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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 戦火を逃れ、故郷であるバングラディシュから難民としてフランスへとやってきたディーパン一家。郊外のマンションの管理人となり貧しいながらも家族水入らずの平穏な暮らしを手に入れた彼ら。だがその正体は、出国寸前に難民として認めてもらうため即席で一緒になった疑似家族だった。そう、彼らはそれまで口を利いたこともない全くの他人同士だったのだ――。イギリスに住む従妹の元へと向かいたい〝妻〟と何も知らずにただ連れてこられた9歳の〝娘〟とともに、ディーパンは強制送還させられないために偽りの家族生活を続けていた。そんな折、同じマンションに住む麻薬密売人たちの間で抗争が勃発する。平穏な暮らしの中で微かな絆のようなものを感じ始めていたディーパンたちの生活に再び、暴力の影が差してくるのだった……。難民問題に揺れるフランスを舞台に、そんな過酷な運命に翻弄されるとある疑似家族を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。カンヌでパルムドールを取ったということで今回鑑賞してみたのだが、残念ながら、自分には何がいいのかさっぱり分からない作品だった。とにかく演出が一本調子で、主人公であるディーパンも魅力に乏しく、一本の映画として退屈極まりない。ドラマがようやく動き出すことになる終盤まで、僕は終始眠気と戦いながらの鑑賞となってしまった。映像もとても計算されて撮られたとは思えないほど粗悪なもので、これは本当にプロの仕事なのかと疑ってしまうくらいだ。無駄としか思えないシーンが幾つもあるのに、僕が本当に観たいと思ったシーンはバッサリとカット。編集もいちいち繋がりが悪く、場面場面がぶつ切りにされるので終始イライラさせられる。最近、カンヌがらみの作品を何作か観てきたのだが、どれもこれも残念なものばかりで、一時に比べ相当レベルが落ちていると言わざるを得ない。同じくヨーロッパの難民問題を扱った、巨匠ベルナルド・ベルトルッチの佳品『シャンドライの恋』における芸術性の高さを少しは見習ってほしい。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 3点(2016-11-27 22:40:51) ★2.《ネタバレ》 これがパルムドールか…… 『預言者』に続き、フランスに押し寄せる難民問題に焦点を当てるも切り口が平凡。 家族と偽りパリに渡った赤の他人三人が如何にして日々を生き抜いているのか、 ニュースでは表面的に描かれているだけに関心はあった。 しかし、こうも簡単に順調に生活が上手くいくのか疑わしい。 二人の"夫妻"がくっついたり衝突するのは描かれていても、 "娘"の描写が希薄でいつのまにか影が薄くなっていく始末。 次第に積み重なっていく不穏と鬱屈が爆発するアクションのシークエンスは、 主人公のみ見せて他はあまり映さないスタンスで、彼のPTSDを追体験させるつもりでも、 直後に取ってつけたハッピーエンドのアンバランスさに違和感。 イギリスに着いてめでたしとは限らないのに、主人公の妄想なのかひとときの安堵なのか狙っているの? パリ同時多発テロ、イギリスのEU離脱後では呑気にこんな映画は撮れないだろう。 エンタメ寄りのオーディアールにしては詰めの甘さを感じる。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 4点(2016-10-31 21:48:01) 1.《ネタバレ》 偽装家族として暮らす内に、試行錯誤しつつも徐々に心を通わせていく二人の男女。 夜の窓辺で寄り添う二人がぎこちなく手を重ね合わせるツーショットに流れる静かな時間。 抱き合うアントニーターサン・ジェスターサンとカレアスワリ・スリニバサンのそれぞれの瞳の深い黒味に緩やかなフェードアウトが重なって 官能的なショット連鎖を形づくっている。 心を許したかと思えば、仲違いし、トラブルにも巻き込まれ、偽装家族三人間の溝はそう簡単には埋まらない。 ラストに展開するアクションシークエンスも、階段と歩行・白煙・黒煙。銃撃音が目いっぱい活用され、ちょっとした造形だ。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 8点(2016-02-13 23:57:24)
【点数情報】
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