みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
82.《ネタバレ》 主人公の殺し屋は、射程の短いラッパ銃を終始携帯している。 未来から送られてくる“ターゲット”を抹消するためだけの目的のその銃は、非常に不格好で何の希望も生み出さないように見える。 しかし、堂々巡りの憎しみの螺旋を断ち切ったのは、そのラッパ銃だった。 想像以上に独創的な映画だったと言っていい。突っ込みどころも多いが、それらも含めてこの映画ならではのオリジナリティだと思える。 ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスが時空を超えて邂逅した同じ主人公を演じるわけだが、その二人が人間的に重なるわけではなく、むしろ全くの別人格として対峙する構図がとても独特だった。 ある人生を経てきた「自分」と、それを経る前の「自分」、時間とそれに伴う経験の違いが人間としての価値観の違いとして対立する様は、非常に興味深いエッセンスを映画に加味している。 タイムパラドックスを描いた映画としては、ストーリーの“綻び”は確かにある。 ナノマシンの進歩で秘密裏な殺人が出来ないから、過去に殺したい人間を送って抹殺するという設定にそもそも無理は生じている。 その手段であるタイムマシンの使用自体が犯罪という設定だし、大体が巨大な犯罪組織なのだから殺人をそこまでひた隠しにする必要などなかろうと思う。そんな手間のかかることをしているわりに、主人公の未来の妻はあっさりと殺されちゃうわけだし……。 ただそういう“綻び”を補って余りある独特の味わいを携えたストーリーでもあった。 あくまで利己的だった若き主人公が見せる確固たる人間としての成長はドラマ性に溢れていた。 そして、愛した妻の死を防ぐために過去に遡ってきた老いた主人公は、目的を遂行していくにつれ自分が何のために過去にやってきたのかが曖昧になってくる。 過去を変えることが、必然的に自分自身の歩んできた人生も変えるということになるからだ。 終盤において老主人公に残っていたのは妄信的な狂気のみだったのだろうということに気付くと、とても哀しくなった。 それらすべてを悟って、若き主人公は短い射程のラッパ銃で"一つの未来”を断ち切る。 その哀愁漂うラストは、とてもSF映画らしくもあり、同時にジャンルを超越した様々な感情を刺激する映画に相応しい帰着だった。 P.S.主人公の同僚への時空を超えた“痛くはないけど痛々し過ぎる”拷問があまりに惨かった……。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-01-12 23:37:24)(良:4票) 81.《ネタバレ》 脚本が実に練られた快作だったと思います。この映画の脚本が素晴らしい点は、復讐を為す側の罪悪感を描写している部分にあると感じました。オールド・ジョーはダイナーで「俺の人生の邪魔をするな」というジョーに対して「まるでガキだな、自分のことしか頭にない」と吐き捨てます。実際にジョーは何に対しても俺には関係ないと突っぱね、そのくせ売春婦に母性を求めており精神的に子ども大人です(この設定が後で効いてくる)。そして罪悪感も無しにルーパーとして人を殺し金を得ている。オールド・ジョーは妻の命を救うため、未来の大犯罪者"レインメーカー"を子ども時代で殺そうと考えますが、彼の口ぶりだとレインメーカーも罪悪感無しに邪魔な人間を始末する極悪人の様に聞こえます。そしてオールド・ジョーはレインメーカーの可能性がある子どもを殺して回りますが、その時のオールド・ジョーは明らかに罪の意識を感じています。妻の命を救う為とは言え、無関係かも知れない子ども命を奪ってしまった。その後、オールド・ジョーが組織の人間を一掃するアクションシーンとなりますが、観ていても全くスカッとしません。彼がさっきの子どもを殺した時のように憎しみの連鎖を繋いで(ループ)いるようにしか見えません。そしてラスト、ジョーは予知します。レインメーカーも母親を殺したルーパー(オールド・ジョー)に復讐するために犯罪者の王となった事実を。誰かを救おうとした為に罪悪感を抱きつつ標的を殺し、新たな憎しみが生まれ、憎しみは連鎖し、最終的には世界を憎しみで覆う存在を生み出した。この映画が描いているのは、愛する者の為であっても殺しは憎しみの連鎖しか生まないという事実です。多分、百年経っても観る価値のある作品でしょう。 映像面では近未来SFの話なのに、終盤が街外れのサトウキビ畑というセンスが凄かった。 役者ではジョセフ・ゴードン=レヴィットが冷酷なんだけど基本的に心は小僧という役にピッタリ合っていたと思います。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-01-13 23:36:34)(良:3票) 80.《ネタバレ》 私は良質のSFというのは科学的理屈やディテイルに完璧こだわることではなく、いかに人間や社会というものを描けているかどうかだと感じています。タイムパラドックスもののセオリーがどうたらこうたらと、物語が伝えたい本質とさほど関係ないことにうるさい人たちに、この作品の評価を落とされてしまうのはとても残念な気がします。この作品は2作目までで終わらせとけば良かった『ターミネーター』シリーズの愚かなループと、『マイノリティー・リポート』がうまく描くことのできなかった部分に、強烈な答えと光を提示してくれたと思います。私がこの映画を観て強く感じたことは「世界を良くしたいなら、まずは自分の子供を愛して大切にしっかり育てなさい」ということでした。最後に復習に来るキャラクターでさえ、自分を拾ってくれた悪人に自分の存在価値を認められたいという愛情を欲しているし、すべてのキャラが自分と関わる者との絆を大切に思っているわけですが、その大切にする方向や方法が問われてる映画だったと思います。ひとりひとりが他者への思いやりを持ち、かつ家族が愛し合って健やかに心を育て合うことができれば、社会は未来は良い方向に向かうはずだと、そういう魂を感じる良作でした。子役、上手い子を見つけたなと思います。幼くして持つ重い枷に潰されまいと、同年代に比べてしっかりした判断行動を見せる健気で逞しく孤独を秘めたキャラに合った目をしてました。 【だみお】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-01-22 18:27:10)(良:2票) 79.《ネタバレ》 未来の自分、そして現在の自分。利己的だった自分を変えたのは共に女性であったこと。そう考えられたのなら、この作品は単なるタイムトラベルものでなく、とてもロマンチックな映画になるなと思いました。このためにあのベッドシーンはあったのかなと。母と子、そして未来のために自己犠牲を払ったところに胸が熱くなりました。 【honeydew】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-01-12 21:27:08)(良:2票) 78.《ネタバレ》 タイムトラベル系SFにしてはかなりわかりやすい。ただし細かいことを考えないことが条件。 前半はサスペンス色がかなり強め。ルーパーを逃してしまった親友セスが処刑されていくのは、なかなかのホラー。直接的な描写はありませんが、オールドセスの体が次々と欠けていくことで、セスの身に恐ろしいことが起こっているのを視聴者に連想させます。この映画で一番恐ろしくも、一番良かったシーンかもしれません。それに、失敗するとただでは済まないことを印象付けるうえでも効果的です。 おおまかな設定は、未来では殺人を犯すと必ず捕まってしまうため、過去にターゲットを送り込んで、過去の人間に始末してもらうというもの。その始末屋がルーパー。 この映画では過去=現在の時間軸としてストーリーが展開される。欲を出して未来のシーンも放り込んでごちゃごちゃになっちゃうよりよほど良いです。 もうひとつの設定がTKと呼ばれる、全人類の10パーセントが目覚めたサイキック能力。SF感を出すためのアクセサリー的な設定かと思いきや、終盤この設定が大きな意味を持ち始めます。これには賛否両論あるみたいですが、個人的には物語を多重構造にできて面白かったんじゃないかと思っています。 唯一の難点は、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスがどうしても同一人物には見えないことか・・・。とくに後半、ブルース・ウィリスが暴れだしちゃうと、もうダイ・ハードにしか見えない・・・。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-17 17:51:38)(良:1票) 77.《ネタバレ》 次々と現れる悪党を躊躇なく撃ち殺し、フランスで優雅に暮らすための資金を貯める。 いつかは未来の自分が送り込まれて来ることは覚悟の上、とは言っても、親友が無惨に殺されるのを見れば、自らの生き方に疑問を覚えるのも無理はない。友人役のポール・ダノは恐らく体の末端から少しずつ切り刻まれていったのだろうが、このシーンは本当に悲惨だった。 自分の生き方に疑問が生まれ、世界の秩序を破壊しようとするレインメーカーを作り出さないために主人公が取った行動は、唐突だったが、理解できる。近未来感が映像の中にもう少し感じられたらなお良かったのだが、その点は残念。 ブルース・ウィリスは少しクセが強い気がするが、ジョセフ・ゴードン・レヴィッドはハードボイルドもなかなか様になっていて良い。 そして半分はエミリー・ブラント目当てで観たのだが、彼女の衣装がいちいちツボで文句なし。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-05-20 18:49:55)(良:1票) 76.《ネタバレ》 【1周目のタイムライン】何らかの理由で邪悪に育ったシドがレインメーカーを名乗って闇社会を掌握。過去にエイヴを送り込んでルーパー制度をスタートさせる→2周目へ 【2周目のタイムライン】エイヴが幼少期のジョーと出会い、ジョーがルーパーとなる。ヤングジョーは2044年にオールドジョーを処刑してループを閉じ、奥さんとの余生を楽しむが、2074年にレインメーカーの手下に奥さんを殺されたことで激怒。幼少期のレインメーカー殺害を目的として2044年へタイムスリップする→3周目へ 【3周目のタイムライン】処刑を生き延びたオールドジョーは2044年の世界で後のレインメーカーであるシド少年を探し始める。他方、ヤングジョーはオールドジョーに先駆けてシド少年と接触し、シドの人格形成に良い影響を与える。このタイムラインでは、恐らくシドはレインメーカーにならない。 ******************************************************************************** こうして書き出してみると、タイムパラドックスの処理はかなりいい加減です。平行世界の概念を採用するのであれば、未来からきたジョーが2044年で何をしたところで彼の生きるタイムラインは変わらず、レインメーカーのいない別のタイムラインが発生するだけなのですが、他方で過去の自分を傷つけられると同一タイムライン上にいる未来の自分も影響を受けるという描写があって、もうメチャクチャ。SFとしてはかなりの事故物件です。 ドラマ面においては、1周目のシドがいかなる理由でレインメーカーとなったのかが有耶無耶にされている点が問題であり(製作者のホンネとしては、オールドジョーに母親を殺害されたことがシドの人格形成に決定的な悪影響を与えたとしたかったのでしょうが、それでは理屈が通らなくなる)、因果の発端部分が曖昧であるためドラマの説得力が失われています。ルーパー制度の説明も強引であり、2074年の世界ではナノマシンが発達して殺人がほぼ不可能だから、殺したい人間を過去に送り込んで殺害させているということにはなっているものの、だったらオールドジョーの奥さん殺害は一体何だったんだとツッコミを入れたくなってしまいました。そんな感じで基本設定はかなりボロボロなのですが、その一方で妙に凝った設定も同時に存在しており(30年分のインフレを考慮してかルーパーへの報酬は貨幣ではなく金や銀で支払われている、時間軸への干渉を抑える目的でエイヴは地下の拠点で引きこもり生活を送っているetc…)、なんとも歪な作りの作品だという印象を受けました。 お話しはズバリ『ターミネーター』。ただし、カイル・リースに相当する役割を現在の主人公が、ターミネーターに相当する役割を未来から来た主人公が担うという点が本作の新機軸であり、この監督は突拍子もない話を思いついたものだと感心しました。ただし、若い自分と年老いた自分が対立するという一番面白くなりそうな点がさほど掘り下げられておらず、不完全燃焼に終わっています。例えば、ヤングジョーがシドを守ろうとしても、記憶を共有しているオールドジョーにことごとく先回りされてしまう等の展開を入れてもよかったと思うのですが、後半はただのジョゼフ・ゴードン=レヴィットvsブルース・ウィリスになってしまうので面白くありません。クライマックスにしても、暴力の連鎖を断ち切ることの難しさを描くのであれば、ヤングジョーも連鎖の一部にしなければならなかったと思います。ただの傍観者だったヤングジョーが死ぬことで問題解決では、ちょいとお手軽すぎるような気がします。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(字幕)] 4点(2016-09-12 21:36:53)(良:1票) 75.《ネタバレ》 ちゃんと、面白かったですよ。始まって3秒で“!?”と度肝を抜かれ、その後の怒涛のメビウスの輪な展開も、脚本が頑張ってます。絶対に生じるタイムパラドックスの矛盾点をぎりぎり巧くかわして描写しています。もっとも、ワタシは頭が良くないので「ここで死なないとすると・・?」などと考えて迷宮にはまったりしましたが。 なるほど本人だと言われればそう見えなくもないB・ウィリスとJ・G・レヴィットがかもし出す奇妙な納得感もさることながら、E・ブラントが女手ひとつで子供を育てる母親役を好演してて印象的。タバコは自制していたけれど、ジョーに心許したあとについ一服してしまう。頼れる人ができた安心感、表情までそれまでとは違って女らしい。子供がTKを発動したその瞬間、階段から落ちる我が子ではなくジョーを助けに行ったのには驚きましたよね。こんな風にちょこちょこと驚かす仕掛けがあるのですが、なんといってもラストのオチは最大級の驚き。ちょっと、ぐっと胸に迫るものがありました。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-09-11 00:30:37)(良:1票) 74.《ネタバレ》 一般的なタイムトラベル系SFとの差異は、サイキック要素を取り入れた部分でしょうか。ただし、この脚本ではあまり意味が無い気がしました。せめてレインメーカーは“幼少期から超能力を発揮していた”という設定を活用して、3人の候補者からレインメーカーを特定する課程が必要だったと考えます。いくら愛する妻を救うためとはいえ、無関係の子供を殺せるブルースに同情できるはずもなく、現在のジョーと未来のジョーの性格の違いに戸惑うばかりでした。結末も唐突。そして安直で感動に繋がり難いと感じます。それにしてもブルースにマシンガンを使わせてしまうと、『ダイ・ハード』と見分けがつきません。もしかしたら観客へのサービスのつもりかもしれませんが、そのサービス要らなかったです。 【目隠シスト】さん [DVD(吹替)] 6点(2014-03-30 21:29:27)(良:1票) 73.ちょっと意味不明なところがありつつ進んで行き、途中から主題が、運命の子みたいなものに変わって・・・。かなり予想とは違う展開を見せました。私は、単純に、未来の自分と対峙して、戦うみたいなノリの方がすっきりして新旧2大スターの演技合戦を観たかったです。未亡人(夫は死んでいないかもしれない)もまぁまぁ普通に美人ですが、突然、誘ったりして何か、軽い女に見えました。もともとそういう役ではありましたが。イマイチ理解できない作品でした。 【たかちゃん】さん [ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-12-08 21:53:13)(良:1票) 72.《ネタバレ》 例えば、30年後のセスのループのくだり。あの部分だけ切り出してもSFのショートフィルムが成立するんじゃないかというおぞましさ。なんかこれ、スゴイのやってる?ってワクワクした前半。しかし。ジョーのループが登場してからのフワフワ感。悪の黒幕への復讐のために未来からやってきた彼のターゲットは、それとは知らず幼少期を過ごしている子供。それじゃあ、有名な例のアレの焼き直しじゃん。秀逸な設定がもったいない。なお、主人公である若いジョーは妙に色気があってよかったし、画がきれいなところは好き。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-09-29 08:25:22)(良:1票) 71.《ネタバレ》 SFと超能力を掛け合わせるというのは案外珍しいシチュエーションですね。この作品で印象に残ったシーンは、まず序盤のルーパーが黙々と仕事をこなすシーン。送り組まれてきた人がパッと現れて、待ち構えていたルーパーがズドン!。それを機械的にこなしていく。殺人というものを工場の作業みたいにやる展開がまず印象的。それから、男の子の超能力シーン。まさに「ダミアン」的な悪い顔つきになって、いろんなものが宙に浮かんで人が破裂する。その映像センスはなかなか。そんでラスト。このループを断ち切る為に、自分が犠牲になるというそのオチは切なくも印象深い。この作品、一応SFではあるんだけどSF的な要素は少なく、ロケ地はむしろ牧歌的なところが多い。そして描きたいのはそういう小道具でなく、純粋に人間ドラマだというところが好感持てる。逆に言うと、たとえばカーアクションのシーンなんかはかなりショボいし、全体的に活劇的な描写はどれも映像的に月並み。そういうのを楽しもうと鑑賞した人は肩すかしを喰らうだろう。疑問もいろいろあって、なぜジョーはフランスに行こうとしてたのに中国に変更したのかとか、なぜレインメーカーはすべてのループを閉じようとしたのかとか、そもそもヤングジョーがあそこで死を選ぶのなら、オールドジョーの30年てなんなの?パラレルワールドなの?とか考えだすときりがないのですが、まぁ、そういうことはあまり重要ではないのかもしれませんね。とりあえず5点ということで。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-07-11 00:45:40)(良:1票) 70.《ネタバレ》 飛行機内で鑑賞。利己的で自分本位な主人公が他者との共有を見出し負の連鎖を断ち切る為に無償の愛を瞬間的に選択する様を説得力ある形で描いている。エンディングに向け粗が無いわけではない。特に後半の編集に丁寧さが足りず状況が把握しずらいのは残念だ。セクシーさを取り除いたセックスシーンの勇気は称賛に当たるべき。次に繋げる相手を見出すことを人は求めて続けているのだろうか。赤いマツダロードスターが映える。7点。 【reitengo】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-03-25 10:00:53)(良:1票) 69.《ネタバレ》 色々な所で絶賛されている本作。期待しすぎたのがマズかったのか、個人的には、釈然としないものが多く残る映画でした。一番引っかかったのはクライマックスのヤングジョー(なんだかキングジョーみたいですね) の選択。上手く言えないですが、なんかモヤモヤするんですね。もっと、やりようがあったのではないかなあ、と。オールドジョーが、掴みどころが無いまま終ってしまったような気がします。別に、良い奴なのか悪い奴なのか単純化できないキャラだったとしても、もっと魅力を引き出せたんじゃないかなあ。奥さんの記憶が次第に消えていってしまうという、かなり切ない場面もあるんですが。だからこそ、ヤングジョーがすべてを悟った瞬間に、オールドジョーが自らの意思で銃を下げることで、憎しみのループを閉じることは出来なかったのかな。「復讐しなければ奥さんの記憶が消えてしまう」状態から「復讐を止めたことで奥さんの記憶が蘇る」ということがあってもいいんじゃないか。そこまで行くと都合良すぎますかね。なんの罪もない子どもまで殺しているので、また別のところで悲しみのループが発生してるんじゃないのか、とモヤモヤは残ります。「ここが良い!面白い!」という意見を観ると、「確かにそこは良かった!」と思う箇所も一杯あるんですけどね。別に「ほーら、オレを楽しませてくれや」という態度で映画を観てるつもりはないですが、不親切な点が多い映画だったと思います。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 4点(2013-01-20 22:57:12)(良:1票) 68.《ネタバレ》 思てたんと違う!!! っていう部分を良しとするかどうかで評価は別れるんじゃないかな。 個人的にはX-MEN的展開は求めてなくて、もっと硬派なSFを期待してしまっていた。 いろんな要素がつまりすぎてて、贅沢ではあるんだけど、ちょっと長く感じてしまったことも事実。 ポール・ダノ君がとんでもなく酷い目に遭うくだりのように全編、緊張と恐怖で包まれたかったところ。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-01-20 15:55:04)(良:1票) 67.《ネタバレ》 予告編を観て「おっ、面白そうな設定だなぁ。」と思った。「タイム」とか「インセプション」みたいな、設定が既にキテるタイプのSF映画じゃないかな。それと同時にジョセフに対して「誰だコイツ?」とも思った。ウィリスというよりカイル・チャンドラーに似てないか。 作品の方は、なかなか練られたSF映画だと思う。この手の作品にありがちなパラドックスとかも特に気にせず鑑賞できた。映像がシュールというかなんというか、とりあえずセンスがスゴイ。サトウキビ畑にぱっと人が現れてズドンと吹っ飛ばすとことかかなり独特じゃないか。 拷問のシーンはスリリングでインパクトもあるし、作品のルールをうまく説明して非常にスマートな印象。何が起こっているのかを観客に考えさせてくれるのがいいところだ。 ラストは、「おっ、ここでジョーは自分の腕を吹っ飛ばすんだな!」と思ったら、予想を超える吹っ飛びっぷりにビックリ。「ジョーっ!!ジョーっ!!(丹下団平風に)」ですよ。 でもよく考えたら手が使えなくなったくらいで、ウィリスを止められそうにないもんなぁと納得。 意外とドラマ部分の比重が大きくて、中盤中だるみするものの、しっかり「ループ」というテーマをドラマに絡めて描けている佳作だと思う。 それにしても30年後、いったい僕はどんな髪型になっているんだろうか。 【サムサッカー・サム】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-01-15 23:06:30)(良:1票) 66.《ネタバレ》 そうそう、そうなのよね。ターミネーター1作目のT-800の部品がこの世から消滅したら、未来は書き換えられたのだから、その消滅の瞬間をもってターミネーター2のT-800の姿もかき消えちゃうべきなのかどうか、という問題。 それはともかくとして。 この作品、いかにも「小説を映画化しました」っぽい雰囲気があるんですが、実際はオリジナル脚本らしく、「まず小説にしたら面白くなりそうな題材を、映画のためだけに準備してくるなんて、すばらしい! やればできるじゃないか!」 ってことで、いいんだろうか。なんかちょっと、ダメな気が。 映画用に脚本を書くのはそれを「映画」にしたいからであって、あるいは原作小説を映画用に改変するのもまたそれを「映画」にしたいからであって。しかるに、原作も無いのに「原作小説の映画化」っぽく感じてしまうというのは、言葉を変えると、アイデア先行でそれを必ずしも「映画」に昇華しきれていない印象。アイデアと、出来上がった作品との、分離感。まあ、実際に原作のある映画だって、うまくやればこんなことは感じずに済むのですが。 いや、この作品、いい雰囲気は、あるんですけどね。のどかな景色、音楽も抑え気味にして、静かな雰囲気での統一感。 ただ、登場人物の描き方までが静的というか淡泊、彼らの抱えるバックグラウンドなども、もう一つ心に響いてこない。ストーリーの都合で配置されただけのキャラ・・・少なくともブルース・ウィリスは、そんな感じ。 今の自分と未来の自分が対立する。両者の間には(それなりに「取返しのつかない」)時間と経験の差分があるはず。その差分の描写が、この程度でいいんだろうか。というより、どちらも「自分」なんだし、相手にもうちょっと関心を持たないものなのかしらん。 そういう要素が作品に不要なら、別に省いてもいいと思うけど、この作品には必要だったんじゃないかなあ。 古典的なSFの発想だと、「過去の自分が消えれば未来の自分も消滅する」となるけど、それを逆順にしてみせた(未来の自分が消えることで今の自分が消える)のが、この作品の最大の功績ですかね。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-11-23 05:50:18)★《新規》★ 65.《ネタバレ》 新しい形のタイムパラドックスを提案した斬新な作品でした。 過去の自分に違ったことが起こると未来の自分の身体や記憶が修正されるというのが面白かった。 でも、それならラストシーンのオールドジョーの記憶も修正されて、シドを殺す必要がないことを理解するはず。 銃を隠し持ってるとか細かい記憶まで共有してたのにそんな大切な記憶が共有されない理由がよくわからない。 ヤングジョーの自己犠牲は崇高で感動的ではあるけど、引き金を引く指を失くすくらいで守れたような気もする。 まあ、ラッパ銃だと指だけじゃなくて腕ごと失いそうだけど、死ぬよりマシだよね。 【もとや】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-12-02 11:15:51) 64.こういう近未来モノって製作者は「設定」を熟知してるんだろうけど、こっちはたいして関心がないので「は?それってどういうこと?」となってしまう。まあ、独りよがりのオナニー映画ってことだね。良かったじゃん、いい映画ができて。 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 4点(2020-05-07 15:03:50) 63.《ネタバレ》 プリデスティネーションと似たような感じ。僕自身はこういう設定好きなんだけど、定番的でもあるんだろうなあ。大オチのために細々いろいろ起こすだけど、こういった作品は伏線の回収で喜ばすのが全てだと思うので、その面では大いに弱い。子役の演技とエミリーの演技はとても良かったです。 【タッチッチ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2019-08-12 13:45:46)
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