みんなのシネマレビュー

関心領域

The Zone of Interest
2023年【英・ポーランド・米】 上映時間:105分
ドラマ戦争もの歴史もの小説の映画化
[カンシンリョウイキ]
新規登録(2023-12-18)【Cinecdocke】さん
タイトル情報更新(2024-04-08)【イニシャルK】さん
公開開始日(2024-05-24)


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監督ジョナサン・グレイザー
キャストクリスティアン・フリーデル[男優](男優)ルドルフ・フランツ・フェルディナント・ヘス
ザンドラ・ヒュラー(女優)ヘートヴィヒ・ヘス
脚本ジョナサン・グレイザー
音楽ミカ・レヴィ
撮影ウカシュ・ジャル
配給ハピネットファントム・スタジオ
字幕翻訳松浦美奈
あらすじ
第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュヴィッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を「関心領域」(The Zone of Interest)と呼んだ。強制収容所に隣接した屋敷に住むルドルフ・フランツ・フェルディナント・ヘス所長とその家族の暮らしが淡々と綴られていく。マーティン・エイミスの同名小説を原案に、ジョナサン・グレイザーによる10年ぶりの長編にあたる本作は、2023年のカンヌ国際映画祭最大の話題作になりグランプリ(準賞)を受賞、アカデミー賞でも国際長編映画賞、音響賞の2冠を制覇した異色のホロコーストドラマ。

Cinecdocke】さん(2024-01-24)
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【クチコミ・感想】

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7.アウシュビッツ収容所の影がチラつきながらずっとホームドラマを観せられている、という映画。
価値は高いと思うが、作品として面白いわけではない。
終幕の音楽の不気味さが厳しい。
simpleさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-12-18 18:02:38)

6.予想以上に淡々と進む日常。人間は良くも悪くも環境に慣れてしまうんだな。一晩で逃げたおばあさんの書き置きを読んで、何を思ったのか。自分の日常、世界の動きについての関心・無関心について、改めて考えるきっかけになれば。 nojiさん [映画館(字幕)] 6点(2024-06-28 23:14:43)

5.《ネタバレ》 映画を見ていても、全然ワクワクしないし、ドキドキしないし、うっとりするような場面もありません。職業は特殊だと言えども、一般のサラリーマンにはありがちな転勤について、夫婦で話し合ったりしているだけです。普通でないことを象徴するようなシーンもなく、ただおぼろげに異変を感じさせます。すごく楽しみながら見ていたわけではないのに、スクリーンから目が離せませんでした。 shoukanさん [映画館(字幕)] 6点(2024-06-22 22:20:28)

4.《ネタバレ》 ユダヤ人虐殺が行われる収容所の壁一枚向こうで、優雅な暮らしをする収容所長一家を淡々と綴る。そのドラマ自体は何の変哲もなく、申し訳ないけども退屈極まりないよな。ちょっぴり皮肉すら感じる。虐殺された方々のお召し物等が積み上げられて、博物館の展示物みてえになっている最終盤は異様な印象を受けた。オンナの悲鳴みてえなBGMとエンドロールは不気味すぎる。もう一度観る。 獅子-平常心さん [映画館(字幕)] 6点(2024-06-09 08:26:31)

3.《ネタバレ》 ホロコーストの隣で営まれるホームドラマ。幸福な家族の日常がどれだけ異常の上に成り立っているのか。これは他人事じゃないぞ、おまえの事だぞと突きつけてくる。日常と異常の重ね方があまりに独創的で、忘れられないシーンが多すぎる。妻が羽織る毛皮のコート、そのポケットに入っていたもの、「カナダ」、「大量虐殺」のための打ち合わせ、不気味な音と重なるオートバイの音、河を流れてくるもの、異動の知らせと妻の反応、地下道の先にあるもの、あらゆる場所がガス室に見えてくること。考えれば考えるほど、正気を保てなくなるような描写のオンパレードで、あとで関連本やサイトで「トリビア」を知って、さらに青ざめている。正直なところ、1回限りのアイデアの勝利だとは思うけれど、ジョナサン・グレイザー監督はその1回の「賭け」に勝ったと思う。

ただ、これだけの作品でも日本公開が遅くなったことはやっぱり不満である。カンヌで話題になってから公開まで実に1年。そのあいだに日本の良心的な観客は、各所で背景など調べて鑑賞に臨んだだろう。少なくとも、(良心的かどうかは別として)私はそうだった。ナチ・ドイツ関連の本やホロコースト関連本も読んだし、専門家の解説も(ネタバレは避けつつ)見聞きしてからの鑑賞だった。おかげで見ながらだいたいのことは理解できた。でも、それでよかったのかどうか、今では疑問だ。少なくとも、それは監督の意図ではないだろう。これだけ独創的な映画の「経験」を、単なる事前学習の「答え合わせ」にしてしまった。これは予備知識なしで、「何だ?これは!?」と半分怒りながら見る映画だったのではないか。その「怒り」は、作品にも向けられるだろうが、結局は、この世界で何があったのか/何が起きているのかを知らないまま、のうのうと生きてきた自分自身への「怒り」になるのだろう。私は、怒る機会を逸してしまった。それはきっと、この映画がもっていた本当の可能性を半減させてしまったことでもあるように思う。 ころりさんさん [映画館(字幕)] 7点(2024-05-30 20:23:17)

2.《ネタバレ》  知識を求められる映画で、映像を見て音声を聴いて、そこで何が起きているのか、何故そうなっているのかが知識無しでは何も伝わってこない、それ単体では意味不明な映画ではあるの。ドキュメンタリーのようにただ事象を淡々と描いているばかりで、一部タッチの全く異なった不思議な映像が挿入される部分以外はそれが何を言っているのか説明するように描いてはいないのね。
 でも私たちはそれが何か知ってる。その塀の向こうで何が行われていたのか、その会話の中の発明がなんのためか、その会議で語られる数字がなんの事を語っているのか、その毛皮のコートが、歯が、沢山の靴が・・・そして恐怖するの。

 その一家の日常は凄まじい異常の中に成立していて、だけどそれを異常だと感じていない、正常だと信じてるのね。それは自分たちとはほぼ無関係なことだから。その日常にちらりちらりと入り込んでくる影をヒステリックに否定し自分の理想から決して外れない妻のかたくなな姿勢は恐ろしく見えながら、でも今の人々の写し鏡でもあって。

 現在進行形のイスラエルのパレスチナに対するジェノサイドはナチスの再現のようだしイスラエルに与するアメリカはバイデンを選ぶも地獄、トランプを選ぶも地獄、その二択のみの地獄。裏金をため込む自民党の犯罪者集団を罰せず知らんぷりをし、日本政府も東京都知事も弱者を切り捨て、ネトウヨは差別を是とし、それでもとりあえず日常は続く、のかな?って。

 あの一家のほんの数年後は果たしてどうなったのかしら?

 この映画とか『デデデデ』とか、朝日新聞に寄せられた相談に対する野沢直子氏のクソみたいな回答とかそれを持ち上げるクソみたいな朝日新聞の記者とか(ここら辺いちいち説明する余裕はないので調べてね)、次期都知事候補の小池都知事を持ち上げ蓮舫氏をサゲて偏向しまくるマスコミとか近々に符号する事象がぐるぐるしちゃってもうクラクラしちゃってるわ。
 じゃあアタシは何ができるの?ってとりあえずこうしてネット上に文章を残すこと、それはできるのよね。

 この映画はスクリーンの向こう側だけで完結してはいないの。 あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 7点(2024-05-29 16:58:11)

1.《ネタバレ》 「私たちはシステムに組み込まれている」。

その枠組みの中で劇的な展開が起こることのないホームドラマ。
主要人物がアウシュヴィッツ強制収容所の所長の家族であることを除けば。

『2001年宇宙の旅』を彷彿とさせるBGMのみのオープニングで"音を観る映画"だと認識させる。
一枚一枚完成度の高い、硬質でスタイリッシュなショットの数々は不純物を取り除いた無機質さであふれ、
今まで排除されてきた不純物が遠くから見え隠れする。
それが壁一枚隔てた収容所の黒い煙であり、悲鳴であり、銃声であり、
川に流れ込んだ遺灰であり、日常に溶け込んでいる。
そんな生活を送っている家族は何を思って日々を過ごしていたのか。
現在そのレビューを書いている自分にも同じことが言える。

ウクライナとガザ侵攻のニュースが対岸の火事として日々流されている裏で、
日常化したアジアや中東やアフリカや中南米の紛争・内乱について現在ほとんど触れることはない。
それだけでなく、日本でも見て見ぬふりしている問題が点在している。

100円台で提供される菓子パンの裏で、
激務の果てにベルトコンベアに巻き込まれて従業員が死亡したパン工場での事故。

ペットブームの裏で人間の身勝手で捨てられ、殺処分される愛玩動物。

セーフティーネットから取りこぼされ、命を落としていく社会的弱者。

私たちはその問題を知っている。
だが、「何もしてあげられない」。
こちらにだって社会的立場があり、生活がかかっている。
きっと80年前の所長の家族も同じだろう。
オスカー・シンドラーのように人道のために踏み出せる人などたかが知れている。

かつてジャミロクワイのPVを手掛け一躍その名を知られたジョナサン・グレイザー監督はユダヤ人の血を引く。
アカデミー賞受賞時にイスラエルのガザ侵攻を非難したが、
ハリウッドの多くを占める同胞のユダヤ系映画人は彼のスピーチに一斉に猛抗議した。
「アウシュヴィッツで起きたことと、ガザで起きていることは全く別物だ」。
自分たちが恩恵を受けてきたシステムに背くことは今まで築き上げた所有物を犠牲にする覚悟である。

大量虐殺可能なガス室の建設が決まり、
「人としておぞましいこと」を自覚しているのかは知らないが、誰もいない通路で所長は独り嘔吐しかける。
それは最後に残された彼の"人間性"か。

博物館として現代の収容所に積み上げられた虐殺の痕跡を前にルーティンワークとして淡々と掃除するスタッフたち。
ニーチェ曰く、「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている」。
80年後の世界を見つめる彼には裕福な生活を、愛する家族を守らなければならない。
異常さに耐え切れず、手紙を置いて密かに邸宅を出て行った所長の妻の母親が帰宅後に意識を切り替えるが如く、
自分もまた、悲鳴だらけのエンドロールから“普通の日常生活“へと取り繕うだろう。

「私たちはシステムに組み込まれている」。 Cinecdockeさん [映画館(字幕)] 7点(2024-05-24 22:30:17)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 6.29点
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300.00% line
400.00% line
5114.29% line
6342.86% line
7342.86% line
800.00% line
900.00% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

【アカデミー賞 情報】

2023年 96回
作品賞 候補(ノミネート) 
監督賞ジョナサン・グレイザー候補(ノミネート) 
音響賞 受賞 
脚色賞ジョナサン・グレイザー候補(ノミネート) 
外国語映画賞 受賞(国際長編映画賞)

【ゴールデングローブ賞 情報】

2023年 81回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
外国語映画賞 候補(ノミネート) 
作曲賞ミカ・レヴィ候補(ノミネート) 

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