みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
120.《ネタバレ》 NHK-BSで拝見。 この映画は何回も見ているが、今回録画してもう一度再見。 私事であるが、21歳頃、高校の同級生と集団デートとして、名画座でこの映画を見た。 当時のパートナーだった彼女が好きだった映画だ。 ファッションの世界にあこがれていた子はその後海外に行き大手デザイナーのアシスタントをしていた。 帰国後も大手の百貨店などで務めたが、外国人の夫と共に仏国へ移住。 6年前に同窓会でのNet電話では元気な姿だったが、昨年亡くなった。 「あの映画の冒頭の波止場、見てきた」と若き日に私と見た映画の話題もしてくれた。 彼女は映画とファッションのマッチングを気にする子だったが。 この映画ではどこを見ても100点と言っていた。 画面構成の才。ドヌーブの衣装。ルグランの音楽。それらは十二分に美しい。 彼女の説明を聞けば、歌の吹き替えやストーリーの些末は、過去は気になったが、今はこれでいいと思っている。 恋をすれば世界はカラフルになる。雨の日でさえも。 ラストシーンの方が雨も降っていないのに、暗いと感じる。 もう、熱く語るその説明ももう聞けない。鎮魂の映画になってしまったが、はかない思いを持つ者たちなら、 一度は見ておく映画と思う。 ドヌーブのまとめた髪がかわいい。それだけでも見る価値のある映画。 追伸: 知り合いの仏人から、「アルジェリア戦争」の話を聞いた。フランスのベトナム戦争ともいわれたこの戦争。 現地は泥沼。そして現地フランス軍部隊が本国に反逆する姿勢を示していて、クーデター未遂が1961年にある。 現地軍が反乱して本国に攻め込んでくる。彼の両親たちはマルセイユ生まれ。そういう恐怖を生前語っていたという。 身近にある戦争。フランス人はこの映画の製作時期そう感じている人が少なくなかった。 この映画は1964年に上映されたけど、脚本などはその前、クーデター頃に書いていただろう。脚本は監督も務めたジャック・デュミ。 「この人、バイだったのよ」と、その仏人もバイなんだけどね。 「戦争に行かされて、平和に帰ってくるわけがない」そういうメッセージを込めて、ギイと17歳のジュヌヴィエーヴを結局別れさせたのは、後のフランス国内の混乱を込めたもの?(ジャッカルの日はその暗い面の映画だ) という、友人の見解だ。生臭い裏面があると彼は言う。となれば、時折軍服の人が映る。”彼の、二人の将来の暗喩”という意味なんでしょな。 【亜輪蔵】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-29 10:47:21)(良:4票) 119.《ネタバレ》 台詞を全て歌にするという大胆な試みを今なお愛され続ける名作に仕立て上げた監督・脚本のジャック・ドゥミによる話術が見事で、一つ一つのシーンが実によく計算された色の配置と音楽がとても美しい映画です。 上からとらえた雨の石畳の歩道、色とりどりの傘、ミシェル・ルグランの音楽。このオープニングから素晴らしい。オープニングから全編にわたり大胆にピンクや赤を多用しそこに青や緑を配した色彩感覚と、常に流れるルグランの音楽、台詞が全て歌のフランス語の響きも、カトリーヌ・ドヌーブも、全てが見事に美しい。 台詞が歌ということに不思議なほど違和感を感じず、歌になっているので台詞による感情表現が実にシンプルでストレートなものになっており、それが新鮮で純粋に感じられ、テンポの良さと独特の心地よさも感じられます。 オープニングに降っていた雨はラストシーンでは冷たい雪に変わっていた。その間には戦争があった。ジュヌビエーブが今幸せなのかははっきりと語られませんが、黒い衣装に身を包んだ彼女が立ち去る淋しげな姿と、子供とはしゃぐギイの幸せな姿が実に対照的な戦争により人生を大きく変えられてしまった二人の姿に、白い雪とルグランの音楽が重なる見事なラストシーンは悲しくも何度見ても感動します。迷わず10点満点とさせていただきます。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-01-20 21:25:07)(良:3票) 118.《ネタバレ》 何度もこの映画を観ていると、色々なシーンでの監督の計算高さに感服させられます。最も凄いのは、オープニングクレジットのシーン。傘の配置(動かし方)が実に綿密に計算されていて、文字が出ていないところを、そのスペースを埋めるように傘が通っているのです。見事! そして、この映画で背景が効果的に用いられている点を主張したい。というのは、序盤でドヌーヴが店から出てきて二人で抱き合うシーンでは、白地の模様入りの壁が背景になっているのですが、ギイが兵役を終えて帰還した時と、修理工場を辞めてからもう一度彼女の店に行く時にも、序盤で二人が抱き合うシーンのその白地の壁がそのまま出てくるわけなのですよ。つまりここで、序盤での幸せだった頃との対比をこのわずか1,2秒のシーンでさり気なく表現していると思うのですが、このようなちょっと気を抜くと見過ごしてしまいそうなくらいの些細な演出が私は大好きなのです。 ここまで計算されていると、あの街並みは実はロケではなくわざわざセットを作って行われたのではないかという疑念まで湧いてきてしまいそうです。 ストーリーの方が、これがまたこの映画のさり気ない演出に負けないくらいにナチュラルに仕上がっているので気づかずに素通りしてしまいそうですが、身篭った娘の母親の心情なんか、初めて娘の妊娠を打ち明けられた時はカンカンに怒っていたのがお腹が大きくなるにつれて娘に対して少しずつやさしくなっていき、しまいには子供の服まで買ってきてしまったりする心理描写は妊婦の娘をもった母の心情をとてもうまく描いていると思います。鋭い人間観察ができる人でないとこのようには描けないでしょう。だんだんと手紙の様子が変わっていって、最後の方になると質問に答えなくなったとか、違う話題に話をそらせたりするのも、本当にありそうで怖いですし、また、「誰の責任とは言わないが困っている」や、「それが、申し上げました通り・・・」なんて、本当に実際に聞いたことがあるような日常で普通に交わされるナチュラルな台詞ですよね。 それと、ラストの場面の会話をよく見てみると、今は「自分の店と幸せな家庭」という守りつづけていくものがある、というギイの確固たる決意が垣間見れたのに対し、ジュヌヴィエーヴの方はわずかながら寂しげな気持ちがあるように見えました。この二人の心理描写もまたナチュラル(自然な感じ)です。 【もっつぁれら】さん [地上波(字幕)] 10点(2005-01-16 20:08:38)(良:3票) 117.当時のハリウッドの絢爛豪華なセットと、急にオーケストラが鳴り出して歌いだすミュージカル映画に反発して、あえて全編セリフすらも歌にしてしまう試みは衝撃的だ。この監督のコンセプトを知らずして「セリフまで歌の必要性があるか」のレビューはあまりにも切ない。 衣装もパステルや原色のはっきりした色を配置し、あくまで非現実感を演出。徹底的にハリウッドのそれらに喧嘩を売っている。しかしそれだけでは企画倒れになりそうなところだが、当時二十歳のカトリーヌ・ドヌーヴの神々しいまでの美しさと明るさと切なさを織り成すミシェル・ルグランの楽曲、そして誰しもが経験する「戻すことのできない時の流れと、かつて愛した人との別れ」という王道テーマによって最後まで描ききったのは見事だ。 【やしき】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-13 16:26:00)(良:2票) 116.《ネタバレ》 1960年代は、「サウンド・オブ・ミュージック」から始まって、ミュージカル映画が日本で上映されると逃さず見たものです。 この映画もその一つ、フランスのミュージカルということで期待して見に行ったのですが、びっくりすることばかりでした。 まずはオープニング、雨の歩道にカラフルな雨傘、流れる主題歌、もうたまりせんね、なんとお洒落なのでしょう。 そして台詞がすべて歌ということでびっくり、カトリーヌ・ドヌーブさんはすばらしい歌手だと思ったら、すべて吹き替えだったということで、またびっくりでした。 後に私の好きな「ふたりの天使」を歌ったダニエル・リカーリさんとわかって、またまたびっくりしたものです。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-02-21 08:09:48)(良:2票) 115.《ネタバレ》 名作と誉れ高い今作。今頃になって初めて観たんだけど、ビックリしました。愛を誓った男が兵役でいなくなり、お腹にその男の子供までいるというのに、わずか数ヶ月で他の男と結婚してしまう。音信が途絶えて2年・3年待ったというのなら納得しなくも無い。でも、手紙も届いているし男は愛情を失くしていない。フランス人の恋愛観はあれを許容できるのか? カラフルな色彩感やメロディーにあわせて全台詞を発する試みも、私にはジュヌヴィエーヴの変心で黒く塗りつぶされました。誰が見ても自分勝手な10代女性の安直な選択でしょう。数年後の再会シーンで悲劇を演出しているのも鼻に付きました。こちらでは軒並み高評価ですが、みなさんあの展開に納得しているのでしょうか? それともストーリーは気にしなくても良い映画なのか? 私はかなり腹立たしかったです。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-02-09 03:20:18)(良:1票) (笑:1票) 114.画の美しさに関しては言うはさらなりって感じです。原色の背景の中ピンクもライトブルーも着こなしてしまうドヌーヴ演じるジュヌヴィエーヴ、匂い立つ美しさというのは正に彼女のこと。本当に美しい。人間の行動って全て白とか黒とかつけられるものじゃないということを最近身にしみて分かりました。誰しもどこかに曖昧なグレーな部分があって、それが高じてひとを傷つけたり傷ついてしまったりする。そしてそれは普遍に流れている時間だったり傍にいるひとが傷を癒してくれたりしていつか引いていく…。人生はその繰り返し。生きてゆくことは、白黒つけるよりもむしろ、曖昧グレーな部分を上手に隠してゆくことかもしれない。「シベールの日曜日」以来、久々に魂をゆすぶられた感のある映画です。ひとを愛して、別れを経験したことのある方ならきっとどこかで共感できると思う◎ 【SAEKO】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-03-31 14:52:20)(良:2票) 113.《ネタバレ》 うわあ~!なんだ、この映画!もう完全にやられた。まずは最初に映し出される沢山の傘!ミッシェル・ルグランの美しいメロディ!そして、物語開始からずっと最後まで全ての台詞がメロディ付きというこれまた今まで一度も観たことのない世界!物凄い新鮮で、物凄く感動しました。物語そのものは至ってシンプル!愛し合う若い二人がお互いの事情により、離れてしまう。こんなどこにでもあるような物語なのに、凄く面白い。しかも、泣ける。もう本当になんと言うのか、物凄い美しさ、画面全体の美しさだけでなく、カトリーヌ・ドヌーブの美しさ、可愛さ、音楽の美しさ、それだけでこんなにも泣ける。隣の家の犬の鳴き声と最近、家の周りに出没する野良猫の他の猫を求めているような鳴き声までが、美しく聞こえてしまう。冗談なんかじゃなくて、本当にそのぐらいどんな音でも美しく聞こえてきてしまい、泣けて、泣けて、仕方がありませんでした。観終わって、間もなく一時間経つけど、未だに思い出すだけで泣けてくる。こうして書いてるだけで泣けてきて、やばい!涙で眼の前が見えなくなってきた。文句無しの10点です。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-02-10 22:13:56)(良:2票) 112.学校で恋愛感情についての学習という一環で見せてもらったこの映画。フランス映画に苦手な印象を持っていた私でも大いに感動できました。先生が「人生こういうこともあるんだよ」と言っていたのが忘れられません。でも、周りの生徒は「退屈」「・・・シェルブールの雨合羽?」とかさんざん叩きまくってて、見ているこっちは別の意味で切ない気分になってしまいました。 【シェリー・ジェリー】さん 8点(2004-10-02 14:28:33)(良:2票) 111.言葉にならないくらい素晴らしかった。永遠に残って欲しい映画です。 【いざ、ベガス】さん 10点(2003-11-11 00:29:46)(良:2票) 110.ああ、もうなんか眺めてるだけでもいいのよね、この映画。ウツクシキ色合い、うるおいのある質感、ちょいと間抜けな歌ゼリフ、その全てが、むさい男のハートを直撃!身の程をわきまえぬ憧れをいだかせてしまうのであった。責任とってくれ! 【モートルの玉】さん 8点(2003-07-13 03:16:07)(笑:2票) 109.《ネタバレ》 サントラで聴く音楽が似てたので、きっと「ラ・ラ・ランド」の原型はジャック・ドゥミなんだろうと思ってましたが、ここまでソックリな話だったとは驚きました。つまり「ラ・ラ・ランド」は、ほとんどこの映画のリメイクなのだと言ってもいい。未熟な男女の幼くも甘い恋の夢が、現実と打算に破れて別の相手と結婚してしまい、それぞれが人生の安定を手に入れた後に再会する…という物語の構造はほぼ同じです。ただ、本作の場合は「ラ・ラ・ランド」と違って、男女の幼さだけが原因なのではなく、母や叔母の望んだ相手との妥協の結婚だったという面もありますが。 それにしても、再会を約束したうえに妊娠も分かっていながら、わずか2年の兵役さえ待てずに別の金持ち男と結婚するってのは、一般的な日本人の価値観からはかけ離れてすぎていてドン引きです。さすがは二股三股の恋愛が当然のフランス人恐るべしですが、裏を返せば、連れ子をまったく厭わないフランス人の寛容さなのでしょうか。いちおうアルジェリア戦争を背景にはしていますが、これを「戦争によって引き裂かれた悲恋」とは解釈しにくいし、ここから反戦のメッセージを汲み取るのも難しい。 とはいえ、漫画か御伽話のようなカラフルで可愛らしい世界のなかで、夢見る男女が歌だけで繰り広げる物語には、やはり愛おしさと切なさを感じてしまう。ルグランの音楽も相まって、フランス人のお洒落なセンスが画面に充溢してます。冒頭の雨の降らせ方が初歩的な技術も覚束ないようなヘタウマに見えるのも意図的なんでしょうか? 【まいか】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-04-11 02:07:46)(良:1票) 108.《ネタバレ》 なんと美麗なオープニング。甘やかな音楽と小雨に濡れる石畳を行き交う色とりどりの傘。真上からのショット。完成された美意識にのっけから心を掴まれます。色彩と構図に美的センスが全編にわたって貫かれ、傘店の壁紙とジュヌヴィエーヴとその母の衣装の色合わせには圧倒されました。ピンクの壁とオレンジのスーツ。この色配置が悪趣味にならないところがフランス人、すごい。ジュヌヴィエーヴの花柄(壁もワンピも)も素敵でした。 ということでアートな分野では他の追随を許さぬ完璧な画で押してくる作品なのですが、実をいうと総合点では微妙でして。 台詞がオール歌、という決まり事はともかくも大雑把なあらすじ風メロドラマといった趣のストーリーにはかなり引きました。どんなに美しく悲恋を歌い上げられても、ヒロインのあまりに即物的な薄情さには涙の出ようもありませんでした。帰還した男の荒れようにむしろ私は胸が痛みますね。 そもそも台詞がすべて歌だと細やかな心理描写などできようもないですもん。言いよどんだり、声が上ずったり、人の思いって言葉に出るもの。いきおい宝石商のキャラも大変に浅く、こんな男にあっという間に鞍替えするヒロインもまた共感を得るのが難しくなっちゃうのです。 ミュージカルが苦手な原因が自分でよく分かった映画でありました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-08-18 23:40:47)(良:1票) 107.《ネタバレ》 言わずと知れた名作。この映画はミュージカルというよりオペラだと思います。 オープニングから、かの有名な主題曲が流れ、色鮮やかな傘、傘、傘のシーン。 全編を貫く「お洒落感」はそりゃあもう半端なく、映像美と音楽美に圧倒されます。 ジュヌヴィエーヴのノースリーブワンピースと彼女の部屋の壁紙がリンクしているシーンでは思わず一時停止してしまいました。 内容はベタな恋愛ものですが・・・、結構重いです。それにも関わらず軽やかでクールでスタイリッシュなのは、日本では考えられません。良い意味で。 クライマックスで、ジュヌヴィエーヴが未婚(しかも17歳)で妊娠して、ギィ(お腹の子の父親)は出征して行方知れずなのに、お母さんは子供の誕生を純粋に楽しみにしている様子が描かれていて、この当時からフランスはシングルマザー大国だったことが伺われます。 ESSOガスステーションでのラスト・シーンは、三文恋愛ドラマなら、再会で焼け木杭に・・・となりがちでしょうけど、ここで再燃したところで誰も幸せにはならないことがよく分かっていると思いました。ジュヌヴィエーヴとマドレーヌを鉢合わせさせることもなく、素敵なエンディングだと思います。 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-17 14:03:03)(良:1票) 106.《ネタバレ》 ミシェル・ルグランの音楽があまりにも素晴らしい。であるからして「100%歌」というかなり攻めてる形式も、この作品に関しては成功だとしか言い様が無い。特に、ラストの感傷の素晴らしさたるや(個人的には映画でこんなに泣いたことは他に無いってレベルで号泣しましたですよ)。恋愛映画では圧倒的に一番好きですし、あと今作のドヌーブがワタシ的には「映画史上最高の美人」でありますね。 私はまた、純・恋愛映画とゆーのには構成要素は3つしかないと思っている。「愛し合う美女とイケメン」+「悲しい別れ」+「ムーディな名曲」ただこれだけだ、と(もちろん、ハッピーエンドな恋愛映画もあるだろ!というツッコミは百も承知ですが)。だから、特にルグランの力ゆえに、今作は恋愛映画の白眉のひとつたりえるのであろう、と。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-10-25 03:29:28)(良:1票) 105.色鮮やかな色彩世界が、徐々に色を抜かれ、ついには雪と夜のモノトーンに終着する。 若者たちの、熱く燃え上がった恋はあっけなく霧散した。 彼らのことを愚かだとは思わない。ただ若かっただけ。 すっかり大人になれば、そりゃ2年なんて瞬く間に過ぎ去り、心変わりの隙なんて生まれないだろう。 けれど、すべてが初めての体験の連続である濃ゆい時間を生きる若者たちにとって、未体験の2年を推し量る術などない。 それは、時代も、国も、関係なく、普遍的な若者たちの姿だ。 全編を歌唱で綴る完全なるミュージカル構成がやはり印象的。 そして、画面を彩る色彩が、そのまま主人公たちの心模様を映し出す。 今年のアカデミー賞を席巻した「ラ・ラ・ランド」が、今作の影響を多分に受けていることは明らかだった。 映画史においての一つのエポックメイキングとなった作品であることは間違いないと思える。 大女優カトリーヌ・ドヌーヴを生み出した作品でもあることも、そのことに拍車をかけている。 時代を越えて、この映画の主人公の若者たちは、大人たちをやきもきさせてきたことだろう。 しかし、人生を「選択」することこそが、若者たちの特権だということも、大人たちは知っている。 だからこそ、限られた華やかさと美しさに彩られたこの映画を、人々は心の中で愛し続けるのだろうと思う。 結果的に、若者たちは不幸になったわけではない。むしろ逆だろう。 恋の未成就をさめざめとしたハッピーエンドとして描き出したこの恋愛映画の在り方は、公開当時、歌唱や色彩の演出以上に、センセーショナルだっただろうな、と思う。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-05-05 21:00:57)(良:1票) 104.セリフ全体を歌でしゃべるという冒険的な手法ながら完璧に見事成功といえます。素晴らしい。映画というより、最高の舞台劇に招かれた感覚!! 愛する恋人を徴兵に取られて別れを惜しむ停車場のカフェの場面でのドヌーブとカステルヌオーボのなんとも切ない演技は圧巻でした。 【白い男】さん [地上波(字幕)] 10点(2008-12-18 16:28:08)(良:1票) 103.切ないねぇ。雪が舞うラストシーンは鳥肌が立ちました。子供を抱き上げるギイの姿が印象的です。悲しくて美しい旋律の音楽が素晴らしかったです。 【ギニュー】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-27 23:29:48)(良:1票) 102.自分も(SIX-COIN)さんと同じで「オペラ座の怪人」が全く受け入れられなかった内の一人。「オペラ座の怪人」観ながら「この形式って前にどっかで・・・」とこの映画の事を思い出した次第。こちらにはもうしょっぱなから「ぽ~っ」となれたのにどうしてなんだろう?ヒロインの魅力の差?(これはもうドヌーヴの圧勝!)盛られた歌曲が単に自分好みだった?(「オペラ」は同じ曲を何度何度もリピートして飽きる)ストーリーが俺好みだった?・・・色々考えたけど、こちらのほうが観客をロマンチシズムにのめりこませる雰囲気醸成が抜群にうまいんだと思います。これはやっぱりドゥミ監督の卓越した音楽と映像センスの賜物、なんでしょうね。 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-25 10:44:20)(良:1票) 101.《ネタバレ》 筋書きは予想通りで、ごくごくありふれたものなのだが、あの雪のラストシーンはグッと来るものがあった。「あなた、元気?」「ああ、元気さ」普通なら出会いがしらに言うような台詞を交わすあの別れ際が何とも言えない。互いに憎むことも責めることもなく、自分や相手の過去を肯定した大人の別れ。哀しいけれど、単純に見えるけれど、これこそ良い恋愛で、良い別れではないか。スクリーンを観ながら、思わず「イイねぇ!」と呟いてしまった。古典的な悲恋物語の常道だが、やっぱりこれが古い映画の醍醐味だ。‥‥‥個人的には、ミュージカルとは、「サウンド・オブ・ミュージック」や「マイ・フェア・レディ」のように、物語の筋書きを台詞で追い、その中で高まった感情を歌で表現するのが王道だと考えている。この映画のように全てを歌で表現したら物語の脈絡もつかなくなってしまいそうだが、不思議にこの映画はその違和感を感じない。同じく全ての台詞を歌で表現した「オペラ座の怪人」が受け付けられなかったのはなぜだろう? 【six-coin】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-09-24 12:03:34)(良:1票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS