みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
21.《ネタバレ》 解決どころかトランプ元大統領の発言でむしろ後退に感じられる米国の人種差別問題、このジャンルの名手にしてベテランのS・リーが満を持してメガホンをとった感があります。 陰惨な話がごまんとある黒人差別をテーマにするにあたって、通底する怒りを重く沈めずエネルギッシュに前向きに刻んでゆくことのできる唯一の映画監督であると思います。 ブラックパワーを叫ぶ側もホワイトパワーの側もどちらも偏狭じゃない?と感じさせる筆致は相変わらずのバランスの良さ。飄々としたA・ドライバーとさくさくと軽いJ・D・ワシントンの二人の存在もリー味に大いに貢献しています。 物語から時流れて、現職大統領のお墨付きを得たとばかりに意気軒高なKKK。ラストのこの映像は監督の憤激そのものでありましょう。リアルな‶大魔法使い”その人を見ることになるとは驚きました。何十年もアップデートされないのですね、差別思想というのは。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-12-11 23:27:53) 20.《ネタバレ》 驚くべき事に実話がベースの本作、時折ユーモアを交えた構成で最後まで飽きさせない展開。 根底に流れるのはスパイク・リー監督の怒り。それも「紅蓮の怒り」と言っても差し支えないほど、それは熱い。 本作の締めはBlack Lives Matterを主とした実際に起こった出来事の実写フィルム。 本作がアカデミー脚色賞しか受賞できなかった事は勿論、未だにアメリカで「黒人初の〇〇」等の表現が無くならず、 誰あろう黒人の皆様からそれらの言葉が肯定的に出てくる所がその病巣の深さを裏付ける。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-25 13:00:11) 19.白人至上主義も、黒人至上主義も、 結局はどちらも相手を排除しようというだけ 「人種差別」という根底には変わりなくてモヤモヤ 日本で平和ボケした自分には共感しにくかった。 黒人なのに白人至上主義の団体に潜入するっていう、 設定はおもしろかったのにイマイチ入り込めなかった。 もうちょっとドラマチックな展開や、話の盛り下げ、 意外性や、展開のテンポとか、映画の娯楽要素ほしかった。 コミカルな描き方だけは良かったと思います。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-04-30 07:27:53) 18.《ネタバレ》 黒人刑事が主人公という共通点から『インサイド・マン』の様なポップでコメディ的な要素がある物語だろうと思って観始めたら、冒頭の活動家がアジ演説するシーンの撮り方や、終盤でハリー・べラフォンテの昔語りトークをKKK首領の演説とカットバックさせて見せるなど、これはちょっと自分が期待していたストーリーテリングじゃないなと嫌でも気づかされました。合衆国の人種対立を扇動的とすら捉え兼ねない作風で撮っていた昔のスパイク・リーに戻った感すらあります。それだけトランプ大統領という存在に怒りと危機感を持っていたってことでしょう。小中学生でもなければ大抵の人はKKK首領のデュークがトランプのカリカチュアの役目を果たしていることは理解できるでしょうが、ラストの実写フィルムでトランプ本人を出しちゃったらあまりにイデオロギー色が強くなりすぎて逆効果だった気がします。 潜入刑事ものとしては、お約束のドキドキ・サスペンスは効果的に織り込まれています。でも、アダム・ドライヴァーがポリグラフにかけられそうになるところやKKKの構成員が黒人刑事の自宅を訪ねてくるところなんかは、あれで切り抜けちゃうなんてちょっと雑な脚本構成だと思わざるを得ません。また、白人は概していわゆるホワイト・トラッシュの低レベルなキャラで、対する黒人登場人物たちは大学生などのインテリや善良なキャラばかりというのも、ちょっと型にはまり過ぎている感があります。人種差別問題を“ブラック・パワーvsホワイト・パワー”という視点に持ってゆきたいという意図も感じましたが、なんか単純すぎるように感じました。 ラストはハッピーエンドとはほど遠いカタルシスのない幕の閉じ方でしたが、これはスパイク・リー映画の持ち味でもあるので我慢しましょう。最後の実写フィルムを見せられると、50年以上経っているのにアメリカ社会は全然進歩していないことに愕然とさせられます。先般の大統領選挙の結果を見ますと、トランプは敗れたといえ国民の半数近くが隠れKKKメンバーになってしまったような感じがします。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-04-18 23:47:36) 17.《ネタバレ》 黒人刑事の指揮の下に、あのKKKに(しかも別人が)潜入捜査をするとなれば、2人ともにとって命のリスクを覚悟しなければならないはずなんだけど、その辺の緊迫感があまり感じられない。一方で、リーダーの演説だとか、老人の語りと入会の儀式のクロスカッティングだとかは異様に気合が入っていて、そこだけで人目を引く力がある(ので、捜査云々はさらにどこかに行ってしまう)。ただ最後に実際の映像がいろいろ出てきて、ああそういうことか、と。つまり結局は逆にここを流したかったんでしょうけど、それなら何で設定を2010年代にしなかったの? 【Olias】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2021-04-11 23:48:45) 16.《ネタバレ》 米・コロラド州コロラドスプリングスで、初の黒人市警察巡査となった人物の自伝を映画化した作品。 未だに各国が脱却できない《他民族への偏見と攻撃性=ここでは黒人差別》を描いた社会派のポリスサスペンス映画。 監督は、もうこれ以上の適任者はないというスパイク・リー(「マルコムX」など)。 ☆ 白人至上主義団体 “KKK” に潜入捜査を試みる黒人刑事を『TENET』で主人公(“名もなき男”)を演じたジョン・デヴィッド・ワシントン。 彼が、白人・黒人のどちらにも傾倒しない刑事を時にユーモラスに演じていて、実話でありながら『ビバリーヒルズ・コップ』のエディ・マーフィー的スーパー刑事にも見えたりする(←個人的にだが)人物をうまく表現している。 彼と《二人で一人の囮捜査》を行う相棒刑事をアダム・ドライバー。いつもながらの大味で飄々とした演技が、ここでは活きていて、ひと味ちがう異色のバディ物として見ても面白い出来。 もちろん、ブラックムービーらしい演出もされている。 ☆ 物語の展開はエンタメとしても出来が良く、一見フィクションかと思えるほど。それで薄まった黒人差別テーマを本編後の挿入映像で担保したように感じた。 尚、カンヌ映画祭では10分間ものスタンディングオベーションを受け、審査員特別グランプリに輝いている。 同テーマの作品に『スリー・ビルボード』があるが、それほど重くない映画で、自滅するKKKメンバー以外の「死」は描かれない。 それはこの映画のスタンスで、『革命』は「受けた非道に対する報復では無い」というメッセージだろう。暴力(力)による報復の連鎖(マウントの取り合い)こそが『差別の根源』に他ならないと。 ☆ 観てよかったと思える映画だった。 【墨石亜乱】さん [DVD(吹替)] 7点(2021-03-12 00:02:05) 15.《ネタバレ》 ハラハラもそれなりにしつつ面白かった コメディですね 政治背景に関しては各々の言い分もあるのでさて置いて、最後の実映像パートを見せたかっただけなんかと思ってしまう イチアジア有色人種としてはBLMではなくALMでありたいものです 【悲喜こもごも】さん [インターネット(吹替)] 7点(2021-02-21 12:39:47) 14.《ネタバレ》 ぺこぱみたいですが、「悪くないだろう」というのが感想です。 音楽が突然大袈裟に流れてくる場面があり、その音楽によってここは注目せないかんのだとお知らせされて、そこだけは必ず集中してみました。 「評決の時」など他の人種差別を扱った映画をみたときも思うが、これが本当ならば、黒人の方に対する白人の対応はひどすぎる。先日も黒人ドクターが差別を受けてコロナの治療を受けられなかったと訴えたあとに亡くなったというニュースをみたがひどすぎる。 そしてすごくこの問題は根深いのだなと映画と昨今のニュースで痛感させられている。 最後に主人公がオーマイキーみたいにかたまったまま動いていく場面があり、これは何だと思っていたのだが他の方のレビューを読み理解した。そういうことだったのか、最後については理解が足りなかったしもう一度考察しなおす。 【ブリーバンデカンプ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-12-27 02:12:39) 13.《ネタバレ》 痛快という訳でもないけれど、ドキドキする刑事モノでした。 言葉でしかしらないKKKという組織についてちょっとばかり知れた機会になりましたし、ジョン・デビット・ワシントンもテネットといい良い役者で素晴らしいです。もちろん脇を飾るアダム・ドライバーは今回はちょい渋めにキメていてカッコ良かったです。思えば凄い役者が二人も出ている。 潜入操作という事でドキドキはしますが、あまりにお話的に上手に行き過ぎていて(特に潜入操作を知る奴が全員爆死する展開)ちょっと違和感がありましたが、それは最後の最後の伏線とは驚き。 もちろんラストのシーンは意外でした。 ハッピーエンドかと思いきや突然主人公は作り物になり、僕は胸ぐらを掴まれ現実に引き戻される そして今も続くアメリカの負の連鎖に直視しなければいけないと改めて思い知らされました、本当に悪いのは黒人でも白人でも無く人間皆の奥底に宿る「憎しみ」という感情だという事も。 まさか最後にぶん殴られるような衝撃を受けたまま終えるので本編ストーリーは良いのですが、後味は正直言って最悪です。 しかし嫌でも考えさせられる事になる良い映画でもあります。いい映画を見ました。 【えすえふ】さん [インターネット(吹替)] 6点(2020-10-27 22:44:37) 12.《ネタバレ》 このところドラマや配信方面での活動が目立って、映画作家としては寡作だったスパイク・リーがスクリーンに帰ってきた。KKKへの潜入捜査モノと聞いてちょっと不安な部分もあったけれど、良くも悪くもスパイク・リー「らしい」映画だった。警察署にしても田舎のKKK支部の冴えない面々にしても、全体に漂う「ユルい」ムードは、ボン・ジュノ作品のような韓国映画っぽさもある。潜入捜査系としてはどちらかというと緊迫感よりもシチュエーションが作り出すズレた「笑い」優先。実在するKKKのリーダー、デヴィッド・デュークの黒人英語のマネなんて笑うしかない。そしてアンバランスに挿入されるメッセージ、クワメ・トゥーレの長い演説シーンとそれに心酔する黒人活動家たちの映像、クライマックスで自身も公民権運動の活動家だったハリー・ベラフォンテが語るリンチの物語、そしてリンチを引き起こした映画作品『國民の創生』を見て熱狂する白人男女たち。どれも明らかにバランスを崩して、急にドキュメンタリー的にじっくりとしつこいくらいの濃度で描く。一瞬、KKKもブラック・パワーも「どっちもどっち」と言いたくなるような「濃さ」を見せつけながらも、最後のクレジット前、トランプ大統領自身の「どっちもどっち」発言のニュース映像を見せ、「どっちもどっちではないのだ」と釘を刺す作り。いや、スパイク・リーほどのベテラン作家だったら、「バランスのいい」「ウェルメイドな」映画を作ることだってできるでしょ。こんなアンバランスさではオスカーは取れないってことだってわかってるでしょ。でも、彼は黒人監督として、それでは意味がないことも知ってる。ブラックパワーとホワイトパワーは違うということを言うためには、「お互い辛いよね」で傷をなめ合うのではなく、黒人がどんな歴史を歩んできたのか(「リンチ」の物語だ)、そして今もどんな世界を生きているのか(白人警官に押さえつけられ、殴られるのが当たり前の世界)、その違いをちゃんと見せつけなければいけないから、こんな「時事的」でアンバランスな映画を作ったのだろう。ついでにいえば、『グリーンブック』のようなウェルメイドな作品がオスカーに近いことだって知ってるし、だからこそ、彼自身が壇上で『グリーンブック』を批判するところまで織り込み済みの「作品」であったような気すらしてくる。まだまだこの世界にはスパイク・リーが必要だ。そう思わせるアンバランスで「らしい」一作でした。 【ころりさん】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-05-10 23:46:29) 11.《ネタバレ》 何故か白人至上主義団体「KKK」の潜入捜査官となった黒人刑事の物語を実話を基に描いたコメディタッチの社会派サスペンス。監督は長年黒人としてのアイデンティティを追求し続けるベテラン、スパイク・リー。アカデミー作品賞ノミネートということで今回鑑賞してみたのですが、うーん、率直に言ってさっぱり面白くなかったんですけど、これ。実話を基にしたのかなんか知りませんが、大して面白くもない話が最後までダラダラダラダラ。最後の方でようやく潜入捜査ものとして面白くなりそうと思ったのに、さして盛り上がることもなくあっさりと終了しちゃいました。そして最後はいつものごとく、説教臭くて押しつけがましい政治的メッセージを一方的に垂れ流して終わり……。やっぱり僕は、この監督とはつくづく相性が悪いのだなぁと再認識してしまいました。昔はもっとこの硬派な政治的スタンスの中にもポップでラディカルなセンスが冴えていてそれがとても心地よかったイメージがあったのですが、いつの間にこんな説教親父になってしまったんですかね。そもそも何故、電話と本人で担当を分けて潜入捜査する必要があったのでしょう?よりリスクが増すだけなのにどうしてこういう手法を取ったのか、その根本的な部分に説得力が欠けていたのもどうかと思います。すんません、4点で。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 4点(2020-02-03 23:31:18)(良:1票) 10.テーマが面白そうだったので鑑賞。実話がベースになっているところも良い。 でも、最後に実写を入れてヘイト画像を持ってくるところがね・・・ 結局、「トランプが嫌いだから映画作ったんかい」と。 反骨精神もおおいに結構だが、なんでもかんでも差別と一直線に繋げてしまうとかなりしらける。 監督さん、アカデミー賞が「グリーンブック」だったので抗議したらしい。 勿論日米で空気は違うと思うが、「へ?」という感想だ。 素直に映画として楽しめなくなる。 【大治郎】さん [映画館(字幕)] 4点(2020-01-29 13:20:53) 9.《ネタバレ》 『國民の創生』を流しながらヘイトで盛り上がる(一見善良なおばさんが一番熱狂する姿がショッキング)人々の中で我慢しきったロンに何でも良いから賞をあげたいと思いました。この物語ではKKKに一撃を与えて終わりますが、エンディングのドキュメント映像で暗澹たる気分になります。人種差別は現在進行形で解決が見えないんですよね。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 8点(2020-01-24 19:22:39) 8.《ネタバレ》 実話に基づいた人種ドラマ・コメディ。アフロ頭の黒人と個性的な白人、凸凹刑事コンビによる潜入捜査。あまり入り込めなかったな。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2019-11-04 22:23:23) ★7.《ネタバレ》 スパイク・リー監督の映画はこれが初めて。きっかけはアカデミー作品賞の『グリーンブック』への抗議だった。そう、『グリーンブック』での人種差別の描き方や融和ムードを盛り上げる演出について違和感を持っていただけに、本作が如何に反骨精神バリバリの怒りの映画であることがよく分かる。その描写には妥協がなく、KKKを愚かに滑稽に描いているからこそ、金も取り柄も何もない人たちが見下す相手を攻撃して安心しようと団結する。その姿には心の余裕もなく、日本では"ネトウヨ"が代表するように世界中どこも同じなんだなと痛感する。しかしながら、その政治的主張があまりに強すぎて、映画のバランスを崩壊させてでも優先した記録映像は蛇足。本編だけでも十分伝わってきてると思うのだが、こうでもしないと現地には伝わらないアメリカの病理を垣間見た。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 6点(2019-10-22 01:00:52) 6.《ネタバレ》 始めに事実を元にしている旨が表示されるけど、もちろん映画なので作り物として観賞するわけだ。ところが、ラストにトランプ大統領の映像が流れ始めてから、一気に現実に引き戻された。 鑑賞中にも感じていた、今に通じる話だよなという思いを、ラスト数分で鷲掴みされる感じだよね。 【おとばん】さん [映画館(字幕)] 5点(2019-04-18 21:41:21) 5.愚かな憎しみと、悲しみ、怒り、その蓄積と連鎖。 もはや、レイシスト(人種差別主義者)を非難して、否定すれば済む問題でもなければ、そんな時代でもないのではないか。 映画の中のブラックジョークが、全く冗談になっていない今現在の現実社会を想起して、言葉が無かった。 こういう映画を観て、“分かったつもり”になること程愚かなことはない。 スパイク・リー監督による映画的なバランスを度外視したメッセージ性は強烈に突き刺さる。が、だからと言ってそれを一方的に丸呑みすることも違うだろうと思う。 「アメリカの闇」なんて便利な言い回しで片付けるのも違うし、「闇」と言うならば、これは世界中全ての国と人間が共通して孕む暗部であろう。 対岸の火事と客観視できるわけもなく、まずは突きつけられたこの現実を直視するしかないと思う。まさにアメリカの国民に限らず、全世界に対して「目を覚ませ!」ということなのだろう。 映画内では、白人のレイシストたちがおぞましく、滑稽に、糾弾すべき対象として描かれているけれど、同時に彼らの悲哀も炙り出されている。 教養もなく、富もなく、ステイタスもない“団体”の面々は、せめて自らの存在価値を繋ぎ止めるために、必死になって創り上げた差別意識と被害妄想の中でしか生きる意義を見出だせない。 なんて悲しいのだろう。 差別される黒人の悲しみを越えて、差別をする白人の悲しみが描き出されているように見える。そんな愚の骨頂を目の当たりにして、結局、どちらが本当の意味で“可哀想”なのか分からなくなった。 主人公を含む刑事たちは「KKK」への潜入捜査を“一応”成功させる。 しかし、痛快なラストの顛末も束の間、主人公は「闇」の果てしなさを垣間見せられる。 結局、何も解決していないし、長い年月の中で闇雲に広がった憎しみは、虚無的に増殖し続けている。 映画の最後には、現実社会の悲痛な実映像が映し出される。 この実映像挿入の是非については議論の余地がある。個人的にも、こういう形で最後に実映像を加えてくる作品は、映画表現としてアンフェアなような気がしてあまり好きではない。 ただし、本編撮影終了後に実社会で起こったあの事件の実映像を、映画的なバランスを崩してでも挿入した、いや挿入せざるを得なかったスパイク・リーの意図もよく分かる。 それは即ち、この映画が、70年代のノンフィクションを題材にした実録映画ではなく、「現在」の映画であることの“宣言”なのだろう。 映画史における将来的な評価よりも、今この瞬間に対する問題提起と怒りを示すことの重要性と必要性を、スパイク・リー監督は最優先にしたかったのだと思う。 差別意識の問題は、アメリカ社会に限らず、全世界の現代社会における最重要課題だ。 それは社会に蔓延しているよりも、私達人間の一人ひとりの内面に蔓延る病原菌のようなものだと感じる。 根本の解決策などその存在の有無すら懐疑的だけれど、これまでとは違うアプローチが必要なのは明らかだ。 そういう意味で、この確固たる「娯楽映画」が、エンターテイメントの中で表現してみせたことは、この先の時代に向けて意義深い。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-04-18 09:45:24) 4.《ネタバレ》 なんとなくコメディーものかと思っていましたが内容は結構シリアスですね。KKKはクソですが、黒人の団体もちょっと異様ですね。ま、それでもやっぱりKKKがクソか。。。これって、たとえは悪いですが大阪人は東京人が気に食わないとかありますが、それはステレオタイプであって、実際に同僚とかなじみの居酒屋とかで実際にお互い会話すれば実はお互いの違いなんて関係ないってことがわかるように、KKKも黒人もいがみ合っていてもそれはお互いの人種全体に対してであって、実際に「個」の人としてちゃんと話せばやっぱり同じ人間で、いがみ合う必要がないってことがわかるような気もします。 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-04-16 22:28:45) 3.《ネタバレ》 評価が良かったので期待したが、他のスパイク・リー作品同様、ストーリーがうまく語られておらずぎこちない出来。主人公が警察に入ろうとした背景は全く不明でドラマとして消化不良な面が多く、笑いも肩透かし。導入とラストに過去の名作と実映像をそれぞれ流す尾ひれがついているが、ムリヤリ引用したような違和感がある。ドキュメンタリー映画ではないのだから、人種問題を皮肉たっぷりの描くコメディに徹した方が、映画作品としては良かったのではないか。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 5点(2019-04-07 18:59:46) 2.《ネタバレ》 なかなかスリリングなクライムサスペンスもので、結構楽しめました。 でも、見ている間中、次の2点がずっと気にかかってました。 1・これだけ人間のダークサイドを強調する内容の映画が、よくもまあレーティングがGであったもんだ。確かに暴力的なシーンや性的なシーンはないけれども、正直中学生以下の子供には勧められないな。 2・なんでまたこんな古い60ないし70年代を背景とした物語を今頃映画化したのか? 後者については、ラストの実際の映像と逆さの星条旗を見たところで納得はできましたが。というか、映画全体が、あのラストシーンにつなげるための長ーい前振りということね。 それにしても、やはりアダム・ドライバーはなかなか良い俳優ですね。カイロ・レン役がどうしてあんなに魅力がないのかが不思議なくらいです。 【Northwood】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-03-28 23:48:20)
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