みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
182.《ネタバレ》 私のアンチヒーロー好き(判官贔屓)を決定づけたといってもよい作品。今だ私はダーティーハリーを超えるアンチヒーローは出会っていない。犯罪者に対して容赦のないハリー。暴力には暴力で返す。しかし、それは決して正義ではない事をハリー自身は知っている。彼はひねくれ者で常に哀しみと孤独を纏っている。その哀しみとは周りの人々に理解されない事ではなく(彼はそんなに弱い人ではない)そんな生き方しか出来ない自分を嫌悪しているところからきている。けれど、他の生き方など出来ない自分も知っている。ラストで彼が警官のバッジを投げるのは「警官が正義を貫けないなら警官なんて辞める」という意味ではない、と私は解釈している(それならば、もっと爽快感があってもいい)私はハリーが「自分は警官にふさわしくない」と感じたからだと思う。今までハリーは無茶をやってるけど、ぎりぎりのところで警官としてのプライドと誇りを守っていた。しかし、ラストでハリーは卑怯な騙し撃ちをする(自分の命が危うい訳でもない)個人の憎しみで人を殺してしまえば、殺人と同じで犯罪者と同等にまで堕ちてしまう。犯罪者を裁く立場の警官がしてはならぬ事なのだ(それが許されるのなら、警官なら人を殺してもいい、事になってしまう)ハリー自身が一番よく分かっている。だからこそバッジを投げたのだ。犯罪者と同じところに堕ちなければ裁けないほど病んだ社会。堕ちると分かっていても裁かずにはいられない孤高の男の哀しみの映画である。しぶすぎる!(今って「私は正義だ!」と画面からわめいているようなヒーローが多くて嫌;) 【果月】さん [地上波(吹替)] 8点(2009-07-28 23:23:55)(良:5票) 181.こーげ、こーげ、こーげよー、ボートこーげよー、と吹替え台詞が印象的なアンディ・ロビンソンに、子供心にヒジョーにはらわたが煮えくりかえったのを覚えております。これ以上ない卑劣で卑屈な奴として、以来、トラウマとして私の頭の中にインプットされております。強烈な作品でした。キャラハンのもみあげに乾杯! 【モートルの玉】さん 8点(2003-06-18 06:32:45)(良:1票) (笑:3票) 180.クリント・イーストウッドの立ち振る舞いが印象深い。抜群に格好いいのである。細身のスーツを着こなすその姿は,中年男が目標にすべき理想型の一つではないか。モテモテ中年を目指したい若い人は,今のうちからこれを観て勉強しておくことをお勧めします。さて作品中,「悪党は逮捕せずにブチ殺す」式の捜査で突き進んでいくハリー・キャラハン。その態度は警察官としてどうかと思うが,心情はずばり観る者の核心を突く。あんな極めつけのサイコ野郎を生かしておいて誰が得をするのか?いったい彼のどこがダーティなのか?皆そう思うに違いない。その気持ちをまとめて弾丸に詰めて,彼はトリガーを引く。そのあとは,スカッと爽やかコカコーラである。だがバッジを投げ捨てるラスト。己の仁義でことをやり遂げた達成感と,それを許容しない社会倫理へのやりきれなさが後を引くように残る。その意味で切ない名作。またあまり関係ないが,44マグナムという銃を世に知らしめたことでも評価したい。(これを観て私は昔,モデルガンを買いました) 【Roxy】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-27 23:59:08)(良:3票) 179.《ネタバレ》 「ブリット」の超絶カーチェイスにもシビれたが、矢張りコイツには敵わない。本作で衝撃のデビューを飾ったハリー・キャラハンの硬派な”漢”っぷりには惚れ惚れしてしまう。本作で人気を決定付けたのも納得の渋さだ。プールの女性をネチっこくスコープ越しに追った後で容赦なく狙撃するサソリを描いたオープニングで一気に画面に引き摺り込むシーゲルのパワフル演出が光る。次いで銀行強盗を44マグナムで仕留めるハリーの描写が又凄まじい迫力!その際のハリーの台詞がラストの伏線になっているのも実にウマい。身代金受け渡しで電話ボックスを転々と移動させるのと並行して盗聴する場面のスリルも抜群だ。何より恋人とのラブラブなベッドシーンといった余計な水増し場面が一切無く、贅肉を削ぎ落としたかのようなストイックさが「ブリット」を凌駕する最大の理由だろう。「ブリット」はジャクリーン・ビセットが単なる彩りの域を出ず、ハッキリ言って邪魔だった。ハリーは「妻は死んだ」の一言でオシマイ。回想シーンも無し!と実に潔い。つまり、「主人公がキマっていて」・「悪役がインパクト(アンディ・ロビンソン最高!)があって」・「ラブシーンなどの冗長な部分が無くて」最後に「スカッとするカタルシス!」この条件をキッチリ満たせば刑事アクション映画の傑作が出来上がる…という訳なんだが、何故か条件を全て満たす快作はそうそう滅多にお目にかかれないのが何とも辛いトコロだ。本作以降じゃ精々「ダイ・ハード」(1作目のみ)くらいかなぁ。精悍なハリー・キャラハンに敬意を表し9点。蛇足なシリーズ化でマイナス1点! 【へちょちょ】さん 9点(2003-11-28 02:48:49)(良:3票) 178.ダーティハリーと言えばそりゃあマグナム44でしょ、ガキの頃お小遣い貯めてモデルガンを買いましたよ、金属製で金色に塗りたくったヤツを。この銃は見た目以上にでっかくて、大人でも普通の日本人の体格ではとても振り回せない代物です。イーストウッドみたいな大男じゃないととても使いこなせないでしょう。映画の中でも発砲音は普通の拳銃とは全然違いますよね、「ズドゥーン」って感じでまるで大砲ぶっ放しているみたいです。 イーストウッドが今あるのもこの役をゲット出来たおかげの様なもので、D・シーゲルはまさに恩人ですよね。この記念すべき第一作では、H・キャラハンがカッコ良いのは判るけど、なぜ彼がダーティハリーと呼ばれるのかといったことを含めてキャラの掘り下げ自体は十分ではない。その分A・ロビンソンの鬼畜ぶりばかりが目立っちゃってちょっと損ですね。最後にバッジを投げ捨てるシーンからも判るように、製作陣としてはまさかこの映画が大当たりしてシリーズ化されるなんて夢にも思ってなかったんでしょうね。 言っちゃあ身も蓋もないけど、本質はしょせんB級映画なんですよ。でも今や誰もこの映画をB級だとは思わなくなっている、アクション映画を変えたもっとも偉大なB級映画じゃないでしょうか。 【S&S】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-07-02 21:09:56)(良:2票) 177.《ネタバレ》 イーストウッドがとにかくカッコイイ! 観てて思ったのは意外に「ダーティ」なことをしていないな~って。作中で何故かそう呼ばれるのかと聞かれ「汚れ仕事をするのさ」的なことを言ってて、そういう意味なんだと知りました。が、連続殺人魔が無罪放免になったこと+暴力偽装をきっかけに怒り大爆発!というか観てるこっちもコンニャロー状態で(笑)イヤーこの犯人の憎たらしさはある意味ピカイチだわ。スクールバスをジャックして歌うたわせるとこなんぞ、マジでこいついかれてやがる;; 刑事アクションものの概念を変えたと言われる本作。なかなかのものでゴザイマシタ 【Kaname】さん [レーザーディスク(字幕)] 8点(2013-04-17 16:48:54)(良:2票) 176.「法で裁けぬなら俺が裁く」豪腕刑事ものではピカイチの作品。自らに課した一線を越えてしまった裁きに責任を取ってバッジを投げ捨てるラストにハリーの誇り高さを見ました。クールな彼の歯止めを効かなくさせたさそりは映画史上空前の悪人。「俺には弁護士を呼ぶ権利があるんだぁ・・」「漕げ漕げ漕げよボート漕げよ♪・・・」は忘れようにも忘れられません。 【The Grey Heron】さん [地上波(吹替)] 7点(2009-09-26 17:32:18)(良:2票) 175.あらためて見直して(もう何度めだろう!)つくづく素晴らしい映画だと再確認、そして再感動! ハリーが最初にマグナムをブッ放す銀行強盗一味とのシーンで、ホットドックをもぐもぐしながらひとりずつ仕留めていき、最後に生き残った犯人に対して、ニヤニヤしながら「俺の銃にまだ弾が残っているか、運だめししてみないか?」と凄むあたりにウットリ…。これ以上カッコいいヒーロー(というか、アンチヒーロー)はいまだもって空前絶後ですよねえ! 自分をしか決して信じない男でありながら、そんな自分自身に対しても醒めた眼で見られる…これぞ男の中の男っす。クリント万歳、シーゲル御大万歳!! 【やましんの巻】さん 10点(2003-09-16 11:20:30)(良:2票) 174.《ネタバレ》 よく出来た刑事物だけど、もともと銃でドンパチが苦手なワタシ。 そりゃ主人公はカッコいいし、犯人はぶっ壊れていて面白いけど。しょせんはサスペンス。延々と追いかけっこ見せられても、ハリウッド映画の結末は初めっから見えてるし。メキシコ人の相棒も中途半端かなぁ。 バスの中では子供たちが陽気な歌を歌わされていたブラックジョークだけは最高。 犯人の人も役に入り込んでて違和感がないのは素晴らしい。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-06 19:36:08)(良:1票) 173.《ネタバレ》 イーストウッドはシブいイケメンだし、ハリーのキャラも悪くないのだが、この映画に引き込まれる要因の主要な部分は、とにかく犯人の「許せない度」が非常に高いことのように感じる(それによって終始持続する緊迫感と、ラストの特大のカタルシスが生まれている)。その意味では、ある面でハリーは「喰われて」いるとも言える。もう一点、各登場人物に関する人物の背景描写はやや軽めで、少し物足りなくもある。とは言え、刑事物としては最高レベルに良く出来ており、アクションも中々。重ねて、イーストウッド自体の出来も相当良い。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-11-19 20:36:57)(良:1票) 172.《ネタバレ》 このシリーズはほとんど見たことがなくて、本作を洋画劇場で見たくらい。数十年ぶりに見返すと、アクションはあるものの意外とリアルな作りをしていました。その一方、主人公のハリーを際立たせるための要素がてんこ盛りで(犯人の悪辣さとか、証拠がなくて釈放とか)、それはうまく機能していると思いますが、かなりご都合主義。重要事件の容疑者を釈放後に監視しないというのは、いくらサンフランシスコ警察が忙しいといっても不自然すぎる。そのリアルさと不自然さがうまくかみ合っていなくて、見ていて居心地の悪さを覚えました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-12 17:27:16)(良:1票) 171.泥沼化する戦争中のさなか、人権派が発言力を増す1970年のアメリカの状況で 有無を言わさず悪人にマグナムをぶち込むイーストウッドの姿はさぞ爽快だっただろう。 当時のフィルムの特徴なのか、疲弊しきったアメリカの特徴なのかは分からないが 人も含め街全体がピリピリとした殺伐な空気は独特なものがある。 イーストウッドの魅力とともに、やはりマグナム44が印象深い。銃といえば開拓時代からの アメリカのシンボル。だけど生死を分かつ要因が、腕の差より運の要素が強くみえてあっけない。 生死の差がドライすぎる。死ぬときは簡単に死ぬ。 しかし、考えてみれば銃大国であると同時にアメリカは宗教大国でもある。 基本ぶっ放すだけというシンプルな殺人道具である銃に、一神教を重ねてみれば合点がいく。 より厳しい修行を積んだ者が強い、相対的な東洋の英雄像。 技を磨く過程、主人公の成長に魅力やカタルシスを覚える。 敵もまた修行してお互い切磋琢磨し、いつのまにか分かり合う時もある。昨日の敵は今日の友。 善悪ではなく、因果応報による理と理のぶつかり合い。 に対して、生まれながらの才能が絶対的な力を持つ西洋的なヒーロー像。 初めから強い。苦労して強くなるイメージがない。たまに修行の場面があるときはだいたい、 謎の東洋風マスターがあらわる。基本主人公は強い。弱みなどみせないし、 グダグダなやまない。戦って勝つ。敵の弾は当たらない。敵に有無を言わせない。 正義は強い。強いから正義の世界。俯瞰すれば悪すらいない。 正義ともう一方の正義の戦い。勝てば天国負ければ地獄。 この絶対的なカタルシスの背景に、神に選ばれてる感、創造主をイメージするのだろう。 【michell】さん [地上波(字幕)] 7点(2016-04-07 00:19:59)(良:1票) 170.《ネタバレ》 誘拐殺人をあれだけやらかせば、証拠はいくらでも出てくると思いますが… あと、殴ってお金をもらうサービスなんてあるんですかね(笑) 【チェブ大王】さん [地上波(吹替)] 2点(2014-07-26 18:30:59)(良:1票) 169.《ネタバレ》 個人的にシーゲルは「殺し屋ネルソン」が最高傑作だと思うが、イーストウッドとのコンビはコレがベスト。 赤狩り(レッド・パージ)の嵐が吹き荒れる時代から戦い続けてきたリベラル派シーゲル、そしてスパゲッティウエスタン(マカロニウエスタン)を経てアメリカに戻ってきたアンチ・ヒーローが結んだ師弟関係。その二人が70年代に蘇らせる刑事アクション。 輝くバッヂと法の文章、ドス黒いサイレンサー付きライフル、スコープに映る標的、襲い掛かる凶弾…! 黒いサングラスで威圧するように登場するハリー・キャラハン。 ハリーは手がかりを得るためにひたすら歩き壁をよじ上る。どんなにボロボロになり砂の山に埋もれようとも。ペンが拾い上げる証拠、残される犯人からの挑戦状。ここからクソ野郎スコルピオとハリーの孤独な戦いが幕をあけるのである。 やさぐれ警官がやさぐれたのも腐った世の中で自分の意思を貫き続けたためであろう。むしろ汚名を背負ってまで仕事を、肌の色に関係なく平等に嫌い、思いやり、鉛弾をブチ込み、理由なく殺された人々の無念を晴らそうとするハリーを俺は心から応援してしまった。その姿勢は映画監督として「許されざる者」や「グラン・トリノ」といった傑作でも貫かれる。 食事中に事件が起きればマグナム片手に車ごとブッ転がす!水道が噴出する中をゆうゆうと、のしのしと歩き、撃ち尽くした拳銃の銃口を向けてショットガンに手をかけようとする犯人に警告を示す。犯人はそのことを知らない。 「ホラ、入ってないだろ?」って笑顔がたまらない。 対するスコルピオの次の標的を物色し不気味な笑みを浮かべる狂気。 ヘリによる捜索、夜の市街を淡々と走り、窓から覗くもの、窮地と救助、イーストウッドが監督したビルにおける説得場面。殴りつけて必死に抱え込む姿が面白い。 捜査とはいえ堂々と覗くハリーもやっぱり男。でも前の奥さんを気遣ってか再婚もしない。 ボルトアクションライフルによる狙撃とマシンガンによる銃撃戦、夜の暗闇で影が蠢き、あらゆる閃光が照らす。 脚に仕込むナイフ、バッグを抱えて公衆電話から公衆電話への移動、走り続ける追跡、トンネルでのひと悶着、銃撃戦、ナイフ。 恐怖の鬼ごっこ、人の人権踏みにじっといて弁護士呼べとか言ってるクズの脚の傷を踏みにじって何が悪いというのか!人質最優先で手掛かりを得るために殺さない、あるいは警察という組織を信じているからこそ法の裁きに委ねようとしたのかもしれない。 ボロクソになっても諦めないスコルピオのしぶとさもたまげたもんだ。 あの明け方に哀しそうに、疲れ切ってたたずむハリーの姿といったらないぜ。病院への見舞いとレディ・ファーストな気遣いは数少ない癒し。 信じていたものに裏切られる絶望、悪魔が世に再び解き放たれ再び犯罪が繰り返されるやるせなさ。 バイソンの群れ、バスという密室で子供たちに狂気を振りまき、橋の上から走行する車両に飛び乗り一騎打ちへ! 工事現場の狭い道におけるジリジリとした追跡のスリル、石を運ぶレール、開けた空間に見つける切り札あるいは逃げ場を失う選択か。冥途の土産に弾丸も星もくれてやる。 「真昼の決闘」のゲイリー・クーパーは、自分でまいた種によって民衆にも仲間からも見捨てられたことを“認めて”か、バッヂを地面に捨て自分を信じてくれた若妻と一緒に去っていく。 本作のイーストウッドは民衆を信じ、腐敗した警官と法に対しての怒りをこめバッヂを投げ捨て独り寂して去っていく。 「荒野のストレンジャー」で「真昼の決闘」のifを描いたイーストウッドだ。あの場面は完全に当てつけです(褒め言葉)。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-10 20:43:10)(良:1票) 168.《ネタバレ》 43年前の映画と考えると良く出来てると言うしかないかな しかしサスペンスを盛り上げるための効果音とかちょっとした音楽とかが古くさい まぁしかたがないか ファーストシーンの銀行強盗とラストシーンがリンクしていてうまい作り 最近の映画はこういうわかりやすいウイットに欠けるな 強盗を苦もなく退治するハリーの自己紹介的なファーストシーンは秀逸だ ひっくりかえった車やら、パニックをおこした町並みを背景に、引きのカメラでゆうゆうと強盗犯に近づくハリー そのかっこよさには痺れた 犯人の鬼畜ぶりはめちゃうまくて、鬼畜なくせにへたれで、誰でもいいからこいつをぶっ殺してくれ的ないらいらを感じさせてくれる この鬼畜な犯人だからこそ最後にハリーの名台詞とともに射殺のカタルシスが生まれた お話的には特に犯人がすぐれているわけではないのに、厳戒態勢の警察がやすやすと犯人を取り逃すシーンが連続してちょっとしらけた 警察がすぐに身代金の支払いに応じるとかもへたれすぎで時代を感じる 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-02-08 07:39:43)(良:1票) 167.サンフランシスコの深い青空を背景にして、ライフルの漆黒の銃身が伸びる。遠く照準の先には、真っ青なプールに映える黄色い水着を着た美女。冷淡な凶弾は音もなく美女を襲いあっさりとその命を奪う。 オープニングクレジットと共にサングラスをかけた“スター俳優”が颯爽と事件現場に現れ、映画が始まる。 冒頭数分間のこのシークエンスで、一気に映画の世界に引き込まれた。 「凄い映画だ」ということは、その時点で確信できた。そして、今この瞬間までこの映画を"未経験”だったことを後悔した。 あまりに有名なハードボイルド映画の「傑作」であることはもちろん知っていたけれど、今この時代に初めて観て、これほどまでに心底「格好良い」とあらゆる意味で思える映画だとは思わなかった。 全編に渡るカメラワークの格好良さ、音楽の格好良さ、台詞回しの格好良さ、そして何と言っても“クリント・イーストウッドの格好良さ”もうそれに尽きる。 世代的にクリント・イーストウッドという映画人に対して、“ベテラン名俳優”そして“名匠映画監督”としての認識が大部分を占めるので、“スター俳優”としての馴染みが実際無かった。 時を越えてようやく、クリント・イーストウッドという稀代のスター俳優に邂逅できた気分だ。 映画史に残る「傑作」故に、この映画の価値と見所は多岐に渡ると思う。 時代に楔を打つバイオレンス性、正義と法の矛盾に対しての憤り、娯楽映画における警察像の変遷、この映画を観たのは初めてだが、おそらく観る程に新しい発見があり面白味が深まるだろうと思える。 でも、個人的に何よりも重要視したいことは、やはり主人公の魅力に尽きると思う。 演じた主演俳優の時代を越える格好良さ、そして彼が演じたキャラクターの映画史上に残るアイコン性。 登場した瞬間に、当然の如く「ああ、ダーティハリーだ!」と初めて見る者にすら思わせるその強烈な個性。 この映画の主人公に、クリント・イーストウッドという俳優が起用されたのは、決して既定路線ではなく、様々な巡り合わせが重なった上でのことらしい。 だからこそ、その「誕生」は映画史にとって奇跡的なことだったと思う。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(吹替)] 10点(2012-11-11 01:12:40)(良:1票) 166.冷酷非情な連続殺人犯を追う型破りな熱血刑事もの。犯人役がいかにも異常性を感じさせる風貌で、追いつめられると命乞いをして「弁護士を、権利がある」などとたわけたことをぬかす。しかし、捜査令状もなしに押収した証拠品は無効だと法律もたわけていて、せっかく捕まえた犯人は無罪釈放になる不条理。アクションものとしては今見ると物足りなさを感じるが、ストーリーはしっかりしておりそれなりのサスペンスは味わえる。 【きーとん】さん [地上波(吹替)] 6点(2010-09-21 02:06:20)(良:1票) 165.初見はずっと昔。だけど、権力に向かっていくハリーに魅力を感じたのは覚えてる。山田康雄の吹き替えは絶品でした。ストーリーは特に珍しいものではなく、警察・犯人両方ともマヌケっぷりが残念。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-27 16:23:23)(良:1票) 164.《ネタバレ》 私はまだ、ダーティーハリーより格好いい男をまだ観たことがない。それは、もう無い夢だし叶わなくて良い夢だと思う。 【成田とうこ】さん [地上波(吹替)] 10点(2010-04-01 18:07:16)(良:1票) 163.《ネタバレ》 冒頭の狙撃シーンからもうゾクゾクさせてくれますし、銀行強盗をやっつけるシーンだけでハリーという刑事が型破りなんだということを分からせてくれる簡潔さこそが、ハリーの、この映画の、強みです。つまりその強さとは事件から降りておきながら、次の瞬間にはコミックのスーパーヒーローの如くバスに飛び乗ってみせるなどというウルトラCの荒技も、ごくごく自然にやってのけられるということです。 また、夜のシーンは恐ろしく真っ暗になり、闇というのはこういうものだったと思い出させてくれますが、身代金を移送中のハリーを襲う暴漢たちの姿すら把握できないあたりは少々暗過ぎやしないかとも思います。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2010-03-30 18:31:42)(良:1票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS