みんなのシネマレビュー

おもひでぽろぽろ

Only Yesterday
(Memories of Teardrops/Memories of Yesterday)
1991年【日】 上映時間:118分
ドラマアニメ青春もの学園もの漫画の映画化
[オモイデポロポロ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-02-05)【イニシャルK】さん
公開開始日(1991-07-20)


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監督高畑勲
今井美樹岡島タエ子(27歳)
柳葉敏郎トシオ
本名陽子岡島タエ子(小5)
山下容莉枝ナナ子
寺田路恵
北川智絵祖母
飯塚雅弓ツネ子
増田裕生広田秀二
古林嘉弘駅員
岩崎ひろみ近所の6年生
高橋一生クラスの男子
近藤芳正担任の先生
永井一郎トラヒゲ(カメオ出演)
井上大輔
小島幸子
デイジー・リドリー岡島タエ子(27歳)(英語吹き替え版)
デヴ・パテルトシオ(英語吹き替え版)
原作岡本螢
刀根夕子
脚本高畑勲
音楽星勝
作詞高畑勲「愛は花、君はその種子」(日本語訳詞)
高橋幸宏「ライディーン」
青島幸男「だまって俺についてこい」
井上ひさし「コケコッコのうた」/「プアボーイ」/「ひょっこりひょうたん島」
作曲市川昭介「好きになった人」
高橋幸宏「ライディーン」
萩原哲晶「だまって俺についてこい」
小川寛興「さよならはダンスの後に」
ヨハネス・ブラームス「ハンガリー舞曲集」
フランツ・シューベルト「ピアノ五重奏曲」
編曲星勝「愛は花、君はその種子」
市川昭介「好きになった人」
森岡賢一郎「思い出の渚」
主題歌都はるみ「愛は花、君はその種子」
挿入曲都はるみ「好きになった人」
倍賞千恵子「さよならはダンスの後に」
植木等「だまって俺について来い」
藤村有弘「コケコッコのうた」
熊倉一雄「プアボーイ」
細野晴臣「ライディーン」(プロデュース)
撮影白井久男(撮影監督)
スタジオコスモス
野口博志〔撮影〕
製作徳間康快
宮崎駿(製作プロデューサー)
徳間書店(「おもひでぽろぽろ」製作委員会)
奥田誠治(「おもひでぽろぽろ」製作委員会)
日本テレビ(「おもひでぽろぽろ」製作委員会)
博報堂(「おもひでぽろぽろ」製作委員会)
企画山下辰巳
斯波重治
プロデューサー鈴木敏夫
制作スタジオジブリ
原徹
配給東宝
作画近藤喜文(作画監督/キャラクターデザイン)
安藤雅司(動画)
百瀬義行(場面設計/絵コンテ)
近藤勝也(作画監督)
前田真宏(原画)
井上俊之
小西賢一(動画)
吉田健一(動画)
美術京都アニメーション(仕上げ)
真野薫(タイトル)
山本二三(作景)
武重洋二(作景)
男鹿和雄(美術監督)
保田道世(キャラクター色彩設計)
高屋法子(ハーモニー処理)
編集瀬山武司
録音東京テレビセンター(録音スタジオ)
井上秀司(調整)
浅梨なおこ(録音演出)
その他井上ひさし(協力)
NHK(協力)
藤村有弘(協力)
熊倉一雄(協力)
東京現像所(現像)
集英社(協力)
糸井重里(キャッチコピー【ノンクレジット】)
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【クチコミ・感想】

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192.《ネタバレ》 リアルタイムで観たのは、美術と音楽くらいしか良さがわからなかった学生時代。
タエ子と同年代の頃は、結婚が女の幸せと言われているようで嫌な映画だと思った。
そしてタエ子の歳もとうに過ぎ、結婚し子どもも授かった今、改めて観てこの作品の深さがわかった気がする。

物語は最初から最後まで淡々、淡々、淡々と進む。
この冗長な話にぼんやり付き合っていると、最後の最後エンディングでぶわっと感動が押し寄せる。無駄なエピソードの羅列だと思っていたものがすべてつながっていく。
一度は座席に座ったものの、決意を秘めて立ち上がるタエ子の後ろ姿が力強くて素敵だ。アニメなのに「名演技!」と思う。

主人公の決意とは「農家の嫁(しかも年下)」という何とも平凡なもので、こんなネタで1本映画を創ってしまった高畑監督はなんとまぁ命知らずというか・・・
でも実際に女性にとって結婚とは人生で最大の決心とも言えるもので、新しい生活のために今までの自分を捨てなければいけないこともある。
本作は、まさに等身大の女性の人生の岐路を描いたものなのだ。

人は大人になっても、迷いながら成長する。
そして不安で立ち止まってしまったとき、背中を押してくれるのはきっと、今までを生きてきた自分自身。
この作品は人生の応援歌なのだと、今になって気づいた。 denny-joさん [映画館(邦画)] 8点(2013-05-18 23:52:02)(良:3票)

191.厳しいコメントを、と思って来てみましたが、案外に不評なので、肩透かしを食らったような気分ですが…(苦笑)。「思い出」というのは意図的に作られるものではなく、また、これを想起するのも偶然であることがほとんど。人為的に視聴者全員で共通体験的に思い出を扱おう、という想定自体が無茶、というものでしょう。したがって、本筋から細部に至るまで、わざとらしさや小細工ばかりが目立ってしまいます(本筋のわざとらしさ=自然・大地の素晴らしさ、田舎の人の素朴さ・人柄の良さ、等々。細部のわざとらしさ=由美かおるの『ハイアース渦巻』やナショナルの看板、等々)。「いかにも」ということを並べるだけでは、残念ながら思い出には結びつかないんですよね。懐かしさの強要、というような不快感さえ覚えたほどです。とはいえ、本作によって、小さい頃の自分と現在の己とのギャップを反省させられ、「今の自分の体たらくは何なんだよ…もっと頑張らなきゃな!」との思いを新たにできたので、その点には大いに感謝します。 アイアン・バタフライさん 7点(2004-03-29 14:05:52)(良:3票)

190.《ネタバレ》 分数の割り算のエピソードが物語るように、タエ子は小学5年生のときから、あれこれと考え過ぎな性格で、ちょっと被害妄想気質のヒロイン。良く言えば、感性が鋭いといえるかな。実際、割り算には等分割と包含割の二種類の意味があるがために、分数の割り算を等分割で考えてしまってはイメージしにくいのです。ようするに、彼女の疑問は軽々しく唾棄出来る屁理屈ではなく、めちゃくちゃ良い疑問なのです。少なくとも、“ひっくり返すだけ”で分数の割り算が出来ることなんかより、百万倍の価値があるのです。そんな彼女には汲々と働いて、家路につくのを繰り返す都会暮らしは明らかに向いていないように見えます。だから、山形は彼女の心の聖域だったというわけです。“大人になるということ”は逃げる勇気を持つこと。人はなかなか変われません。ならば、変わる必要はない。環境を変えてしまえばいい。そして、心の赴くまま、素直に進めばいい。一つの立派な決断だと思います。
初恋?初キュンの嬉しさのあまり、空をすいすいと泳いで、布団に着地するシーンはアニメならではであって、その飛翔感たる思いがよく伝わってくるとっても好きなシーンです。 うーさん [地上波(邦画)] 5点(2015-08-26 01:10:54)(良:2票)

189.この作品は公開前に脚本を見せてもらう機会があり、生理といったネタをどう処理するのだろうと興味を持って鑑賞したのだが、意外とすんなり受け入れられたので、巧く描いてるなと感心したのをよく覚えている。写実的な描き込みにも技術力の高さを思い知らされたし、当時のジブリが一歩先を行ってるということを充分に認識させられた。確かに内容的には大人のドラマであり、ジブリの看板を引っ提げて公開したことにより、多少の被害者は出たようだが、地味ながらも何か心に伝わってくる良さを感じる。 もとやさん 7点(2004-03-12 14:14:57)(良:2票)

188.《ネタバレ》 都会のOLが有機農業青年と出会う話なんだけど、その悪意のなさが、けっこう心地よかった。こういう話だと定番である「都会にウンザリしている描写」もない。子どものころの憧れのままで、田舎を思っている。ちょっと単純すぎるかと思いながら、その単純さが気持ちいいのも確かだった。おはなはんのテーマや、ひょっこりひょうたん島や、わが世代をストレートに狙っている(ただ電信柱のトクマ文庫はスポンサーへの配慮優先で時代違いだろう)。学級会も懐かしかった。廊下を走った人を委員は走っていって掴まえていいのか、というようなことを議論するの。分数の割り算、3分の2のリンゴを4分の1で割るとはどういうことか、とか学校のあれこれ。給食の時間に流れていたハンガリアン舞曲は、のちのハンガリー民謡の伏線か。OL篇の丁寧さは、ある限界にまで来てて、ここまで来たら実写と違わないじゃないか、と思ったが、アニメだからって非現実的な世界でなければならないことはなく、雨あがりのしずくや朝日の差すとこなんか、いいんだ。確信犯的な狙いか。都はるみが「ローズ」歌い出したときは、何が始まったんだ、と思っていると、昔の友だちが湧き出してきて、まあ、泣けますわな。 なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-01 09:45:44)(良:1票)

187.子どもの頃に予想していたよりも、かなりゆるやかなペースで大人という存在に近づいていくもので、ものの考え方とか価値観とかもちろん成長して変わっていくのだけれど、小学5年生の頃には不安定ながらに自己が確立してきていて、今の自分とそんなに大差ないようにも思える。だからそのときの経験が未だにトラウマだったりする。一方で、「何であの時の自分はこうだったんだろう」と、自分のことなのに理解に苦しんだりする。そんな昔の自分が、現在の不安定な自分にまとわりつく。なかなか感慨深いと思うんですけど、皆さんの評価はきびしめですね…雰囲気もいいしちゃんと見ると結構おもしろいですよ? なこちんさん [地上波(邦画)] 8点(2010-12-20 07:20:07)(良:1票)

186.《ネタバレ》 小学校5年生の思い出と現実が交互に展開する。構成は見事で、子供のころに握手をしてくれなかった男の子の思い出が今の自分を映し出す役割になっている。つまり、表向きは好意的なふりして、本当は心を開いていないということ。だから嫁に来ないかといわれたときに、そんなことを想定もしていなかった自分にハッとする。田舎はいいとさんざんいいながら実際に田舎で暮らすなんてことまったく考えておらず、そしてそのことを周りのみんなにも見透かされていた。そして帰りの電車で乗り換え田舎に戻る主人公を祝福する過去の自分。すごいとしかいえない。 承太郎さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-07-26 20:15:05)(良:1票)

185.《ネタバレ》 長期休暇をとって、まるで他人の田舎の家に居候する、という27歳の独身女性(笑顔がやや老けてる)。という設定が提示されるオープニングの瞬間に、この映画に深遠なる深みが生まれている。小学5年生の記憶が勝手についてきたという表現しているが、いや彼女はそうではないだろう。きっと常日頃いつも過去のわだかまりを引きずってきたに違いない。特に病んだときにはトラウマのごとくアベくんが去来したに違いない。21世紀ではこういう女性に最適の薬を精神科で処方してくれるだろうが。タエコは映画で描かれている以上に思い悩んでいたに違いない。
柳葉敏郎、あの男も下心に支配され、蜘蛛のようにタエコに舌舐めずりしていたにちがいない。柳葉からの心情吐露が無いので(描く必要など一切無いが)心中は把握できないが、25歳の独身男性でしょ、トラクターを研修しているときとか、絶対胸がばくばくだったに違いない。
多くの現代オトナたちは、蝶が芋虫の自分を不連続ととらえるように、小5の自分とはまったく不連続の別人と捉えてしまっているのではないだろうか。けれどもまごうことなく現在の自分との連続体であるわけで、現在の自我形成に大きく影響しているはずである。あの帰路の電車、立ち上がり引き返すエネルギーはなみなみならない。その重い腰を上げさせたのが小5の自分であるが、あれはもちろん自分自身の内面なわけであるから、俺はタエコを心の底から祝福したい。
no_the_warさん [DVD(邦画)] 9点(2009-07-23 15:59:38)(良:1票)

184.《ネタバレ》 レビューを書くにあたって一つだけ、自分が初めて劇場で見たジブリ映画がこれだった、というごく個人的な「おもひで」を書いておきたいと思います(^^;)。

主人公である27歳のタエコは、親元を離れて就職を経験するなど、一応は自分自身の人生を自分だけの手で所有する事になり、その結果、自分自身の気持ちと自然に向き合うようになったのだと、僕には見えました。その結果、彼女の胸には数々の「おもひで」が去来するようになったのだと思います。

その彼女の「おもひで」の数々が、今回見返してみて、まるで自分自身のかつての「おもひで」に接しているかのように親しく感じられたのです・・・と言うよりも、自分自身の気持ちに素直に向き合うようになった27歳のタエコが、彼女にとって最も親しい、自分にとっての中心となる大事な感情が秘められた「おもひで」を一つ一つたどって行くそのプロセスが、僕にとってとても素直に響いた、ということかもしれません。

子どもらしい些細な感情を基調に淡い色調で描かれているので非常にマイルドな印象を受けますが、小学校時代のタエコの「おもひで」で描かれているのは(もちろん観ていて微笑ましいものも含まれるものの)、いずれも自分自身の本質的な「疑問」や「感情」を押し殺されるような、実はタエコにとってとても過酷な経験ばかりです(例えばタエコはその後、「分数の割り算」に対する本質的な疑問を解く事はできませんでしたし、劇団の子役になることも叶わず、何より転校生に対しての「後ろめたさ」を長い間引きずらなければなりませんでした)。

その数々の「おもひで」に接して、27歳のタエコはある時は、そこから自分自身の大事な気持ちを(つまり、疑問や喜びなど、様々なことに対して自然に、素直に心を動かしていた自分自身のありようを)振り返り、またある時には「トラウマ」とも言える深刻な後ろめたさと真剣に向き合うのですが、そんな彼女の姿が、僕にとってとても力づけられるように感じられたのです。ラストシーンで初めて、27歳のタエコと小5のタエコが(恐らく27歳のタエコは気づいていないままで)「出会い」を経験しますが、少し大げさな言い方をすると、僕はこのシーンで27歳のタエコがようやく、数々の「モヤモヤ」を抱えた小5のタエコ(つまりかつての自分自身)と「和解」をすることができたように見えて、とても心温まる思いがしました。 マーチェンカさん [地上波(邦画)] 10点(2007-10-20 00:19:51)(良:1票)

183.主人公が今より昔の方が好き 
小学校の時だけで話成立していいと思う
  れみさん 4点(2004-07-02 23:47:58)(良:1票)

182.ジブリ作品なので親と安心して観てたのに、“生理”なんて言葉が出たときには、そりゃ~もう…(泣) (*´▽`*)ゎぃさん 4点(2003-12-27 17:52:08)(笑:1票)

181.なんだか、共感しにくい作品ですね..(ちょっとキレイ事すぎるし..) 田舎はイイぞー!農業はイイぞー!と、見せすぎです! 何気ないところからそれを感じさせないと..何もかも、“いやみ”に見えてしまいます.. そこが監督の腕の見せ所でしょ~!... コナンが一番さん 5点(2003-11-21 12:59:07)(良:1票)

180.晩夏の深夜。ふいに観たくなった“ジブリ作品”の中でもマイナーの筆頭とも言えるこの映画を、DVDで観る。
観る季節としては、とてもいいタイミングだと思う。

“マイナー”と言っても、この作品でさえ鑑賞回数の延べ数は2、3回では留まらないだろう。
だが、「良い映画」というものは、観るほどに深みが増すものだ。
そして、この作品の場合、歳を重ねたり、環境が変わるほどにその風合は大きく変わってくると思う。

詰まるところ、これまでの印象以上に素晴らしく良い映画だと思った。
27歳を迎える都会育ちのOLの心象を、小学5年生時の自分の「思い出」と共に描き出す。
時間の壁を懐古感と情感たっぷりに行き来するその描き方が、非常に巧みだ。
昔の自分を顧みるだけでなく、その心情を軸として現在と自分自身と向き合っていく様が、この映画をただの「昔懐かし映画」に留まらせていない。

小学5年生の自分、東京でOL暮らしをする自分、田舎生活を満喫する自分、様々な「自分」を見つめながら、新たな「自分」を見出していく。

この映画を初めて観たのは小学生の頃だが、その時はこの映画の持つテーマの意味合いなんて分かるはずもなかった。結果、“なんだか地味なアニメ映画”という印象が根強く残る。
でも、まあそれは仕方がない。
ある程度、観る者自身が歳を重ねないと、この映画が“物語るもの”に感情は反応しないだろう。
と、いうことを25歳になる年の夏に気づいた。

歳を重ね、思い出はあるときぽろぽろと降り落ち、自らの足元に積もっていく。
そういうものなのだと思う。 鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 10点(2003-10-28 10:32:41)(良:1票)

179.最悪であった プレデターさん 1点(2001-04-02 21:49:06)(良:1票)

178.《ネタバレ》 そういえば見てなかったかも?と思い手に取り鑑賞。
面白かった。これは小学生中学生で見てもきっとわからないだろう作品。
主人公の心情がおもしろい。27歳を迎え、田舎で過ごす主人公が、小学5年の過去の自分と重なり、自分が嫌になってるところが非常におもしろい。
同級生を汚いと思うことは悪いことだ。私はみんなとは違う。。。
でも・・・・そう思う自分が一番卑しいのではないか・・・
27歳の自分はどうだ? 何も変わってない・・・外面はいい顔。それを見透かされている・・・。
男心が分かってないよ〜と教えてくれるのだが、分数の割り算で考えている部分が、この考えすぎな部分に繋がっている。
あと印象に残ったのが、駄々をこねて、靴履かず外出てきたら、お父さんにぶたれたところ。
最後がファンタジーすぎるのが少々残念。 へまちさん [DVD(邦画)] 7点(2021-07-18 22:28:11)

177.《ネタバレ》 最初に見たのは90年代のTV放送だが、そのときは半分程度で挫折した。主に昔の微妙な記憶をほじくられるような感覚が不快だったからだが、いま見れば小学生編もけっこう楽しく、戦前生まれの父母のふるまいもそれらしく見える。なお分数の割り算に関しては、2/3のリンゴから始めるから難しいのであって、3/4のリンゴを1/4で割ることを考えればとっつきやすいと思われる。
大人編に関しては、普通の田舎の風景や事物が丁寧に描かれているのが好印象で、紅花の収穫と加工についての説明は興味深い。婆様の顔や言葉などはけっこうリアルでいいのだが、ただ柳葉敏郎は、劇中の場所とは方言の系統が違う秋田県の出身だからか現地言葉が全く様になっていない。関東でいえば神奈川県人が茨城方言を話すようなもの?で、東北などどうせどこでも全部同じだろうと思われては困る。

物語としては、個人的にはわりと素直に“都会の女性が田舎に定着するきっかけの話”として受け取れる。現地の人々にもそれを望む気持ちは当然あったろうし、駅まで迎えに行かされたのが若い男だったのもそういう素朴な思惑があってのことかも知れないが、しかし本当に実現するとも思わないのが普通の感覚でもある。この点については本家の3人にも温度差があったようだが、その中で婆様の裏表のない直言が結果的に主人公の素直な反応に結びついたということらしい。その後にぶり返した「あべくん」の記憶には偏見に起因する心理的な壁という問題が含まれていたようで、これは主人公が現地に定着する際の葛藤を先取りした形とも取れる。最後に山寺駅で折り返したのは、とりあえず婆様に今の気持ちを見せたかったからで、あとはゆっくり冬の来訪で、ということだったろう(仙台から東北新幹線を使えばその日のうちに帰れる)。ラストでは、主人公を祝福しながらも寂しげな子どもの表情が印象的だった。

当時であれば東京出身の女性が農山村に嫁入りなど正気の沙汰ではなかった気もするが、ちなみに劇中年代から30年以上経った現在の話として、うちの地元にも大学や研究機関があるせいか、関係ない場所(大都市圏など)から来て定着する若手の人々が目につくようになっている。こんなところの何がいいのかと正直思うが、田舎だ都会だということと関係ない人々が出てきているようではあるらしい。地域社会との間合いの取り方もそれぞれであり、必ずしも閉鎖空間に囚われるかのように考える必要はない。
この映画の主人公は現在もう還暦を過ぎていることになるが、仮にこの場所に定着していたとすればIターンのよき先例になって、地域社会に少しずつ変化をもたらしていたかも知れないと考えたい。 かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 8点(2017-01-23 23:42:06)

176.女子向けの映画だと思うが、良く出来ている。
途中ちょっとダレるものの、最後まで観て良かったと思わせる作品。
ただし、結末に対しては多少疑問は残る。話の筋がキレイすぎてそれが気になるからだと思う。実は、現実重視よりファンタジーとして作られたんだろうな、とそう考えれば納得する。 simpleさん [地上波(邦画)] 7点(2015-08-22 14:19:15)

175.27歳のホウレイ線やラストで賛否両論あるようですが個人的にはラストはこれでよかったのかなと。ファンタジーチックで、「ローズ」とは違う和風なしんみり加減もよかったです。
HRM36さん [DVD(邦画)] 7点(2015-03-16 11:41:47)

174.《ネタバレ》 強烈につまらなかった映画です。主人公が勝手に一人で盛り上がって、「あの頃、こんなことあったよね?私、地味にすごかったんだよ?」って相手方無視で一方的に語っているような感じがしました。同年代の女性ならば、共感できる部分が多少はあるのでしょう。でも、そうではない大部分の人にとっては、どうでもいい演劇のエピソードみたいな、つまらない昔話を聞かされているだけに思えます。 川本知佳さん [ビデオ(邦画)] 1点(2014-10-03 16:48:37)

173.これはあまり面白くなかった。 aimihcimuimさん [DVD(邦画)] 4点(2014-09-12 01:29:44)

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【点数情報】

Review人数 192人
平均点数 5.35点
042.08% line
173.65% line
2115.73% line
3105.21% line
42915.10% line
53719.27% line
63116.15% line
73417.71% line
82110.94% line
942.08% line
1042.08% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.80点 Review5人
2 ストーリー評価 6.06点 Review15人
3 鑑賞後の後味 6.75点 Review12人
4 音楽評価 6.60点 Review10人
5 感泣評価 4.66点 Review9人

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