みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★7.祝・デジタルリマスター版Blu-ray発売! 昭和初期の東京。 私立探偵:魚塚甚(佐野史郎)は「誘拐された娘“桔梗”(佳村萠)を探し出して欲しい」と依頼される。 依頼者は月島桜という女性。調査を始めた魚塚は“Mパテー商会”なる怪しげな一団に行き当たる。 さらに、事件と深く繋がる無声時代劇『永遠の謎』とは一体何か? 魚塚は謎の向こうに何を見るのか? そして桔梗は何処に・・・・・・ - 初めて観たのは、三越劇場だったかな?ミニシアターでの上映でした。 不鮮明な白黒画面、無声映画に活弁という古風なスタイルを〝あえて〟とった、邦画には珍しいカルト作品と言えます。 その狙って作ったスタイルが見事に〝映画への愛〟を美しくピュアに描き切っていて素晴らしい。 原案・脚本・監督は、これがデビュー作の林海象。後の『帝都物語』の脚本や『探偵 濱マイク』シリーズなども素晴らしい仕事。 1986年製作なので30年以上前のインディーズ作品ですが、変則的な劇中劇は今で言う【メタ構造】で林監督の才能が感じられます。 あがた森魚の音楽も映像にぴたりと符合し、独特の世界観を構築しています。 今回、国内版Blu-rayと米国ARROW VIDEO版Blu-rayの両方を購入しましたので、好き過ぎで書けなかったレビューをやっと書きました。 ARROW VIDEO版で確認したデジタルリマスター映像の鮮明さは、DVDとは雲泥の差です。 ただ、劇中映画『永遠の謎』は元々あったグレイン(画面の粒子感)までパキッと鮮明になり、古い活動写真の表現として逆効果に感じました。まあ「見ようによっては」ですが。 総合的には素晴らしいリマスター。いや、劇場鑑賞の印象さえ遥かに越えて鮮烈で作品に惚れ直しました。 - 映像特典(ARROW VIDEO版) ・本編オーディオコメンタリー1:林海象監督と主演佐野史郎さん(※DVDのコメンタリーと同じ音源を使用) ・本編オーディオコメンタリー2:日本映画専門家トム・メスとジャスパー・シャープ(※字幕なし) ・佐野史郎さんインタビュー「卵はいくつ?」(28分49秒) ・活弁士 澤登翠さんインタビュー(18分13秒) ・澤登翠さんによる劇中映画「永遠の謎」の活弁パフォーマンス(6分47秒) ・「夢見るように眠りたい」修復メイキング(4分01秒) ・サイレント時代劇のシーン(2分40秒)※京都おもちゃ博物館アーカイブより ・オリジナル劇場予告編(2分38秒) ・英語版予告編(2分38秒) ・静止画ギャラリー 映像特典(国内:ドリームキッド版) ・本編オーディオコメンタリー:林海象監督と主演佐野史郎さん ・予告編(2分39秒) ・英語版予告編(2分39秒) ・修復メイキング(4分17秒) ・林海象監督メッセージ(43秒) ・対談映像:林海象監督と主演佐野史郎さん(4分23秒) 舞台活動から映画へと脱皮する林監督の、気恥ずかしい程の“その時”がフィルムに焼き着いて、同じく“その時”の私に共鳴したのだと思います。 【墨石亜乱】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-04-08 19:15:24) 6.《ネタバレ》 謎の依頼からはじまる。 これは未完の映画を終わらせるというタイトルにつながるとこがいい。 謎・・といえば、昔、学研やらなにやらで 謎の正体をあばいたような、おもしろ博物大百科みたいな 子供向けの本があったが、この映画もそのイメージだった。 ディテールとか、小物とか、 (日本的な)謎めいたものが多く、楽しかった。 観終わった後、古本屋に行きたくなった。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-04-25 12:51:57) 5.《ネタバレ》 途中で見えてくるのが早すぎる気が。もっとミスリードさせるような、仕掛けが凝っててもよかったんじゃないですかね、明らかに不自然な…。居酒屋か何かに入った時の魚塚のフラッシュバックみたいなのだけが何故起こったのかよくわからなかった。あと、小林が異常に強いのは何故ですか。 【デフォルトモード】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-23 19:58:30) 4.《ネタバレ》 ①叶わなかった「想い」を片時も忘れずに、老女となった今、胸の奥に秘めながら静かに人生の幕を閉じる。というモチーフと、■②「現実と虚構」そして「現在と過去」が錯綜しつつラストを迎える。という大好きなモチーフが2つもありました。■①の「遂げられなかった想い」は「シザーハンズ」や「タイタニック」にも見られるものです。「若さ」「美しさ」というプラスのベクトルの中で輝やかしき瞬間を持ち、それ故に他人の心を揺さぶり、ドラマが生じる。様々な要因によって想いは遂げられず、不本意で永い人生を歩むことになる。いつしか「老い」「衰え」という負のベクトルの中で、その終着点である「死」を迎える。死に逝く彼女の胸に去来するものは、「若さ」「美しさ」に恵まれながらも、「想い」を遂げられなかった運命への悔恨..。しかしこの死の到来によって彼女達は時間や肉体をも超越した“回帰”という方法で「想い」を遂げていくのです。「タイタニック」では舞踏会で彼と再会をし、この映画では黒頭巾によって救出されるのです。ここにおいて「死」は気が遠くなるほどの永い“消化試合”であったこの人生から放たれて、本来あるべき人生を生きるための、「崇高なる儀式」となるのです。■②の「現実と虚構の融合」というモチーフは、「田園に死す」や「陽炎座」、「マトリックス」や「ダークシティ」に共通します。知的な迷宮に身を任す快感と映画の構造的な解を得たときの高揚感は、映像という媒体でこそ得られるものと信じます。■さて本題の「夢みるように眠りたい」は、やっと終了10分前にして「現実と虚構」の急接近で映画が動き始めます。桔梗を探索するうちに、50年前の未完の映画の結末を演じていた、いや、演じさせられていた!という構造的な解に刺激を受け、「虚構・過去」である黒頭巾が探偵によって実体を成し、時空を超えてラストシーンを構築していく。そんな静的なスペクタルに魅せられたのです。「夢みるように眠る = 穏やかな死 → マイナスのベクトルからの開放 → プラスのベクトルを持つ桔梗への“回帰”」の図式の中で、現実において自らの「人生の終焉」を迎え、虚構では「映画の人生を成就」させていくのです。「現実」からも「虚構」からも独立した、映像ならではのラストシーンは、「想い」が叶い、「現実と虚構」「現在と過去」が渾然となった映像的エクスタシーに満ちたものでした。 【マーク・レスター】さん 6点(2004-08-28 22:57:10) 3.当時としては斬新な感覚で、日本のティム・バートンに(もういいって)。いや、でもこれは良い話でした。 【マックロウ】さん 7点(2004-06-30 20:55:17) 2.ゆで卵が印象に残る作品ですね(笑)。サイレントの手法を取り入れたり、モノクロだったりで、あえてそういうやり方で撮った面白さというのはありますが、ストーリーが今ひとつ物足りなかったので、このくらいの評価です。佐野史郎は好いですね。 【オオカミ】さん 7点(2003-11-30 16:43:44) 1.当時は白黒、サイレントのアイディアにヤラレタと感心してしまった。今思うと少々あざとく、嫌味に思えるが、林海象と佐野史郎のデビュー?作、佳村萌が出ているという事で大甘採点。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2003-11-15 16:23:22)
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