みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
162.中身や実体を見ようともせず形式やメンツだけにこだわり人間性を奪われることへの批判がテーマですが、それを結構台詞でも説明しちゃってるのがちょっとくどいとは感じますね。それよりもすべて理解しているのに他人を痛めつけるためにさも何も知らないかのように振る舞うことの悪質さの方がより本質的な問題かもしれません。様式美とリアリズムの両立、そしてその様式美のこだわりはただ美しい構図というだけでなく武家社会の空虚さを際立たせるものとして効果的です。全体として動きの少ない中、三國連太郎の持つ扇子の立てる音がリズム感を作る良い働きをしています。しかし中盤以降の回想シーンで人間らしい感情の拠り所を家族に求めているところは、家制度自体が武士にとって重要で抑圧的なものであったことを考えるとあまりに素朴で理想化された描き方です。まあこれもこの時代には珍しく主人公がシングルファーザーである特殊なシチュエーションなのでそこまであげつらうべきではないのかもしれませんが、不幸に比べると幸福についての描写は陳腐なものになりがちなのだと痛感しますね。 【Сакурай Тосио】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-10-29 23:54:34)(良:1票) 161.《ネタバレ》 タイトルが単刀直入ですね。シナリオはそれほど単純ではなく、後段になって、前段の顛末のいきさつが分かるまったく飽きさせない展開です。これまで仲代達矢という役者の良さがなかなか分からなかったのですが、本作の仲代達矢は文句の付けようがないです。昔の役者は日本人離れした顔立ちがはっきりした人が多く、絵になるし、大物感がありますよね。丹波哲郎と三國連太郎があまりに男前で驚きました。三國連太郎は晩年の爺さんの印象が強く、本人だと気付きませんでした。あと、切腹をした石濱朗という役者は初めて名前を知ったのですが、BUCK-TICKの櫻井敦司似の色男ですね。岩下志麻は若いけれど岩下志麻です。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 9点(2023-04-29 17:04:41)(良:1票) 160.※最高の役者なので呼び捨てにさせてください。 いやー…随分と評価が遅れてしまった…。 んまぁ、遅れた理由ってのは…ちょい体調が悪かったってのと…アレ。 実は…この方を、あまり知らなかった。 ――石浜朗。 調べてみると、いぶし銀の如き役者だった。 日本の映画やドラマを盛り立ててくれた(文字通り)立役者的だ。 けど、俺の学習能力の低さのせいで、あまり詳しくなかった。 本当に申し訳なかったです! なので、今回は所持していた「切腹(1962)」を初観。 いや、相当にカメラアングルっていうか…フレームレイアウトが素晴らしい映画。 黒澤明による数々の過去作もそうだったけど…ある意味で名作コミック並みにカッコいいアングルばっかで(当時を知らない俺は)ただ、ただ驚嘆した。 いや、コレって凄い事なんだよな、マジで。 この作品、メガホンを取ったのは「小林正樹」監督。 作品を観るのは…脚本を担当した「どら平太(2000)」以来かな…? あ、あと「東京裁判(1983)」も、いつか観たいなーと思ってた監督だ。 んで、キャストはまた素晴らしい。 まず、かの「仲代達矢」が主役を張ってる。 いや、語り口調も流石の素晴らし過ぎて「宇宙戦艦ヤマト」の冒頭ナレーションを思い出すわ。 あとは「三国連太郎」と「岩下志麻」(いや、若すぎて最初は気づかんかったんだけどマジ美人やね)も出てた。 あと、好敵手の侍が「丹波哲郎」だったのも見逃せない。 この人、007の時も思ったけど…海外スターのようなオーラがあるな、マジで。 そして、今回素晴らしい演技を見せてくれた「石浜朗」が千々岩求女を演じていた。 武士としての誇りを他者に湾曲されながらも、家族を守ろうと奔走する…その不器用な姿が、ただ涙を誘う。 ともあれ、話の筋は…すっごく簡単だ。 武士は、一人の人間として何を守るのか? 名家を守るために犠牲にするものは何か? そして「誇りある死」とは、一体どこにあるのか? もし興味があれば、ぜひ観て欲しい。 そして、石浜朗のいぶし銀の演技を感じて欲しい。 ――本物を! 本物ってのは、時代が護り続ける。 そして本物は…いつまでも本物だ。 ――そう、永遠に。 【映画の奴隷】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-08-01 02:13:49) 159.《ネタバレ》 井伊家上屋敷に突然現れた浪人・津雲半四郎、「当家の玄関先で切腹させてください」と申し出る。食い詰めた浪人者が大名屋敷に押しかけて腹を斬らせろとごねて金品を恵んでもらうというゆすり・たかりまがいの手口が多発していた昨今、「どうせ腹をさばく覚悟もないたかりだろ」とタカをくくった家老・斎藤勘解由は津雲を追い返すべく面談する。それは日本時代劇史上まれにみる陰惨かつグロテスクなストーリーの幕開けであった。 いやぁもう、凄い映画としか言いようがありません。数ある橋本忍の脚本の中でもトップクラス、ひょっとしたらベスト・ワンなのかもしれません。津雲半四郎=仲代達也と斎藤勘解由=三國連太郎の緊迫したやり取りから始まる序盤から、謎の浪人・津雲は何の意図があってやって来たのかが判らないまるでミステリー現代劇のような展開、もうぐいぐいと引き込まれてしまいます。幕藩体制が固まってきた寛永年間、各藩は多くの従業員を抱える法人組織みたいな存在になっています。井伊家は言ってみれば名門大企業、芸州福島家はちょっと大きめの中小企業みたいな位置付けでしょう。幕府の引き締め政策が猛威をふるって地方企業がバタバタ潰れても、財閥企業である井伊家はびくともしないわけです。そして大企業らしい官僚制のうえ建前でガチガチに固まった組織、これは現代のメガ企業のオマージュじゃないかと思うほど60年代とは思えない鋭い視点です。斎藤勘解由や沢潟彦九郎=丹波哲郎が振り回す“武士の面目”はたしかに武家社会のど正論なんですが、裏を返せば体面を保つための手段に過ぎなかったという事が劇中で見事に喝破されます。騒動が終息して記される覚書にも、まるで「西部戦線異状なし」という感じで隠蔽される幕の閉じ方、もう無常観が半端ないです。 まるで舞台劇のような展開でしたが、ラストニ十分の斬り合いがまたリアルです。さすがに眠狂四郎でも勝てるかどうかというぐらいの井伊家の手勢の人数、満身創痍になりながら息が上がってくる仲代達也の立ち回りが壮絶です。そして沢潟彦九郎=丹波哲郎との決闘、なんとこのシーンは両者とも真剣を使っていたんだと。私は剣道には知識はないですけど仲代達也の構えは戦国時代の実戦的なものなんだそうです。それにしてもこの映画での丹波哲郎は、立ち振る舞いからして迫力があってほんと強そうです、この人は剣豪役をやらせたらピカイチですね。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2022-05-30 22:08:51)(良:2票) ★158.《ネタバレ》 最初から最後まで、重厚で緊張感漂う中、一切中だるみがない展開 「武士道」というものをこんな正面からリアルに描いた時代劇観たこと無い 只、最後の派手な大立ち回りはやはり時代劇なんですね 仲代達矢の演技が素晴らしく、恐らく数ある作品の中で最高傑作では? それと、仲代=東宝、丹波哲郎=東映のイメージなんですが、松竹映画なんですね。 【とれびやん】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-09-26 01:55:56) 157.紛れもない傑作。日本のみならず世界の映画史に刻まれてよい作品だと思います。古い白黒映画でありながら、映像は非常に美しくまるで水墨画を鑑賞しているかのよう。セリフも非常にわかりやすく仲代氏、三国氏、丹波氏皆エロキューションが素晴らしい。笑いユーモアのあるシーンは全くと言っていいほど無く、観る者に終始緊張を強いる作品だけに、う~ん、個人的には満点をつけられないが、限りなく満点に近い9点であります。 【代書屋】さん [インターネット(邦画)] 9点(2021-06-18 23:03:58) 156.仲代達矢と三國連太郎が、役者としての格や力量を賭けて正面切って対峙する作品です。二人の大物のぶつかり合いの、ギラギラ感が凄いです。ストーリーも面白いですし、この作品は日本映画の中でも屈指の傑作だと思います。 【wayfarer】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-06-14 02:30:49) 155.《ネタバレ》 およそ25年ぶりに再観。と言っても内容は全く覚えておらず、当時から知っていた本作の高い評価に半ば引きずられたように「面白かった」「いいものを観た」という感想のみが残った。 いつか再び観たいと思いながら長い時間が経ってしまった。観た当時はまだ大学生で、社会に背を向けて生きる、極めて未熟な人間だった。あの頃と今で、いだく感想は変わるのだろうか、少しは深みのあるものになるのだろうか。そう思いながらじっくりと観た。 武家屋敷を訪ね、生活の苦しさから庭先を借りて切腹したいと申し出る浪人が多数現れた天下泰平の徳川将軍時代、江戸時代。こういった浪人たちは、その覚悟に感心した武家に召し抱えられること、あるいはそこまででなくとも、彼らにわずらわしさを感じた武士から金を与えられて帰されることを狙っていた。要するに一種のたかりをしていたのだった。そんな折、津雲半四郎と名乗る、やや齢を重ねた浪人が井伊家の江戸屋敷を訪ねてきた。庭先で切腹をしたいと言う半四郎に、井伊家の家老である斎藤勘解由は、先日、同じ用件で訪ねてきた千々岩求女という若い浪人の話を始めるのだった…。 ゆっくりしたカメラワークと、やや引き気味の優美なアングルによって、冒頭シーンから緊張感がみなぎる。それは、井伊家の屋敷の広さと豪華さ、そこに流れる厳粛な空気も見事に伝えてくれる。 仲代達矢の堂々とした迫力。三國連太郎の気弱で神経質、時には虚勢も感じられる言動。丹波哲郎の意地の悪さと強さ、若干感じられる狂気。出番は少ないが、小林昭二や井川比佐志なども含めた豪華キャストのもたらす存在感と重厚な演技。彼らの「静」からにじみ出る雰囲気も、画面に緊張感と迫力を生み出す。 持っていた竹光で切腹せざるを得なくなった求女。なかなか腹が切れないその切腹シーンは求女側から見れば哀れそのものだが、勘解由たち井伊家の武士側から、あるいは我々映画を観ている側から見ると、厳粛さの中に残酷さ、そして何とも言えない美学のようなものさえ感じられ、片時も目が離せない。まるで一種のショーを見るがごときシーンに仕上がっており、二重構造で作品を見せられているような、奇妙な気持ちにさせられる。 本作の上映は1962年。戦後からはそれなりの時間が経っているが、今よりも死が身近にあった時代だったのでは、そうも考えた。 岩下志麻も素晴らしい。登場当初の存在感は薄めだったが、求女との結婚後のお歯黒(!)、そして求女の亡骸と対面した時のわずかな戸惑いと激しい涕泣。僕も目頭が熱くなってしまった。 困窮した浪人はひたすらみじめだ。金を失い、物を失い、家族を失った半四郎を見ていると、もしも僕自身が経済的弱者になったらどうなるだろうと考えてしまい、胸が痛む。 剣劇シーンの静かな迫力も印象に残る。特に切り合う前のポーズが美しい。ただ、刀と刀を合わせるシーンは堂々としておらず、むしろ若干の怯えのようなものが見えたが、これはリアル感を狙ったのだろうか。 浪人の困窮を告発した半四郎は勘解由に一矢報いるが、最後は大立ち回りの末、惨めに死んでいくのであった。 脚本はさすがだ。それぞれの登場人物の言動が簡潔に、武士のイメージ通りに描かれていて、心情の吐露が多くないのに、各々の心のありようがうっすらと伝わってくるのだ。この「うっすらと」が人間らしさを表現しているように思える。武家屋敷内に横溢する大人の世界独特の嫌らしさも、脚本の力が見せてくれているのだろう。 ところで、観終えた今は、25年前と比べると作品との向かい方も観方も、人生を重ねただけ深くなったと思う。大げさな言い方を承知で言えば、生きているうちに観て良かった。同時に、この作品は年配者にも観てほしいと思った。もしも時代劇を○○○○のような予定調和的作品ばかりだと思っているとしたら勿体無い。それはそれで悪くないかもしれないが、かつてはこんな時代劇もあったのだと知ってほしい。 最後に一言。冒頭1分ほど観た時点で声が若干聞き取りにくく、難しい言葉があったので、字幕再生に切り換えて全編を観た。「照覧」「赤備え」「骨柄」など、その後も聞き慣れない言葉が頻出、字面を見たことでそれなりに意味がとらえられたはずだ。字幕が表示できるディスクで観て良かったと心から思った。 【はあ】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2020-06-06 04:04:58) 154.《ネタバレ》 不気味で緊迫感のある白黒映像と音楽に引き込まれ、全編にわたり武士たちの冷徹な眼差しが死線と向き合わせる。金をせびりにきた老いた浪人が切腹されることになり、そこから二転三転して、社会派ドラマにもギリシャ悲劇にも通じる普遍性のあるストーリーが展開される様は見事。貧困で飢えと病に苦しみ死んでいった娘とプライドを捨てた挙句武光で切腹された婿のために、武士道の虚飾を引き剥がす復讐劇に強烈なカタルシスを感じた。誇りある武士道なんて所詮嘘っぱちと言わんばかりに、あまりに残酷で壮絶で、そこまでしても変えられない無常感が最後まで貫く。何もかもぶち壊した果てに、何事もなく取り繕うだけで終わる理不尽さ。空洞になった社会における人情と倫理を問いかける重厚なまでの後味の悪さが残る。痛切な傑作。 【Cinecdocke】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-07-24 21:06:09)(良:1票) 153.切腹の歴史は知識あまりないのだけども。 落とし前のつけ方とおもってましたが生き恥を晒したくない武士の死に方としてもあったんですね。 ゆすりとしても非常にリスキー。 津雲半四郎演じる仲代の一語一句の重さが物語る重厚な展開。 まさに残酷の美。語り継がれる映画だとおもいます。 【mighty guard】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-07-23 23:41:01) 152.《ネタバレ》 武士道を論じることはついては他の方に譲るとして、何よりもやはり映像美ですね。 ほんと抜かりがない。日本版フィルムノワールとでもいうような、全編にわたって並々ならぬ雰囲気が出ています。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-03-07 20:36:46) 151.《ネタバレ》 これは名作。食いつめ浪人が切腹するつもりもないのに屋敷の庭先での切腹を願い出るのは、金をせびり取るのが目的。武士の風上にもおけないやつがいるもので、そんな悪習をどこかで断とうとしたのも当然の流れ。切腹志願者の若者が携えていたのは竹光で、懲らしめとして竹光で苦しみながらの自害をさせたのも、残酷ではあるけれど卑怯者を成敗しただけともとれる。 冒頭の切腹志願の老浪人が、何やら訳あり気で謎に包まれたオーラを出している。どうやら金が目的の切腹志願者ではなく、何か別の目的がありそうな…。と、その口から衝撃的で意外な真相が次々と明らかにされていく展開に引き込まれていく。 竹光を携えた切腹志願者に対する印象が、最初と最後で180度見事に変わってしまった。これだけ見事に引っくり返されては、あっぱれと言うしかない。 仲代扮する老浪人の井伊家に対する抑えがたい怒りや、自分の娘家族を救えなかったことへの悔恨が、ひしひしと伝わってくる。また、武士道の虚飾や武家組織の汚さを痛烈に皮肉っていて、見応えがあった。 【飛鳥】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2017-02-27 19:54:59) 150.《ネタバレ》 面白かったです。浪人が切腹を押し売りするも当てが外れて本当に死ぬことに…という単純な話と思いきやとんでもない。津雲が井伊家へやって来たこと、求女に対応した家臣三名が不在なこと、いずれにも理由があると分かるスリリングさ、そして、最終的に井伊家も切腹者を出さなければならない理不尽さが印象的で良い。役者ではなにより仲代達也氏。後半までほとんどお白洲から動かないのに凄くカッコいい演技は必見です。最後に、残念ではないですが微笑ましかったのが殺陣。形のうえでは1対30くらいなんですが、しっかり1対1の繰り返し。ああ日本の時代劇だと思いました。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 9点(2017-01-22 12:09:21)(良:1票) 149.《ネタバレ》 仲代達矢さんは凄く好きな役者なんだけど、このストーリーでは井伊家に理があるように見えました。 武士道の精神を感じる所に、現代的価値観を当てはめると混乱してしまうかもしれません。 竹光で切腹のシーンがとにかくリアルでインパクトがあって悲しい。 ただただ不幸な求女と美保がかわいそうでした。 【さわき】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-07-27 18:17:50) 148.ストーリーとしては面白いが、現代の感覚だとちょっと長過ぎるかなと。 これが昔の映画だった、と言われればそういうものなのかとも思う。 もしかすると、ストーリー以外にも特撮や色々な刺激を映画に盛り込むことが常態化しすぎて、それに慣れてしまったのかも。 【チェブ大王】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-03-27 23:03:19) 147.《ネタバレ》 素晴らしい映画です。津雲と家老の一言、一言の攻防、表情にぐいぐい引き込まれます。そして、斬り合うときの刀の持ち方、右手は柄の最も根元を左手は柄の端をしっかり握り、テコの原理で(最大モーメントで打ち合えるよう)刀を相手と交えないと、相手の刀の勢いにはじかれ、それは死を意味する。本当に真剣で戦うことが何かを判らせる殺陣でしたね。40年前位前から、まともなチャンバラを目にしなくなり、今はもうチャンバラお遊戯の時代劇しか、観られない中、新鮮でした。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-12-13 14:21:57)(良:1票) 146.《ネタバレ》 一見地味目な雰囲気なのだが、観ていくとその世界へ入っていっちゃいますね~。よく練られた脚本と迫力の演技力が素晴らしい。そのなかでもやっぱり仲代達矢の凄み、この一言ですね。おまけじゃないけど岩下志摩若い! いやーすごかったなぁ~感心イタシマシタ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-12-09 11:38:00) 145.《ネタバレ》 やや冗長すぎる感はあったが、 説明なしに、どんどんと事件の詳細が明らかになっていく感じ、 そしてその内容のむごさが凄く印象的だった。 前半だけならば、その通り傑作なのだが、 後半の復讐劇はほんとうに余計だと感じた。 もし、前半の語りが終わって、あのまま切腹していたら、 それこそ「切腹」という名作映画として凄まじい印象を残していただろうと思う。 【麻田葉一】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-11-29 17:18:17)(良:1票) 144.仲代達矢さん主演作はこの映画が初見となります。 いやあ、本当に強烈な演技の持ち主だなと観終わった後、しばらく胸がジーンとなって何も考えられませんでした。 しかも仲代さんは当時弱冠29歳で、孫のいる老侍津雲半四朗という大役を見事に演じきったのですね。恐れ入ります! 本作の映画の脚本、演出が素晴らしいことは言うまでもありませんが、いくら最高の脚本でも、役者もそのレベルに見合わなければ台無しに成りかねません。 良い脚本と、良い役者! この2大要素が見事に揃っています。 後、武満徹氏の音楽も印象的でした。 それにしても、「切腹」をテーマにここまで世界観を広げられるとは、脱帽ですね!!! 【ぶっちち】さん [ブルーレイ(邦画)] 10点(2015-11-29 13:04:59) 143.《ネタバレ》 一切無駄がなく、見る人によっては痛快極まりない。上辺だけの見栄がいかに馬鹿馬鹿しいのか、改めて勉強させてもらいました。私が面白いと思ったのは、津雲と沢潟の対比です。決闘シーンでの戦術は前者が古風で後者が最新鋭のもの。これが意味するところは、現代社会の無知な武士道賛美に対する批判でしょう。明治維新で滅びるはずだった武士道は現代にも生きながらえ、本来の意味を全く無視して都合よく理解している人の多いこと。津雲は見栄ばかりで実態のない武士道の実体を暴露し、乱闘の末切腹することで、本物とはこういうことだと示したのです。真相を隠蔽する斎藤勘解由の惨めさは痛快!津雲がただ暴れまわるのではなくバックストーリーに重みがあることが本作の素晴らしい点で、そのエネルギーに圧倒されるばかりでした。本作のようなエネルギーに溢れる映画を見ることこそが映画鑑賞の醍醐味です。 【カニばさみ】さん [インターネット(字幕)] 9点(2015-11-23 13:07:34)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS