みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
15.《ネタバレ》 淡々とした展開ながら小洒落た感じにまとめ上げられ すごく後味よく終われていたところは良いところ。 樽ごと狙うわけでなしに、気付かれない程度にほんの少しだけを失敬するという犯罪。まあ許そう(えっ 許すのか?) ただ彼が犯してきた罪はただの一度ではなく二度三度とあるようだ。 人様の人生を無茶苦茶にしておいて 未だのうのうと生きている そんな彼が主人公である映画である故に、天使の分け前とはもったいない。実に身分不相応なタイトルだ。 だけど悔しいかな 最後一瓶の行く末に後味の良さを感じ終わってしまえる 憎い出来。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-12-26 21:47:16)(良:1票) 14.《ネタバレ》 ウイスキー醸造の過程での蒸発分が天使の分け前というシャレたネーミング。それをうまくラストにつなげてオシャレにまとめた印象。 ただ、ところどころ引っかかるところも。まず、ロビーがチビで貧弱そうなので、とてもケンカが強そうではなく使いっぱしりに見える。もっと引っかかるのが、暴行事件の被害者が置き去りにされているところ。自分だけが幸せを掴んでいいのかと。それも結局は犯罪行為に走って、超高級ウイスキーを盗んで得た大金で。いくら盗まれた被害者がウイスキーの味もわからない大金持ちだったとはいえ、それが免罪符にはならない。殺人犯が罪を償って出所して更正して幸せな家庭を持ったとしても、遺族はやりきれないだろう。ロビーは殺しこそしていないが、トラウマになるほどの暴行を加えているんだし。 盗み出す仲間がウイスキーの瓶を割ってしまい、皆が頭を抱えるシーンは面白かった。味方の足を引っ張る使えない無能な奴は、敵よりもタチが悪い。どんなグループ、組織にも1人はいる存在なので、共感を呼びやすい。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-01-03 21:13:21)(良:1票) 13.《ネタバレ》 スコットランドの世相は、いろんな映画を観てきたがいつも不景気で大変だ。若者の失業率の高さ、はびこるドラッグ、天気まで悪い。実際、階級社会であるところのかの国で、社会の底の方にいるとそれはそれは這い上がることがキビシイそうだ。わが国と比べて社会構造がずっとシビアなのだと聞いたことがある。 ケン・ローチという人は、そういう苦労している階層の人々に寄り添う作品を撮る監督だが、今作はまたかなりの力技に持ち込んでいて、一種のカタルシスみたいな感興もわきます。 ”自然と無くなる”2%のウイスキーを天使の分け前とは美しいネーミング。たかが酒樽に、とてつもない額を出せる人間がいる。そんな人たちにとっては ほんのわずかの”分け前”を頂いたところで、それこそ天使の采配のうちでありましょう。頂いた”ギフト”を元手に、それぞれが健全な道をゆくことを祈る気持ちでいっぱいだ。 世話になったハリーに一瓶進呈する律儀さ、半分を”うっかり”で失ってしまう奥ゆかしさ、ケン・ローチのこんな演出が好きだ。 ロビーがこの先醸造所で働いて、障害を負わせた相手に少しでも償おうとしてくれればなあ。してほしい。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-07 00:11:53)(良:1票) 12.《ネタバレ》 「天使の分け前」というしゃれた呼び方を、最後にうまく使いましたね。それなりに面白かったものの、でも特に印象深いところもありませんでした。暴力で人の人生を狂わせた・・・とか、立ち直るのかと思ったら結局犯罪か・・・とか、そういう設定は別に気になりませんが、その設定が特に効果的というわけもないし、肝心のウイスキーについても対して掘り下げることもない・・・。ワルが更生・社会批判・痛快犯罪劇など、テーマをどれかに絞り込んで作れば、もう少し伝わるメッセージもあったと思います。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-28 00:36:06) 11.《ネタバレ》 なんだよー結局悪いことしてんじゃんよー、、、生まれてきた子どもの為に、まっとうに頑張るんじゃなかったのか!? 一見いい方向に進みそうなのに最終的にガッカリな結末。関係ありそうで大してない登場人物の描写もマイナス。実はちょっと期待していただけに残念なモノでゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-11-26 02:42:28) 10.ケン・ローチ「明日へのチケット」以来、久々の大ホームラン!!大満足。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-12 15:25:03) 9.《ネタバレ》 このタイトルだけ見た時はギャング同士のやったやられたのハードボイルド系なのかと。 意味を知った時は洒落た言い方だなとすごく気に入りました。 でも本作では「天使の分け前」の意味がちょっと違う解釈のようで、そこがポイントかもね。 まず根底は階級社会であるということで前科者じゃなくても何か特別才能でもないとなかなか這い上がれない現実。ハリーとウイスキーとの出会いと息子の誕生がロビーにとっての転機のチャンスで、繊細で鋭い嗅覚がロビーの生まれ持った才能ということかな。 ウイスキーの樽ひとつに1億円以上払える人がいる、でも味の違いはわからないようで(この金持ちがアメリカ人てとこが笑える) つまりは金持ちの自己満足の道楽、独り占めですね。方法は拍手喝采とは言えないけど分け前があってもいいんじゃないのと思ってしまいました。半分ダメになるあたりは天使の罰かな、でも報酬は4人で分ける。そしてチャンスをくれたハリーへの分け前にもなる。 被害者との対面は重要なシーンで、ロビーは何も語らずもちろん赦しを請うこともしません、例え死んでお詫びすると言ったところで一生赦されることではないけれど、被害者と家族の痛みを自分に置きかえられるようになり(これも分け前かな)死ぬまで罪の意識と贖罪の気持ちを持ち続けることが大事なのではと感じました、そうなるには更生し立ち直ることが先でそのためにチャンスを与えることはやはり必要だなと思えた作品でした。本音を言えば犯罪にも色々あってそんなふうに思えないこともあるけどね。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-24 09:47:30)(良:1票) 8.《ネタバレ》 若いころにレイプなどの犯罪を犯した人間が後に立ち直った話を見て、誰が感動するのでしょう? 僕はこの映画の設定に同じものを感じます。この主人公は、理不尽な言いがかりをつけて罪のない男性に暴行を働き、一生残る後遺症を負わせました。被害者はデート中に彼女の前で執拗に殴られ続けたのです。この罪はこのタイプの映画の主人公の設定として度を越していると思います。被害者に対する贖罪を描く以外、この主人公を許せる要素はないですね。主人公が何かの才能を持ち、変わっていく姿を描きたいなら、前提条件となる過去の失敗には許せる要素があっても良かったはず。映画的にという観点で言えば、善良な一般人に対する暴力でなく悪い者同士の暴力事件でも良かったし、窃盗の常習犯でも良かった。もっと言えば被害者が後遺症を負ったという描写はなくても良かったのです。作品に重みを持たそうとしたのか知りませんが、安易な選択です。被害者と対面するシーンも取ってつけたようでチープ。「反省の涙を流すシーンを入れたんでよろしくね」って感じなのでしょうが、そんな安っぽくてあざとい演出には騙されません。被害者の前で女々しく泣いてないで、とっとと働いて賠償しろよとしか言いようがない。何の罪もない人間に一生残る怪我を負わせた犯人が、その後しあわせになっていくような話に共感のしようもない。このチンピラはどこかでまたキレて事件を起こすんだろうな…と、途中からはそればかり考えてました。 【レイブンのかなづち】さん [地上波(字幕)] 0点(2014-09-12 17:28:33)(良:1票) 7.《ネタバレ》 fu○kingという台詞が何回聞こえてきただろう。その日を生きるのが精一杯のゴロツキが沢山出てくる映画だ。現状を何とかしたいと一念発起するかと思いきや、結局悪事で金儲けして終わってしまったのが惜しい。そりゃ見事泥まみれの生活を蹴倒して清らかに羽ばたく話なんてありきたりかもしれないけれど、こんなラストだと連中は小ずるい悪事を絶対また繰り返すだろう、と先を想像してしまいやっぱり釈然としない。たかだか酒に法外な値を付けて買おうとする大金持ちと彼らを並べて映したのが、今作のケン・ローチの問題提起方法なのかな。黒と白のコントラストが効いていたのもそこに引っかけていたのかもしれない。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-01-03 21:03:39)(良:1票) 6.《ネタバレ》 表面的なストーリーはハートフルなんですけど、結局は主人公たちのような労働者階級の人間は、人並み外れた才能と宝くじに当たるくらいの運がなければ「負の連鎖」が渦巻くコミュニティから中々抜け出せないというイギリス社会の問題点が背景に隠されていて、さすがケン・ローチだなと思いましたね。 この作品の本当の主役は、実は主人公のロビーではなく彼を取り巻く人々の方ではないですかね。で、ロビーのサクセスストーリーもどこか違和感を伴うものとなっていて、その違和感が何なのかを我々に考えさせることがケン・ローチ監督がこの作品を作った狙いなんじゃないかと思ってしまいました。 まあ、やり切れないラストよりも一応ハッピーなラストの方が好きですけどね。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-12-23 23:59:29)(良:1票) 5.《ネタバレ》 子供が生まれて更生していく主人公のストーリーは良いが、最後に犯罪を犯してしまう結末は若干疑問。舞台をスコットランドにしてスコッチウイスキーにまつわる展開が何とも心地よいのだが。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-11-16 00:44:54) 4.《ネタバレ》 ちょっと自分でも意外だったほとんど観ていない「ケン・ローチ」もの。 名前は良く聞く有名な英監督・・なのにです。 社会の底辺近くにいる若者たちを温かく広い視点で描くんですね。 あの樽から超レアもののウィスキーをなが~くて細~いホースで 抜きとるところなんてやっぱりコメディなんでしょうね。加えるのも全然適当だし; 社会奉仕の指導者がホント!人が良くて気持ちよくて、やっぱり人は人に 育てられ見守られて成長できるんだ、という当たり前だけど揺らぎかねない 確信を思い出させてくれました。 【AKO】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-09-23 17:43:23) 3.ある新聞で記者が「ケン・ローチって辛気臭くて嫌いだったが、本作品は例外的に面白く好き」と書いていた。「え~っ!?」と思って、「辛気臭い」を広辞苑(第五版)で引いてみたら「思うにまかせずくさくさした気分である。じれったく、いらだたしい」とある。これは、第五版だからか? で、ネットで他辞書を調べると「気がめいるさま」というのがあった。多分、前後の文脈からして記者のいうのはこれだろうな、と思うし、私の中での「辛気臭い」の日常的な認識もコレだ。で、やっぱり「え~っ、、、」なんであるが、よく考えると、広辞苑のいう意味では、確かにローチ作品は「辛気臭い」のかも知れないな、とも思った。人が思うようにいかない現実に悩み、葛藤する様を描き続けているのだから、まぎれもなく辛気臭いのだろう。だけれど、だからといって、決して見ている者たちを滅入らせる作品ではなく、そこには必ず希望や救いがあるのだ。だから、記者の言う「辛気臭くて嫌いだった」というのは、やっぱり共感できないのである。・・・で、本作だけれども、ローチはやっぱりローチだった。ローチ作品を見ていると、逆境から抜け出すのは、本人の意思+「人の力」が欠かせないと言いたいのがよく分かる。人生や世の中には「どうにもならないこと」「不可抗力」は必ずある。それを跳ね返すのは、結局自分自身でしかないけれど、それをほんの少しだけ支えたり見守ったりする周囲の人の小さな力が欠かせないのである、ということを忘れてはいけないと改めて教えられる。「運命論なんか嫌いだ」と言い放つエリートより、「人生はままならん」と一見くたびれた風の、肩を落としながらも踏ん張れる人の方が、よほど魅力的。・・・しかし、これで、本当に「銀座テアトルシネマ」は閉館となってしまった。本当に哀しい。自分で思っていた以上に今、寂しさを感じています。ああ、ミニシアター、頑張れ! 【すねこすり】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-06-02 15:54:17)(良:1票) ★2.《ネタバレ》 ウイスキーの樽一つで110万ポンド(約1億5000万円)と私にとってはまったく縁のない別世界。それにウイスキー蒸留に少しでも知識があればついて行けたかもしれないが・・・。 天使の分け前とは非常にロマンティックだが、大自然が分け前についたと言えば許されようが、人間がかすめ取るのは許されるのだろうか。犯罪を社会奉仕で償うのはとても良いことだと思うけど。それにウイスキーの世界に縁のなさそうな世界で育った主人公に、鑑定の才能があったとは不自然に思う。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-05-30 15:46:17) 1.暴力に明け暮れ荒んだ毎日を生きていた主人公の青年ロビー。恋人と生まれくる子どものために、今度こそはと更生を決意する。 裁判で社会奉仕活動を言い渡されたちょっとトホホな仲間たちと、旨いスコッチウイスキーには目がない愛すべき社会奉仕活動の指導者の姿をコメディタッチで描きますが、そんな中にいかに更生を決意しようともそれが容易ではない社会や雇用の厳しい情勢を挿入する。コメディとは言え、このあたりはいかにもケン・ローチらしいところです。 主人公ロビーに関しては必ずしも共感出来ることばかりではありませんが、この愛すべき社会奉仕活動の指導者が彼らを見守る視線こそケン・ローチの視線であり、そんな人間を見つめるローチの視線は本作でもやはり優しい。 スコッチウイスキーの香り漂うスコットランドの美しい風景描写も見どころです。ウィスキーの製造過程で生じる「天使の分け前」の意味の説明は作中でなされますが、ラストに登場する、もう1つの「天使の分け前」が何とも素敵。これが鑑賞後にとてもいい余韻を与えてくれます。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-04-15 22:25:10)(良:2票)
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