながらもなお映画を逸脱しないのは、それらを乗せる映像即ち視覚に対する意識の強度とセンス故に他ならない。 ピアノ曲は指という身体運動と共にあり、「神」と「罪」という主題は光と闇と色彩と共に、画面に定着される。巻末において登場人物たちが交し合う接吻という行為自体の感動的なさま。 ショットはただ1つの例外を除き、ほぼフィクス。舞台は2ショットを除いて精神病棟を出ることがないが、画面の奥行きと陰影の深みは圧倒的吸引力を持つ。 音、色、光に対する卓越したバランス感覚と、それらを映画へと総合していく意思が漲る。 そして、最後のショットと音がまさに映画を締めくくる。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-20 22:10:39)
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