みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★1.《ネタバレ》 DVD特典の対談を聞くと、発想の原点になったという渋谷のエピソードには共感できるが、わかるのはそこまでである。 まず、この映画の属するシリーズの名称からすると笑える映画として作られたもののはずだが、実際には申し訳程度の悪ふざけを入れてあるだけで、具体的に笑わせる場面は皆無である。国家体制に対する皮肉な笑いという理屈付けをしているのかも知れないが、現実問題として笑えなければ少なくともコメディではない。 コメディでないとすればシリアスに取るしかないわけで、劇中の「王国」が監督の出身地であることからしても、どうしても真面目に取らなければ済まない雰囲気はある。見る側の世代や主義主張によっては無条件で賞賛されそうな体裁なのは厄介だが、実在しない政府機関のありそうもない所業や人物像を創作してまでわかりやすい悪者を用意するのは幼稚で卑劣である。 しかし同時に、なぜか日の丸を背景にした宣伝写真とか非人道的なテロリスト養成とか思想統制を思わせる「プロパガンダ」といった言葉などマイナスイメージのあるものを平気で使っており、こういうものをこの映画として肯定しているということなのか、あるいは冗談めかした逃げの姿勢ということか。若年者が仲間内で面白がるようなものに真面目に突っ込むと冗談だから許せと言われそうで腹立たしい。 それでも最大限好意的に見るとすれば、いい加減な部分は全て娯楽映画としての飾りに過ぎず、要は「王国」の民の心情を伝えることが中心テーマだったと取れなくはない。住民の切実な思いというのは確かにあるだろうが、しかし未成年者の思い付きのようなストーリーに乗せて伝えるのでは無責任な自己表現以上のものにはならず、映画全体に通底する茶番感とあいまって反感だけが残る。そもそも母親がナショナリズム(民族主義)のためにわが子が戦いに赴くのを支持するなど常人の感覚では信じがたい。 最終的には「王国」自体のことよりも、「王国」をネタにして自分の反抗心か何かを表現したい、またはそういう人々に評価されたい映画にしか見えなかった。実際の意図はどうあれ最低限、反感を煽って「王国」とそれ以外の離間を図るようなことはやめてもらいたい。平和ボケの時代の無責任な映画に今さら苦情を言っても仕方ないだろうが。 なお点数は中身と無関係に付けたので参考にはならない。上記以外の面での評価は別のところで誰かがしただろうと思っておく。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-06-21 19:32:13)
【点数情報】
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