みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.《ネタバレ》 197分完全版を視聴。前半1/3は戦場に赴くまでの被服の受け取りやら行進、その後は雪中でのソ連軍の砲爆撃、戦車と突撃との戦闘描写が延々と続く。それも非常に長く続くが、美術から何から丁寧に作られている印象で緩む感じはない。CGも不自然にドラマチックな演出もほとんどなく、英雄談も過剰な反戦メッセージがあるわけでもない。大国の侵略に敢然と立ち向かって国土を守ったフィンランドであり、誇るべき逸話もあろうがそういった話はなく、身近な戦友たちは次々と倒れて行き、唐突な停戦で終わる。一見単調な展開だがこれこそ当事者たちの感じる戦場の実相かもしれない。メガネの曹長さんがいい味を出していた。 【クリプトポネ】さん [DVD(字幕)] 6点(2020-05-21 21:59:49) 4.フィンランド製の戦争映画、オリジナル完全版197分。長いですよ。って、言うまでもないけれど。 特に物語らしきものもなく、これといって背景が語られることもなく、ただただ、どことも知れぬ雪原での戦闘が続きます。家庭では普通の男たちであったものが、戦場では兵士となって、そこには兵士としての彼らの日常がある。日中は弾が飛び交い、戦車が迫ってくる一方、夜には束の間の休息があって。また時にはサウナにも入ったりして。そしてまた戦闘が始まれば、塹壕に身を潜め、戦車に立ち向かい、吹き飛ばされた仲間が肉塊と化すしていく、そういう日常。どことも知れぬ雪原で死んでいく仲間たち。 そんでもって、延々と描かれた戦闘が、突然終わりを告げるラスト、ってのはなかなか衝撃的です。もはや、この映画の長さ、戦闘シーンの長さ自体が、完全版ではひとつの意味を持っているとも言っていいのではないでしょうか。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-12 11:34:29) 3.冬戦争を描いたちょっと珍しい映画であるが、同時にフィンランド国民が装備も不十分な中でどういった戦いをしていたかを見せる面白い映画でした。実際この後の継続戦争やナチス義勇兵師団「ノルトラント」に影響を及ぼす訳なんだけど、そう考えた時にフィンランド人の心になぜここまで影響を及ぼしたのかというのがちょっと理解できた気がしました。他の国の映画だと国の為とか生活の為とか思想などが大々的に表現されるけど、この映画は同じ様な事を言いながら、ちょっと違っている気がしました。日本の1980年代に制作された戦争映画が似ているかもしれないですね。ちょっと新鮮でした。 【奥州亭三景】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-10-16 16:27:12) 2.《ネタバレ》 上映時間三時間超の全長版で鑑賞。今までの公開バージョンよりきっちり一時間長いわけですが、はっきり言って冗長というのが偽らざる感想になります。対ソ情勢が悪化してゆき戦闘が始まるまでに一時間近く費やします。その間は記録映像など一切使わず、招集されてゆく兵士たちの目線だけのストーリーテリングですから、フィンランド人ではなく予備知識を持ってない者には戦争にいたるまでの経緯が判りにくいでしょうね。戦闘場面では陣地を守るフィンランド軍に戦車を随伴させたソ連歩兵が攻めてきて撃退される、延々とその繰り返しを見せられたような気がします。フィンランド軍は激しい砲撃を浴びせられるのですが、これが意外と損害を与えません。至近距離で砲弾がさく裂してたしかに泥や土塊を浴びますが意外と無傷、中には狭いタコつぼ陣地の中で砲弾が着弾しても平気というシーンまであり、さすがに?でした。最前線でもサウナだけはきちんと作って休養する、さすがフィンランド人と納得させられるシーンもあります。あとこの冬戦争期間中はとてつもない寒波が続きソ連軍なんかは森の中で連隊全員が凍死していたなんて史実がありますが、暖冬だったのかさすがに厳冬期では野外ロケは無理だったのか、映像からはその冬らしさがあまり伝わってこなかったと感じました。 史実ではフィンランド軍の十倍近い圧倒的な兵力差のソ連軍が大損害を被り、半年近く攻めてからくも休戦に持ち込んだというところです。それでも領土の一割近くをソ連に割譲させられたので、フィンランドには苦い結末だったことは否めません。ソ連は開戦早々にお得意の傀儡政権まで準備して完全にフィンランドを併合するつもりでしたから、独立を維持できただけでも大勝利と言えるんじゃないでしょうか。ソ連・ロシアと地続きの国境で接するということは、昔も今も大層厄介なことであることは変わらないということです。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-06-14 22:53:07) ★1.《ネタバレ》 第二次大戦初期の1939年11月~1940年3月に、フィンランド共和国とソビエト連邦が戦った「冬戦争」の映画である。この戦争は基本的にソビエト側からの侵略で始まったもので、これに小国フィンランドがほぼ独力で果敢に抵抗したことは当時から賞賛されていたらしい。 字幕によれば「第23歩兵連隊の軍事日誌と、同連隊で戦った兵士たちの記憶に基づいて作られた」映画とのことで、開戦前の動員のところから話が始まる。部隊はフィンランド南西部のカウハヴァの周辺住民で編成されたもののようで、みな近在の知り合いばかりのように見えたが年齢差もあり、1918年の内戦に参加した者や、1932年のマンツァラ蜂起で動員された経験のある者もいたらしい。銃は自宅に配備されていた(日頃の訓練などでも使っていた?)ものを持って行ったようである。 当初はまだ「戦略的な動員」であったために人々の本気度も半端のようだったが、認識票に関わる一連の発言などは、自分が死ぬかも知れないという覚悟を少しずつ固めていく過程のようにも思われた。配属先は当然ながら地続きの自国内で、到着後にいきなり現地女性と親密になろうとしてみたり(慰安所はない)、長目の休暇を取ったりして気が緩んできた矢先、突然戦端が開かれて慄然とすることになる。 その後は大勢がよくわからないまま眼前の敵との戦いを強いられていたが、最後はまた突然に講和条約が締結されて戦闘が終了し、その時点で生き残っていた者が結果的に助かった形になっていた。戦闘停止が知らされた後の両軍兵士の反応の差は、無理やり動員されて来て終われば帰るだけの連中と、戦いの意義はわかっているが犠牲が多すぎたと思う人物の対比を示していたようにも思われる。 この戦争の結果として、フィンランドはソビエト側の要求を容れる形で大面積かつ重要な領土の割譲を余儀なくされたわけだが、しかしここで断固として屈服しなかったことで「独立を守った」(字幕)というのがこの映画としての見解になっている。そのような認識は恐らく、劇中人物が言及していたバルト三国でも共有されているものと思われる。 ところでこれを普通にドラマとして見ると基本的には退屈であり、最後の最後だけわざとらしい演出で何とか形をつけようとしたかに見える。上映時間が当初は199分あったのをInternational Cutで125分に大幅短縮したとのことだが(DVDではなぜか122分)、いわば当時の再現映像のようなものであるから、個別エピソードを落とすことでいくらでも削減可能な性質のフィルムだったのかも知れない。それにしても登場人物の間でそれなりにできていたはずの人間関係が短縮のせいでよくわからなくなり、それでドラマ性に乏しく見えていたとも考えられる。 そういうこともあって、日本人では基本的にフィンランドの歴史、または軍事関係に関心のある人以外にはお勧めしない。軍事マニアなら199分版の方を見たくなるかも知れない。 【かっぱ堰】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-08-13 22:28:28)
【点数情報】
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