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オッペンハイマー

Oppenheimer
2023年【米】 上映時間:180分
ドラマ戦争もの歴史もの実話もの伝記もの小説の映画化
[オッペンハイマー]
新規登録(2023-12-18)【Cinecdocke】さん
タイトル情報更新(2024-08-27)【イニシャルK】さん
公開開始日(2024-03-29)
公開終了日(2024-09-04)


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監督クリストファー・ノーラン
キャストキリアン・マーフィ(男優)ジュリアス・ロバート・オッペンハイマー
エミリー・ブラント(女優)キャサリン・“キティ”・オッペンハイマー
マット・デイモン(男優)レズリー・グローヴス
ロバート・ダウニー・Jr(男優)ルイス・ストローズ
フローレンス・ピュー(女優)ジーン・タットロック
ベニー・サフディ(男優)エドワード・テラー
ジョシュ・ハートネット(男優)アーネスト・ローレンス
ラミ・マレック(男優)デヴィッド・L・ヒル
トム・コンティ(男優)アルベルト・アインシュタイン
ジェームズ・ダーシー(男優)パトリック・ブラケット
マシュー・モディーン(男優)ヴァネヴァー・ブッシュ
デイン・デハーン(男優)ケネス・ニコルス中佐
トニー・ゴールドウィン(男優)ゴードン・グレイ
ケネス・ブラナー(男優)ニールス・ボーア
ゲイリー・オールドマン(男優)ハリー・S・トルーマン大統領
内田夕夜ジュリアス・ロバート・オッペンハイマー(日本語吹き替え版)
園崎未恵キャサリン・“キティ”・オッペンハイマー(日本語吹き替え版)
平田広明レズリー・グローヴス(日本語吹き替え版)
山路和弘ルイス・ストローズ(日本語吹き替え版)
白石涼子ジーン・タットロック(日本語吹き替え版)
森川智之アーネスト・ローレンス(日本語吹き替え版)
中井和哉デヴィッド・L・ヒル(日本語吹き替え版)
原康義ニールス・ボーア(日本語吹き替え版)
安原義人ハリー・S・トルーマン大統領(日本語吹き替え版)
伊藤和晃アルベルト・アインシュタイン(日本語吹き替え版)
咲野俊介ハーコン・シュヴァリエ(日本語吹き替え版)
加藤亮夫ゴードン・グレイ(日本語吹き替え版)
脚本クリストファー・ノーラン
音楽ルドウィグ・ゴランソン
撮影ホイテ・ヴァン・ホイテマ
製作クリストファー・ノーラン
エマ・トーマス
配給ビターズ・エンド
字幕翻訳石田泰子
あらすじ
原子爆弾開発という理論上は可能だが多くの技術的困難の克服と極端な機密保持が要求されるマンハッタン計画には多数の科学者と技術者が参加したがそのトップに選ばれて見事に職責を果たした理論物理学者のオッペンハイマーはプロジェクトを辞して研究生活に戻った後に政府の調査委員会に呼び出される。情緒不安定だった留学生時代から大学教員の職を得た後に左翼思想に目覚めた経緯や女性関係に至るまでの厳しい尋問の目的は核兵器拡散を妨げることだと思われたが、その過程でオッペンハイマーは趣味を共有する自分の広い交友関係の中に複数の共産主義者が存在した事実を指摘され、また原子爆弾開発によって戦争を終結させて多くの市民や兵士を救ったと賞賛されながらも自分の心の内に払拭し難い葛藤と忸怩たる思いがあったことに気づいていく。

かわまり】さん(2024-03-30)
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【クチコミ・感想】

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38.《ネタバレ》 オッペンハイマー。それは原爆と言う悪魔の兵器を創り出し、全ての戦争の形を一変させた科学者の名前。彼は、このまま日本と本土決戦に突入したら膨大な戦死者を出したであろう第二次大戦を早期に集結させた稀代の英雄なのか、それとも何十万にも及ぶ何も知らない無辜の民を一瞬にして焼き殺した残虐な殺人鬼なのか――。本作は、そんな天才物理学者の知られざる私生活を淡々と見つめた伝記映画だ。監督は同じく天才の名をほしいままにするハリウッドの寵児、クリストファー・ノーラン。3時間にも及ぶ地味で難解な内容なのにもかかわらず、同時期に公開された『バービー』とともに大ヒットを記録し、同時に評論家からの評価も高く、同年のアカデミー作品賞をはじめ主要部門を独占、だがその極めてセンシティブな内容から長い間日本公開がなされなかったいわくつきの本作を今回鑑賞してみた。なるほど、原爆をテーマとした映画にも関わらず広島長崎の被爆直後の惨状を一切描かななかったことに批判が出るのも分かる。だが、監督はそれは本作のテーマではないと敢えて描かなかったのだろう。それは、ユダヤ人であるオッペンハイマーが原爆制作の初期動機となったナチスによるユダヤ人虐殺という重要な事実も同じように敢えて描かなかったことにも表れている。この物語で重要なのは、科学と政治との切っても切れない関係を極めて冷徹に見つめたところにある。オッペンハイマー、彼は本当にただ優秀な一科学者なのだ。自分が作り出したものが世界をどのように変えてしまうのかなどと言う政治的思惑は、彼の科学的探究心の前では無に等しかった。ただただ彼は、これまでこの世界になかったものを自分の優秀な知性と類い稀なる努力とによって作り出したかっただけなのだろう。その結果、何十万人にも及ぶ無実の民が殺され人々はいつ世界の終わりが訪れるのかという不安を抱えながら生きざるを得なくなった。彼が戦後、どれだけそのことを後悔しようともその事実は変わらない。だが、そんな科学者の存在が人間を進化させてきたのも事実。問題は、その力を政治家――およびその政治家を生み出した社会がどのように使うかなのだ。これはそんな科学と人間の進化と破壊の関係を極めてストイックに見つめた物語なのだろう。自らの才能と類い稀なる努力、そして作品に命を吹き込む俳優陣や多くの優秀なスタッフ、利益を得るために自らに投資してくれた出資者、その他多くの利害関係者に支えられながらこれまで幾多の傑作を生みだしてきたクリストファー・ノーラン監督の思いが、このオッペンハイマーと言う孤独な科学者に託されているような気がしてならない。自分の人生を懸けた最初の核実験が成功するのかしないのかを固唾を呑んで見守る彼の姿など、まるで公開初日を迎えた映画監督のようではないか。何もないところから一から作品を生み出し、その結果、多くの観客から毀誉褒貶の声を受けようとも、それでも自らの才能で映画の世界を変えてきた監督の新たなる傑作の誕生を素直に喜びたいと思う。 かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2025-01-08 07:49:58)★《新規》★

37.個人的にアカデミー受賞作品はハズレという持論をもっていてなかなか気乗りせずアマプラ入りしてようやく鑑賞しましたが、やはり自分の勘は当てになるようです。ちなみに自宅アマプラではありましたが、100インチ2.1ch環境と十分大画面で鑑賞できたと思います。音楽がやたらと過剰でやかましく、できればもっと落ち着いて静かに鑑賞したかった印象です。
個人的には、、意欲的だったインセプションの成功に裏打ちされたインターステラーまでがノーランの最高傑作だったと思っています。まあ確かにインセプションの成功の陰にはメメントやバットマンシリーズがある訳ですが、思い起こせばメメントやバットマンシリーズもちょっと小難しくて見るのがしんどい映画でした。この”ややこしい”感覚が最近では益々行き過ぎてしまって、テネットではまさに観客を無視して独走状態といったところまで加熱してしまいました。

上記の通りダンケルク、テネットと益々判り辛くなっていたところでしたが、本作オッペンハイマーは割とシンプルな作品でした。ただしそもそも論として題材は極めて退屈なもので、、NHKで放送されるドキュメンタリー番組に原爆の悲劇的な写真が挟み込まれてようやく見る気になるような暗い題材であったのは事実です。これをエンターテイメントとして見せ切った勢いには感服しますが、日本人=原爆を投下された側の国民なので作品が意図していない方向に感情が動きそうになるのを抑えるのに必死になりがちです。ノーランお得意の時系列を細切れにした演出ですが、本作ではさほど複雑にはなっていません。むしろ別の意味で効果的に機能しており、悪意を持って鑑賞する一部の層や、日本人の感情を上手く退ける効果はあったと感じます。

(当時の政治的思想や物理学者などのことをある程度知っているという前提ですが、)本作はあくまでオッペンハイマーの心の内を表現した作品で、きちんとそういう見方が出来た人には評価は高いと思います。ノーランお得意の時系列バラバラ作戦をもって、なんとか原爆を投下された側の気持ちをうやむやにさせる仕組みは機能していたものの、実際問題「原爆を投下された側の人間が世の中には確実に存在している」以上、事実は事実としてきちんと言及していただきたかったような気もしました。
そういった意味では少々ずる賢さすら感じてしまいましたし、原爆を投下した側のアメリカが自国で主催するアカデミー賞を自国で受賞してしまうのは・・ 「やはりあの国ってそういう国なんだろうな」とも感じてしまいました。そもそも、冒頭にオッペンハイマーを「プロメテウス」として表現してしまったのは大きな間違い・奢りではないのか?色んな意味でちょっと難しい映画でした。 アラジン2014さん [インターネット(吹替)] 6点(2025-01-07 15:39:43)
《新規》


36.作品の重要さは分かるし、緊迫感ある場面もある。
それでも、この長さを集中して観続けるモチベーションを保つのは難しい。そして今現在はもう一度観ようという気にはならない。それが望まれていたとしても。 simpleさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2025-01-04 11:05:17)
《新規》


35.《ネタバレ》 ”あまり観る側に親切ではない映画”という印象が第一。

伝記ものということで、ある程度の歴史的背景や理系知識を持っていないと
すぐに置いて行かれてしまう。

その上ハイスピードでどんどん話が展開し、しばしば時系列が前後し、
おまけに登場人物も多いので、シーンごとに状況を整理するのにかなり苦労する。

これで尺が長いので、非常に疲れました。

繰り返し鑑賞することを前提に作られていそうな映画。


主役のオッペンハイマーに関しては、女性にだらしなさすぎる点を除いては
概ね感情移入しやすい人間像。

彼を取り巻く環境・状況などをふまえると、
原爆投下に至るまでの経緯は概ね自然なもののように思える。

被曝による人体影響などはあまり描かれていないけれど、
まあアメリカ映画だし、そのあたりも違和感はなかった。 2年で12キロさん [インターネット(字幕)] 5点(2025-01-03 11:05:32)
《新規》


34.これならNHKのBSドキュメンタリーを見る方がずっとよい 東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(吹替)] 3点(2024-12-30 14:46:44)

33.《ネタバレ》 ちょつと長すぎる。2時間程度に収められる内容。
日本人が見ても言葉でしか広島、長崎が出てこないので
日本公開がなぜ遅れたのか疑問である。
世界的に見たら、原爆はこういう見方なんだろうなと思う。

そしてアメリカと日本は映画を見ても
国力が違い過ぎる。
日本を戦争に導いたのも、もっと早く終戦を迎えさせるように持っていけなかったのも
日本人だから考えさせられる。

とにかくストーリーがごちゃごちゃし過ぎ。
これがアカデミー賞か?てな作品です。
同じ原爆を扱ってもゴジラ-1.0の方が断然面白かった。 SHOGOさん [インターネット(吹替)] 5点(2024-12-18 19:37:30)

32.長い長い映画なのだが、そんな時間をかけても、歴史的背景や、登場人物の内面が薄い膜の向こうにある感じで伝わってこないため、ものすごい未消化で疲労感だけが残った

何が悪いのか分からない、ひょっとしたら見ている側(私)の察する力や理解力が弱いからかもしれない
だけど、歴史が趣味でそれなりに当時の史実の背景を勉強してきた私がしんどい映画なんだから、そうでない人がみると、もっともっと未消化なんじゃないかと思うけど、どうなんだろう。 みんな嫌いさん [インターネット(字幕)] 5点(2024-12-17 21:07:58)

31.《ネタバレ》 理論屋が政治に巻き込まれ、その政治の結果に、罪悪感をおぼえるという、
まぁそういう話なのだが、これが日本の原爆になると、ちょっといろんな
感情が湧きおこる映画になってた。

前半、物理屋としての蘊蓄も交え、理論屋の生活を描き、
中盤、原爆担当として、その製造成功と、戦争に使われるという展開。
後半、自分のやってしまったことに罪悪感を感じ、人の子として、悩み苦しむオッペンハイマー。
そこに、政治思想の問題、腐れ縁の政治家が絡んできたりする。

素直に思ったのは、戦争で使おうと思った政治家が、原爆の威力を示す実験の場にいないで、
戦争に使おうと思うのは、いかがなものか?
オッペンハイマーは、あの爆弾の威力を目の当たりにし、
あの爆発の下に数十万もの人間がいることをリアルに想像できたのだから、罪悪感も生じたのでは?
政治家は、現場で五感を使って判断し、行動に移してほしいなどと、ピントのずれたコメント、相済みません・・
(ゲイリーオールドマンが、トルーマン大統領演じているとこが、適役でした)
まぁでも本作の目玉は、21世紀史上、最強の「天才集団」を描いたことでしょうね。 トントさん [DVD(字幕)] 7点(2024-11-30 18:02:39)

30.《ネタバレ》 視聴開始30分後には、これはたまらんと「ネタバレなしの解説サイト」を勉強してから(本当にそうしてよかった)、視聴の継続におよんだモノです。さらに、終幕後には再度、「ネタバレありのサイト」を閲覧し、復習し直しておおよそわかったような気になっているモノでもあります。■常人には理解し難い物理法則が世界にはあることを認識した上で生きる天才たちのありようというか、なんかこう、アカデミックな感じのするところとか好きでしたし、「アマデウス」みたいでもあったよねなんて、今は思っています。■いつか、もう一度見直してみると、いろんなことに気づきそうとも思いますが、一体どんな機会に本作を見直すのだろうと思うと、途方に暮れてしまいます。■ちょっと疲れたなあ。 なたねさん [DVD(字幕)] 6点(2024-10-08 17:13:47)

29.はたして原爆は世界に平和をもたらしたのか。 TERUさん [映画館(字幕)] 8点(2024-06-26 21:52:39)

28.当時は,敵国だったのでしょうがないとは思いますが,日本人としては非常に微妙な感じでした.
オッペンハイマーは,プロジェクトリーダーとしては非常に優秀だっただろうね.
意外だったのは,悪魔の頭脳と言われたフォン・ノイマンが全く出てこなかったことです. あきぴー@武蔵国さん [映画館(字幕)] 6点(2024-05-26 20:33:41)

27.《ネタバレ》 長いうえに演技や描写よりセリフでの説明が多い、ずっと弦楽器のような音楽が鳴っている、編集も細切れ過ぎてリズムが悪い等観ていて草臥れた。
ストーリー的には時系列的に行ったり来たりするし、第二次大戦から冷戦、赤狩りというアメリカの歴史がベースにないとわかりにくい部分はあるだろうが、コロナでも如実に示された科学者と政治の関係などはうまく表現されていたと思う。
広島長崎の描写について大きく扱わないのは所詮勝者側の映画なので当たり前、アメリカは日本の一般市民の生命より自国軍将兵の無事を優先しながら勝利するために原爆を使用しただけの事。自分は日本人なので主人公が良心の呵責に責められたとか、後に水爆開発に反対したからといって、原爆の開発・投下を許す気持ちになどならない。
ユダヤ資本の強いアカデミー賞7冠受賞はさもありなんだが、同じ時に日本作品がいくつか受賞したのは配慮したのかな。 クリプトポネさん [映画館(字幕)] 3点(2024-05-04 19:41:45)

26.この映画は面白い。前半はものすごい勢いで話が展開していきます。BGMをうまく使って、リズム感を作り出しているかのようでした。登場人物の人となりもこの時点でほぼ理解できます。後半は重厚さに重きを置いた展開でした。これだけ重苦しくなりそうなテーマなのに、とても受け入れやすい作りになっています。さすがの出来と言っていいんではないでしょうか。 shoukanさん [映画館(字幕)] 9点(2024-04-29 22:36:41)

25.《ネタバレ》 『オッペンハイマー』は知性についての物語でもある。

オッペンハイマーは高い学識を持った科学者である。量子力学を学び、早くからブラックホールの存在を思考し、その生成条件を理論化、中性子星の質量限界についての計算式を発見する。その功績から、マンハッタン計画の責任者に抜擢され、グループを率いて原子爆弾の製作を実現する。計画の中で多くの人々と社会的関係を築き、複数の女性を愛し、家族を得る。ユダヤ人として、科学者として、彼は彼の正義に基づきロス・アラモスに帝国を築く。しかし、彼は優しく、弱い人間でもあった。詩人にして、文学的、芸術的思考の持ち主でもあった。そういう視線で捉えれば、帝国の内実も見えてくる。戦後、原子爆弾が広島、長崎に投下されたことについて、彼は何を見ていたか、さらに赤狩りの嵐にどう立ち向かったか?

オッペンハイマーの視点、そしてサリエリ(『アマデウス』)的なスクローズの視点。科学者(知性)と元靴売りの政治家(反知性)の対比。知性は「物自体」を正しく把握し、大衆を正しい道に導く。それが西洋的な形而上学の考え方。オッペンハイマー、アインシュタインもスピノザ的な神の信奉者であり、科学こそが知性であり、その手段であると信じていた。彼らにとっての知性こそ、社会性の基盤であった。

しかし、現代は、知性受難の時代。西洋的な形而上学は、相対主義の中でその価値と歴史を見失う。ゲーデルの不完全性定理は数学の、ハイゼンベルクの不確定性原理は科学のインテグリティを根本のところで否定する。現代において、科学は純粋に科学として取り扱われず、反知性、政治家や大衆は、科学者を奈落へと突き落とす。知性は彼を救わない。

私は、映画を観ている間、オッペンハイマーと共に、その時制の揺れと共に、ずっと揺れ、揺さぶられた。映画とは、新たな視点による歴史の追体験でもある。知性を揺さぶる文学的視線である。それにより、私自身を直視させられ、そして私は揺れるのである。社会は揺れるのである。

『オッペンハイマー』は素晴らしい文芸映画である。それは「私」に落下するが故に、私的な解釈を許す。そう、文芸作品とはそういう視線のものであると私は思っています。 onomichiさん [映画館(字幕)] 9点(2024-04-29 11:44:57)

24.《ネタバレ》 主人公の人物についてはNHKのドキュメンタリーなどで予習したうえで鑑賞したわけですが、それでも辛かった。3つの時制が次々切り返されるのに加え、3時間の長尺ですもん、置いてけぼりになりそうで本当に大変でした。オッペンハイマーの、人類史上初の核兵器開発の立役者になるという不安と恍惚は分かりました。マンハッタン計画を成功させたアメリカの底知れぬパワーも理解しました。ですが、もう1回観ろと言われたらお断りします。 次郎丸三郎さん [映画館(字幕)] 7点(2024-04-29 00:08:55)(良:1票)

23.《ネタバレ》 ついに来たオッペンハイマー。日本でのIMAX上映はキツいかと思われていた分なんとか上映されてよかったです。
個人的な話ですが初めて観る映画に行く前はいつも気分がダルくなってしまうのですが(観終わったら満足してる)、
本作でのそのダルさはもう憂鬱に変わって見る前のテンションとしては最悪でした。貴重な休日を削って3時間も原爆作った男の映画を観るのかと。しかしノーランの映画はIMAXで観なきゃいけないという強迫観念、そしてノーランの映画は見逃してはならぬという強迫観念のもと映画館に出向いたわけですが、結果として非常に良い体験でした。

ノーランの時間差攻撃も予習もあって比較的わかりやすく、絵的にも挟まる原子(?)のイメージなどで飽きがこないカッコ良い構成、そして映画館を覆い尽くす音の力でグイグイと話に引っ張られましたし、オッピー氏のなんだかんだクズなところと、危険なくらい無邪気なところ、そして天才なところの差が激しく観ていて楽しかったですね。原爆投下の直接的表現はありませんが、あのどんちゃん騒ぎが狂気的になっていくシーンはまさに地獄のようでしたし(劇場の音響だとめちゃくちゃ怖かった)、映写室での奴の顔を見ればどれだけ最悪で罪深い行為をしたか嫌でもわかります。

そして役者の面々も良い、キリアン・マーフィーも良かったですが、それよりも奥さん役のエミリー・ブラントのブチギレっぷりが最高でしたし、ロバート・ダウニーJrの温厚で無害そうなストローズおじちゃんがどんどん復讐の修羅に豹変していく具合も凄まじくて最高でした。あとマット・デイモンもパンフレットを見てようやく気づくくらいの誰やねん感で素晴らしかったです。他の登場人物も多いながらも皆個性的で見分けがつくのもよかったですね。個人的にはオッピーの友人で計画に参加しなかったラビが好きです。

そんなわけで3時間オッピーの「いや、お前さ」と言いたくなる、正直救いようのない話は飽きずに観ることができました。
話としては地味ですし、後味は正直良くないですし、日本人的にもアレな話なのですが、ノーラン映画の中では個人的には結構好きな方でしたね。 えすえふさん [映画館(字幕)] 7点(2024-04-27 10:30:38)

22.予備知識無しで鑑賞したせいか、時間軸が行ったり来たりで何が起きてるのかわかりづらく、
カラーと白黒映像の切り替えにもどのような意味があるのか直感的にはわからないし、
色々考えながら観るのに疲れてしまった。
その辺すっきりして観たい人は、多少なりとも予習してから観たほうが楽しめると思う。
何度も繰り返して観ることで理解を深めたいという気持ちにはなったよ。 おとばんさん [映画館(字幕)] 7点(2024-04-23 22:51:58)(良:1票)

21.私はマンハッタン計画についてはキュメンタリーやいくつかの本も読んで少し詳しかったので見に行きました。ところが、この映画はぐちゃぐちゃ会議だの審議会だのシーンが続いて心底退屈しました。天才科学者の栄光と苦悩といった映画なら、普通は前半を栄光、後半を苦悩の校正にするところを、監督はそんな平凡なことはしないぞいいたいのでしょう。ぐちゃぐちゃしたシーンにさらに性的シーンまで入れてげんなりです。 mtxさん [映画館(字幕)] 3点(2024-04-21 20:33:56)

20.《ネタバレ》 あえて事前情報を入れず、史実を学習せず鑑賞。
常識として日本に原爆が落とされたこと、オッペンハイマーという人は原爆を開発した科学者であったことぐらいは既知。
結果、正直長すぎてつまらなかった。
この映画は、ある程度勉強してから鑑賞することをおすすめしたい。
日本に原爆が落とされる前にアメリカ本土で実験が行われていたわけだから、初の原爆被害者はアメリカということ。意外と知られていないのではないか。(ビキニ諸島の実験のほうが有名)途中の科学者の嘔吐シーンもあったが、おそらく実験者も相当被爆していたのではないだろうか。

核融合、核分裂という、原子自体の構造にメスを入れ、結果として物質そのものの膨大なエネルギーを取り出し兵器に使う、というのは確かに神、あるいは悪魔の領域であろう。その意味でもE=MC2乗のアインシュタインがまあまあなキーパーソンであるのは象徴的。
そして空気中の原子含め連鎖反応が止まらずにこの世がなくなるかも、という懸念は、バック・トゥ・ザ・フューチャーで「過去の自分と会うパラドックスによって、宇宙が崩壊するか、単に失神するか」に受け継がれていく・・・ チェブ大王さん [映画館(字幕)] 3点(2024-04-21 01:22:07)

19.《ネタバレ》 まず、アメリカ公開から時間がたちすぎで事前情報も入りまくり、まっさらに映画を観られなかったのは本当に残念。そんな状況を作り出した配給会社に対して、私は結構怒っている。事前情報なんて蓋をしておけと思われるかもしれないが、そこそこ映画好きな人間がアカデミー賞作品に関する情報を完全遮断なんて無理に決まってる。正直、アカデミー賞のときに(事前試写で見たであろう)評論家やジャーナリストが、その内容をあーだこーだ語ってるのだって不愉快だった。これだけの大作・話題作を、まったく見られない状態でオスカーの日を迎えるなんて、なんと不幸なことだろうか。

そもそもノーランは過去に『ダークナイト・ライジング』で核兵器をものすごく雑に扱った前科がある。あれ以来、私はノーランが核を描く、という本作のコンセプトに懸念しか感じなかった。あるいは、あれがきっかけでもう一度勉強して、今度はそのリベンジなのか。そこを確かめたいという思いもあって、公開翌日に映画館へ。

さて、実際に見てみた感想としては、IMAXで見る「おっさんばかりの会話劇」は、過剰気味な音響効果も相まって見所は十分。たしかにこれは、後々まで語られる重要作品であるのは間違いないだろう。面白いのは、本作を見終わった身近なみなさんの感想が、「本当に同じ映画を観た?」と思うくらいバラバラだったこと。ある人は、核の悲惨さを描いたものだ。原爆被害のシーンを描かなくても(描かないからこそ)十分にその「恐ろしさ」を描いていたと言うし、ある人は、これはナチ対ユダヤ人の闘いとその遺産を描いた映画だと言い、別の人は赤狩り時代のアメリカを描いたものであって、核はむしろおまけだったと語っていた。オッペンハイマーの周りにいた戦前の共産主義者の闘士たちの奮闘へのリスペクトを描いた、という明らかに的外れな見解を熱弁してる人までいる。

なんでこうなったのかといえば、緻密なのにちょっと緩い(ゆえに鑑賞者の解釈の枠組が入り込みやすい)時間軸バラバラ構成のおかげなんじゃないかと思ってる。別々のシーンがバラバラに配置されているなかで、その個別の場面をつなぐ「物語」を観客一人一人が見出しやすい構造になってる。そう考えると、原爆被害を描かなかったことも理に適ってる。私は描いたほうがよかったと思ったけど、もともと核問題・原爆被害に関心がある人は、描かれなくても自分が知っている「悲惨な絵」を思い浮かべながら見れるわけだし、そうだからこそ後半のオッペンハイマーの苦悩にも感情移入しやすい。ところが、アメリカに多そうな核問題に関心ない人たちは、描かれないがゆえにそこではなく、男たちの嫉妬のドラマだったり、戦争・冷戦・赤狩りという時代を描いた大河ドラマとして、十分に楽しめてしまう。実に、賢い。作り手の物語に引き込むのではなく、観客がそれぞれを再構成しやすい構造こそが、この映画の勝利だったし、だからこその興行成績と賞レース圧勝だったのだと思う。

結論としては、映画としての出来はすばらしい。ノーラン映画のなかでも出色だし、これでオスカー取れてよかったね、という気分。だけど、この映画で『ダークナイト・ライジング』での前科を克服したとはいえない。むしろ、悪い方にパワーアップして「非社会派な映画」の最高峰に達したと考えるべきだと思う。 ころりさんさん [映画館(字幕)] 8点(2024-04-13 18:19:02)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 38人
平均点数 6.34点
000.00% line
112.63% line
200.00% line
3410.53% line
400.00% line
5513.16% line
61026.32% line
7615.79% line
8718.42% line
9513.16% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review3人
2 ストーリー評価 5.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 5.25点 Review4人
4 音楽評価 3.66点 Review3人
5 感泣評価 3.33点 Review3人

【アカデミー賞 情報】

2023年 96回
作品賞 受賞 
主演男優賞キリアン・マーフィ受賞 
助演男優賞ロバート・ダウニー・Jr受賞 
助演女優賞エミリー・ブラント候補(ノミネート) 
監督賞クリストファー・ノーラン受賞 
撮影賞ホイテ・ヴァン・ホイテマ受賞 
作曲賞(ドラマ)ルドウィグ・ゴランソン受賞 
音響賞 候補(ノミネート) 
美術賞 候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞 候補(ノミネート) 
脚色賞クリストファー・ノーラン候補(ノミネート) 
編集賞 受賞 
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2023年 81回
作品賞(ドラマ部門) 受賞 
主演男優賞(ドラマ部門)キリアン・マーフィ受賞 
助演女優賞エミリー・ブラント候補(ノミネート) 
助演男優賞ロバート・ダウニー・Jr受賞 
監督賞クリストファー・ノーラン受賞 
脚本賞クリストファー・ノーラン候補(ノミネート) 
作曲賞ルドウィグ・ゴランソン受賞 
シネマティック&Box Office業績賞 候補(ノミネート) 

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