みんなのシネマレビュー

不毛地帯

1976年【日】 上映時間:181分
ドラマ戦争もの政治もの小説の映画化
[フモウチタイ]
新規登録(2004-06-23)【亜流派 十五郎】さん
タイトル情報更新(2023-07-18)【イニシャルK】さん
公開開始日(1976-08-28)


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監督山本薩夫
助監督後藤俊夫
キャスト仲代達矢(男優)壱岐正
丹波哲郎(男優)川又空将補
八千草薫(女優)壱岐佳子
秋吉久美子(女優)壱岐直子
藤村志保(女優)川又久代
山形勲(男優)大門近畿商事社長
神山繁(男優)里井専務
小沢栄太郎(男優)貝塚官房長
田宮二郎(男優)鮫島東京商事航空機部長
大滝秀治(男優)久松経企庁長官
日下武史(男優)小出航空機部員
小松方正(男優)芦田二佐
加藤嘉(男優)原田空幕長
高橋悦史(男優)警視庁捜査二課長
井川比佐志(男優)毎朝新聞田原記者
仲谷昇(男優)与謝野外国部長
山本圭(男優)塙ロスアンゼルス駐在員
北大路欣也(男優)海部ニューヨーク駐在員
石浜朗(男優)柳社長秘書
内田朝雄(男優)山城防衛庁長官
藤岡重慶(男優)秦関東軍参謀長
神田隆(男優)佐橋大蔵大臣
辻萬長(男優)木村二佐
青木義朗(男優)石原司令官
永井智雄(男優)毎朝新聞政治部長
山口崇(男優)兵頭繊維部員
嵯峨善兵(男優)梅津大本営参謀総長
加藤茂雄(男優)
久野征四郎(男優)
梅津栄(男優)
久米明(男優)
鈴木瑞穂ナレーター
原作山崎豊子「不毛地帯」
脚本山田信夫
音楽佐藤勝
撮影黒田清巳
製作佐藤一郎
市川喜一
宮古とく子
配給東宝
特撮川北紘一(特技監督)(ノンクレジット)
美術間野重雄
編集鍋島惇
南とめ(ネガ編集)
録音西崎英雄
照明岡本健一[照明]
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【クチコミ・感想】

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25.中学生時分に夢中で読んだ「不毛地帯」
山崎豊子さん作品で白い巨塔に次いで好きな作品。
映画は初見。
白い不毛地帯、赤い不毛地帯の内、白い不毛地帯の戦闘機商戦が描かれています。
安保シーンで壱岐直子が父親に噛み付く幼稚な台詞。
監督の思想が思い切りぶち込まれていて仰天。
それ以外は名優の熱演で見応えがありました。 The Grey Heronさん [DVD(邦画)] 6点(2024-01-08 02:27:37)

24.《ネタバレ》 現在の日本映画で、ほとんど製作されなくなった社会派映画。
かつては、山本薩夫監督や、熊井啓監督など、数多くの気骨のある映画監督がいたものでしたが、現在の日本映画の衰退、凋落傾向の中、そのような気骨のある映画監督が全くいなくなりました。

この東宝映画「不毛地帯」は、昭和34年当時、二次防の第一次FX選定をめぐるロッキード対グラマンの"黒い商戦"を素材にした山崎豊子の原作の映画化作品です。

この映画は、その相当部分が主人公の元大本営参謀であった、壱岐正(仲代達矢)のシベリア抑留11年の描写に当てられています。
そして、この主人公の壱岐正のモデルは、元伊藤忠相談役の瀬島龍三氏であったのは言うまでもありません。

「白い巨塔」「華麗なる一族」に続くこの山崎豊子の原作は、高度経済成長下の熾烈な経済競争で荒廃してしまった"日本の精神的不毛地帯"と、厳しい自然と、全く自由を奪われた強制収容所という"シベリアの不毛地帯"を重ね合わせ、この二つの不毛地帯を、幼年学校以来、軍人精神をたたきこまれた主人公の壱岐正が、如何に生きていくか、その"人間的苦悩"に焦点を絞って描いている小説だと思います。

この映画の監督は社会派の作品を得意とする山本薩夫。
「戦争と人間」三部作、「華麗なる一族」「金環蝕」とその作風はある意味、一貫している監督です。

原作ではシベリアでの飢えと拷問の監獄、それに続く悲惨な収容所生活に多くのページを割いており、ソルジェニーツィンの「収容所群島」を連想させますが、この映画では、シベリアの部分はほとんどカットされており、ソ連内務省の取り調べも、天皇の戦争責任にポイントをおくためのものになっているように思います。

また、安保闘争をこの映画と切り離せない社会的背景とみて、原作にはないのを山本監督は意識的かつ重点的に付け加えています。
更に、自衛隊反対の自己の主張を壱岐の娘、直子(秋吉久美子)の口から繰り返し語らせているのです。

そして、当時、社会の関心が集中していた"ロッキード事件"を意識して、その徹底糾明のためのキャンペーン映画として作られており、山本監督は、それを抉るために彼の"政治的立場"に沿って、人間関係を明快に整理しているようにも思います。

原作者の山崎豊子は、「作者としては、どこまでも主人公、壱岐正が、その黒い翼の商戦の中で如何に苦悩し、傷つき、血を流したか、主人公の人間像、心の襞を克明に映像化してほしかった。この点、山本監督は、イデオロギー的な立場で、主人公を結論づけ、描いておられる。そこが小説と映画との根本的な相違であるといえる」と強い不満を語っていましたが、もっともな事だと思います。

山本監督は、「『金環蝕』も『不毛地帯』も、そのストーリーこそ違うものの、いずれも、本質的には日本の保守政治の構造が生んだ事件であり、今回のロッキード事件とその点で共通していると言える。私が『不毛地帯』を撮るにあたり、こうした保守政治の体質にいかに迫るかが、私にとって大きな課題となった」と、この映画「不毛地帯」の製作意図を語っており、このようにこの映画が、"政治的な意図"を持った映画である事を、我々映画を観る者は、よく認識しておく必要があると思います。

当時のロッキード事件というものと関連させて、なるほどと思わせる場面が多く、迫力もあり、映画的に面白く撮っているだけに、我々観る者が映像と現実をそのままゴッチャにしてしまう危険性もはらんでいるようにも思います。

ただ、山本監督は、「私は、映画はわかりやすく、面白いものでなければいけないと、常々考えている。健全な娯楽性の中に、その機能を生かせば、今度のような、いわば政治の陰の部分まで描き出せる」とも語っており、三時間という長さを全く退屈させない腕前はさすがで、その政治的な思想性は別にしても、これだけの社会派ドラマを撮れる監督が、現在の日本映画界に全くいなくなった現状を考えると、本当に凄い映画監督だったんだなとあらためて痛感させられます。

シベリア抑留の苛酷な体験もいつか薄れ、新鋭戦闘機に魅せられて、いつの間にか熾烈な商戦の渦中に巻き込まれ、作戦以上の策略を尽した結果が、心ならずも戦友の川又空将補(丹波哲郎)を死に追い込み、家族からも心が離反されてゆく、"旧職業軍人の業"といったものが切ない哀しみを持って、胸にしみてきます。

そして、自衛隊に入った旧軍人制服組の、警察出身で政治的な貝塚官房長(小沢栄太郎)に対する憎しみも非常にうまく描かれていたと思います。 dreamerさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2023-08-24 10:18:41)

23.昔の映画は、当時の街の様子や、人々の振る舞いが懐かしくて、そういう良さも好きだ。
飛行機でも会社のデスクでも、タバコを吸うのが普通だった。
あのころは戦争のキズも癒えきらない日本で、大正生まれの軍人上がりの大人が多かった。今とはモノの考え方も全く違う世界だったことがわかる。
名刺ひとつとっても、裸でそのまま渡すのが問題なかったんだな。
一方、時代を越えても変わらないものもきっとある・・・とそんな事を考えながら面白く見ておりました。
(ストーリーから逸脱した感想ですみません) チェブ大王さん [地上波(邦画)] 6点(2017-04-23 18:09:03)

22.《ネタバレ》 名優が大勢登場しますが、私には仲代達矢氏の独り舞台のようなもの。有能を隠し切れずに権謀術数の世界へ入り込み、果ては取り返しのつかない失敗をする主人公の生きざまがたまらないのです。命を落とすのが自分ではなく、かけがえのない親友であるという痛々しさがポイントですね。 次郎丸三郎さん [DVD(邦画)] 8点(2016-11-02 23:45:27)

21.ひと昔前の日本映画の大作って、だいたい同じ役者陣が立場を替えながら演じている印象があります。まるで劇団一座の公演を見ているよう。今でもそうですが、人材不足なんですかね。
それはともかく、さすがに仲代達矢が主役を張ると落ち着いて見ていられます。原作の一部分のみ切り取ったような作品でしたが、なかなか重厚でした。政財官の裏工作を露悪的に描いていますが、なければないで「もとの濁りの田沼恋しき」になることは明らかなので、まあ必要悪でしょう。
ただし、残念なのは秋吉久美子が仲代にタンカを切るシーン。当時の一部のミーハー学生の間で流行した考え方だったのかもしれませんが、今から見ると浅薄かつ滑稽でしかありません。それをさも「正論」であるかのように語らせ、なおかつ誰よりも国防事情に詳しいはずの仲代にいっさい反論させず、ただひっぱたくだけで相手を黙らせるという、いかにも左翼的な解決手段にがっかり。「お里が知れる」とはこのことです。 眉山さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-02-21 13:02:01)


20.唐沢主演連続ドラマは鑑賞済も原作未読で映画は初見。テレビドラマは毎回緊張感があってなかなかよかったが、今作も古いだけあってリアル感は十分。監督のイデオロギーが透けて見えてくるような一部の描写が気にならなくもないが、元陸軍エリート参謀のクールで熱い思いは伝わってくる。 ProPaceさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-11-24 19:58:13)

19.後半は見応えがあった。 nojiさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-04-19 23:06:35)

18.ちょっと前に見た「金環蝕」と出ている俳優が同じなのだが、比べると内容的にはインパクトは弱いかな。時間軸も長いし、海外シーンも多くて、結果各々の人物像の掘り下げが甘くなってしまったような。原作をかなり端折ってるようなので仕方ないが。 東京50km圏道路地図さん [地上波(邦画)] 5点(2014-03-18 12:59:38)

17.山崎豊子の原作と山本薩夫の監督の組み合わせ映画は、白い巨塔、華麗なる一族に続いて3作目の鑑賞。政界と商社、旧軍部と防衛省の黒い結び付きを深く鋭く暴き出す。シベリア抑留を耐え抜いた主役壱岐正の軍人魂がすごい。事前に特定のモデルはないと断りが入るが、あの出っ歯の首相はどう見ても安保闘争時のK首相だ。 ESPERANZAさん [映画館(邦画)] 7点(2013-10-05 23:16:30)

16.《ネタバレ》 リメイク版ドラマを観て、次にこの映画の順に観賞しました。原作ができあがった作品がどう映画になるか楽しみでした。唐沢さんのドラマもそれなりに良かったんですが、何か違和感があったんですが、これを観てああそうかと思いました。ドラマはリメイクしてきたせいで、スタイリッシュというか洗練しすぎの感があったんですね、壱岐はああじゃないといけません、感情を殺し尽くした普段の演技なんか合ってますね、なにか、野暮ったい昔のドロドロした感が、この世界ですよね。面白いですね。
ただ、三時間で原作の三分の一もいってないのは残念。映画単発ではなにか物足りないですね。 minさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-10 01:42:41)

15.《ネタバレ》 ・元陸軍参謀の壱岐が主人公。終戦時の満州、負傷した川又を自分の代わりに飛行機に乗せて救ったが、その代償として11年間もシベリアに抑留。川又はその間壱岐の家族の面倒を見た。壱岐は軍に係りを持たないという条件で商社に入社するが、自衛隊に川又がいて、次期戦闘機決定に関わっていること、また機種選定が政治家の利権のみで決定されている事に義憤を感じ、自ら権謀術数の世界に飛び込んでいく。
・陸軍時代の人脈と賄賂を駆使した政治家の取り込み、ライバル商社の賄賂を外為法違反の疑いで大蔵省に検査させる、賄賂で防衛庁からライバル商社の見積りを入手、戦闘機墜落事故の記事を新聞社に餌(土地)をチラつかせ封じる、大統領極秘親書をもった飛行機会社社長の総理大臣訪問等、汚いことのオンパレード。この辺りの終始緊張感のある応酬が、最大の見せどころ。
・結局希望通りに機種は選定されるが、防衛庁への工作がバレ、関係者が逮捕される。警察の取調に対して壱岐は白を切るが、会社は政治家と密約して証拠を提出、逮捕社員と川又を切り捨てる。シロだが責任を押しつけられた形の川又は諸事情を考慮し、鉄道自殺。壱岐には虚しさだけが残った。
・戦争責任者としての天皇をかばう場面と会社をかばう場面とがオーバーラップ。前半の冗長とも思える回想場面が活きて、構成としてうまいと思った。
・壱岐の娘に、「戦争なんていや。戦闘機なんて誰も欲しがっていない。新安保条約反対運動に対して行った政府の弾圧は許せない。お父さんは軍に関係することはしないと言っていたのに、もっと汚いことをしている」といわせ、壱岐の良心をゆさぶる。壱岐には義憤と友情から出た行動であっても、娘には理解できない。
・疑問がある。川又が自殺(表向きは事故死)したことで、警察の追及が防衛庁に及ばず済んだという設定だが、そう簡単にはいかないだろう。まず自宅と反対方向の轢死で、自殺と推量される可能性が高い。秘密漏えいがあったことは事実で、本人も自白、証拠書類も挙がっている。マスコミや国民が黙っている筈がない。誰もが納得できない中途半端な終り方だ。壱岐も商社も落ちるところまで落ちなければカタルシスは得られない。もっともこれは原作の途中までの作品なので仕方がないという事情は承知しているが。作品としては弱い。
よしのぶさん [DVD(邦画)] 7点(2012-03-02 16:15:55)

14.長い説明ゼリフを何とかうまくこなそうと一生懸命な出演陣、その愚直さとぎこちなさとの徹底した積み重ねの上にこそ、このどうしようもないドロドロ感がある。というわけで、とても面白かったです。ただ、3時間という長尺でも、まだまだ物足りない感じはありますね。主人公の私生活なども、前半のボロ家が後半で突然豪邸に変わっているという描写だけで、消化不良かな(主人公の影が薄い印象)。政財界のドロドロを描くにしたって、とりあえず何かにつけて“高級料亭”、ってのも、どうなんでしょ、もう少し意外性と細かさとを感じさせるような描写があってもよいかな、と。 鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-05-04 18:48:39)

13.相変わらず腐敗してます。今まで見た山本薩夫作品の中ではインパクトのあるシーンが少なかったが、それでも3時間はあっという間だった。丹波哲郎がカッコよかった。 さわきさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-04-16 00:52:21)

12.視聴率も“不毛地帯”だったTVドラマを観てからの鑑賞..本作、映画としてどうなのか..当時、これが面白い、と感じた人がいたのか..??? です..(私的には、TV版の方が中身が濃くエピソードが多かった分、何倍も楽しめました..唐沢寿明の方が断然ハマってたし..) コナンが一番さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-12-14 17:24:44)

11.《ネタバレ》 仲代達矢がヤバイ。目が死んでる。電源が入る。混乱。遮断!!!!!!!!!!
これぞ正に、起承転結!!!!!! 続きが見たい。短気は損気。 reitengoさん [地上波(字幕)] 8点(2010-12-11 19:31:27)

10.《ネタバレ》 唐沢主演のドラマを先に見ました。丹波哲郎の敬礼は、次の展開がわかっていても切ないものでした。次第に悪い方向に巻き込まれていく壱岐の姿を仲代達矢はよく演じていたと思います。 海牛大夫さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-10-24 14:55:44)

9.《ネタバレ》 ジョークの一切ないクソマジメなお堅い社会派ドラマ。シベリア抑留から帰還した元陸軍参謀が大手商社に就職し戦闘機ビジネスを動かす波乱万丈の人生を鬼気迫る形相で描いていました。ビジネスの裏に潜む政治家や自衛隊の汚職、機密漏洩。予備知識なしで観たのでその全貌がつかめなかったです。親友の悲劇と壱岐の辞職は衝撃でした。首相のデッパはオカシイナ。 獅子-平常心さん [DVD(邦画)] 7点(2010-10-16 01:01:44)

8.唐沢版のTVドラマが面白かったので、こちらの昔の映画版も見ましたが、やはり同様に面白かったですね。3時間あっても全く飽きずに最後まで楽しめました。
この時代はコピーのことを『ゼロックス』と呼んでいたんですね。時代特有の言葉や雰囲気はむしろ重厚感が出ていい感じでした。 もんでんどんさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-14 14:34:49)

7.《ネタバレ》 山崎豊子原作の映画化だが、この人の作品ってのは、とにかく社会的腐敗をこれでもかとばかりにえぐり出し、人間の私利私欲にまみれた裏社会を容赦なく描くので、観ていてほんと気分が暗くなる。

その一方、その洞察は凄まじく鋭く、否応なしに引き込まれる。
目を覆いたくなるほどに汚く、腐りきった権力社会に対する辛辣な切込み。
これは凄いという他ない。

仲代達矢の演技の素晴らしさにも感嘆した。
シベリア抑留のダメージを負ったうつろな目、しぼりだすような声。
会社が自分を必要としたことから、当初の意に反して仕事にどっぷりはまり、追い詰められている時の力漲る演技。
ほんとに素晴らしく、そして偉大な俳優だ。

日本映画史の中で、尊敬する俳優を五人挙げるとすれば、私は迷いなく仲代達矢をその一人に挙げるだろう。 にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-09 01:36:59)(良:1票)

6.《ネタバレ》 キャスト的には、最高だった。やはり壱岐はあれくらいの年齢の俳優じゃないとリアリティがないし、特にそれまでどちらかというと受動的だったのが戦闘機の購入問題で目覚めていく姿が良かった。また友人役の丹波さんも渋いし、政府高官の大滝さんはこんな昔から年寄り役をやっているのにワロタ(何か、犬を選挙に出馬させそうで面白かった)、さらに女優陣、八千草さん、年の割には綺麗な人だとは思っていたがこんな綺麗だったとは想像できなかったし、秋吉久美子もこんなにあどけなく可愛かったとは!
 ただ、脚本が……、原作にないあえて言わせてもらうと「改悪」部分、最低だった。
映画というメディアを使って、一つの主義主張を宣伝しようとすることを別に非難するつもりはない。
 しかし、原作の登場人物の性格をゆがめてまで、自分の主義を映画の中で登場人物に語らせる、そのために原作のテーマまで変えてしまう。
あまりにも、原作者に対して失礼だと思うし、その原作だからということで映画を見た人間に対しても無作法極まりない。
 そんなに自分の主義を映像で主張したかったら、どこかの政党の広報映画でも撮ってればよかったのに。
 だいたい、ソ連によって11年間も不当に抑留された人物の娘が、社会主義勢力の運動に共鳴するだろうか?
 この1点だけとっても、この映画がまともに人間を描くつもりが無かったことが分かる。
 また頻繁に繰り返される領空侵犯=ソ連の脅威を描くことで、何故壱岐や川又が優秀な戦闘機を導入するために、あえて泥水まで飲むという原作の流れを、あの馬鹿な娘の台詞、あるいはしばしば挿入される無意味な映像でぶち切り、あたかも壱岐が戦争の反省を全くしない愚かな人間にまで貶めている。
 そのくせソ連収容所での捕虜虐待はほんのお印程度。
よくこんな脚本を原作者が認めたものだと思う。
ただ、昔のサヨの情報操作を実感できたことと、その主張の出鱈目ぶりがよく理解できたのはかえってよかったのかもしれない。
 何と言っても60年安保から半世紀、いまだに日本は戦争に巻き込まれていないんだから。 rhforeverさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-05 21:52:43)

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【点数情報】

Review人数 25人
平均点数 6.40点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
314.00% line
414.00% line
5416.00% line
6520.00% line
71040.00% line
8312.00% line
914.00% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review2人
2 ストーリー評価 8.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 6.75点 Review4人
4 音楽評価 5.00点 Review2人
5 感泣評価 3.50点 Review2人

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