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人間蒸発

A Man Vanishes
1967年【日】 上映時間:130分
ドラマサスペンスドキュメンタリーモノクロ映画
[ニンゲンジョウハツ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2014-04-04)【kei】さん
公開開始日(1967-06-25)


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監督今村昌平
出演露口茂
今村昌平
音楽黛敏郎
製作ATG
企画今村昌平
配給ATG
編集丹治睦夫
録音武重邦夫
その他浦山桐郎(協力)
あらすじ
結婚を目前に控えた平凡な男が突然失踪した。監督今村昌平と俳優露口茂はその婚約者、婚約者の姉と男の足取りを追う。その中で新たな事実が判明したり、想像も出来ない事態が起こったりと事態は予想もつかない方向へ向かってゆく....。

Nbu2】さん(2006-04-19)
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【クチコミ・感想】

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8.《ネタバレ》 当人にとっては事実の証言であってもカメラが入っていることを認識している以上、話すことには必ず演技の要素が入ってしまう。そしてこの映画には到底演技とは見えない自然なものから極端にわざとらしいもの、更に単なる素人の棒読みまで、色んなレベルの演技がごたまぜになっている。ヒロインとレポーターの露口が不自然な演技者の代表格。ドキュメンタリーの取材者と被取材者でありながら監督の命を受けて異様な恋愛ごっこを演じてみせる。謎なのがヒロインの姉。その話しっぷりはどうみても自然で嘘をついているように見えない。しかし彼女の証言が虚偽であることを匂わせる証言者が複数出てきて、ラストはそのうちの一人と姉が対決するという構成になっている。この証言者というのがまた思い込み系の人に見えてどうも信用できない。そして姉に証言の内容を否定されることでその思い込みがますます深くなっていくように見える。観客にはどこに真相があるのか・どういうつもりの作品なのか全くわからなくて腑に落ちない気分が最後まで続く。途中何度かイタコの口寄せが挟まるが、イタコはどんなに真に迫って見えてもその発言は嘘にきまっている。正真正銘の嘘つきという点に於いて、他のどちらともつかない出演者よりむしろ信頼できる。イタコがこの混乱した映画の中ではほっとするような息抜き的存在になっているのだ!…ラストの対決の舞台が浅草橋の路地というのは私のような昭和マニアには堪らない。いかにもATG的な実験作品なのに、やってることが下世話なワイドショーなので決して気取ったお芸術風にならず最後までバカっぽいテイストで実にすがすがしい。唐突に解散になるラストはまるでモンティパイソンのホーリーグレイルだ。 皮マンさん [DVD(字幕)] 10点(2016-05-25 08:28:48)


7.《ネタバレ》 「探す映画は探される」というのは、私の持論である。探す主体がやがてまさに探される客体となるのは、何もこの映画に限ったことではない。この映画作り自体がはじめからそれを意図していたであろう、探すことをやめた時、見つかる重大なこと、がある。 ひと3さん [映画館(邦画)] 8点(2011-03-14 20:43:50)

6.《ネタバレ》 またしても日中に疲れる映画を観てしまった・・・というのが、まず第一の感想。

さて、本作はまるでノープランな構成だ。最初は題名通りに蒸発した人間を追い求めるところから始まる。

しかし、次第に横道に逸れていき、最後には失踪した男のフィアンセ(これがまた古い言葉だ)とその実姉との罵りあいで幕を閉じ、投げっぱなしやりっぱなしで終わるという流れで幕をとじる。
実際、この姉妹というのが実におぞましい女性たちで、妹はマジで姉を嫌う神経質で怒りっぽいヒステリー、そしてその姉は、いかにも嘘くさい人間で、それでいてしかも不細工(いや、これは外見のことを単純に言っているのではなく、内面の汚さが表面に出ているという意味で)という取り合わせだ。
こんなキモイ姉妹に囲まれていたら、そりゃ男も蒸発するだろう・・・と言いたくなる。(いや、少なくとも私なら、ヨソに上品で落ちつきのある性根の美しい女性を見つけて蒸発します。)

主題となっている蒸発した男を捜すドキュメンタリーの旅は、作品半ばで完全にどこかにうっちゃられてしまう。
そして最後はクドイまでの、この姉妹の罵り合いが繰り返される。

そこで突然、今村昌平自らが登場!
さんざん好き放題撮った挙句に、出た締めの言葉がコレ。

『結局、何が真実かなんて誰にもわかりゃしないッスよネ。」だ。

おいマジか!今村監督!
これだけ出演者に負担をかけておいて、この締め方は何ぞや!
特に、姉を目撃したと呼び出された近所のアンちゃんが可哀そうじゃないかっ!

まあ、それはそれとして、監督今村昌平が言いたかったことは、まさにドキュメンタリーの限界性であって、結局、カチンコがなってよーいドン!でフィルムを回している以上、撮る側の恣意性が介在しない真のノンフィクションなんて存在しない、ということだ。
撮る者は撮る側として意識してカメラを回し、撮られる者も撮られていることを意識して言動を行う。
そんな中で繰り広げられた現象が、全てを客観的に映し出しているとは到底思えないのである。

そしてこれと同時に、メディアというものが万人に発するメッセージ、例えばテレビによる情報の発信とかは、それをそのまま鵜呑みにするのは実に危険で、何が真実か何が虚像かは皆目分からないという事実、そんな事実を今村昌平監督はこのドキュメンタリーの中で訴えたかったのだろう。 にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-18 13:37:14)

5.《ネタバレ》 今村昌平監督、この監督の描く理想の女ってどんな女なんだ?この作品には何かその答えのようなものがあるようなないような?何とも複雑で色々考えさせられる。婚約者である大島裁(ただし)なる男がある日、突然姿を消した。その婚約者である女、早川佳江は今村昌平監督の要請を受け、俳優、露口茂と共に大島を捜すドキュメンリー映画への出演を承諾し、取材をしていくうちに大島は大人しい男であったり、気が弱い男であったり、またある者は仕事の出来ない男であったと色々な証言が出てくる。大島の過去、女絡みやらお金の問題やらが明らかになりはじめるに従って、どんどん話は面白くなっていく。しかもこの大島という男の蒸発の動機が解らないという所にこの作品の狙いがあるように感じるのである。当事者以外には解らないからこそそれを追求したくなるというものを逆手に取った所の上手さ、そして、大島の婚約相手の女である早川佳江が次第に婚約相手の大島よりも露口茂を好きになってしまう所の面白さ、面白いと言えば今村昌平監督自身がしばしば画面に写り、まるでその視線は何だかヒッチコックのように自分自身で楽しんでるようにすら思えてしまう所にこの作品の面白さがある。作られたドラマよりもドキュメンタリーの方がドラマチックであるんだとばかり言っているようにも思え、今村昌平監督が描く女はやはり普通じゃない。強い女の前には男なんて何も出来ないとばかり言っているような、師匠である川島雄三監督の影響を受けているような普通じゃないこと、ある意味、可笑しくて、馬鹿馬鹿しくて、人間なんて馬鹿な生き物の集団さとでも言っているようである。人が何故、蒸発するのかなんて誰にも解らない。自分の胸に聞け!常にそう言われているような今村昌平監督の人間観察の前に男の弱さ、男は女よりも弱い。だから大島は姿を消した。そう語りかけているようである。川島雄三監督ほどの軽快さ、陽気さとでも言うのかなあ?がまるで感じられないし、人間のドロドロした部分ばかりを描く為に好き嫌いはっきり分かれる監督だとは思うが、この監督の人間観察ぶりは師匠以上に鋭くそして、重たい。 青観さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-26 22:32:10)

4.《ネタバレ》  非常に衝撃的な作品でしたね。途中までは、普通に失踪した男を追っていたのが段々脇道に逸れていき、最後はとてもカオスな状況で終わってしまう展開にはまさに「口あんぐり」でした。

 これは、ドキュメンタリーという手法についてのドキュメンタリー映画ですね、しかもアンチテーゼを幾分か含んだ・・・。今村監督自身が「何が真実かなんて誰にもわからない」というようなことを言っていますが、ドキュメンタリー自体も実はフィクションに過ぎないということをこの作品は示そうとしているように感じました。この作品でも失踪者の婚約者とその姉の水掛け論一つも決着させることもできないまま終わってしまいます(しかし、本当にくどかった・・・)。結局、真実なんてものは神の領域であり、ドキュメンタリーごときが映し出せるものではないということなんでしょうかね。
TMさん [映画館(邦画)] 8点(2007-12-02 23:10:50)(良:1票)

3.《ネタバレ》 (もろネタバレです)「ドキュメンタリー」というジャンルに分類されているこの映画ですが実際の所は真実と虚像のごちゃ混ぜになった内容で今村昌平の弟子である原一男の映画「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」の先駆けという内容でしょう。映画が進むにつれ「真実を映し出す鏡たるドキュメンタリー」といったお決まりのパターンにはまる事などまったく無く、男の存在なぞはついぞ出てこない。なぜゆえに失踪したのかも提示されない。この男と婚約者、その姉との三角関係が現れて観客はそこに原因があったのか、とかんぐりたくもなるがそれも単なる推測、勝手な想像として流しているだけであって実際はわからない。そもそも失踪した男の存在すら虚構で、これは「実録」という名を借りたフィクションなのではないかとも思う。でも私はこの映画を高校生の時に見て、物の見方、特にメディアというフィルターを通して映し出されたニュース映像は100%それが真実を示しているわけではなく、第三者(撮影者とか、編集とか監督など)の視点から見た事実にしか過ぎないのかなという啓蒙を与えてくれたという意味で大いに良い映画だった。ただこれは(今でもお昼のワイドショー、巷のゴシップ紙なんか典型的だが)記事になっている・写されている人間の思いをまったく無視し、視聴者に判断をゆだねるという無責任な行為であって不快になる人も出てくるだろう。そういった意味では賛否両論、問題になりやすい映画でしょう。 Nbu2さん [映画館(邦画)] 9点(2006-04-19 23:44:06)(良:3票)

2.テレビのワイドショーのような映画でした chankiさん 4点(2003-11-04 22:29:13)

1.今村昌平が炸裂してる セクシーさん 10点(2003-02-11 02:36:41)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 8.00点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
4112.50% line
500.00% line
600.00% line
7112.50% line
8337.50% line
9112.50% line
10225.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 4.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 4.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 1.00点 Review1人

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