みんなのシネマレビュー

アナイアレイション -全滅領域-

Annihilation
2018年【米・英】 上映時間:115分
アクションホラーSFアドベンチャーファンタジーミステリー小説の映画化
[アナイアレイションゼンメツリョウイキ]
新規登録(2018-03-17)【皐月Goro】さん
タイトル情報更新(2024-10-14)【タコ太(ぺいぺい)】さん
公開開始日(2018-03-12)


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監督アレックス・ガーランド
キャストナタリー・ポートマン(女優)レナ
ジェニファー・ジェイソン・リー(女優)ヴェントレス博士
テッサ・トンプソン(女優)ラデック
オスカー・アイザック(男優)ケーン
ソノヤ・ミズノ(女優)ケイティ
ベネディクト・ウォン(男優)ロマックス
ジーナ・ロドリゲス(女優)アニャ・ソレンセン
坂本真綾レナ(日本語吹き替え版)
木下紗華ラデック(日本語吹き替え版)
七緒はるひキャス・シェパード(日本語吹き替え版)
小松史法ケーン(日本語吹き替え版)
脚本アレックス・ガーランド
撮影ロブ・ハーディ〔撮影〕
製作スコット・ルーディン
アンドリュー・マクドナルド〔製作〕
製作総指揮デヴィッド・エリソン
特撮ダブル・ネガティブ社(視覚効果)
美術マーク・ディグビー(プロダクション・デザイン)
衣装サミー・シェルドン・ディファー
あらすじ
とある灯台を起点として海岸地帯に謎の領域が出現。その領域は徐々に拡大しつつあった。政府は現地に調査隊を派遣するがいずれも消息不明となってしまい、いかなる方法をもってしても内部の状況を知ることが出来ずにいた。一方、生物学者のレナのもとに、行方不明となっていた軍人である夫のケインが1年ぶりに帰って来るが、彼は突如として瀕死の状況になってしまう。そして、夫が調査隊員として謎の領域に派遣されていたことを知ったレナは、夫の身に何が起きたのかを知るべく新たに派遣される調査隊の一員に志願するのだった。果たして、謎の領域の内部で彼女が知る真実とは?

タコ太(ぺいぺい)】さん(2024-05-20)
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【クチコミ・感想】

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17.《ネタバレ》 原作は未読です。おそらくは、原作を読み込んだ上で原作の世界観に照らし合わせて鑑賞すれば、もう少し楽しめたのかなと思いました。

冒頭、灯台に激突する謎の光体。それ自体が生命体あるいは生命体以上の存在なのでしょう。灯台を起点として拡大する領域内では元々の存在を分解し再構築した新たな存在が生み出される。(どうやら100%ではないようですが)その結果、領域内は外部から見れば異世界の様相を呈している。(今ひとつ不十分に思える変異ですが)これはエイリアンによる侵略なのか?それとも、知的で意図的な行為ではなく、ウィルスなどによるより本能的な生命活動なのか?

変異した生物は様々な行動や現象を起こすものの、いずれも決して地球侵略を思わせるような能動的なものではない。地球の支配者層である人間についても、血液や細胞が変異したりクローン的存在が生み出されるたりするだけで、それによって何をしたいのかは全く解らない。これじゃヒロインや夫やドクター同様「分からない」ばかりでお手上げです。伏線回収も今ひとつ物足りないところですし。その割にはヒロインの浮気シーンとか挟んだりしてますが。

SFというジャンルは昔から好物ですが、哲学的なテーマなり冒険活劇的なテーマなり、何か明確なテーマを提示してくれないとどうも個人的にはスッキリしないと言うか、作品世界に没入出来ないです。

冒頭に書きました通り原作未読です。なのであくまでも本作のみの感想としてですが、今ひとつ楽しめないで終わってしまいました。 タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(字幕)] 5点(2024-05-20 13:50:06)

16.《ネタバレ》 「エクス・マキナ」の監督なだけあってどこかアーティスティックな感じがします。
冒頭の尋問っから静かに進み、時に夫との思い出を挟みつつ、シマー内の様子はグロテスクだけどそこまで嫌悪感を感じさせない作り、時折芸術的とさえ感じさせるグロテスクさがあります、、、って元々グロテスク自体が美術用語ですが。
ホラー映画としてはあまりギョッとする作りではありませんでしたが、灯台内で邂逅する最後の模倣体?の場面のシーンはちょっとゾッとしました。
どことなくラヴクラフト臭もするので、結構好きな部類の作品でした。 クリムゾン・キングさん [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-03 00:28:35)

15.《ネタバレ》 なるほど、ジャンル分けするならSFかホラーか、という作品に感じられるのは確かですが、描こうとしているSF的概念にせよそれがもたらす一種の恐怖にせよ、かなり抽象的で曖昧なモノなのですよね。その意味では、邦題がちょっとイケてないかも知れませんね。原作小説の邦題が『全滅領域』で原題が(+映画の原題も)『Annihilation』なので、映画の邦題も無難と言えば無難なのですが、繋げちゃうとなんか…もうチョイ物質的で多少チープめなSFにも見えますよね。

ただ、そーいう作品としては中々細部まで好く出来てたのではないでしょーかね。肝心なトコロが抽象的、とは言ったものの、映画の入りは結構フツーのSFに見えなくもなくて、ただそこから続いてゆくひたすら緩慢なテンポや、起承転結がイマイチ感じられないただただ不穏な展開運びが次第次第にどこか寒々しくて血の通った感じのしない異様な空気をつくり上げてゆき、ラスト、灯台付近で映像的にも異世界感を一気に炸裂させてどこか違う次元へと連れ去られる様な、とゆーのが実に爽快だったですよ。そのラスト付近の映像表現もかなりユニークで「美しい」モノだったりで、その面でのお得感もかなり高度でしたし。

確かにオーラスの「瞳」の描写はちょっとよく分かりませんでしたが(個人的には蛇足に見えます)、総合的にはかなり楽しんで観ることができました。ナタリー・ポートマンの品格も(ある種ちょっと「お高く留まった」本作には)非常に効果的だったと思いますね。 Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-09-19 23:09:18)


14.《ネタバレ》 アーティストな才能をもった宇宙人が地球上に壮大なインスタレーションを創作しようとする映画。


ほんと、この宇宙人すごくアートの才能あるよ。

シマーというアトリエの中では、美しい花々をひとつの株に咲かせるという斬新な作品、人間の形をした植物という作品…。

廃墟となった基地の中には、人間の体を破壊していろいろな素材で飾り立てた華麗なるウォールアートを残し、
灯台は灯台の色であるオフホワイトに合わせて、オフホワイトを基調としたコケのようなものを漆喰のようなもので装飾している。

浜辺のガラス状の樹々は美しく、ヴェントレスおばさんの口から出てきたイルミネーションアートもなかなかのレベルだ。

人間の声をまねる熊さんや、生まれたての超合金みたいな宇宙人がレナやレナの夫の見た目をまねて見た目も動きも本人になっていくという行為は、地球上生物へのオマージュだろう。

灯台の中でレナとあらゆる動きをシンクロさせている様子は、アヴァンギャルドな舞踏芸術。


そう、この宇宙人は、地球にやってきてアートで一旗揚げたかったのだ。


ただ、描写していることに一貫性がないのがいまひとつ。

生き残ったはずのレナの夫はオマージュ作品だが、レナもどうやらウィルス感染みたいに、宇宙人に体をのっとられている。
オマージュ作品を作るプロセス(あの鋼鉄みたいなボディから人間に変化する)だけでなく、ウィルス感染みたいなことも起きていて
どっちつかずになっている

エイリアンみたいに卵から産まれたフェイスハガーが人間の顔にくっついたらお腹からエイリアン生まれちゃう、とか、
ゾンビ映画みたいにかまれたり血を体内に入れたらゾンビになっちゃうとか、プロセスは印象的なものを1つだけに絞らないと、
全体のまとまりがよくないです。

ビデオの中でお腹の中に蛇らしきものが蠢く映像が映っていたが、エイリアンみたいにお腹に謎の生物が寄生するという現象を見せておいて、その後同じ現象が誰にも起きないってのも、じゃぁなんのために「後から来る隊員へ」なんて書いてわざわざメモリーカードを残すのかっていうことになります。


そこをきちんとやっておけば、アート好きな宇宙人が地球で個展を開こうとして奮闘しているドラマなんだなと受け止めることができたのに、残念です。

(とりあえず、宇宙人となったレナ夫と、宇宙人に体をのっとられたレナは
宇宙人のアートの才能を受け継いで、今後は夫婦でアート作品を続々と作り出して、世界的に有名なアーティスト夫婦として知られることになるでしょう、たぶん。)
フィンセントさん [インターネット(字幕)] 4点(2021-06-24 08:31:46)

13.《ネタバレ》 映像=キレイ、設定=面白い、キャスト=素晴らしい、雰囲気=素敵、流れ=良い、脚本=微妙。

エクス・マキナ監督の新作ということで期待しましたが、予想以上の難しさ。原作を知っている方には意外と評判が良かったみたいですが、映画だけ見た人には「???」が多い脚本でした。ぶっちゃけ、脚本以外の部分はかなり良い感じなので、脚本(特に謎解きの部分)もう少し何とかならなかったの?と少々残念でした。(謎が残ること自体はOKですが、本当に何一つ解決しないままシマーが消滅しちゃうんですよねぇ)
旦那の別人感も最後まで生かされず(ラストのサプライズとして残したのでしょうが)、そもそも主人公が最初から最後まで「わからない」を連発していて、これでは観客には伝わらないよねっ、と。。まあしかし仮に主人公にストーリーテリングさせていたとしても結局は内容が難しすぎてついていけない感じが溢れていますので、どちらにせよこの本の映画化を選んだ時点で微妙になるのは想定内でしょうか。

映像も綺麗だしシマ―内の事件の数々、登場人物のバックボーンも面白く、あれもこれもいちいち意味深で興味深いです。個人的には人型になる植物の件はもう少し掘り下げて欲しかったです。。また、目的意識のシッカリした人間が多数シマ―内に入った場合どうなるかも興味が湧きました。JJリーの最期がイミフでしたが、ラストの得体の知れない恐怖のドッペルゲンガーは秀逸でした。

個人的にはドゥニ・ヴィルヌーヴなんかより断然アレックス・ガーランド派なので今後も頑張っていただきたいです。(好きなジャンルなので若干甘めの点数で) アラジン2014さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-14 11:30:13)

12.《ネタバレ》 アメリカの国立公園の海岸沿いに建つ小さな灯台。この何の変哲もない小さな建物にある日突然、不可解な謎の現象が発生する。光輝く空間が灯台を中心に現れ、やがてゆっくりと周りを呑み込み始めたのだ。中で何が起こっているのか、最新の機器を使っても皆目分からなかった。幾つもの調査隊が組まれ、その「シマー」と名付けられた光の中へと送り込まれる。だが、誰一人として帰ってくることはなく、「シマー」はますますその範囲を拡大し続けるのだった――。何の進展もないまま三年もの月日が過ぎたころ、生物学者として大学で教鞭をとっていたレナの元に、海兵隊員で一年前にシマーへと送り込まれたまま音信不通となっていた夫が急に帰宅する。彼は「シマー」の中での記憶を完全に失っていたばかりか、内臓に重度の損傷を負っていてすぐに昏睡状態へと陥ってしまうのだった。動揺を隠せないレナ。新たに調査隊が組まれることを知った彼女は夫の身に何が起こったのか確かめるべく、無謀にも入隊することを決意する。これまでと違い、学者だけでしかも皆が女性という五人の調査隊の一員となったレナは、その光り輝く「シマー」の中へと足を踏み入れるのだったが…。果たしてこの「シマー」には何があるのか?静かに始まった人類の危機へと立ち向かう女性たちの驚愕の体験をスタイリッシュな映像で描くSFスリラー。監督は前作『エクス・マキナ』でスマッシュヒットを飛ばしたアレックス・ガーランド。主演はオスカー俳優でもある人気女優ナタリー・ポートマン。この監督らしい知的センスに溢れた世界観とシャープでスタイリッシュな映像美はなかなか見応えありました。この謎の現象の中心に近づくと全ての生物のDNAがどんどんと掻き乱されてゆき、やがて突然変異した異形の生き物が幾つも現れるというのはベタですけどけっこう面白かった。グロテスクな映像もそこまでショッキングなものにならず、全体的に何処か気品のようなものを感じさせるのもこの監督のセンスがなせる技なんでしょう。ただ、惜しいのはラストの展開。謎を謎のまま終わらせるのはもちろんいいのですが、いまいちテーマの掘り下げが足らない印象。同じような内容のドニ・ヴェルヌ―ヴ監督の重厚なSFドラマ『メッセージ』などと比べるとやはり深みが足らないように思う。だからと言ってエンタメ作品として捉えると、やはり刺激に欠ける。うーん、なんとも中途半端。映像や世界観は非常に良かっただけに、ちょっと物足りない作品でありました。 かたゆきさん [DVD(字幕)] 6点(2019-08-20 13:59:59)

11.ナタリー・ポートマン主演が勿体無いと思う。
SFだから謎があっても良いのだが、謎が全く解けた気がしない。
2回見れば分かるのかも? あきぴー@武蔵国さん [DVD(字幕)] 4点(2019-08-17 23:41:37)

10.監督のアレックス・ガーランドの作家性は独特ですね。
不可解で緊迫感に満ちた状況自体を描くと言うか、例えれば
超モダンな蝋人形館に入った感覚がするのだ(笑

M・ナイト・シャマランのように、おええ!そうだったのぉー!! 的な物語性ではなくて
前作『エクス・マキナ』も同じだが一種のアート世界を観せられている感覚。

だから、好き嫌いが本当に別れる。
SFなので“謎”とその“解明”が本来のポイントだが、そこは実に薄い。
出落ちくらいに予測させられ、たぶん故意に結末感を薄めている。

これは美術鑑賞と同じで、本来の絵の意味よりも
見た者それぞれが受けた感覚を自由に自分の中で広げて愉しむ映画でしょう。

なお、原作小説は三部作らしい。

2019.5.13 アマゾンPrimeで視聴 墨石亜乱さん [インターネット(吹替)] 6点(2019-05-16 11:57:16)

9.ネトフリ限定だったが、TSUTAYAでもレンタル開始していたので鑑賞。

もっとクリーチャーと戦いまくるようなのを期待していただけにこれは肩透かし。
何が起こっているのかよくわからないけども、何か物凄い事が起こっているぞ!と思わせる系のSFホラーだった。

映像もなかなか美しいし、じわじわと来る怖さはあるのだけれども、あまりにもスローなテンポと説明不足により結局なんだったのか?と思っちゃって、それほど熱中は出来なかった。

主演のナタリー・ポートマンにしても、喜怒哀楽が薄く終始同じ表情である為、何処か他人事のようであまり感情移入も出来なかった。 ヴレアさん [DVD(字幕)] 4点(2019-05-15 18:25:52)

8.《ネタバレ》 ナタリー・ポートマンが出ているので視聴したが、全く好みでない作品でした。 pokobunさん [インターネット(吹替)] 4点(2019-05-05 23:41:22)

7.《ネタバレ》 冒頭、CSN&Yのアコースティックな音楽からの終盤、陰鬱でアンビエントな効果音の流れがストーリー展開を引き立たせ効いていた。最後はやっぱり本当の旦那ではなかったのですよね? ということは視聴者に委ねられているのか。ともあれ、平成最後の日は自宅でネットフリックス鑑賞。映画好きは変わらねど、時代でその環境はどんどん移り変わっていくのですねえ。 kaaazさん [インターネット(字幕)] 8点(2019-04-30 22:07:42)

6.《ネタバレ》 決してつまらなくは無いが、物凄く面白い訳でも無い。
本作の様なテーマは具体的な映像にすると途端に稚拙に見えてしまうものだ。
映画よりも舞台演劇の方が本作の雰囲気・世界観をより深く追求出来たのではないだろうか。 たくわんさん [インターネット(字幕)] 5点(2019-04-01 11:51:08)

5.《ネタバレ》 地球の生物誕生は宇宙から来たという説もあるように灯台に降って来た隕石の連中もそんな奴だろう。
連中は自分たちの住みやすい世界にするためなのかわからないが既存生物達の遺伝子をごちゃ混ぜにする。
そんな所に自ら入る事を決めた女達。
結界の中は美しくも不気味で残酷な世界。生物は皆変異し、異形のものと化している。
狂ってしまった人間達、心を取り込む獣、そして美しい動物、植物。
本作はパニックや残酷な描写はありつつも、それをなるべくドライで静かに描写し、視聴者はこの不思議な世界を主人公レナを通して冷静に世界を観察する事が出来る。
そして灯台にたどり着いた時、何者とも言えないモノの存在感を見てしまったときの高揚感、不安、気持ち悪さは最高だ。不気味すぎる音楽もたまらない。
ラストは意外とあっけないが、コレから先、一体この二人はどうなっていくのか余韻に浸りながら終われました。
Netflixは凄い。こんなSFまでもやってしまうとは恐れ入りました。出来るならブルーレイで見たい、美しく気味の悪い素晴らしい作品だ。 えすえふさん [インターネット(吹替)] 7点(2018-12-28 12:32:23)

4.《ネタバレ》 美しくもグロテスクな映像には見所がある。
ただ脚本がもうひとつ。まず設定がありふれている。
それにモンスターの出現タイミングなど、あまりにアトラクション要素が強くて冷める部分も多い。
終盤の長ったらしいドッペルゲンガーとの対峙も必要性を感じなかった。 Nigさん [インターネット(字幕)] 5点(2018-08-18 01:18:27)

3.《ネタバレ》 Netflixにて鑑賞。と言うかこれは独占公開か?ネット配信も馬鹿にならない時代になったものだなぁと思う。監督のアレックス・ガーランドは「エクス・マキナ」の監督でも知られているが、この作品も静かな雰囲気はよく似ている。登場人物がみな静かで理性的なので落ち着いて鑑賞できる。この雰囲気は悪くない。異世界と化した森の光景も美しい。ラストが今ひとつだがそこまでは退屈せずに見る事が出来た。充分な出来じゃないでしょうか。 ぴのづかさん [インターネット(字幕)] 7点(2018-06-05 22:19:00)

2.美しく、そして残酷な、“未知との遭遇”。
映画全編に渡る得体の知れない恐怖感と、「世界」と「世界」の狭間を描き出したビジュアルの美意識自体は、決して嫌いじゃなかった。
幻想的で、芸術的、そして観念的なアプローチによるSF的な解釈は、興味をそそられた。
けれど、映画の中の“調査隊”が謎と恐怖に包み込まれた真相に突き進む程、ストーリー的な推進力は緩慢になり、残念ながら面白味も霧散していくようだった。

詰まるところ、「SF」として物語を紡ぐには、それを語り切るに相応しいストーリーテリング力が欠如していたのだと思う。
理解し難く、“答え”そのものを観る側に委ねるタイプのSF映画は多々あるし、それはそれで大好物だけれども、この映画の場合は、秘められているのであろう“哲学性”が巧く表現できているとは言えず、展開の稚拙さや唐突さが雑音となり、それがどんどん大きくなったまま終幕してしまった。

ナタリー・ポートマン演じる主人公が、オープニングからエンディングに至るまで、ひたすらに「わからない」を繰り返すばかりでは、流石にストーリーそのものを放り投げすぎじゃないか。
そう思わせてしまった時点で、この映画の目指した“試み”は失敗しているのだと思う。
プロットやストーリーにおけるアイデアそのものは、過去のSFスリラーでも幾度も描かれている類のものなので、この映画が描いている顛末は何となく理解できる。しかし、観客にそれを腑に落ちさせなければ、それは単なる自己満足的な絵空事に過ぎない。

「エクスマキナ」で一躍気鋭監督となったアレックス・ガーランドの最新作であり、キャストも一流どころを揃えているにも関わらず、劇場公開が難航し、一転してNetflix公開となったこの映画の辿った道程の「理由」が、何となく見えてくる。

予算面含めて、もう少し製作環境が整っていたならば、それこそSF映画の新たな傑作になり得ていた可能性も感じるだけに、SF映画ファンとしては至極残念だ。 鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 4点(2018-06-04 17:25:00)

1.《ネタバレ》 某映画ブログで紹介されていて、気になったので鑑賞。
もっとこうDNAが変質した異形の生物がじゃんじゃか出てくるのかと思ったが、ちょっと雰囲気の変わったジャングル探索が多い。
ワニも見た目は違いがわからんし、人間の声を取り込んだ熊も、そんなにインパクトのある見た目でもないし・・・
もっとこう、主人公が尋問されてる時に語った、「全く同一の生物」や、「奥に行くたびに顕著になった変化」というのを見せていってほしかった。
通常のジャングルとほとんど変わんないんだもん。
廃墟と化した町の雰囲気は良かっただけに、もう少し廃墟感のある場所ももっとほしかったかなぁ。
あと暗いシーンが多く、暗さでごまかされている感が。

こうなった原因がわからないなど、ぼかされた脚本は嫌いじゃない。
色々推測できるしね。考察サイトをめぐる楽しみも生まれるし。
ただ、色々印象的なシーンが多いが、予算がなかったのかな?と思わせる絵面があんまりよくなかったかなぁ。特に最後の灯台付近と灯台内での宇宙人?のビジュアル。

で、まあネットフリックス限定映画だから、ネトフリが作成した映画だと勘違いしてて、ネトフリ作成映画だから俳優で予算が尽きたんじゃぁしょうがないかぁと、一緒に見た友人らと笑って終わったんですが、この映画は元々劇場公開用(アメリカでは劇場公開している)だったのね。
後から知りました。
んー、劇場用で作成されてたのか・・・うーん。
金のかかったドラマの劇場版みたいな印象の映画でしたよ。
チャプター仕立てだったのもあり、元々章ごとに公開予定のものを、1本にまとめたものにも思えたし。
なんか、期待しすぎた反動で、ちょっとがっかりしました。
悪くはなかったんですけどね。 みーちゃんさん [インターネット(吹替)] 6点(2018-05-07 15:32:38)

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【点数情報】

Review人数 17人
平均点数 5.65点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
4529.41% line
5317.65% line
6423.53% line
7317.65% line
8211.76% line
900.00% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 4.50点 Review2人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 7.00点 Review1人
5 感泣評価 4.00点 Review1人

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