みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★103.《ネタバレ》 死ぬまでに名作をみておけ、ということでヒッチコックを見ています。皆さん、ハズレを引きたくなければヒッチコックを選んでおけば基本的には大体どれも面白く、さすがヒッチコックといった抜群の安定感です。 本作「ダイヤルMを廻せ!」はミステリとしては極めて完成度が高い作品でした。まさにクラシックで正統派の映画、倒叙方式であるがためにとにかくハラハラドキドキしっぱなしです。またグレース・ケリー嬢の美しさといったらもうね・・ シミ―ズ姿で首を絞められるシーンは名シーンに認定しておきます。 ただ気に入らない点も少しあります。まず「時計が止まっていた」というのは解せない。犯行当日パーティ会場であれば幾らでも時計はあったハズで、犯人が自分の腕時計に固着する必要性は全くない点に違和感を感じました。また、幾ら7~80年前とはいえ他人のマンションの鍵と自室の鍵が見分けがつかないというのも少々無理があったような気がします。 ラストがハッピーエンドになっていますが、皆さんご指摘のように不倫の末のアレですから私もモヤっとした感覚が残りました。不倫の末にお金持ちの令嬢グレース嬢をさらっていった訳ですから、私でも軽く殺意が湧きますねw 現代の感覚では若干整合性が取れない部分もチラホラ見られますがとにかく、犯行間際のあのドキドキ具合ったら!!本当に素晴らしい映画ですので未見の方はぜひ一度はお試しください!(本作の監督カメオ出演はかなり笑えますので必見です!) PS 余談ですが、 Wikipediaによると”ダイヤルM”とは(Murder=殺人の頭文字M)だそうです。また、原題:Dial M for Murder を「殺人はダイヤルMまで!」とせずかなり飛躍した「ダイヤルMを廻せ!」にした邦題のセンスは本当に素晴らしいです。あと鍵に関してもWikiに書かれていて、当時の英国アパートはホテルと同じ形式で、鍵を持たずに外にでると自動的に締め出される仕組みになっていたそうです。このラッチタイプのドアの関係から、どのお宅も同じ鍵の形状であった可能性はありそうですね。。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-10-24 17:42:46) 102.《ネタバレ》 グレース・ケリーはヒッチコックが思い描いた理想の女優、女優としてだけなく女性としても良からぬ感情を持っていたとさえ噂された存在、もっとも彼女には一顧だにされなかったけどね(笑)。そんなミューズがヒッチコック映画に出演したのは54年から55年にかけてのたった三本しかないけど、本作ではヒッチが彼女に密かに抱いていた妄想(?)をさらけ出した感がありますね。そんな風に言いたくなるほど本作での彼女の所作は優雅でセクシー、シミューズ姿でスワンに絞殺されかけるシーンは官能的でさえある。女性を絞殺するというのはヒッチの拘りが最も感じられるプロットでその集大成が『フレンジー』となるわけですが、ほんとはグレース・ケリーの絞殺シーンを撮ってみたかったんじゃないかな、実はヒッチコックは変態だったんですよ。 舞台劇が基のストーリーだけにミニマムな登場人物で、ヒッチ映画でも屈指のスピードのストーリーテリングです。また英国が舞台だけに登場キャラがみな上品で優雅、男性陣のスーツ姿も決まってます。グレース・ケリーも優雅で気弱そうなキャラだけど、しっかり不倫はしているというところは官能的ですね。そしてまるで連立方程式のように組み立てられている殺人計画・その破綻・鍵を巡るトリック、この複雑なプロットをこのスピードで観せられたらご都合主義的なところも気にならなくなります。スワンは庭から窓を通って侵入したと警察に思わせるはずでしたが、仮に殺害が成功しても室内に足跡が残っていないことから侵入経路を怪しまれることになったはずで、計画が失敗したからこそレイ・ミランドがケリーに罪を被せることに方向転換したのは咄嗟の反応だったわけですね。いわばプランBですらなかったわけで、これこそご都合主義と言えるでしょう。当時の英国の住宅事情は知るべくもないけど、全然別の家の鍵の見分けがつかないってあるんでしょうかね? 不倫をネタに脅迫してきた男を殺したという容疑でマーゴは死刑判決が下されるわけですが、これは死刑制度がある日本の眼から見てもあまりに厳しい司法判断ですね。けっきょく彼女は執行前日に真相が解明して助かります。これはちょうどこの頃冤罪で死刑執行されたティモシー・エヴァンス事件が英国では大問題化していたので、この悲惨な現実からのガス抜きのような効果があったのかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-02-14 22:46:44) 101.《ネタバレ》 そうかそうか、何か気に入らないと思ったら、そもそも不貞をはたらいた妻が、終始被害者のように描かれているところが気に入らないのだ。愛人の男が、なんだか正義の味方みたいなポジションに居座っているのが気に入らないのだ。 もちろん、殺人が一番悪い。そんなことはぁわかっています。わかっているうえで、心情的にはトニーを応援してしまう。だって人間だもの・・・。でもなんとなくこれは失敗するんだろぉなぁ・・・って思い、そしてその通りになるから、なんか気に入らないんだ。 もとはと言えばマーゴとマークが悪いのに。結局トニーがお縄。不倫関係にある2人は見事に障害を排除して結ばれましたとサ、ちゃんちゃん♪。うん、胸糞悪いです♪。 救いなのは、トニーが『あーあ、ばれちゃったか。』みたいな感じで、潔いほどかっこつけてくれるんです。これで後味がそこまで悪くならない。 だいたい愛人の小説家。トニーが犠牲になってマーゴを助けようなんて、いけしゃあしゃあとどの口が言ってんだコノヤロウ、と虫唾が走ります。この愛人マークが死刑になれば良かったのに。 とゆーわけで、結果そのものは見ていて気分が良いものではなかったです。 ただその過程はとても面白い。 序盤で愛人マークが『現実は小説のように絶対うまくはいかないから』って言ったように、ことごとく計画通りに進まないのが面白い。一番の誤算は、殺し屋が返り討ちにあっちゃうこと。この鋏も予定ではそんなとこにあるはずないのに、予定外のことが起こって裁縫箱からそんなところに置きっぱなし。そのせいで計画が狂っちゃうなんてさすがのトニーも夢にも思わず。 ところが、ここからトニーは機転を効かせまくって、今度は妻を死刑にもっていっちゃう。このストーリー展開はもはや爽快ですらあります。 個人的にはそのままマーゴ死刑エンドでも良かったんだけどなぁ・・・。 伏線の回収はまさに完璧な作品でした。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-07-30 21:31:37)(良:1票) 100.《ネタバレ》 上級ミステリーなのかもしれませんが、個人的にはダメでした。 密室を舞台にセリフが行き交い、外のシーンがほとんど描かれません。 ずっとこの展開に早くも飽きが来てイヤになってしまいそう。 妻の殺害シーンからは警察が来て一気に進んでいきそうですが、なかなか進まない。 主人公の男性がまあしたたかで、賢い。その才能を殺しじゃないほうへ向ければ良いのにね。 種明かしやラストなどは感心する部分もありましたが、吹き替えではなく字幕だったのも良くなかったのかも。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-08-03 21:41:47) 99.《ネタバレ》 刑事コロンボが浮かぶあれこれ策を巡らす犯人。グレース・ケリーなのでやむを得ないのかもしれませんが、私的には妻への制裁が成功後の展開が見たかった。警部は個性に乏しく、レイ・ミランド、ロバート・カミングス、グレース・ケリー三つ巴の愛憎劇も全く盛り上がらない残念度合いが大きい作品。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 5点(2022-01-10 11:04:29) 98.《ネタバレ》 スワンは1000ポンドで殺しを請け負ったわけだが、当時のレートで言うと500万ぐらいか。 安過ぎるかなと思ったけど意外と妥当。 まあ、それは置いといて上級サスペンスは間違いない。 不倫のカタルシスとか、警部が名探偵顔負けの活躍だとか、鼻につく推理小説家とか。 無理があるところはヒッチコックマジックでねじ伏せてしまってます。犯人を追い詰めるラストも含めて展開が飽きない。 普通におもしろいです。 これでマイヒッチコックbest3は「サイコ」,「めまい」,「ダイヤルM」ですね。 【mighty guard】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-13 23:20:14) 97.《ネタバレ》 ~Dial M for Murder~ダイヤルのMは“殺人”のM。 序盤、完全犯罪のタネ明かしから入るのは珍しいと思った。説明聞きながら電気を消して、暗い中で動けるかとか確認するスワンも芸が細かい。 タネ明かしから見せるってことは、当然その通りにいかないって想像が付くんだけど、奥さんが私も出掛けるって言われたときはドキッとした。その後時計が止まって計画がズレるけど、こっちは特に悪影響なかったんだっけか? 優秀な警部相手に、とっさの思い付きで“駅で彼を見た”とか“上司の電話番号を聞くため”とかポンポン出てくるトニー。苦しい言い訳にも取れるけど凄い。 マークの推理が、最初の完全犯罪のタネ明かしとほぼ一緒なのが、ハラハラして面白い。さすが推理小説作家。 最後の鍵がマーゴのでなくスワンのだと気がつくシーン、警部の読み通りになるところをトニーのセリフ無しで見せるのも上手いなぁ。 しかし、殺人とは言え、不倫カップルに制裁を加える夫が悪人に描かれるって、なんか時代を感じてしまうなぁ。最後にマーゴとマークが警部と一緒にトニーを出迎えるところ、ハッピーエンドと言って良いんだかモヤるけど、全てを諦めて二人に酒を薦めるトニーが格好良くも見えた。 そもそも鍵を開けてすぐ、階段のカーペットに鍵をしまったスワン。自分の家の鍵とそっくりだからそうしたのか?家の鍵が多様になった最近の家では使えないネタ。このアパートの玄関、この時代にオートロックなのか?トニーが出ていくとき鍵かけてないよーな。 有罪から死刑になって執行されるまで早っ!とか、警部令状もなしにマーゴの鍵で家宅捜索しようなんてアウトローとか思ったけど、一番ビックリしたのがインターミッション。105分の映画で途中休憩が入るなんて予想外だった。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-17 21:38:47)(良:1票) 96.何だろう?ストーリーがどうもしっくりこない 自分には相性が良くない映画 【とれびやん】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-30 21:39:01) 95.《ネタバレ》 そもそも、レイ・ミランドごときがグレース・ケリーの夫だなんて、おかしいだろ、と言いたくなるのですが、心配ご無用、ちゃんと、夫婦の間はギクシャクしてます。って、何に安心してんだか。 と言う訳で、夫が代理殺人により妻を亡き者にしようとするも、事件は意外な方向へ、ってなオハナシで、だから犯人と犯行の模様は我々に明らかにされている、いわゆる倒叙モノですが、ミステリ色が濃く、その点が制約となったのかどうか。特に最初の30分くらいは会話シーンが続き、この部分がどうも説明めいた印象を与えてしまいます。 この場面では、犯行現場となる部屋の間取りや調度をじっくり描いておきたいところですが、後の展開で重要な役割を果たすアイテム(ドア、カーテン、電話など)の提示は意外に控えめ。もうちょっと印象づける描写があってもいいような気がするけど。その代わり、犯行に関与しない白手袋だのステッキだのを、レイ・ミランドは妙に強調し、これがイマイチぴんと来なくって。おそらく、彼がステッキを手放すのは、「実はステッキ無しで歩ける事を相手に示す=ここから密談が始まる」という合図、なんでしょうけど、あまり効果的な描写であるように思えません。 一方、いよいよ犯行の描写となると、これはもうお手のもの。しっかりと我々の視線を引きつけ、振り回してみせます。電話を掛ける場面ではわざわざ交換器の映像まで挿入して視覚化してみせる。一種の稚気だろうけど、見せ場の時間を引き延ばす、サスペンス上の効果も。 ミステリとして凝っている分、終盤の「謎解き」の部分はまた、少々、理屈っぽくなってしまいますが、暗い部屋で犯人を待ち構えるクライマックスなどは、スリリングに盛り上がります。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-06 10:30:09)(良:1票) 94.《ネタバレ》 不倫している妻を殺害し、妻の資産をせしめようと完全犯罪を目論む夫。殺害は失敗するものの、夫はすぐさま新たなシナリオを練って妻を死罪に追い込もうとする。ところがほんの僅かな綻びから・・と。刑事コロンボに通じるところがありますね。本格的な推理小説を読んでいるようで、よく練られたストーリーだと思いました。最後は、不倫していた妻(とその相手)が救われる結末を迎えることとなり、モヤモヤが残りましたが。中盤まではとても良かったのですが、終盤、主人公の逮捕に至るまでの過程が少し性急に感じられたので6点としました。 【wayfarer】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-15 04:23:03)(良:1票) 93.《ネタバレ》 アルフレッド・ヒッチコック監督による密室サスペンス対話劇。グレース・ケリー嬢を救え。真実はいつもヒトツ。謎解きのキーアイテムは文字通り部屋の鍵。トビラを開けちゃってジ・エンド。真犯人は分かってるんだけど、そこへの行程がうまく演出されていました。良作。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-06-23 04:34:28) 92.《ネタバレ》 ○最後まで面白く見られたが、肝心の謎解きに無理がある。○警部補がすり替えたコートを持って主人公は外出し、帰ってくるところで鍵をどう開けようとするかが文字通り「鍵」になるわけだが、主人公は外出時に鍵をかけずに出て行ったのに、帰ってきたら鍵がかかっていることを不審に思わない。○あっさり死刑にはなるし、家まで来ておいて奥さんの荷物を預かっていると言いながらデスクまで取りに来いという警部補などなど。トリックに合わせて脚本を組み立てているのか無理のあるシーンがたくさんある。○妻の彼氏が当たり前のように登場し、彼の推察が当たっており、それを主人公に聞かせるところは面白かったが。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-01-04 20:15:47) 91.面白かったけど、謎解きに無理がありませんか? 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-11-05 03:13:11) 90.《ネタバレ》 これは思い出の映画です。昔、NHKの教養テレビで月に一回、名画をノーカットで放送してて、高校生のときにこれを見て、度肝を抜かれた映画である。以来、映画の虫となった。上手には上手がいる、としみじみ思ったものだ。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2016-09-19 22:57:16) 89.何よりもハバード警部のカッコ良さが印象に残りました。追及の仕方が刑事コロンボみたいだなと。グレース・ケリーを一度は死刑囚にしているので、ヘタを打ってはいるんですけどね。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2016-04-03 19:07:30) 88.この映画はヒッチコック作品の中では何度見ても飽きない作品ですね!ただおかしいのはいくら遺産の為とは言え あんな若くて美人(私はタイプでないですが)(笑)な奥さんを殺すなんて現実にはありえませんがね! 【マロウ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-28 20:17:34) 87.《ネタバレ》 この映画が作られた当時には斬新な結末だったのだろうか。今見ると、ありふれた結末に思える。それよりも、もっと早く真実に気付けよ、警察、と思った。それに、事件の真相を調べるためとはいえ、死刑囚を家に帰すなどということが法律的に可能なのだろうかと思った。 【チョコレクター】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-03 14:12:05) 86.《ネタバレ》 犯人しか知り得ない事をみんなの前で演じてしまって一巻の終わりというのはよくあるパターン。不倫している妻を死刑判決に陥れた夫が、不倫相手から彼女を救うためにバレていないはずの実行シナリオを作り話でいいから証言してくれと頼まれるのも皮肉っぽい。それにしても完全犯罪のスタートで立案者の腕時計が止まるってのはお粗末過ぎじゃない?その後も描いたシナリオとは違う人が死んでしまうが、すぐに警察を呼ばなかったり当事者である妻が事情聴取も受けずに寝てしまうのは、夫に促されたとはいえ当時の女性はか弱き子供扱いなのか?もっともそうしないと夫は小細工できないわけだが。その他にもいくつか偶然に頼った展開が気にはなるが、その意外性が面白かったというのは皮肉っぽいか。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-10-24 22:00:34) 85.推理モノとしてかなり凝っていて興味深い。 ただし、全体的に単調な雰囲気が漂っていて緊迫感は感じ無い。ヒッチコックの中ではほどほどのものと感じるが評価は高いのだろうか。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-10 23:53:09) 84.《ネタバレ》 今作のグレース・ケリーは「裏窓」の彼女とは正反対と言っていい。 奔放そうで脚をバキバキに折った男の面倒をみたり、愛が故に独りで乗り込むなんて事もやっちゃう「裏窓」。 対して「ダイヤルMを廻せ!」は清純そうで夫が嫉妬に狂う“原因”を作ってしまう女性を演じている。 赤いドレスで接吻なんてシーンだけでも官能的なのに、薄いナイトウェアで良いケツした若妻にうろつかれた日にゃあ襲いたくもなるわ(おいコラ)。 そりゃあ何度もキスして「愛しているわ」とやっている嫁が本当は・・・なんて事されてたら誰だって怒る。それが嫉妬によって憎悪に変わる恐ろしさ。 かつてユダがキリストを裏切る際に“接吻”をしたように、この男も女に対してその接吻で応えるのである。 女が去った後、“依頼人”は“殺し屋”に異常な依頼をする。最初数分の退屈な会話が、その異常さが露呈した瞬間に張り詰める空気。 カメラが上から部屋の様子を映し、殺し屋が徐々に依頼人の計画にのっていく様子を強める。 劇中で幾度も閉じられては開けられる扉、手袋や同窓会の写真、そして鍵。鍵への執着振りは「汚名」を思い出す。 依頼人が指紋を気にする様子に殺し屋は次第に応じるようになり、椅子に投げ込まれた“前払い”を無言で受け取り依頼は成立する。 依頼人も殺し屋のために準備を整える。 鍵を確認し、カーテンを閉め、手袋、バッグから鍵を奪う、階段にかけられる手・・・。 殺し屋も依頼人を信じて闇夜に姿を現す。 もしもグレース・ケリーが不倫だけでなくあんな事やこんな事までヤッちゃった文句なしのビッチだったならば、俺はこの二人の男たちを応援していただろう。 とにかく浮気なんて許さねえという人は問答無用で応援していた人もいただろうね。 時計が緊張を高める演出。「真昼の決闘」は戦闘まで、この映画では一瞬の決着のために! 練られた計画によって繋がる二人の男。それを“切り裂く”思わぬ得物が標的をトドメる。殺っちまった瞬間の嫌悪感・それを人の前でどうにか耐えようとする気丈さ。あるいわ図太さか。 完璧な筈の計画が音を立てて崩れていく後半の二段構え。旦那も説明できない表情になっていきます。 それでも殺し屋に手紙を“渡して”まで、法によって殺害しようとする諦めの悪さ。妻への目配せも複雑、グレース・ケリーの背景も真っ赤な血のように染まる。 「君がいなければこんな事にはならなかった」 じゃあその男を殺れやっ!ホモかテメエは。どっちにしろ嘘の上塗りも限界。一枚上手の警部にもはめられて自宅で袋小路。 警部の部下「こんにちわ」 これには依頼人も苦笑いするしかなかった。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-05-09 02:34:21)(良:1票)
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