みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.何より驚いたのは、この舞台設定が昭和60年(1985年)だったこと。終盤の加藤武のセリフで初めて気づきました。「ピカ」の後遺症の話が出てくるので、昭和30~40年代の話とばかり思っていました。それに温泉街は暗くて古くて貧しそうだし、とんでもなく男尊女卑の世界だし。実際に封切りも1985年なので、これが当時のリアルな姿なのでしょう。高度成長後とはいえ、バブル直前の日本はまだ経済的にも精神的にも貧しい国だったんですね。こんな姿には戻りたくないものです。 それはともかく、吉永小百合の病気話が中心かと思っていたら、いろいろ盛り込まれていてけっこう楽しめました。樹木希林とか、名取裕子とか、さすがにいい味出してます。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2024-04-14 02:19:08) 7.《ネタバレ》 全体的に、山間の温泉街のねっとりした雰囲気の撮り方は丁寧だし、また脇役にも配慮がなされている。名取裕子って、主役よりもこういうちょっと尖った脇役の方が絶対に光ってるよね、ということも考えてしまう。樹木希林もそう。しかし、一番凄いのは何といっても小川真由美で、男装の舞台剣劇という貴重なものも見られれば、さらには窓の外をさっと横切る北大路の姿に一瞬ですべてを察知し、知らん顔でその場を乗り切る醒めた迫力など、くらくらします。あと、「若い姉ちゃんのヌード画を描く夫の横で平然と無表情に茶を点てている妻」などという演技を当然のように展開する荒木道子も忘れてはいけません。こういう芝居ができるのはこの人だけです。●しかし、終盤で隠岐に行ってからは突然情緒的で凡庸になってしまい、作品のテンションも下がってしまいました。元に戻ってみんなが勢揃いしたところで持ち直しはしましたけどね。やっぱりこの作品は、脇役あっての作品です。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2024-04-10 00:23:58) ★6.《ネタバレ》 先日、湯村温泉に宿泊する機会があって「夢千代日記」の舞台だったという知識を得たので、見ることにしました。評価の高いテレビ版はレンタルに供されていなかったので、とりあえずは映画版から見ることに。30年ほど前の作品ですが、小さな温泉街ながら、温泉客の宴会の相手をする芸者の置屋があって、演芸小屋があって、ストリップ小屋があってと、今の落ち着いた鄙びた温泉街の雰囲気からは想像できない、熱気と猥雑にまみれた昭和の臭気がプンプンしてきて、タイムトリップ感を楽しむことができました。こういった生々しい描写は、おそらくテレビシリーズでは難しいだろうと思うので、これはこれでいいと思いました。吉永小百合は、ちょっと、人間を超越したような風格があって、原爆による白血病で余命幾ばくかの置屋の女将兼芸者役が見事にはまっています。金が絡んだ男女関係、でも金では精算できない情念が渦巻く世界で、一人だけ孤高の世界にいて、作品の品格を支えている感じです。面白いバランスだなと思いました。テーマが温泉街に集まった女たちの人生の悲哀にフォーカスしているので、こうなると、原爆の話は背景設定くらいに押さえた方が良く、終盤で強調したのは、唐突感があって、しっくりときませんでした。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-02-19 16:12:40) 5.あれはどう見ても親父が悪い。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-01-17 20:43:54) 4.《ネタバレ》 先日、湯村に行ってきましたが、一昔前はあんな小さな村にもストリップ小屋があったり、旅役者がやってきたり、 そういう時代だったのだなぁ。と、一昔前の昭和を感じる事のできる映画でした。 色々と突っ込みどころがあり、色んな人の人生が凝縮されていたのですが、 特に北大路くんのお父さんの殺害場面が酷すぎて頭に残ってしまった。 そら、あんなに上手にラッパが吹けるのに、楽器やステレオをあんな風にされたらキレるに決まってる。 それに大してキレてない。ただのはずみや。キレたのはお父さん。完全に冤罪やのに15年も人生捨てて・・・・。 でも、トランペット吹くにしてもオカリナ吹くにしても、もうちょっと指を動かしてくれないと、それだけで演技下手だと思ってしまう。 【アキラ】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-01-17 20:21:06) 3.余命幾ばくもない恋を演じる吉永小百合はすばらしい。だけど評判の高かったTVドラマシリーズには及ばないようだ。それにピカドンもとってつけたような描き方だし・・・。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-08-15 04:30:20) 2.前半は良かった。ひなびた感じ。でもそれは諦念の世界に通じていきやすく、テレビのときも思ったんだけど、それが反核のメッセージとうまくつながらないのよね。画面が滅びる美しさを奨励しているようで、その滅びの美しさと反核とを正面からきちんとぶつけられたら、テーマとして深まったんだろうが、なんとなく雰囲気として立ち込めるだけになってしまった。腹貸し女と本妻とのシーンはちょっとホロッとした、でも肝心の本筋の北大路君の話が詰めが甘くて大時代的。ラストの桜と吉永さんの顔と踊りとのオーバーラップは俗悪でした。これが監督の遺作か、もう弱ってたのかな。テレビの音楽は武満だったが、あっちも弱ってて『暗室』(無機質なフルートの響きがとてもよかった)で組んだ松村禎三を起用。なんか滅びの映画になるわけだわな。松村さんもいいんだけど、テレビ版の武満の印象が強くて。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 5点(2011-08-09 10:11:05) 1.《ネタバレ》 夢千代は湯里の置屋の女将。幼少の頃長崎で被爆し、恐れていた白血病が発病、余命半年と診断される。そこから物語が始まる。帰りの電車中、余部鉄橋で飛び降り自殺を目撃。同じ列車に乗っていては目撃は不可能だろう。実際問題相当ジャンプ力がないと橋枠を越えられないし、手を合わせた姿では飛べるものではない。映画では窓の上から人が降って来た。苦笑。そもそも心中するのに電車の飛び降り選ばないだろう。一瞬しか好機がないからだ。普通飛び降りるのは崖から。置屋の芸妓は不幸のオンパレード。兎は客の子供を代理出産。「もう子供を堕すのはいや」が印象的。客の妻からよろしくお願いしますと頭を下げられる。紅は自殺願望が強い。妻子ある男を好きになる。客から車をせしめ、男にプレゼントするが、結局振られる。入水自殺未遂。夢千代に「命をもてあそばないで」とビンタ。小夢は足が不自由。老画家に買われ、ヌードモデルに。絵が完成し、画家が小夢の体をむさぼっている最中に頓死。癌で余命三ヶ月だったとか。「最後の命を燃やすことができて感謝してます」と妻の弁。エロじいにしか見えなかったが、有名な画家だった。いい年をして小娘の裸に夢中になるところが笑える。其の他、本番を強要されるストリッパーなど登場。温泉町は不幸の吹き溜まり。さて飛び降り事件だが、目撃証言で自殺か殺人かが決まる。もう一人の目撃者が旅役者の宗方。夢千代は宗方に証言するように頼むが、かたくなに拒否させる。実は宗方は父親殺しの逃亡者で、時効間近。二人はいつしか魅かれあうが、恋は死で終る。宗方は逮捕。脚本に作りすぎ、詰め込みすぎの感が強い。オリジナリティーがなく、全てが類型的。夢千代の日常や心の揺れ動きに焦点を絞るべきだった。被爆者という設定が生きていない。被爆した頃の夢千代の様子を描いていないからだ。吉永小百合の女優としての魅力でもっているような作品。監督から死に際に「ピカが憎い」と言えと頼まれた吉永が拒否したという撮影挿話が残っている。言わなくて正解。耐えて、受け入れてこそ夢千代であり、憎んだりしたら夢千代じゃなくなる。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-08-08 17:34:38)
【点数情報】
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