みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.《ネタバレ》 やっぱり古いと感じた。モノクロ撮影は素敵だったし、退屈はしなかったが、のれなかった。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-03 16:20:49) 3.《ネタバレ》 高窓から光の差し込む城内の厳かな様。深い奥行きの画面がウェルズらしい。 対照的な酒場の猥雑な様。テンポよく韻を踏むダイアログ、短いショットと共に軽快に人物の動きを追うカメラが画面を弾ませる。 その酒場のセットも、材木の組み合わせと構造に妙味があって視覚的にさらに面白い。 中盤の合戦シーンは白煙の中に人物と騎馬が入り乱れる黒澤的なダイナミズムで目を瞠らせる。 ラスト、仰角のショットで成長した王の威厳を称え、寂しげに去りゆくウェルズの巨躯を小さく小さく捉えるカメラが印象的だ。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-12-16 23:39:29) ★2.《ネタバレ》 オーソン・ウェルズは傑作が多いが、俺の一番好きな作品はコレだ。 大酒飲みでほら吹きな巨漢の男フォルスタッフ。大嘘つきで狡賢い存在なのだが、何処か憎めないというか、愛嬌たっぷりで可愛気さえ感じるくらい。 冬の森から小屋へと入っていく中年の男と、ずんぐりむっくりな巨漢の老人。二人が何やら怪しい算段をたてている場面から物語は始まる。 愉快な会話のやり取りの多さ、物語がサクサク進む小気味良さ。舞台劇をそのまま映画のスケールでダイナミックに演じてしまう面白さ!いや、フォルスタッフにとって人生そのものが一世一代の舞台なのだろう。 特に宿における膨大なセリフのやり取りは面白すぎる。酒蔵でのやり取りも、ウェルズに絡んでくる若い二人の男とのやり取りも、珍妙な面接風景も、ウェルズの詭弁で何処に行ってもお祭り騒ぎ。フォルスタッフに絡むジャンヌ・モローも色気ムンムンです。 秋の林の中で馬を“手に入れる”シーンのやり取りもイチイチ面白い。あれだけ大口を叩いていた男が、その巨躯を必死に動かして逃げ惑うのである。 「マクベス」で引き締まった肉体と共に勇ましく戦っていたウェルズとは大違いだ。 それは戦場に勇みよく出陣した場面でも同様だ。中盤のおよそ10分に渡る騎馬同士の壮絶なぶつかり合い!泥に、血にまみれる戦場。 それを高みの見物、漁夫の利をあげようと茂みに潜む姑息というべきか、狡猾というべき姿。 彼について行く子供の従者すら騙して。 そんな男の人生も、もう一人の主人公というべき後のヘンリー5世となる皇太子・ハルが終止符を打つ。 最初はフォルスタッフと共に放蕩生活を送っていたハルだが、戦場での戦いが彼を誇り高い戦士に、王として身も心を変えていく。 戦いの後はまだ固い絆があって別れを惜しんだ二人だが、いざ王が死に次の王になるともう“嘘つき”と友情を結ぶワケにはいかなくなったのかも知れない。 ハルは、国の、それを支える人々のためにあえて友情を捨てる事を選んだのだろう。それはフォルスタッフのためでもあったのだろうが。 だがフォルスタッフにとってこの事ほどショックを受ける事は無かった。 底抜けに明るく始まった物語は、少し寂しい締めくくりを迎えてしまう。それでも、あのあっけないくらいの最期が逆にじんわりと心に染み込む傑作。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 10点(2014-11-30 08:45:15)(良:1票) 1.《ネタバレ》 『「市民ケーン」や「第三の男」、そしてエド・ウッドに崇拝された男』的な観られ方だけではない、映画ファンにはもっと彼の映像作家や俳優としての力量を堪能していただきたい、と思っている今日この頃である。で「偉大なるアンバーソン家の人々」や「黒い罠」でも良いのだが、彼は21世紀の文化たる映画を過去の文藝/シェイクスピアと結びつけようと試みていた一面もあり、「マクベス」「オセロ」も面白いがやはり個人的にはこの作品が大好きである。「ヘンリー4世」等の名脇役、大酒飲みでほら吹き、そして巨漢の老騎士フォルスタッフを演じる彼はまさに悪漢であり圧巻である。そして比類なるユーモア(次期王様たる王子と共にへなチョコ戴冠式をおこなうくだらなさ)と合戦シーンの細かいカット割りと迫力。私は先にこれを観たためにラッセル・クロウがいくら剣をぶんまわしても何とも思わなくなってしまった。この点数なのはやはり自分が英国文化であるシェイクスピアを完全に理解出来ていないためなのだが、あっけなさ過ぎるラストの寂寥感も含めて良い映画。機会があれば。 【Nbu2】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-05 18:55:09)
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