みんなのシネマレビュー

すずめの戸締まり

Suzume
2022年【日】 上映時間:121分
ドラマSFアドベンチャーファンタジーアニメ青春ものロードムービー
[スズメノトジマリ]
新規登録(2022-08-28)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2024-05-04)【イニシャルK】さん
公開開始日(2022-11-11)
公開終了日(2023-05-27)


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監督新海誠
演出瀬下寛之(CGキャラクター演出)
原菜乃華岩戸鈴芽
松村北斗宗像草太
深津絵里岩戸環
松本白鸚(二代目)宗像羊朗
染谷将太岡部稔
伊藤沙莉二ノ宮ルミ
花澤香菜岩戸椿芽
神木隆之介芹澤朋也
青山吉能
原作新海誠
脚本新海誠
音楽RADWIMPS
作詞野田洋次郎「すずめ feat. 十明」/「カナタハルカ」
荒井由実「ルージュの伝言」
松本隆「SWEET MEMORIES」/「卒業」
井上陽水「夢の中へ」
秋元康「バレンタイン・キッス」
竹内まりや「けんかをやめて」
康珍化「ギザギザハートの子守唄」
作曲野田洋次郎「すずめ feat. 十明」/「カナタハルカ」
荒井由実「ルージュの伝言」
細野晴臣「SWEET MEMORIES」
井上陽水「夢の中へ」
竹内まりや「けんかをやめて」
馬飼野康二「男と女のラブゲーム」
芹澤廣明「ギザギザハートの子守唄」
主題歌RADWIMPS「すずめ feat. 十明」/「カナタハルカ」
挿入曲荒井由実「ルージュの伝言」
松田聖子「SWEET MEMORIES」
井上陽水「夢の中へ」
斉藤由貴「卒業」
国生さゆり「バレンタイン・キッス」
河合奈保子「けんかをやめて」
製作コミックス・ウェーブ・フィルム(「すずめの戸締まり」製作委員会)
東宝(「すずめの戸締まり」製作委員会)
KADOKAWA(「すずめの戸締まり」製作委員会)
アニプレックス(「すずめの戸締まり」製作委員会)
企画川村元気
プロデューサー川村元気(プロデュース)
制作コミックス・ウェーブ・フィルム
配給東宝
作画田中将賀(キャラクターデザイン)
新海誠(絵コンテ/イメージボード)
美術丹治匠(美術監督)
新海誠(色彩監督)
編集新海誠
録音山田陽(音響監督)
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【クチコミ・感想】

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53.《ネタバレ》 ちょっとクサすぎるのよ。そしてストーリが支離滅裂でよくわからないの。「星を追う子ども」第2弾
回収しないといけない謎が謎のままで解説がないとわからない。(解説すら見てないけど)
ただ歌とか絵とか演出はよくできてるから、なんか上手くできた映画のように見えるんですけどね。
なんだろう、見るのにすごくエネルギーが必要で、見てられなくなるんだよなぁ
ん?どういうこと?って思ってはいけない映画で、見たままふわーっと流されて見てたら良い映画。私には合わず。
Keytusさん [インターネット(邦画)] 4点(2024-12-02 00:24:58)(良:1票)

52.《ネタバレ》 映画公開から約2年。やっと観れた~。その間この映画に関する情報は予告編のみ。なので細かい内容や設定は全く知らず出来る限り真っ新な状態で観れた。観る前に思っていたのは、あの髪の長い青年は扉の向こう側から来た別世界の人間なのかと。でもごく普通...いや違うけどこっち側の人間だったんですね。そんな彼、草太に淡い恋心を抱きはじめるヒロイン鈴芽の心の変化の表現が、この監督のセンスの良さなのか、嫌味のないごく自然な感じでそうなっていくのが本当にお見事で、相手がただイケメンだからとかそういった感情だけでないところも憎めないです。

人々の記憶から消え始めてる廃墟から、天変地異を引き起こす災いが出てくるていう設定はとても良いと思った。そういった場所って負のオーラが溜まりそうだし、色んな場所にありそうだから。ただ御茶ノ水のあそこだけはなんか違うよな気がした。あそこってなに?

震災で母を失った少女が成長し、今度は震災を止めるための手助けをする。なるほど、そういうことなんですね。

ダイジンが実は空いてしまった扉に鈴芽たちを誘導していた、ていうことらしんだけど、じゃあ東京にあった要石は誰がどかしたんだろう?ちょっとそういう細かな所わからなすぎる...。その東京の要石がサダイジンでいいのかな?で、そのサダイジンはなんで叔母のたまきにとり憑いたようになって本音をぶちまけさせたの?でも最終的にはなんか味方みたいになってるし、もうその辺の整理が全然追いつけませんでした。

旅の途中で出会った人たちに帰りにまた会ってお礼をするシーンは好きですね。粋です。

焼きうどんにポテサラは真似しそう。自分はカレーライスにポテサラはたまにやります。

あと見終わって思ったのはこの作品の聖地巡礼って、大変そう~でしたw Dream kerokeroさん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2024-11-25 21:45:20)

51.偶然ではあるが、宮崎での南海トラフで騒がしい時に鑑賞。予備知識はなかったが、冒頭からストーリーは見えているので意外性はないし、同じパターンの展開が続くので少々ダレルが、ロードムービー的な舞台変更で飽きずには見られる。ただし、芹澤くんの存在は余計で要らなかったかな。作者の宗教的世界観?にはついていけないことはないが(「宗像」はいいとしても、宮城出身の子が宮崎に引き取られて「岩戸」って苗字なのは、ちょっとヤリスギかなと)、もうちょっと「生と死」というテーマを押し出した方がよかったのではないかと思いながら見ていたら、最後に上手い具合に締めくくっていたようには感じたが、もっと序盤からシリアスにやってもよかったような。若者がターゲットだと、この辺が限界というか落とし処なのかもしれないが。 東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2024-08-13 20:07:52)

50.難解でご都合主義すぎる。 HRM36さん [インターネット(邦画)] 2点(2024-07-29 10:31:29)

49.《ネタバレ》 すみません。普段特に他の方のレビューについて書いたりしないのですが。。。地震についての映画だからダメとかあるんでしょうか。地震で被災された方がたくさんいるのはわかっていますが、別にその方々に無理やり見せてるわけでもないし、そういった方々に配慮してこの映画はお勧めできないのでしょうか。ちょっとそういった感覚が私にはわかりませんでした。でしたら世の中の映画は大体ダメですね。家族が誰かに殺された人に配慮すれば相棒もダメですしコナンもダメ。津波を扱った映画もダメになるのでしょうか。なんだか最近、あくまで映画の話なのに、やれ未成年のタバコのシーンはどうなんだとか、自転車の2ケツはどうなんだとか、あくまで個人のレベルで楽しむべき映画なのになんだか肩身が狭くなったなぁと感じます。まあレビューの表現も個人の楽しみの範疇なのでしょうが、「見ないほうがいい」「見ないでください」って表現見ると少し悲しくなります。

前置きが長くなりすみません。あくまで個人的には純粋に良い映画だと思ったし、映像もとても美しく、音楽にも引き込まれました。
実は色々あってずっと観たかったと思いつつなかなか観るまで踏ん切りがつかなかったこの映画。なんだか気持ちの整理がついてようやく鑑賞に漕ぎ着けました。でもやはり観て良かった。一度観始めるとどんどん世界観に引き込まれ、鑑賞中はずっと画面に釘付けでした。すずめが出会う人たちとの関わりや、後ろ戸、常世・現世などの世界観、宮崎から始める日本横断のアドベンチャーなど、とてもアクロバティックに展開するストーリーには飽きがきません。個人的にも『砂の器』とかでもそうですが、実際の日本の各地を転々とする話って好きみたいです。昨日鑑賞したところなのに、なぜかまた二周目が始まってしまっています(笑)そしてまだちゃんと面白い。

いくつか筋が変だなあと思うところも有り。ダイジンはすずめによると後ろ戸までの道案内をしてくれていたのでは、ってことでしたが、それにしては雑に置き去りにするし、SNS頼りに足跡残す手法ってどうなの?すずめを独占するために草太に自分の役目を渡したのは理解できるけど、そんな結構大事なことあんな一瞬で受け渡せるんですね。。。まあ色々ダイジンには思うとこありましたが、最後サダイジンが体を張ってくれていたので自分の中ではトントンに。あと、椅子の足が一本無くなったのは結局何だったのかなぁ。見逃した?いいや、また観よう。

恐る恐る観た映画でしたが、やっぱり自分も好きでした。 TANTOさん [インターネット(邦画)] 10点(2024-05-31 00:52:25)

48.読了後鑑賞。日本で地震を題材にした映画はちょっと…。 TERUさん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2024-05-18 19:58:21)

47.エンタメとしては それなりに成功しているのでは..ただ 内容は 半分以上 意味不明! & 都合 良すぎ~!笑 そして 作画は すばらし~い! コナンが一番さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-05-04 22:05:24)

46.《ネタバレ》 この度、サブスクにてついに鑑賞。事前の予想よりは面白かった。
震災をテーマに選んでいるが扱いは慎重で不快感を感じるほどではなかった。
「震災を金儲けにしやがって」と言う批判はさておき「まだ少し早いんじゃないか」と言う意見には耳を傾けざるを得ない。
主人公とおばさんの本音レベルの大ゲンカには「おいおい、ここまで言ったらもう元には戻れないだろ」と思ったが、あれは背後の要石が言わせたのか?
それとも要石は無関係でたまたま背後に立っただけなのか?そこが良くわからなかった。
それなりに見入ったが難点も多く、絶賛とまではいかなかった。
一番の難点はあの宮崎弁の変なイントネーションかな?福岡在住だがネイティブな宮崎県人としてそこは聞くに耐えなかった。 ぴのづかさん [インターネット(邦画)] 6点(2024-04-18 15:14:13)

45.新海監督の世界観が良く出ていた。
街の風景など映像が美しく、主人公のすずめが可愛かった。
後半から終盤少しダレルが、前半のロードムービーの部分は面白かった。 とれびやんさん [地上波(邦画)] 6点(2024-04-14 15:24:40)

44.これでやっと心の戸締りできたかな、新海誠 sting★IGGYさん [映画館(邦画)] 9点(2024-04-13 01:15:52)

43.《ネタバレ》 最近映画見た?と訊ねると、大抵アニメの作品名返ってくるのだが、「すずめの戸締まり」その中の一つだ。
感想を聞くと、「考えさせられた・・・」と返ってきた。
ほんまかいな?と思いながら。(へぇ〜と聞いていた。あんま熱感じんな。。。)
ちょうどネットフリックス加入期間(2000円分)に配信されたので鑑賞。(絶対金払ってみねぇ。TVで配信されたらぐらいと思っていた)

だめだ。全然入れない。最初の10分導入で、全く世界に入れない。興味が持てない。
これは楽しみ方を変えるしかないと、日本語音声、英語字幕表示にして、スピーキング練習しながら鑑賞。
それから、英語音声、日本語字幕にして、ヒアリング練習しながら見た。
英語音声、で日本語字幕を見ているほうが面白いかもしれない。

地震は繰り返す、地震で多くの人が死ぬ。それを風化させないため、忘れないため。。と作った作品だろうが、
感心をもつ、興味が湧く、また見たい、とならなかった。

作画の熱も感じなかった。(蛇口と、靴が落ちたシーン?はこの作品を見た1時間以内では印象が残っている) へまちさん [インターネット(吹替)] 3点(2024-04-10 22:47:37)

42.《ネタバレ》 人々から忘れられ廃墟となった場所にはいつしかこの世とは違う世界へと通じる扉が開くという。災いをもたらす異形の存在ミミズがその扉から現れることによって、その地は地震に見舞われるのだ。古くから日本中を旅してそんな災いをもたらす扉を閉じる作業を人知れず続けているのは、閉じ師と呼ばれる一族。ある日、そんな閉じ師の末裔である草太と知り合った平凡な女子高生すずめは、災いを封じるための要石が猫に姿を変え日本列島を北上し始めたことを知るのだった。「このままでは未曽有の大災害が日本を襲い、また多くの人たちが死んでしまう」――。要石によって小さな椅子に変えられてしまった草太とともに、そんな猫を追って旅することになったすずめは、各地で様々な人々に出会い助けられながら北を目指して旅を続けててゆく……。日本映画界を牽引する稀代のヒットメイカー、新海誠の最新作は災害列島日本という国で人知れず人々を救ってきた閉じ師と平凡な女子高生の物語をファンタジックに描いたロードムービーでした。正直この人の映画ってイマイチ好きになれなくて(特に前作『天気の子』は酷かった!)、本作も別に観る気はなかったのだけど、今回地上波でノーカット放送されるということで鑑賞。そんな期待値ゼロで観始めたのが良かったのか、感想は「あれ、意外と悪くないじゃん」でした。いやむしろけっこう好きかも!冒頭からノンストップで描かれるすずめの旅はかなりテンポが良くて、ストーリーの強引さも気にならないくらい惹き込まれて観ている自分がいました。映像が美しいのはもはや言わずもがな、それより椅子に変えられた草太と要石猫との追いかけっこがアニメならではの躍動感に満ちていて率直に楽しい。いけ好かないキャラだった草太が、ちゃちな椅子に変えられてしまったことで逆に魅力的にさせてるとこなんてなかなかいいセンスしてるやん!今回は東日本大震災をテーマにしていることで、新海作品特有の童貞男子が夢見そうな青臭い妄想臭が幾分か抑えられていたことも大変グッド。椅子にチューしちゃう主人公をどーしても入れたかったのだろう監督の意地はご愛敬だけど(笑)。旅先で出会う人々がみんな良い人過ぎるのもどーかと思ったけど、後半叔母の心のどす黒い声が溢れ出してしまうシーンでちゃんと暗い現実も描いていて上手くバランスをとっていたと思う。311をエンタメとして扱うことにネットなどで賛否が分かれているのは知っています。確かにちょっと軽く描き過ぎとは思うけれど、自分は普通に受け入れられました。何故なら本作の根底には、震災のみならずすべての災害で亡くなった人々への祈りと鎮魂の物語があると思えたから。これまでの自らの世界観を踏襲しつつも新たな地平を築いた新海誠監督の秀作だと自分は思う。 かたゆきさん [地上波(邦画)] 7点(2024-04-10 10:13:10)

41.《ネタバレ》 話題作だと思ったので一応見ましたが、う~ん、見なければよかった。大変イヤな気分になりました。
見始めは、「なんか新海監督の作品てみんな同じ感じ」と思って見てましたが、途中から恐くなり始め、後半はこれはひどいと思いました。東日本大震災の被災者の方、特に家族を亡くされた方にとっては、トラウマを呼び起こすストーリーです。都民の私でも寝るときに思い出して恐くなりました。
九州から東北まで旅したり、車に乗っている途中に懐メロが何曲も流れるのは、空っぽなストーリーの時間を延ばすため? 深刻で恐いテーマに不似合いな感じです。
震災の被災者の方は絶対に見ないでください。被災者の方でなくても、恐いと思った人はそこで直ちに見るのをやめてください。絶対に子どもには見せないでください。
どうしてこんな映画が作られたのか? どうして上映が許可されたのか? 不思議でたまりません。
新海監督は、超常現象と災害を扱わないと映画が作れないのでしょうか。架空の災害ならともかく、たくさんの人が亡くなり、まだ記憶に新しい実際の震災を扱う権利があるのでしょうか。どうして配給会社はこの映画の上映に加担したのでしょうか。 チョコレクターさん [インターネット(邦画)] 3点(2024-04-07 15:34:35)

40.お伽噺のようなストーリーには惹かれますが、ヒロインの感情や行動がメルヘンチック過ぎて醒めてしまう。
取り巻きの人たちの言動ももうちょっとリアルな人間臭さが感じられると共感できるのですが… ProPaceさん [地上波(邦画)] 6点(2024-04-06 22:00:03)

39.《ネタバレ》 序盤はわかりやすくて面白かったが、中盤からダレて意味不明なシーンが多い。
サダイジンなどの登場人物もよく分からなかった。
最後のほうの子供すずめとの再会シーンもとくに感動せず。
どうもすずめ(君の名はのヒロインにそっくり)の、イケメン君に対するラブストーリーに傾きすぎているような気も。
画面自体は相変わらずとてもキレイなので、映画館ではなくテレビで見たのもこの点数に。 mhiroさん [地上波(字幕)] 5点(2024-04-06 19:17:25)

38.《ネタバレ》 総じてよくできた作品だと思うが、まるで「理路整然と美しく作られた箱庭を上から見つめている」気分になる作品でもある。

地震そのものを巨大なミミズの形にシンボライズさせ(そういえばミミズは「地竜」とも言うんだよなぁ)、選ばれた人間がその発生や活動を食い止めているというのが本作の基本設定である。地震の予知と阻止は、我々現実の人間にとっても夢であり憧れだ。本作は、我々の普遍的な願望を取り入れたファンタジーとなっているのだ。

物語の主人公は、宮崎県に住む女子高生・鈴芽だ。幼いころの不思議な記憶がある彼女は、人知れず地震を食い止める任務を持つ大学生・草太と出会う。(鈴芽にとって)魅力的な外見を持つ彼は、神道的祝詞を唱えたり、手で印を結んだりしながら、日本各地の廃墟にある扉(後ろ戸)から現れるミミズを封印する。ここで物語に少女マンガ的要素やヒーロー物の要素、セカイ系の要素も加わっている。さらに言えば、廃墟ブームを取り入れた設定は、そこでの封印シーンが(周りに人がいないために)作画の面で描きやすく、カタルシスが得られやすいというメリットも持つ。

ミミズを封印していた要石(かなめいし)はかわいらしい猫の姿となって、人目を気にせず日本各地を巡りながら北上していく。なぜか、その要所要所にはミミズが封印された扉がある。草太が、猫によって、鈴芽が子供の頃に使っていたお気に入りの椅子に姿を変えられてしまい、鈴芽は、草太の手助けをしようと扉封印の旅に同行する。猫はあちこちで写真に撮られ、ハッシュタグをつけた形でネットにアップされ、それを手掛かりに鈴芽たちは猫を追う。物語を象徴するマスコットキャラが誕生し、その後はネット社会の描写を取り入れながらロードムービーとして物語は進んでいく。

このように、本作には幅広い観客の目や心を惹く様々な要素が巧みに織り込まれている。観客を満足させようとあの手この手で情報を並べて入れ込み飾り立てていくのだ。本作を箱庭にたとえたゆえんである。

実際、ミミズの封印シーンはカタルシスのある見せ場となっているし、草太に起こる中盤のさらなる悲劇は涙を誘う。少なくとも、観て後悔する作品ではない。

だが、心から満足できたかといえば、そうとは言えない。以下に二つの理由を書いてみたい。

まず一つ目の理由は、猫がなぜ鈴芽を助けるのかがわからなかったことだ。上記のように、猫はわざわざミミズが封印された扉があるところに姿を現わす。物語後半では、鈴芽の生まれ故郷に同行するのだ。鈴芽たちは「敵」に守られながら「敵」を封印しようとしているのだろうか。訳がわからない。結局、後半の展開への感情移入が阻まれてしまったのだった。

二つ目の理由は、箱庭の負の部分になぞらえて述べれば、上からきれいに見える一方でその内部に入り込めなかったことや、作品を主観的に楽しめずどこか疎外感さえ残ったことだ。

まず、本作のあちこちに散りばめられた、あまりにもあからさまな庵野秀明・宮崎駿・細田守各監督作品のリスペクトやオマージュからは、仕込み感や作り物感・メタ的感が強く感じられてしまった。

それ以上に大きかったのは、本作で鈴芽にふりかかる一連の困難が、まるで鈴芽の成長を助けるように、鈴芽の過去のトラウマを払拭させるように思えてしまったところだ。周りの様々な環境や状況によって鈴芽に降りかかる苦しみが、鈴芽に試練を与えながらも同時に鈴芽を引き立てているように見えてしまったのだ。

僕はここである言葉を思い出す。「神は乗り越えられない試練は与えない」。新約聖書にあるこの言葉は、現実の様々な難題で心身が消耗している人に対して、励ましの目的で使われることが多い。製作者は、本作の鈴芽をこの言葉の体現のために描いたのではないかと思えてしまうのだ。

…とまあ、いろいろと細かく書いてみたが、単純に、普通の女子高生に超絶アクションをさせることの限界が露呈しただけなのかもしれない。男のようにあちこち出血させてズタボロのケガまみれ姿にさせるのは難しいからなぁ(それをさせると作品の“色”が大きく変わってしまう)。

これまで観てきた『ほしのこえ』『君の名は。』の印象も併せて考えると、僕と新海誠監督作品との相性は良くないのかもしれない。 はあさん [地上波(邦画)] 6点(2024-04-06 18:38:09)

37.《ネタバレ》 前作「天気の子」のレビューにも書いたのだけど、新海誠の作品はあくまで《自然》が主役であって《人間》は脇役なのよね。そして新海誠というクリエイターも、《自然》を描くことにかけては一級だけれど、《人間》を描くことにかけては三流だと思う。
日本各地に廃墟が増えるほど地震も増えていくという設定には不思議な説得力があり、自然災害にかんする神話的な想像力をビジュアル化する能力はあいかわらず傑出してるし、被災者に希望を与える物語にも力強さは感じます。しかし、その反面、少女の成長物語にかんしては、多くの時間を割いてるわりに、取ってつけたような安っぽさの域を出ません。たかが一晩足らずスナックの手伝いをしただけで少女が人間的に成長したりはしないし、数日一緒に過ごしただけの大学生に命を捧げるほどの恋愛感情が生まれるわけもない。そこらへんは、およそ説得力のない物語というほかありません。
前作「天気の子」のように、自然との闘いを神話的に描く要素が増えるほど、どうしても内容が難解になってしまうので、そのぶん世間的な評価は下がるのでしょうし、逆に「君の名は」や「すずめの戸締り」のように、ヒロインの恋物語や成長物語の要素が増えるほど、話が分かりやすくなるので、そのぶん世間的な評価も高まるのでしょうね。しかしながら、わたし自身の評価は、世間的な評価とは反比例にならざるをえません。たんに前作よりも分かりやすくなっただけで、作品世界が深まったようには見えない。
災害や、被災した自分自身との闘いのストーリーとしてなら9点ぐらいつけたいけれど、少女の成長物語や恋物語としては、せいぜい6点ぐらいの評価にしかならない。残念ながら、前作を上回ったとは思えませんでした。 まいかさん [地上波(邦画)] 8点(2024-04-06 00:19:02)(良:1票)

36.3.11を話のネタにするにはまだ早いのかなと個人的には思う。
なんか泣かそうという魂胆があざといというか生々しい。
ドライブで福島に行く下りがこの映画の中で一番面白かった。 misoさん [地上波(邦画)] 5点(2024-04-05 23:27:30)

35.《ネタバレ》 先日能登半島地震が起きたばかりなので見るタイミングとしては最悪でしたね。ここまでがっつり震災を扱ってるとは思ってなかった。これタイミング悪かったら公開出来なかったでしょ。
人が死ぬよなど無駄に煽ってくるダイジンや草太の祖父が現在進行形で死者が増えてる現実と重なってかなり不快。ダイジンは神様という設定なので性格ヤバいのは理解出来るけど、ここまで煽りキャラにする必要性は全く感じなかった。
閉じ師が1人で片手間で行動してるのも役割の重要性から考えたら全く腑に落ちない。すずめに惚れさせるための要素に全振りしていて気味が悪い
テーマが重すぎるのを軽減するためか軽快な音楽を多用してるのも今は不快に感じてしまった。

震災をこういうエンタメ的な作品で扱うのはリスクが高いね。見る時が違ったらまた感想は変わっただろうけど、今は全体として不快感のみしか残らなかった。 映画大好きっ子さん [インターネット(邦画)] 2点(2024-01-07 09:27:46)

34.まだるっこしい展開が続き前半はイライラしたが、終盤で少し回収していく。
それでもここで描きたいことは自分には理解が及ばない気がする。絵や音楽は良いが、それだけで評価するのは厳しい。

しかしそれにしてもこの作品が石川の大震災や大津波警報の日に放映される、という偶然に驚く。その意味で印象深い作品にはなった。 simpleさん [CS・衛星(邦画)] 4点(2024-01-03 16:21:25)

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【点数情報】

Review人数 53人
平均点数 6.43点
000.00% line
100.00% line
223.77% line
323.77% line
447.55% line
547.55% line
61426.42% line
71018.87% line
81324.53% line
935.66% line
1011.89% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review4人
2 ストーリー評価 7.22点 Review9人
3 鑑賞後の後味 8.22点 Review9人
4 音楽評価 8.71点 Review7人
5 感泣評価 7.85点 Review7人

【ゴールデングローブ賞 情報】

2023年 81回
アニメ映画賞 候補(ノミネート) 

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