みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
40.《ネタバレ》 山崎貴。あのスペースバトルシップのイメージが先行する監督でしたがゴジラなんだから見るしかない。 個人的にはドラマシーンの感情説明過多でわかりやすい演技に終始ノレませんでした。おかげで「早くゴジラさん来い…もうここにいる奴ら全員叩き潰せ…!」とさえ思ってしまいました。そんなドラマシーンの代わりにゴジラさんは非常に活躍しており、大暴れっぷりを発揮。人間を潰し、食っては投げ飛ばし、戦艦は壊すし、街はめちゃくちゃにするしで大活躍でしたね。しかしゴジラの強さ的には怖そうな割に水圧と震電の爆弾を食らった程度で爆散してしまうので今思えば、「実はあのゴジラさん弱いのでは…」と思ってしまいました。そうじゃないと平成テクノロジーの結晶であるスーパーXやMOGERAたちの立場がありません。(最初からない)でもラストのバトルシーンでは可愛らしい浮き輪姿も披露してくれたので満足です。 そんな具合で最新作は苦しいドラマパートと楽しいゴジラパートのアンバランスさが目立つ一本でした。 【えすえふ】さん [映画館(邦画)] 5点(2023-11-12 23:16:10)(良:1票) (笑:1票) 39.《ネタバレ》 この映画は人間ドラマに重きを置いているように感じた。 しかし、そこに微妙な感情表現や行間を読ませるといった演出は皆無。 登場人物はいきなり激高したり、いきなり暴力を振るったりと感情表現が過剰で、その後何事も無かったかのように話が進展するのには驚かされた。 私には登場人物が皆情緒不安定に見え、現実離れで不自然に感じた。 過剰な演技を分かり易いと捉える人が多いのだろうか?、ゴジラの登場以外の細部にも現実味を持たせたほうがゴジラに対する恐怖感が増すと思うのだが。 反面、映像は美しく満足できるものだった。 ゴジラとの距離感や角度からも迫力が伝わってきた。 また、終戦後の街の描写もリアリティがあり良かったと思う。 多少ツッコミどころもあったが、「シン・ゴジラ」の芋虫ゴロゴロと比べたら雲泥の差。 【Gang10】さん [映画館(邦画)] 5点(2023-11-11 19:07:10)(笑:1票) 38.《ネタバレ》 この映画の怖さは、スペクタクルとしてのゴジラの怖さもさることながら、それにもまして戦争のさまざまな記憶を蘇らせるところにある。それはたとえば特攻の記憶であり、被爆の記憶であり、孤児や娼婦があふれかえる敗戦後の悲惨や混沌の記憶です。 庵野秀明の「シンゴジラ」は岡本喜八を模範にしたと言われるけど、おそらく今作が模範にしたのは関川秀雄&伊福部昭による「ひろしま」や「わだつみの声」、あるいは今村昌平の「黒い雨」や山崎自身の「永遠の0」、あるいは「火垂るの墓」や「この世界の片隅に」のような諸々の日本の戦争映画だったのではないかしら? ちなみに「わだつみ」とは一義的には海神のことですが、それは同時に戦没学生の比喩でもあります。 これほど陰鬱な作品とは予想していなかったので、よくもわるくも驚きました。浜辺美波がこれほど荒んだ女性の役で登場するとも思わなかった。おそらく今作は、ゴジラを題材にした戦争映画の極北でしょう。つまり《初代ゴジラの精神に戻る》というのは、たんに「人間の味方」から「人間の敵」に戻るという生易しい話ではなく、「怪獣エンタメ」から「社会派作品」に戻ることを意味するわけですね。そのことを思い知らされた。 もし米国で怪獣を題材にした戦争映画を作れば、痛快な勝者の物語になるでしょうが、日本でそれと同じことをすれば、おのずと敗戦の陰惨なトラウマを呼び起こすことになる。今作のように《初代ゴジラの精神》にとことん振り切ってしまうと、おそらく一定の割合の観客は、その戦争の記憶の陰鬱さや心理的負担に耐えきれず、結局は「いつもの怪獣エンタメに戻してほしい」「痛快な怪獣バトルが観れればそれでいい」と言い出すはずです。したがって、日本のゴジラは、たえず「怪獣エンタメ」と「社会派作品」の間を往ったり来たりするしかないでしょう。 なお、浜辺美波がゴジラよりも不死身だったり、クレーンが折れても船が転覆しなかったりするのは、ツッコミどころではありますが、ごく常套的な観客サービスであって、とくに作品の欠点とは感じませんでしたし、神木隆之介をはじめとする演者の芝居も上出来で、演出上の欠点もとくに感じませんでした。 追記:ゴジラとワダツミについての細かい話は自分のブログにでも書きます。 音楽もかなり怖かったです。伊福部の「ダダダン、ダダダン」を裏返したような音型のミニマル。佐藤直紀は何か賞を獲るかもしれませんね。 追々記:金曜ロードショーで再鑑賞。字幕のおかげで聞き取りにくい台詞も把握できました。あらためて見たら、クレーンだけが折れたことには違和感なかったけど、むしろゴジラを引き上げるときに、援護艦隊と短時間でワイヤーを結んだことのほうが違和感あったかな。それから(これは演出の問題でもありますが)前半の神木くんの演技はちょっとヘタだね(笑)。でも、後半は素晴らしかった。あと、ゴジラの動きも(海外版ほどではないものの)ちょっと速すぎるところが気になる。象やキリンもそうですが、やはり大きな生き物は動きが遅いほうがリアルだよね。浜辺美波の首筋の痣は、初見のときは気づかなかったけど、あらためて見ても、言われなきゃ気づかないほどの目立たないものなんですね。…それにしても、東宝のプロモーションはお見事です(笑)。2本目のプロジェクトはどの程度進んでるのかしら?1本目を超えられたら大したものだけど、さてどうでしょうね。 【まいか】さん [映画館(邦画)] 9点(2023-11-10 13:42:24)(良:3票) 37.《ネタバレ》 初めに言っておきますが、評価低いです。理由は後述。 まず普通にいいところ。 ゴジラの造形。無機質でシン・ゴジラよりも無気味。意味は分からないが熱戦を出す前のひれの変化もかっこいい。無造作に人々を踏み潰すのが怖い。 海上の戦いが迫力十分。どうやって撮って、いや作っているのだろう。艦船の無力感がすごい。 あとは、子役の女の子が上手、終戦後の銀座の風景がすてき、浜辺美波がきれいなど。 普通に悪いところ。 何を考えているかわからないのがゴジラの怖いところなのに、なぜ蚊のような戦闘機の攻撃であれほど激高するのか。目的(そもそもわからないけど)を忘れて海に戻っていくのが不思議。 神木隆之介はなぜ大戸島で機関砲を打たなかったのか。脚本上の都合としか思えない。撃ったところで意味がなかったのは青木崇高にもわかるはず。 フロンガス攻撃で本当に倒せると思ったのか。浮上作戦はより意味不明。オキシジェンデストロイヤーは偉大だった。 吉岡秀隆の「脱出装置もない戦闘機」のセリフと青木崇高のコクピット説明の場面は、どちらかもしくは両方が不要だった。直前でラストが分かってしまう脚本はいかがなものか。 浜辺美波が不死身すぎ。SISUの主人公と同じくらい。生きているんだろうなと思ったら、案の定だった。脱出装置と同じくらい意外性がない。さらに言うなら浜辺美波と何年も一緒に暮らして手を出さない男はこの世にいない。 で、それだけなら評価6くらいでもいいが、どうしても嫌なのは全編に漂う戦争礼賛の空気。 「戦争っていいもんですなあ」「まったく! 人材育成には欠かせません」「戦争に行ってなくても役に立つでしょう」「戦争に行ってないやつでも出来ることはあるんだ」…。登場人物のそんなセリフが聞こえてきそう。 ほかに方法がないことの説明が不十分なままでの神風特攻隊再現は、さすがにやめてほしい。脱出装置があったからいいというものではない。お国のためなら命はいらないという考え方は、我慢できない。神木隆之介が特攻から逃げたのは、結局いけないことなの? 【漣大五郎】さん [映画館(邦画)] 3点(2023-11-09 13:21:31)(良:4票) (笑:3票) 36.《ネタバレ》 敷島さんの台詞「俺の戦争は終わってないんだ!」なんていう、自分では下ろせない十字架背負って、 (死に場所を逃し)生き延びさせられた人たちが昭和にはまだ沢山いた。仲間たちと同じ靖国の英霊にもなれず、 お国のためみんなが犠牲になっているのに自分だけ、特攻せず玉砕せず、おめおめと帰ってきたと後ろ指さされて。 この映画の中ではシンゴジラのような米軍や自衛隊の最新の武装も政治家の力もまったく頼れないまま、民間だけで 作戦を遂行しているのはそういった死に損ないの英雄たちであり、彼らからするとゴジラは、理不尽に命を散らされた 戦友たちの怒りの象徴にみえたかも知れない。だから最後までゴジラを敵視しているというより安らかに葬ってやろう、 としているようだった。 ラスト、すべての男たちが自然に、わだつみに沈むゴジラへ静かに敬礼する描写が、それらすべてを物語っているようで 泣けた。 補足:作戦遂行中の甲板上で、元海軍や技術者のおっさんたちが軍服では無く作業服姿で、強い信念のもと自分の仕事を 必死にやり抜こうと奮闘している姿は、「プロジェクトX」に見た男たちのようで、日本人の矜持を思い出させてくれました。 【みっしぇる】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2023-11-09 01:15:52)(良:1票) 35.《ネタバレ》 国民に情報を伝えず働かない政府という皮肉がいい 昔も今もこの先も変わらないかな? 命の大切さを訴えていて最後にみんな再会するのもよかった 可愛い子役が泣く度ウルウルしてしまった(-_-;) 【オマリ】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-11-08 21:15:55) 34.《ネタバレ》 今回の舞台は、初代ゴジラより前の終戦前後の話。特攻隊の生き残りの 主人公は、自分のせいで守備隊がゴジラに全滅させられたのを悔み、戦争を引きずっている。ゴジラと言う災厄に終戦直後の日本人が協力して立ち上がる所は良い。 一番盛り上がったのは、銀座にゴジラが現れて、伊福部 昭氏の音楽がBGMで掛かった時、音楽が入るタイミングで、おもわず身を乗り出した。ここだけは劇場で、大音響で見る価値あり。 全体的にゴジラの出演シーンは少な目で、特攻隊帰りの主人公が生き残り、悩み、自分の戦争を終わらせてゆくストーリーがメインだった様に思う。最後、当初の作戦は失敗し、結局主人公がゴジラに特攻するのは、ひねりが足りない感じだが、娯楽映画と思えば良いかと。 ・以下追加 アマプラでGWに視聴。同時に白黒版と、シンゴジラ・オルソも視聴。 白黒版はオルソの方が合っている感じ。 改めて伊福部昭先生の音楽に助けられているなあ、と感じる。 これが普通のBGMだったら、ここまでの迫力は出ないだろう。 当然ながら、劇場視聴に比べると画面の迫力は下がる。 あと、劇場では余り気にならなかったけど、ゴジラの動きがカクつくのが気になった(日劇破壊の辺り)。 ちょっと点数がきつかったかもなので、1点アップ。 (以上、2024年5月7日追記) 【ahiru3】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-11-08 19:37:15) 33.《ネタバレ》 ゴジラが大好きなカミさん(ゴジラシリーズほぼ制覇)の御要望により事前情報ゼロで鑑賞致しました。まず、開始早々すぐゴジラ現れる!早!! 正直もっと引っ張るかと(勝手にw)思ってた~。で時代設定が終戦後というのもちょっと意外。まぁアレと被っちゃうしね。何か都合がいいよなぁ&突っ込みどころもありつつも概ね面白かったです。見終わって帰りながら「首の跡?傷?)について話したりして有意義な時間を過ごせました、ありがとうございました。 【Kaname】さん [映画館(邦画)] 6点(2023-11-08 18:30:06)(良:1票) 32.《ネタバレ》 まずはよくぞここまでやってくれました山崎監督!という気持ちです。 ゴジラはこうあるべき、と長年思っていた根幹の部分が自分の思いとかなり一致しています。 ただここまでやってくれたのなら、もう少しここは…という惜しい部分も随所にありますが、 まあ、これまでの和製怪獣映画のレベルからすれば革新的と言えるでしょう。 シン・ゴジラももちろん評価していますが、自分の中ではあれはちょっと別物というイメージです。 こっちはまさに最初のゴジラを現在の総力で作った、本来のゴジラという気がします。 伊福部音楽と共に逃げ惑う人々。圧倒的な脅威。まさにこれですやん。 欲を言えば、若いゴジラの登場のしかたがいきなり過ぎるかな~と。もう少しためて欲しかった。 人間ドラマも山崎監督らしいですが、大勢のシーンの舞台俳優ぽいセリフの連続は自分的にはイマイチです。 そんな中でも安藤サクラさんはやはりすばらしいですね。この人の演技にはいつも惹き込まれます。 ハッピーエンドでよかったという意見が多いようですが、最後の首筋の被爆痕のようなものは? どう捉えればいいのでしょうかね。 一杯飲みながらあーだこーだやりあうネタとしてはうってつけですが…笑 【jetter3】さん [映画館(邦画)] 8点(2023-11-08 11:46:24) 31.《ネタバレ》 時代を戦後間もない頃に設定した理由について山崎監督は単純にゴジラに似合うという他に、武器も満足に無い中でどうやって立ち向かうかが面白く、また怖さにも繋がると述べた。これが功を奏していて一発目の放射熱線を見たときの絶望感たるや凄まじいものがあった。「これ倒すの無理じゃん…」っていう。ネタバレになってしまうが、この時代設定はもう一つ、命を粗末にしすぎた過去との決別というドラマも生んでいる。生まれ変わった新時代を生きることが英霊への慰めだ。共感できる結末に安堵。さて映像だが、戦闘機が出てくれば「永遠の0」を、戦艦が出てくれば「アルキメデスの大戦」を思い出した。日本のVFXを牽引してきた山崎組の集大成ともいえるような迫力ある映像にお馴染みの音楽や効果音が添えられ「新しいけど懐かしい」そんな感覚に浸れた。米国産ゴジラも全然悪くないけど、本家の誇りを感じさせたマイナスワン、申し分ない出来であった。 【リーム555】さん [映画館(邦画)] 8点(2023-11-07 18:45:24)(良:1票) 30.《ネタバレ》 初日に観ました。 正直まったく期待しておらず観る気はなかったのですが、ネット上の感想が非常に良くタイミングも良かったので。 国内実写版ゴジラは「シン・ゴジラ」が大好きで6日間連続視聴とかしてました。もうあそこまでのものはできないだろうと思ってました。 本作に至るまでにアニメ版(TV版、劇場版)海外版もいくつか出ており海外版ゴジラはCG表現などド迫力で良かったですしアニメ版もTV版はSF的な非常に凝った仕掛けが面白く、楽しませてもらってた感じです。 で、今回は日本の実写映画でまさに王道を突っ切るゴジラもので、いやおうなく「シン・ゴジラ」と比較されるだろう状況でどこまで行けるだろうか? って認識でした。 結論としては、すごい良かった。 科学考証は微妙にゆるくツッコミどころがなくはないものの、創意工夫にあふれてワクワクする展開はとても楽しかった。 湿っぽい人間ドラマも、もともとゴジラ映画の初代からそうなので、個人的にはまあこれもアリと思い、いちおう価値観なり設定は、二次大戦の事情をあまり知らない人にもわかりやすくかみ砕かれ、かつ現代的価値観に刷新されたストーリーになってて、ハッピーエンドになるのもエンタメ娯楽映画だからなー、というので普通に受け止められました。というかめっちゃワクワク、ハラハラして、最後うまく行って良かったー! と気持ちよく終われる映画でした。 以下、個人的に特に気に入った点を書きます。 ・水中ゴジラ! その手があったか! とのけぞりました。 ・ゴジラは核兵器の脅威の象徴的怪獣であることをきちんと描いている 海外ゴジラって「核兵器」の表現が生ぬるいと思うんですよね。 あの恐怖と絶望と根本的に受け入れ不可能な決定的断然がしっかり描かれてました。 ・就業状況がホワイトで、あるべき理想の組織論として素晴らしい 二次大戦の教訓として一番受け継ぐべき事項の一つとして、とにかく組織のリーダーが無謀で無計画で、無茶な命令ばかり出すので現場の人間が何万人も死んだ、しかもその責任をだれも取らない、という悲惨な状況があって、それは二度と繰り返すまい、って話があると思います。 「シン・ゴジラ」や本作では、理想のあるべき組織が描かれるのが良いと思うのですが「シン・ゴジラ」で唯一気に入らなかったのが、ブラック企業的ブラックな就業状況を「がんばってる」と礼賛する場面です。それは倫理観が壊れてるだろうと。 本作では、まずきちんと計画を立てます。絶対とは限らないが少なくとも成功する可能性のある計画を立てる。この時点でスゲエって思うんです。作中「生還する可能性があるんだよな? それなら戦中よりましだ」って笑う場面がありますが、わりとマジメに切迫した問題だったりして、たまりませんでした。 あと、絶対確実に生還できるか問われて「未知の挑戦なので、やってみないとわからない。可能な限り尽力し生還できる可能性はある」と説得する場面が、とにかく素晴らしいと思いました。新しい試みをする時って、当然やってみないとわからないことがある。数多のリスクや危険があるが、いっしょに協力してやってくれないだろうか、と正直に説明する。そして有志のみを募って計画を実行する。 問題組織では、無茶な計画を立て、担当にリスクなど何も説明せず、たまたまうまく行ったら上の手柄にし、うまく行かなかったら担当者の頑張り不足と現場の責任にし、上の問題が全く問われない状況がいっぱいあった。 それが本作では、上の人間は素直に窮状を包み隠さず公開し、それでもやってくれる有志を募る。現場の担当と上の指示者が一体のチームとなって、それぞれ「今やれることをやって」問題解決する。そういう姿勢が描かれて、全俺が泣いた感じです。素晴らしい、そう、そうですよって。 ・技術者が技術者としての矜持を見せる オチの部分が伏線があからさま過ぎるとか、さんざん煽ってひっくり返すんかとか批判されてるようですが、個人的には、ちゃんとした技術者だったら必ずそうすると思うんですよ。自分の仕事に誇りをもった本物のプロフェッショナルであるならば。戦時中様々な事情でちゃんとした仕事ができず無念なことがいっぱいあったと思うんです。あの時こそ、今度こそ、ちゃんとした仕事ができるっていう悲願の時だったと思うんです。なので回想シーンで主人公以前の着陸してきた特攻隊員の思い出話のエピソードなどあると良かったと思うんですよね。……てところが足りないと思うものの、私自身が、そういう技術者的仕事をしてるのであそこは非常に共感した部分でした。 そんな感じで、非常に良いエンタメ作品で、邦画もやるなあ! って思いました。 以上です。 【sim】さん [映画館(邦画)] 8点(2023-11-07 15:20:20)(良:3票) 29.《ネタバレ》 記憶に新しい監督の『ユア・ストーリー』も、私自身は途中まではかなり楽しんで観れていたのですが、最後の最後に妙な捻りを入れるから台無しに…という感じだったのですよね。んで、今作もそもそもタイトルの『-1.0』がどーにもその手の(余計な)捻りにも最初から見えてしまってたので、正直言って鑑賞意欲がイマイチ湧かなかったのです…が観てみると思いの外非常に楽しめました。娯楽作として、ドラマ部分はごくベタだったと思いますが、それも含めて全体としてごく非常に手堅く・かつ好く纏まった作品だったと思います(怪獣映画としても)。その怪獣映画としての側面においては、特に『シン・ゴジラ』でも根幹であった(+何なら初代ゴジラから受け継ぐ「原点」とも言える)戦争の象徴=人類の敵としてのゴジラをどうやって倒すか、というコンセプトの部分はまたそのまま使って⇒それでもその倒し方&状況設定の部分に更にユニークなアイデアも十分に積めていたと思いましたし、加えて怪獣映画としてのビジュアルの部分が邦画としてこれ以上無い位に好く出来ていた・迫力満載だった、というコトで、重ね重ね楽しくハラハラと観終われました。是非大スクリーンの映画館でどーぞ。 評点自体は、それでも『シン・ゴジラ』よりは一点下げてまして、理由の一つは超・単純に私自身があの「庵野節」がごく好みだというトコロの個人的嗜好の問題ですね。もう一つは、娯楽映画的な観易くハイ・クオリティな質感の映像が出来ていたとは思うのですが、一方でやや小綺麗すぎてリアリティに欠ける部分があって、コレだとちょっと(怪獣映画としては好いケド)戦争映画には見えない…と思ったのですね⇒その上で、内容的に戦争映画側にかなり深く足を突っ込んでいる感じだったのでそれがちょっと違和感に…というコトです。そこを踏まえてのこの点数としてます。 ※蛇足:とは言え、書くかどうか迷いましたがもう一つダケ、上記のとおり私も今作、途中からは完全に娯楽映画として観るコトに徹して居たので敢えて気にしない様にもしていたのですケド、それでもやはり描かれる最大の「テーマ」に関しては、正直あまりしっくり来なかったのですよね。生き残るのが何より大事、とゆーて、一つの考え方として別にそこに異論はありませんが、それでも今回はかなり高度に「たまたま」生き残るコトが出来たダケであって、だから今作はそれを「結果で語ってる」様にしか私には見えんのです。私は、それは「理念」ではなくて「綺麗事」だと、どーしてもそう思ってしまうのでありますね。 【Yuki2Invy】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-11-07 12:22:57)(良:3票) 28.《ネタバレ》 映像的にはもう文句なしでした。ゴジラの軍艦の破壊具合など見事だし、二艘の艦がギリギリすれ違うところの迫力・緊張感もよかった。だが、クリエイターというのは何か自分のオリジナルを見せたいのか、熱線を吐くときに背びれが飛び出てくるのだが、これがまたイキモノ的じゃなく余計な感じ。 物語は戦中から始まっているけれど肝心のゴジラ上陸が戦後数年たっているため、オリジナルの時間とすごく近く、‐1というより‐0.5くらい。和光の時計台を壊したかったからなのか、職務に殉じる放送局員を描きたかったからなのか知らんが。(初代が壊して怒られた時計台は、今回かろうじて時計部分が残っていて、ちょっと笑う)・・・と書いて調べたら現時計台はすでに昭和7年に完成しているから、話は戦前でも良かったと思う。でも多分、東宝としてはゴジラは核兵器と絡めないといけない縛りがあるんだろうなあ。まあ民間人がゴジラと戦うというのはこの瞬間の時代しかないか。 人間側ドラマは、特攻の生き残りとか戦争孤児を育てるとかありがちではあるが、そのベタさ加減はやはり『三丁目の夕日』的なのだが、やはりかの作のごとく泣かされてしまう。殊に浜辺美波の最後のセリフがいいなぁ。ちなみにこの電報を青年に知らせる時の安藤サクラの芝居はすごく、こういうオバサンいるよなあ、と思わせる。 【追記】 観たばかりの興奮冷めやって、観ていたときの気持ち少し思い出しながら、追記。 大戸島のゴジラ、これも貴重だが、島民の人たちが最初に出会ったゴジラ、伝説のもとになった事件をちょっと見たかった。-1というからには、その辺が描かれるのかとちょっと期待した。 神木くんが大戸島で機関砲を撃たなかった描写は、もうちょっと納得できる理由が見たかった。もっと恐れて逃げ惑う様とか。まあ、あんな生き物を眼の前で見たら、動けないとは思うけどね。 さて、東宝(いや、海外産も含めてか)のゴジラの絶対的アイデンティティである、核兵器のメタファとしてのゴジラとしては、恐らく大戸島の時より成長している、ということなのかと思うが、そのへん判りにくい気がしていた。 さて、これは他のレビュワー様のレビューを見て、思い出したのだが、私も見ているときに民間人でありながらゴジラに立ち向かう人々の顛末を観て、「コレ、指摘されんだろうなあ」と思っていた。私自身はそれほど軍国的な感じもせずに観たが、ここの場面の盛り上がり方が危うい感じは否めない。ただし、最後に民間船の集団が大挙して応援に来るシーンは、なにか既視感があり(『ダンケルク』だったかな?)それでも感動的なシーンだったのを考えると、要は最終的な組み上がりなんだな、思わざるを得ない。例えがわからないかもしれないが、横溝正史が「トリックの斬新さはそれほど重要ではない」と外国ミステリを読んで思い至った、というのと似ているのかも知れない。 イロイロと思うところはあっても、今作は『シン』よりかは、ものすごく王道で真っ当な正統派ゴジラであり、初代と同点をつけるだけの傑作であることは間違いないと考えている。 【Tolbie】さん [映画館(邦画)] 9点(2023-11-07 05:35:42)(良:3票) 27.監督との相性が悪いので、興味はありつつ、あまり観る気はなかったのだが、本来観たかった映画の時間が合わなかったため、こちらを鑑賞した。 結論から書くと、観てよかったと思う。時間が立つのがあっという間だったし、それなりに楽しめたからだ。 「シン・ゴジラ」大好きだが、こっちはこっちでありだなと思う。大仰な台詞や、食傷気味の神木浜辺コンビなど文句を言いたくなる点が多いものの、観終わってみれば満足してる不思議な映画でした。 【おとばん】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-11-06 22:29:33) 26.《ネタバレ》 監督が山崎貴だから、本当は見るつもりなくいたのだが友達に誘われて見てきた。映画代も出してくれると言うから仕方なく見たけど、いつもの山崎貴作品と同じです。無駄に長い台詞、説明口調、更にゴジラが主役であるはずなのにゴジラよりも人間が主役みたいな内容のオンパレード!突っ込み所満載です。 あれだけゴジラが近くに来てるのにも関わらず何故見てる?逃げろよ!馬鹿者!て気になるし、浜辺美波、何故生きかえる?死んだ人間を無理矢理生きかえらして、ああ、良かった。良かったてか?相変わらず無理矢理に泣かせようてする演出にウンザリさせられる。 怪獣映画に、余計な感動メッセージなんか要らない。ゴジラを見せ物にして、感動の大安売り!こんなんもんが大絶賛されるようじゃ本当に日本映画は終わりです。 少なくとも本家本元のゴジラには全くもって足元にも及ばず。他にもまだまだ言いたいことは有る。スピルバーグの傑作!ジョーズを彷彿させるシーンもあるけど、ジョーズがやりたいなら、他でやれ!タイトルに−1.0て有るけどマジでマイナス付けたいぐらいだ。 問答無用の0点です。 【青観】さん [映画館(邦画)] 0点(2023-11-06 20:55:30)(良:1票) (笑:5票) 25.【24.3.12.追記】アカデミー賞・視覚効果賞受賞おめでとうございます。 個人的には『そうだろうな』と思い、また、『ストーリーも役者さんたちの演技も監督はじめスタッフ全員の心意氣からして最高ですよ』と言いたい作品ですが(笑)。 【以下、レビュー原文】 このレビューを書いているこの時期。全国各地でクマが人間を襲う事件が頻発している事に感情が重なりました。 もちろん現実の猛獣による恐ろしく痛ましい事件と、フィクションのSF映画を同列には語るつもりではありませんが、【人間には叶わない猛獣が明らかな殺害目的で目前まで追い詰めに来る恐怖】が、ふと連想されたわけです。 猛獣に命を奪われる痛みと恐怖が、過去作品と比べて抜きんでている今作。それに留まらず、心身に傷を負っても尚、生きる人々を描けている。それぞれの立場で生き残ったり、逃げて生き永らえたり、生きなきゃならなかったりした人々が描けている。役者さんたちは皆、本当に見事な演技。キャラクター皆に共感できる。 この映画、登場人物もストーリーも闘いも生き方もゴジラも(ゴジラは戦闘力凄過ぎですが脇役にすぎません)、全てにおいて、観客の心に【肉迫】する映画です。 人間がどう生きるか。どう生きたか。【とにかく生きる人間】とか【それでも生きる人間】をまざまざと描いた芝居(≒ドラマ≒映画)は激烈に大好きでして。それが作り手にでも役者にでも見えれば9点。そこから突き抜ければ10点満点というのが私の採点基準。 これ以上の出来は無理だろうから映画館に行けば良かったと後悔した前作・シンゴジラの反省を踏まえて本作を映画館鑑賞したわけですが、 10点としか言いようがない。 【役者の魂】さん [映画館(邦画)] 10点(2023-11-06 17:53:51)(良:3票) 24.《ネタバレ》 【2024/3/11追記】 アカデミー賞視覚効果賞受賞、本当に、本当におめでとう! やった! 快挙だ!! 【以下オリジナル】 IMAXで鑑賞、大正解でした。 「シン・ゴジラ」が傑作なら、私に取って本作は大傑作です。 やはりゴジラには人類の味方など似合わない。徹頭徹尾悪役に徹すべき。 戦後復興した東京の街が思いっ切り再破壊される描写は、それがフィクションだと判っていても 東日本大震災やウクライナそしてイスラエルでの悲惨極まりない実際の光景を報道で目にして来た身としてはやはり胸が痛む。 神木隆之介の演技を観るのは本作が実質初めて、とても良い演技をしていた様に思う。 彼の事を良くご存知の方には「今更」ながら、今後注目したい。 そして山崎貴。 彼ほど賛否両論がハッキリ別れる映像作家も珍しいと思う。 私は肯定派で、今の日本で彼の様に終始一貫した作風を貫くのは稀有で良い事だと思っている。 次作が有る様だが、主旨替えなどせずこのまま突っ走って頂きたい。 ゴジラは日本が/世界が乗り越えるべき『業』を具現化した存在。 それを如何に乗り越えるかに感動が有る。 追伸 戦時下の日本を礼賛する気は皆目無いのだが、本作で大活躍した旧日本海軍の極地戦闘機「震電」の勇姿には胸が熱くなった。 その独特のフォルムにはあの時代だからこそ成し得た寂寥感に近い何とも表現し難い魅力が有り、 CGとは言え実際に飛ぶ姿に感無量になった次第。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 10点(2023-11-06 17:51:33)(良:4票) 23.《ネタバレ》 VFXに関して良い評判が多かったので、これは観なければと行って来ました。期待どおり、というかそれ以上の物を観させられ震えました。一方、人間の描き方については、主人公の性格が後ろ向き過ぎてイライラする、というような声も聞いていたので、おーこれが巷で有名な後ろ向きで演技が微妙な神木君か、確かに後ろ向きだねえ、と思いました。帰還兵って、金銭的補償とかは何も無いのでしょうか。ふらっと帰ってきていきなりホームレスみたいになって、憎まれ口をたたかれる。そりゃあきついでしょう。トラウマとか多くの人の死とか貧乏とかで、とにかく生きていたくなくなった訳です。金の為に危険な仕事に就き、過去のトラウマと再会するというご都合主義も、これは運命と受け止めます。今度こそアイツと戦って前に進むぞっってなって、砲撃の腕前も生かされます。銀座のアイツはとにかく絶望的に恐ろしく、戦争からは難を逃れた街並みが、無惨に破壊されます。それがアメリカの原爆が投下されたのと同じように、木っ端みじんなのです。ようやく戦後復興に向けて歩み始めた当時の敗戦国日本人と、平和にのほほんと日々暮らして大画面で映画を鑑賞している私たち現代人の前に、その絶望感が一気に押し寄せ、辛く悲しくなりました。せっかく戦争を終わらせたばかりなのに、まだこの国に大きな試練が与えられるのか。そこで立ち上がった元海軍兵と技術者、学者が奮闘します。先の戦争では、特攻だお国のためだと命を無駄にし過ぎた。戦闘機には脱出装置さえ装備されていなかった。今度は生きる為に戦おう。彼らにとってのゴジラが、得体のしれない怪物から、打倒すべき敵になりました。海神(ワダツミ)作戦も、現代のヤシオリ作戦と比較すると断然力業で、これまたかっこ良かった。東洋バルーンの人達も、好きでした。とまあ、ゴジラの凄みのある造形と、それが迫り来る恐怖感などはもちろん素晴らしい出来栄えでしたが、一般に微妙といわれる人間物語の方も、とても良かったと思います。昔の人って現代人とは違うんだから、きっとああいう喋り方してたんでしょ、って思えば。他にも書き尽くせばきりがない程ですが、三丁目にT-REXが突如現れたみたいな感じが、とても良かったです。褒めてます。 【ちゃか】さん [映画館(邦画)] 10点(2023-11-06 16:05:28)(良:2票) 22.《ネタバレ》 IMAXで見るべきかと思ったけど、どうしても手が動かず一般の劇場の最も大きなスクリーンで見ました。 その結果、大画面の迫力とか言う以前の違和感がどうしても拭えなかったです。IMAXで見なくて正解だったと思う。 戦後間も無いと言う設定だけど、キャラクターがみんな現代人にしか見えない。反面、安藤サクラの登場シーンは「そこ、怒るとこじゃ無いだろ」としか思えない。 その後の人間ドラマも何だか非常に現実離れしている。ゴジラが巨大化して再登場してから少し面白くなったが、これもゴジラの強さの度合いが良く分からない。 木造船一隻を捉えられず、反面軍艦を一撃で破壊する。銀座襲撃シーンが唯一良くできていた。ラストは「ああ、やっぱし」でしたね。 山崎貴監督としてはモヤモヤは多いものの余計なことをしなかったと言う点で精一杯の出来かと思う。 ただ、これ配信されたら銀座のシーンしか再生しないだろうと言う不届きな考えが頭をよぎった。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 6点(2023-11-06 15:41:49) ★21.《ネタバレ》 お国に命を捧げて死ぬことが美徳とされていた時代。そんな時代へのアンチテーゼみたいな映画でした。主人公が神風特攻隊のパイロットで、命大事さに虚言で特攻から逃れ、さらに突然出現したゴジラに怯えて攻撃することが出来ずに多くの犠牲者を出してしまう。そのことがいつまでも主人公にとって悪夢となり、終わらない戦争として取り付いてしまう。そしてゴジラ討伐の作戦に参加し、その命で自分自身の戦争に決着を付けようとする。「ゴジラ-1.0」のこの「-1.0」は「戦後」ともう一つ、この主人公の「終わらない戦争」のことも表しているのかも。 命を捨てる覚悟の強さももちろんあると思う。しかし、生きることへの執着心の強さもあると思う。ゴジラ映画でこんなにも人間ドラマが上質で、ゴジラが脇役みたくなった作品も珍しい。本当に良く出来た作品でした。 熱線の発射の仕方が格好良かった。その熱線を発射した後の二次災害の描き方が非常に素晴らしかった。赤の他人の子供をわが子のように育てる件はなんか三丁目の夕日ぽかった。木製の小型船になかなか追いつけないゴジラ...(;´∀`) 1作目のゴジラへのオマージュも散りばめられててニンマリ。あの橋爪さんは「東京家族」の橋爪さん?(笑) ただ本当に素晴らしい作品ではあったのですが、最後のあの実はまだ・・・みたいなのは正直言ってこの作品の作風には蛇足でしかなく、いらないと思えた。はい。 【Dream kerokero】さん [映画館(邦画)] 8点(2023-11-06 14:43:49)(良:1票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS