みんなのシネマレビュー

ファーザー

The Father
2020年【英・仏】 上映時間:97分
ドラマ戯曲(舞台劇)の映画化
[ファーザー]
新規登録(2021-04-09)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2022-06-27)【Cinecdocke】さん
公開開始日(2021-05-14)


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監督フローリアン・ゼレール
キャストアンソニー・ホプキンス(男優)アンソニー
オリヴィア・コールマン(女優)アン
イモージェン・プーツ(男優)ローラ
ルーファス・シーウェル(男優)ポール
オリヴィア・ウィリアムズ(女優)
アイーシャー・ダルカール(女優)サライ
柴田秀勝アンソニー(日本語吹き替え版)
松本梨香アン(日本語吹き替え版)
原作フローリアン・ゼレール『Le Père 父』
脚本フローリアン・ゼレール
クリストファー・ハンプトン
音楽ルドヴィコ・エイナウディ
撮影ベン・スミサード
製作ジャン=ルイ・リヴィ
配給ショウゲート
美術ピーター・フランシス[美術](プロダクションデザイン)
あらすじ
独居生活中の高齢男性アンソニーは、認知症による記憶障害が重くなりつつあった。彼を熱心に介護する長女のアンは、優れた介護人を見つけて父親の生活安定を図るものの、アンソニーは悉く拒否し、介護人は短期間で去ってしまう始末。そんなある日、離婚して独り身だったアンに、新しい恋人とパリで暮らす話が持ち上がる。しかしアンソニーは事態を理解出来ないばかりか、夢とも現実とも判りかねる光景を目撃し、ますます混乱の度を深めていくのだった。 主演のアンソニー・ホプキンスが第93回アカデミー主演男優賞を受賞した他、同脚色賞を受賞。国際的に上演された舞台劇「Le Pere 父」を原作としたヒューマンストーリー。

タコ太(ぺいぺい)】さん(2023-08-23)
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【クチコミ・感想】

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19.オスカー俳優のアンソニーが認知症の難役アンソニーを演じる。
演技力はさすがというか、もはや神の領域。

他人事ではない老後のリアル。
ただ、おもしろいかというとそういう感想は抱かない。考えさせられたというほうが正しいかな。

なお、あらゆる製薬メーカーが認知症の治療薬開発の研究をおこなっているが
進行を抑制する薬はあるものの治す薬は未だない。 mighty guardさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-07-09 23:44:08)

18.《ネタバレ》 認知症という疾病を身近に感じているか否かによって受け止め方が大きく異なる作品だとは思います。

確かに、認知症を発症していながら奇跡的に寛解した人でもない限り、本作に表現されている世界が認知症患者の見ている世界、感じている世界そのものであるとは確信も明言も出来ないでしょう。否、仮に寛解した人であっても罹患当時の記憶はないかも知れないですね。これは、あくまでも第三者が感じている認知症の世界を視覚化した作品だと思います。

しかし、その表現力が素晴らしいと思います。私自身、認知症患者が身近に居る経験をしていたし、現在進行形でもあります。患者と言っても一括りに出来ないことは言うまでもありませんが、まさに本作に表現されている世界が、主観的な推測に過ぎないにせよ現実にも感じ取れます。

また、アンソニーの一人称視点だけで構成せず絶妙に他の登場人物の一人称視点か絡み合うところも素晴らしい。原作の戯曲は未見なので、作品そのものの素晴らしさなのか、それを咀嚼し昇華させた本作のスタッフが素晴らしいのか判断できませんが、作品全体の構成に隙がなく、1時間半余りの作品にも関わらず重厚な大作を観終わった後のような充実感がありました。

自らの問題、家族の問題、友人の問題として観るのも良し、全く縁のない世界として観るもよし、優れた映像作品と思いました。とりわけアンソニー・ホプキンスさんのこの名演をもってすれば、満点献上は当然と思えた次第です。 タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(字幕)] 10点(2023-08-23 13:40:23)(良:1票)

17.まあ設定がリアルなメメントですね。でも逆に現実に存在する認知症を題材にしたことで認知症患者は本当にこのように見えてるのかという違和感が生じてしまっていると思います。認知症の当事者がこの映画を自分の経験と照らし合わせて評価することは困難でしょうし、結局はこの描写で正しいか間違っているかの判断は誰にもできないのでしょうけど。認識の不確かさがもたらす不安感、親を思う子の気持ち、確かに評価できるポイントはあります。しかしパズルとして面白さに気を取られて根本的なドラマがおざなりになってはいないでしょうか。認知症の感覚を再現するために複雑な構成にしているのではなく、ギミックの方を先に思いついたのではないかとすら思えてしまいます。サスペンスやホラー調のシーンが挿入されるのも安っぽい印象を受けてしまいます。ラストシーンにはさすがにうるっときましたが、それは映画全体の力というよりもアンソニー・ホプキンスの演技の力によるものが大きいです。 Сакурай Тосиоさん [インターネット(字幕)] 6点(2023-06-09 23:38:04)

16.いつか自分にも訪れるであろうという意味では教訓的で考えさせられる作品ではあるが、そもそも認知症になったことがないのでこれが認知症の世界を表現できているのかどうか不明であるし、ただただ混乱するだけで(それが狙いなんだろうが)映像作品としては失敗かな。素直に娘の視点で描けば認知症患者と付き合うことの大変さを描けたと思うが、それではタダの認知症モノになってしまってインパクトがなくなってしまうんだろうけど。 東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2023-03-13 10:40:10)(良:1票)

15.《ネタバレ》 恐ろしくて、つらい。認知症を疑似体験させられることで世界の混乱に強い不安を覚えて恐ろしいし、周囲の人間の困惑もリアルで辛い。
‶認知症の世界にも救いはある”的な優しさは一切無く、ユーモアすら漂わない描き方。厳しすぎて心が沈む。
つらいけれど、でも目を背けることのできない人類皆の課題でありましょう。描き切った監督の胆力に恐れ入りました・・。
アンソニー・ホプキンスが「羊たちの沈黙」以来の鬼気迫る名演で、オスカー受賞も納得です。 tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-02-28 23:45:40)

14.いずれ訪れる未来に、これは他人事ではない。 TERUさん [インターネット(字幕)] 6点(2022-12-18 20:11:41)

13.中々見るのがつらい作品でした。(退屈という意味じゃなく・・・)
何の予備知識なく見始めて、最初は、???となって、サスペンス作品かと思いました。

観客は、???となり、途中でそれは観客が認知症を疑似体験するための演出なのかと思いました。

どんな人間でも死ぬ時は孤独、絶対死ぬ。ということは覚悟して少しの準備できているつもりですが、
この作品をみて、色々考えさせれました。

自分も、自分の親もなるかもしれない。。。どっちも辛い思いをする・・・・。
うーん。 どうすればいいんだ。。 自分がなってしまったら、もうそのことに気づけないのか・・・・。どうすることもできないのか・・・。
親がなったらどうする? 悩み続けるのか?? 心が弱った時、辛い言葉をはいてしまうのか? 
頭が痛い・・・。

主演の演技はすばらしかったです。カメラが回っているとは思えない自然な演技。


見終えた人同士で議論ができる、考えさせる、いい作品だったと思います。 へまちさん [DVD(字幕)] 8点(2022-08-07 21:35:24)

12.《ネタバレ》 考えさせられる映画だった。

アンソニーにとって、思考の立脚点は、
親と子であったようだ。
しかし、二人の娘のうち、一人は事故死している。
かくして、彼の思考の混乱ぶりが、
老後、一気に押し寄せる。

そして、彼はとうとう考えることを放棄して、
ラストとなる。

音楽が、心に刺さる映画だった。
(ところで、あの男医、ジーンハックマンの息子?似てるんだけど・・) トントさん [DVD(字幕)] 7点(2022-05-06 23:36:10)

11.高齢化社会が抱える 難題を、当事者目線で描いた 今までありそうで無かった 良作..自分ごととして観ると なかなかツラい..身につまされてしまう.. コナンが一番さん [DVD(字幕)] 8点(2022-04-29 09:29:30)

10.名優アンソニー・ホプキンスの演技を楽しもうと思って観始めたら意外にも(失礼か)ストーリーも面白くて大満足。老い、認知症がテーマながら観る者を一気に引き込むエンタメ性を持ち合わせている。「メメント」を思い出したが、主人公視点だからアンソニー(役名)と同じ混乱を体験できるようになっていて、その構成の巧さに舌を巻いた。そして圧巻のパフォーマンスを見せてくれたアンソニー・ホプキンス。83歳でのアカデミー賞受賞おめでとうございます。 リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-03-31 19:32:11)

9.他人事でないだけにズシンと響きますが、ヒネリといえば認知症視点の映像くらいなので淡々と支離滅裂世界が続きます。
支離滅裂さでは日頃見慣れている夢も同様ですが、目覚めてもそれが現実だったらと考えるととてもじゃないけど耐えられない…
生命科学や脳医学の進歩には著しいものがありますので一日も早い治療薬・治療法が見つかる事を祈ってます。 ProPaceさん [インターネット(字幕)] 5点(2022-03-25 17:11:57)

8.《ネタバレ》 まだこの年齢に達していないが、身につまされる様な感触を受ける。
特に、相手に確認し初耳のことが返ってきてもあーそうだったと返事してしまうシーン。複数回ある。認知症でもプライドと忖度のためそういう返事をしてしまうのだろうか。泣けてくる。将来の我が身のことを思い悲しくなる。
見知らぬ男に暴言と暴力を受けるシーン。解釈によってはけっこうブラックで恐ろしい。妄想でなく事実なのでは。そう思うと辛い。 ほとはらさん [インターネット(吹替)] 7点(2022-03-21 18:35:17)

7.《ネタバレ》 2021年のオスカー。逝ってしまったチャドウィック・ボーズマンの文字どおり「命を賭けた熱演」に男優賞をと思っていた自分は、アンソニー・ホプキンスの受賞にがっかりしたものでしたが、この作品を見れば・・・これは納得せざるをえない。昨年のローマ法王役もすごかったが、これは別格というか、「上手い」を通り越して「怖い」の領域に達している。人間が人間らしさを失う過程というのは、いくらでもデフォルメできるものであるけれども、これだけ「正常」とシームレスに「異常」が姿をあらわす過程を描いた作品は、ほかにはなかったのではないか。そして、ついヒューマンドラマとして描いてしまいそうな題材を、サスペンス風味たっぷりに緊張感溢れる脚本と演出で仕上げた監督の手腕にも脱帽。しかもこの監督が自分よりも年下だなんて、その「人間」に対する深い洞察には唸るばかり。「認知症を主観的に描く」という実験的な試みは見事に成功していると思います。100分に満たず、舞台もほぼアパートの部屋、登場人物も数名のミニマムな設定で、人間が(肉体的な意味というよりも精神的な意味で)その人生の終盤を迎えることを描ききった傑作です。いやあ、素晴らしかった。 ころりさんさん [インターネット(字幕)] 9点(2021-11-27 09:56:18)(良:4票)

6.《ネタバレ》 ここは、ロンドンのとある平凡なマンションの一室。取り立てて豪華なわけでもないが、それでも一家族が過ごすには充分な広さを備えている。そこで暮らすのは妻に先立たれた孤独な老人、アンソニー。まだまだ足腰は健在で、日々の家事は問題なくこなせると自負している。それにずっと昔に独立した娘アンも頻繁に訪ねてきてくれ身の回りの世話を焼いてくれる。寂しいながらも、現役の頃と変わらぬ生活を今も続けている。そんなアンソニーだったが、最近自分でも認知機能が急速に衰え始めていると自覚せざるをえなかった。日々の記憶が曖昧になり、自分でも何をしていたのか分からなくなることもしばしば。そんな折、頼りの娘アンが恋人とともにパリに移住すると言い出すのだった――。代わりにアンが雇ったという介護人がやって来るのだが、アンソニーは赤の他人が自分の家にいることがどうにも落ち着かない。しかも自分の大切な時計がいつの間にか無くなっている。きっとあいつが盗んだに違いない。そう決めつけたアンソニーは、口論の末にその介護人を追い出してしまうのだった。血相を変えてやって来るアン。だが、いつの間にか家にはアンと結婚して10年になるという見知らぬ男が現れる。しかもアンは、自分はパリに移住なんかしないと言い出すうえに、ここは自分たち夫婦の家だと主張するのだった…。現実と妄想がどんどんと曖昧になってゆく、そんなとある認知症の老人を幻想的に描いたヒューマン・ドラマ。主演を務めた名優アンソニー・ホプキンスはこの役で、アカデミー主演男優賞を史上最高齢となる83歳で受賞しております。観る前は何だか辛気臭そうな内容なのかなと思ったのですが、これがなかなか幻想の扱い方が非常に巧いシュルレアリスム劇の逸品に仕上がっておりました。娘婿と諍いをするディナーのシーンなど、気が付いたら冒頭へと戻っているところなどとても巧い。時間はずっと流れていたと思わせといて、最後の老人ホームへと収斂させてゆく展開も見事というほかない。過去と現在の境界が曖昧となり、娘をはじめ彼女の夫や介護人が全て誰が誰だが分からなくなる…。自分の認識がぼろぼろと崩れてゆく恐怖がひしひしと感じられ、もはやとても他人事とは思えません。認知症の人の頭の中ってきっとこうなんだろうなと思わせるだけの説得力が、ここにはある。A・ホプキンスの見事な熱演もそんな恐怖をますます増幅させ、より悲哀を深くさせますね。またこの監督の気品に満ちた映像センスも素晴らしく、過去と現代を繋ぐ見事な編集も相まって、とてもこれが映画デビュー作とは思えない気迫が感じられます。今回は認知症の老人というテーマでしたが、この監督の違う題材の作品も観てみたいと思わせるなかなかの良作でありました。 かたゆきさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-11-11 01:33:49)

5.親であるならかつて子であったし、子はやがて親になったり、なるかもしれない。
そんなヒトとして誰もがいつ直面するかわからない現実問題…

始まりはささいななくしものだったりするがそのうち、さっき会った人は、子供は誰か、そして自分が誰かわからなくなる。
最後に自分の母親に・・・というサイクル。そこに暴力などがかかわってきたりもするのが本当にリアルで、鳥肌もの

生老病死、避けて通れない問題を自分は直視できていない。あんなことやこんなことを経験していてもまだ理解していないと知らされてしまう作品でした。 HRM36さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-11-05 19:47:50)(良:1票)

4.映画館だから最後まで観られたが、家だったらおそらく途中でやめていただろう。話が進むにつれ、母に対する申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
私の母も認知症で一人暮らしができなくなり、わが家に来て、施設に移り、最後はホスピスで6年前に亡くなった。彼女の心象風景もこんなだったのだろうか。
「覚えてないの?」「もう忘れた」「さっきも言ったように」―。なんで、こんな言葉を何度も口にしてしまったのか。困惑した母の表情が脳裏によみがえる。物がなくなったとか、家に帰りたいとか必死に訴える姿に苛立ったり、苦笑したりした自分に腹が立つ。もうやり直すことができないだけに、つらく、悲しい。
 映画の話をすると、アンソニー・ホプキンスはアンソニーを演じているのではなく、アンソニーその者にしか見えなかった。大俳優に逆に失礼かもしれないが、ドキュメンタリーを見ているようだった。次々とわが身に降りかかる、理不尽で理解不能な出来事の数々。何を言っても否定され、時には怒り、時には泣いて、それでもすべてを受け入れるしかない。ありのままの認知症患者がそこにいた。
認知症。矛盾と不条理に満ちた、時の牢獄にとらわれた日々は、どれほど苦しいか。想像すると、背筋が寒くなる。やがて自分もそうなることを思うと、正視するのが苦しくなる。
身内に認知症患者を持ち、似たような体験をした人は、本作を冷静に観ることはできないだろう。映画好きの女性の友人は「アルツハイマー病の父と娘…、10年ほど現実だったので、観られないですね」と言っている。ほかにも同じ思いの人は多いはずだ。
ただ、父母が元気な方、認知症でもまだ深刻でない方、そんな人たちにはぜひ観てもらいたい。私のような悔いを残さないためにも…。 漣大五郎さん [映画館(字幕)] 8点(2021-06-14 17:01:44)(良:2票)

3.《ネタバレ》 夢と現実の間を彷徨う認知症役を怪演し、米アカデミー最優秀主演男優賞を受賞したアンソニー・ホプキンス。今は亡き、よくデキた下の娘によく似た介護人。知的なオイラを病人扱いし、ある日キョーレツなジャブを浴びせてきた義理の息子。現実には居ない人々を相手にしちゃう。そんなボケボケのお父ちゃんに困り果てる上の娘。認知症による夢幻世界…恐ろしいけどちょっぴり笑えちまう良作。 獅子-平常心さん [映画館(字幕)] 7点(2021-06-05 00:54:48)

2.《ネタバレ》 アンソニー・ホプキンスのアカデミー主演男優賞獲得も納得の重厚な傑作である。
以下、私のプライベートな事を記述する事をお許し頂きたい。
私が本サイトにレビュアーとして登録したのは2008年、実に13年も前の事だ。
時間だけは万物に平等なので、私自身の生活・環境も相応に変化している。
所謂、「人生の荒波に揉まれた」と言う事なのだろう。
私の父は私が4歳の時に病死した。
以来、独り立ちする22歳までは母親が私も含む子供3人を女手一つで育て、大学まで行かせてくれた。
私自身も社会人となり、金を稼ぐ事の大変さを身を持って知って以来、母には感謝しか無い。
そんな母は3年前から認知症を患っている。
子供に取ってある意味親は絶対的な存在だ。
今も思い出すのは、夜遅くまで内職していた姿。
いつも気を張り頑張っていた姿。
そんな母が認知症を患い、元気だった頃には想像もしなかった姿を
目の当たりにするのは、人生観が変わる出来事だった。
私は常々、何故母はこんな言動をするのだろうか?と思いながら接しているのだが、
本作のアンソニー・ホプキンスは認知症を患った側の立場を、
半ば恐ろしさを感じさせる程の演技で擬似体験させてくれる。
本作で表現された事が認知症患者の全てを語っている訳では決して無く、
まだまだ甘いと思われる方も大勢いるだろう。
でも私は、今正に身内が認知症で色々な思いを抱えながら日々を生きている方々は勿論、
まだ実親が高齢では無い年代の方々にも本作を是非とも観て頂きたいと心から願う。
ハッキリ言って救いは無い物語だ。
でも、人間としてこの世に生を受け生活しているならば、
決して目を背けてはならない世界が本作には有る。 たくわんさん [映画館(字幕)] 9点(2021-05-15 16:55:17)(良:4票)


1.《ネタバレ》 意識があるまま、時間と記憶が混沌の中に落ちていく。
台詞も物事も辻褄が合わなくなり、己の記憶が改竄され、周りとのコミュニケーションが破綻していく恐怖。
そして相手が誰なのかも忘れ、自分自身も喪失していく・・・。
一歩間違えば本人もそうなるかもしれないアンソニー・ホプキンス演じる認知症の圧倒的リアリティ。
超高齢化社会になった現在、自分も家族も彼のようになったら向き合わなければならない地獄。
それでも緑が風に揺れるように全てを漂白していく。
Cinecdockeさん [映画館(字幕)] 7点(2021-05-14 23:39:12)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 19人
平均点数 7.37点
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200.00% line
300.00% line
400.00% line
5210.53% line
6315.79% line
7526.32% line
8526.32% line
9315.79% line
1015.26% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人

【アカデミー賞 情報】

2020年 93回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞アンソニー・ホプキンス受賞 
助演女優賞オリヴィア・コールマン候補(ノミネート) 
美術賞ピーター・フランシス[美術]候補(ノミネート) 
脚色賞フローリアン・ゼレール受賞 
脚色賞クリストファー・ハンプトン受賞 
編集賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2020年 78回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)アンソニー・ホプキンス候補(ノミネート) 
助演女優賞オリヴィア・コールマン候補(ノミネート) 
脚本賞クリストファー・ハンプトン候補(ノミネート) 
脚本賞フローリアン・ゼレール候補(ノミネート) 

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