みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.もう数ヶ月前のことにはなるのだけれど、Japan Speaks Out! Early Japanese Talkiesと題したMoMAのシリーズを通して鑑賞。東京国立フィルムセンターからこの街まで運び込んで下さったその気持ちに敬意を抱く。 「藤原義江」という名前は知っていたが、ただ「知ってる」のレベルでそれ以上それ以下でもなかった。出会ったのは妹尾河童著「少年H」一幕においてで、「赤盤」ということばとともに登場する。その人の声をいきなりこうした初期のトーキーを通して姿形とともに聴けるようになる機会がこんなにも早く訪れることになろうとは当然予想していなかった。しかも、溝口健二監督作品。昨年の溝口映画祭で見逃したタイトルでもあった。感激至極である。長生きしてみるもんだ(笑) 【kei】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-09-12 22:17:28) 2.はじめて映画が“音”を手に入れたとき、“歌”や“音楽”を使おうと考えるのは、まあ自然でしょうなあ。“騒音”って発想に至った『マダムと女房』の方がかなりひねくれてる。で歌手を主人公にして、しかし役者全般がどう声を出していいか困ってて、「とりあえず新派でいこう」って感じだったのだろうか。テナーと新派的物語。メロドラマではあるが、やや傾向映画的な香りもあり、資本家に踊らされるテナーをたしなめる妻は、印刷工となる。工場への道を歩きながら新聞を読む場など、労働者の匂いが立ちこめる。一方頽廃のパーティシーンではカメラがけっこうくねくねと回り込み、あの時代の撮影機器ではそうとう大変だったのではないか、そうでもないのかな。テープが乱舞し。この時代の映画で忠告する友人となると、まず小杉勇なのだ。このパターンは、グレかけたけど立ち直る不良少年ものにも通じる。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 5点(2009-07-22 11:57:00) 1.東京は中央区京橋(きょうばし)にある「東京国立近代美術館フィルムセンター」にて開催中の、溝口健二特集上映会にて鑑賞。 この特集上映においては、フィルムセンター所蔵の溝口作品を、なんと34作品も上映する。 溝口特集としては、まさに究極の数と質である。 今回は、その上映ラインナップの中でも特に貴重な作品の一つであろう『藤原義江のふるさと』を鑑賞した。 本作は、サイレントとトーキーが混ざったものであった。 トーキーだと思ったら、突然サイレントになったり、またトーキーに戻ったりする。 日活初のトーキー作品である本作は、そんな実験段階にあった作品なのであろう。 藤原義江という著名なオペラ歌手の、いわば伝記的作品である。 オペラ自体に造詣がないので、その辺からして入り込めず、しかも上に書いたような独特のセリフ回しや、“パート・トーキー”作品であることも手伝って、あまり楽しむことができなかった。 しかしながら、その後の溝口作品の基礎となるべくシーンやカメラワークも各所に見受けられ、特に、ダイナミックで溝口独特のカメラワークは、本作においても楽しむことができた。 それと当時の洋館の造りとかインテリアとか、映像的にも楽しめる箇所がいくつかあった。 フィルムセンターの上映環境は非常に素晴らしく、特にこういった古い日本映画の上映については、まさに最適の映画館だと思われる。 古典的な日本映画に常についてまわる“セリフの聴き取りにくさ”が極力緩和されており、恵比寿ガーデンシネマとは雲泥の差であった。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 3点(2007-09-19 04:22:55)
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